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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

言い換えの術

2010-09-26 09:38:30 | こころ
 
 東京都心のこの夏の真夏日日数が、過去最高の71日だったという。ここ静岡でも同じくらいあって、やはり2010年の夏は記録的な暑さだった。(記録的と言えば、白鵬そしてイチローも)
 ただ「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、23日(秋分の日)以来、一気に涼しくなってきている。この時季になると誰しもセンチな気分になるようで(僕の場合、学生時代の前期試験をよく思い出す)、これもまた、日本人の気質形成に大きな影響を及ぼしていることだろう。(中国人も日本に住めば、穏やかになるだろうに)
 さて今回は、センチというか後ろ向きの気持ちを前向きにする方法をば、紹介したい。

 気持ちが後ろ向きの人は、否定的な言葉をよく口にしている(あるいは思っている)ようだ。たとえば、「ダメだな俺って」「イヤだイヤだ」「ツラいなあ」「嫌いキライ」「面白くねえ」「バカ野郎」などなど…。
 「ダメだ」と言っていると本当にダメになってくるし、「イヤだ」と思っていると大したことじゃなくてもイヤんなっちゃう。そこでこれを、第一声はそのままに、ちょっと言い換えてみる、というもの。

  ダメだ   ⇒ ダ、ダ、大丈夫!
  イヤだ~  ⇒ イ、イ、行ける!
  ツラいなあ ⇒ ツ、ツ、ツイてる!
  キライだ  ⇒ キ、キ、気分いい!
  面白くない ⇒ お、お、おおきに!
  バカ野郎  ⇒ ば、ば、万事OK!

 これは、かの斎藤一人さんや小林正観さんが唱えている〈地獄言葉/天国言葉〉の応用でもある。「ダメだ」と口を突いて出てきそうな時(あるいは思いそうになる時)の「ダ」を、「ダイジョウブ」に換えるのだから、やり易いんじゃないかと思う。(書いてて思ったんだけど、これらの頭文字を順に読むと「大ツキをば」となる。いいんじゃない?)
 言葉を換えるだけですべてうまく行くほど、世の中単純ではないだろう。でも少なくとも、事態好転のチャンスは増えるに違いない。言霊の力を、侮ってはいけない。

 この方法、始めて間もないんだけど効果はまずまず。言いだしっぺなんでひいき目もあると思うんで、どなたかいい効果のありましたら、教えてください。
 

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紛らわしいこと

2010-09-19 09:33:03 | エッセイ
 
・サッカーの3バックと4バック
 「バック」とはそもそも守備なのに、それが増えることでなぜ攻撃的になるのか。サッカー見始めの人は戸惑うことだろう。たしかラグビーは、バックスが攻撃をするんだった。説明しないとね。

・センターバック
 「センター」とはそもそも「真ん中」という意味だから、4バックの場合、それが2人というのはどうも違和感がある。「最も有名なブロガーの一人(one of the most famous bloggers)」と同じ感覚なのかもしれない。野球のセンターが2人いたら、やはり変だ。

・セカンドとショート
 その野球のセカンドとショートとは、センターラインを挟んでだいたい対称の位置で守備をするのが合理的。なのに「二塁手」ということで、子供の頃の草野球では二塁ベースに張り付いていたものだ。

・電子と電気
 電流は「電子の流れ」と定義されているのに、電子の流れの向きは、電流の向きと逆である。電子がマイナスであるためだが、仕方ないのかねえ。

・電解液
 食塩水など、電気を通すと言われるけれど、導線みたいに陽極から陰極に電気が流れるわけではない。この辺、ちゃんと教わった人って少ないはず。

・源氏物語と平家物語
 「みなもと」と「たいら」と言えば、平安時代に武士として覇を競ったライバル。それなのに、源氏物語の方は光源氏という貴族の恋愛小説だとは。

 ほかにもあるだろうけど、とりあえず。

〔イラストは、ウィキペディア「サッカーのフォーメーション」より〕

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1000億年後には…

2010-09-12 08:41:37 | 科学/考察
 
 科学/宇宙好きの人は見たと思うが、4日(土)の『サイエンスZERO』で暗黒エネルギー(ダークエネルギー)が取り上げられていた。もともと物理をやりたかったんで僕も興味深く見たのだが、ちょっとした無力感に陥っているところ。

 ビッグバンに始まり膨張を続けるこの宇宙、重力によって膨張速度が弱まるどころか、逆に〈暗黒エネルギー〉によって膨張の度合いが強まり、今から1000億年後には重力などに打ち勝って、すべての物質が素粒子の段階にまでバラバラになってしまうという。〈ビッグリップ〉(大いなる引き剥がし)と言うそうだ。
 核戦争や隕石衝突、ノストラダムスやインカ暦滅亡説も真っ青の事態である。
 この暗黒エネルギー、遠く離れれれば離れるほど大きな作用を及ぼすという、およそ普通の物理学では考えられないもの。だが、重力や電磁気力とはまったく「異次元の」ものであれば、それもアリかなと。

 僕もあなたももちろん生きてはいないけれど、輝く星々やおそらくブラックホールさえ、なくなってしまう。どうにも想像できないけれど、まさに「虚無」の世界。
 これ聞いて思ったのは、1984年の映画『ネバーエンディング・ストーリー』。子供の想像力の世界が〈虚無〉によって滅ぼされそうになるというもの。
 または、冒頭の太極図/陰陽図のようなイメージ。

