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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

キスイヤ!

2006-03-26 08:50:38 | 女の子
 「アホくさー」と思いつつ、月曜夜9時の日テレ『キスだけじゃイヤッ!』を見ていた。
 素人参加番組だが、まあ普通じゃ面白くないから、変わったカップルばっかり。ヤラセもあるのかもしれないが、浮気性だの、二股三股だの、変な癖があるだの。しかしだいたい女性の方が強くて、最後は男の負けるパターンがほとんど。
 ただ中には、年の差を越えてうまく行ったとか、前の夫(妻)との間に子供がいる相手だけど構わないとか、病気を克服しながら2人で頑張るとか、時にホロッとさせられて、それもまたいいアクセントになっていた。

 古いところでは『フィーリングカップル5vs5』や、「ちょっと待ったー!」でおなじみの『ねるとん紅鯨団』など、人の恋愛沙汰を見るのは、趣味悪いかもしれないけどなかなか面白いもの。「あんなことしなきゃいいのに」とか「はっきり言えよ」とか、傍目八目というのか、傍観者として、勝手なことが言えた。とは言え、自分の若い頃の恋愛だって、人から見れば滑稽だったに違いないのだが。その頃を懐かしむという意味合いも、少しはある。

 変わったカップルとは言っても、そこはやはりテレビで、常識的な線で落ち着く。四股かけてた奴はみんなから総スカンを食らうし、浪費ばかりしてた奴は反省させられるし。スタッフがうまいこと仕向けているらしいことは伺えた。そして司会の島田紳助。一時期スキャンダルで外れていたが、そのコメントはツボを突いたもので、どこまでが本当なのか、時には自分の経験を織り交ぜながら、「そうそう」「なるほど」と思わせるところ、やはりうまいなー、と感じる。

 その『キスイヤ!』も、あすで最終回だそうだ。おかしなカップルや面白いコメントに触れることもできなくなるが、4月からの、芸能人のお相手探しみたいな番組でも、紳助さんが司会をやるようだから、それはそれで面白いだろうと期待している。
 番組スタッフの皆さん、そしておそらくずいぶんとからかわれたに違いない出演者の方々、お疲れさまでした。
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海外出張報告(インド)

2006-03-19 08:57:17 | エッセイ
 
 これまではアメリカ・ヨーロッパだったが、今回初めてインドと中国へ。

 写真家・藤原新也だったか、アメリカとインドは見ておけ、という言葉がある。世界で最も進んだ国と、その対極にある国だからだ。アメリカへは2回行ってるし、もう一つのインド、ということで楽しみだった。どちらも仕事なのは残念だが。

 インド。伊豆半島で言えば下田あたりに相当するチェンナイ(旧マドラス)という都市。幹線道路は舗装されているものの、道端はまだ土がむき出し。そんな道を、車やバイクがひしめき合いながら走っている。古びたバスにはドアも窓ガラスもなく、シャッターがあるようだが開けっ放し。車の方は、上流階級だけが持っているものらしく、きれいな車ばかり。スズキ、ホンダ、現代、ワーゲン…。また、バイクに乗っている人はほとんどノーヘルで、2人乗りも結構いるが、後ろの人が前の人にしがみついていることはなく、自分の膝に手を置いているのは不思議だった。よほど足腰がしっかりしているのか。
 車とバイクとバスと三輪のタクシーと、信号もほとんどないため、右折左折や追い越しは割り込んだ者勝ち、というより勇気のある者勝ち。下手に信号機作ると、却って渋滞するのだろう。またクラクション、パッシングは当たり前。トラックの後ろには“HORN PLEASE”(クラクション鳴らしてね)と書いてあるほど。
 それと、横断歩道もろくにないから、人がやたらと道を横断しようとする。ギリギリのところで車をかわすが、中には道の真ん中で立ち往生するグループも。
 ただ、そんな車たちも、ヒンズー教で神聖なものとされる牛にだけは、道を譲っていた。高速道を、象が悠々と歩いているのにも出くわした。

 ホテルを一歩出ると、香料と腐臭の交じり合った独特の匂い。そして平日の真っ昼間だってえのに、人がやたらといる。上半身裸で道端に座り込んでいる者、そして物乞いも。子供、老婆、赤ん坊を抱いた女性、赤ん坊を抱いた子供までいる。しかしわずかでもあげればまた集まってくるのは目に見えているので、あげられない。日本円で高々10円でも、彼らにすればその100倍の価値がある。一緒に行った会社の人間は、真剣に悩んでいた。ただ、近づいてきても臭くはなかったので、小ぎれいにはしてるのだろうと思った。
 会社からは3人で行ったのだが、その3人で歩くと一番恰幅のいいのがタカられるのだが、同行のドイツ人と一緒だと、そのドイツ人のところへウジャッと。例えは悪いが、砂糖に群がるアリのようであった。ただ、僕ら日本人が同じアジア人として彼らに同情するほどには、ヨーロッパ人には、そんな感覚はないようだった。「遠い国の貧しい人々」といったような感じ。

 もう一つ行った中西部のムンバイ(旧ボンベイ)では、歩道上、何百メートルにもわたってバラック状の家が並んでいた。また、高級マンションのすぐ隣に貧民街が拡がっているのは、何とも考えさせられる風景だった。インド11億人のうち、中流が3億人ほど、上流がおそらく数百万人、それ以外は貧民、ということは実感できた。
 去年暮れに、クリスマスケーキやプレゼントなんて関係ない人たちがこの地球上にいる、というようなことを書いたが、確かにいた。ケーキはおろか、チョコやガムさえ口にしたことがないような人たちが。それもわんさと。

 ウジウジしながら生きている人たち、またそうでない人たちでも、一度はインドへ行ってみるべし。ただ、僕もやってしまったが(訪問先で食べた生野菜が悪かったか?)、おなかには気を付けて。正露丸が効かないウイルス性の場合もあるので、ビフィズス菌の薬も必須だ。ヨーグルトキャンディもあるといい。僕もたくさん持って行った。それと下痢でおしりの穴がヒリヒリするので、キップパイロールのような塗り薬も。

 食べ物のことも書いておこう。炒めご飯にしろスープにしろ、やはりスパイスの効いたものが多い。最初は物珍しいから食べるけど、だんだんツラくなってきて、スパイシーでないものが欲しくなる。
 それから、赤道に近いせいか、三日月はほとんど真横、受け皿のような形だった。

 しかしあの物乞いの子供の声は、忘れられない。“Money, sir. I’m hungry, sir. …”

(インドは書くことが多すぎた。中国のことは、また後日)
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日本地図と世界地図

2006-03-12 08:58:56 | エッセイ
 輪郭が軟らかい針金で出来た日本列島を想像してもらいたい。
 その、石川・能登半島と千葉・房総半島とをつまんで、上下に引っ張ってみる。すると、細長い本州がずん胴になると思うが、その形、何となくユーラシア大陸に似ていないだろうか。下総がシンガポール、中国地方がヨーロッパ、ということで。
 次に、四国と瀬戸内海の島々をまとめて房総半島の右下に、九州を四国があった所に持ってくれば、オーストラリアやアフリカの出来上がり。そして、稚内がアラスカの位置に来るよう、北海道を持ってきて少し変形させれば、北米大陸のようになる。ちょうど内浦湾が、うまいことメキシコ湾に重なるかと思う。
 南米そして南極大陸に相当する部分がないのが残念だが、これで世界地図らしくなる。

 部分が全体と同じ形になる…、まるでフラクタクルみたいだ。だから逆に、瀬戸内海かどこかに、日本列島と同じような形をした島々があるかもしれない。

 紀伊半島はアラビア半島、伊豆半島はインドに相当するわけだが、面白いのは、インドも伊豆半島も沖の方から移動してきてそれぞれアジア大陸、本州と合体したという点だ。さらに、その北の方には、チョモランマそして富士山と、最高峰が控えているというのも興味深い。
 まあこれは、造山運動と言うのか地殻の運動(プレートテクトニクス)で説明できるとしても、日本一の湖・琵琶湖が、ちょうど世界一の湖・カスピ海に重なるのも不思議な話だ。
 ついでながら、伊豆とインドとは、何となく語感も似ている。

 僕の住む静岡県はインドからパキスタンあたりに“移動”することになるのだが、世界地図になっても“移動”しなくて済む地点が、日本のどこかにあるはずだ。だいたい宮城県あたりだと思うが、そこは、この場合における〈特異点〉だと言える。

 も一つついでに言うと、アフリカ大陸の形は頭蓋骨を横から見た形によく似ていると思うのだが、そこが、原人の頭蓋骨化石がよく出土する人類発祥の地であるというのは、単なる偶然だろうか?

(3月16日追記:『借力』というサイトに「バカ日本地図」「バカ世界地図」というのがあるそうだ。上に書いたようなことは、ひょっとしたらそこに載っているのかもしれない。投稿もできるようなので、もし載ってなければ、どなたかどうぞ)
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