 せっかく生まれた星たち、それと人類含む生命体をなぜ終わらせる必要があるのか。宇宙は永遠だと思っていただけに、残念なこと(いやあるいは、素粒子漂う宇宙空間自体は残るのかも)。
 1000億年に、人類の子孫なり異星人なりいるのかどうかわからないが、すべてが引き剥がされることになれば、それは残念なことだろう。「なぜだ!」と言いたくもなるだろう。
 誰でもいいから、なぜ宇宙がそんなことするのか、解明してほしいものだ。その仕組み、そしてその理由を。

 〈真空エネルギー〉というのがある。真空状態の中では粒子が発生/消滅しているという。これが暗黒エネルギーと関係あるらしいのだが、そもそもなぜ真空で粒子(エネルギー)が発生するのか。
 で、素人ながら考えたことは…
 おそらく、何かが存在していれば、外の宇宙(別次元と言ってもいいのかもしれない)からは入ってこれないのだが、希薄そして真空になると圧力が弱まった格好となり、そこを臨界点として外からエネルギーが入りやすくなるのだろう。暗黒エネルギーなるものが浸入/にじみ出てくるのだと。
 宇宙の暗黒エネルギーはどんどん増えているらしい。自己増殖する性質なのだろうが、エネルギーであるからには、増えるにはどこからか供給されなくてはならないから、それは宇宙の外からしかない。宇宙の真ん中でも暗黒エネルギーは増えているはずだから、宇宙の周りから浸入しているというより、宇宙と重なった、いわゆる異次元の形でしかあり得ない。
 まだ明らかな成果は上がっていないようだが、スイスのCERN・大型加速器施設で、異次元の存在確認実験が実験が行なわれている。宇宙の重力が比較的少ないのは、どこかへ抜けているからだろうということ。
 つまり宇宙の中と外とで、重力や暗黒エネルギーがやりとりされている…と、こんなイメージ。

 自分が死んでも、人類あるいは何かしら生物は生き残り、いつか宇宙に進出していく…そんなイメージをずっと持っていたのだが、それもいつか〈ビッグリップ〉によって終焉を迎える。こうして書いていることも、記憶媒体ごと消えてしまう。
 人類の知恵と技術のすべてを何か頑丈なタイムカプセルに納め、異星人/未来人に託したとしても、いずれ跡形もなくなくなってしまう…。これが僕の無力感なのだが、ひょっとしたら1000億年後の知的生命体は、異次元への移動手段を開発しているのかもしれない。。
 〈宇宙意思〉というのがあるとすれば、それが宇宙の終わりを決めているのだろうから抗うことは無理なのだが、想念あるいは魂というのもやはり消えてしまうものなのだろうか。そういう形のないものは、この宇宙とは別次元のところの話のような気がする。
 死ねば、ビッグリップの謎も理解できるのだろうか。だとすれば、死ぬことも楽しみになってくる

 …番組見て以来、ずっとこんなことを考えています。
 再放送もおととい11日に終わってしまいましたが、NHKオンデマンドで今月18日までやってるそうなんで、見逃した方は是非。考えるところ大だと思います。
 あそうそう、宇宙創成をテーマにしたショートショート『理科の実験』というのをおととしの7月に書いてますんで、良かったらどうぞ。
 

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小沢一郎君のことなど

2010-09-05 09:37:55 | 時事
 
 菅直人君との話し合いが決裂したそうで、小沢一郎君が民主党の代表選に出ることになった。
 同じ党でありながら、片や金権反対の合議派、片や金権信奉の親分肌ということで、「猪木 vs.アリ」よろしく〈世紀の対決〉みたいになっている(または栃若のようながっぷり四つ)。W杯の決勝じゃないけれど、結果次第でこれからの日本/世界の流れが変わってしまうことに。
 国民は菅君、国会議員は小沢君を多く支持しているようで、これまた“ねじれ現象”だと言える。

 おそらく小沢君が勝つだろうが、表舞台に出てくることになれば、マスコミからまた叩かれることになるだろうし、国民からの視線も自然厳しくなるだろう。もうしばらく静かにしていればいいのに、と思うのだが、これまた「怖いもの見たさ」である。
 新聞や週刊誌は売れるし、報道番組やバラエティ番組もより見られるし(マスコミの陰謀か)、飲み屋での世間話も盛り上がって余計飲むことになるから、あるいは景気対策の一環と言えるのかもしれない。(そこまで考え抜いたか)

 冗談はともかく、かわいそうなのはポッポッポの鳩山由紀夫君(引退すんじゃなかったのか)。薩長を結んだ坂本龍馬を気取ったか、2人の間を取り持つつもりが無駄働きになって、ボヤいていたとか。
 菅君も小沢君も、唯一の総理経験者とはいえ、鳩山君が相談相手というのも気の毒。どう見ても力不足、ああいう甘ちゃんが仲介役じゃあね、というのが大方の見方のはず。背は高いけど、2人に比べればスケール小っちゃいんで、いいように使われただけ。

 こういう混迷の時代を乗り切るには小沢君みたいな強引なリーダーが必要、という意見には賛成(失礼ながら人相よろしくないんで損しているようだけど)。ただ検察含め、国民がどれだけ「寛容」になれるか。国民の力量が問われるところ。(チマチマした今の日本じゃ、難しいのかも)
 ところで、3年前の野党時代に代表から退くと言いながら続投した小沢君、政界を引退すると言っていた鳩山君、そして北海道で農家やると言いながらサッカー協会の理事に納まっている岡田君、みんな嘘ばかり。「言うたことはちゃんと守れ!」と言われて育った者として、こういうのには寛容になれない。

 …下世話な話になってしまったんで、最後にお口直しを。
 何年、何十年かして、小沢君が引退/亡くなった時、「ああいう剛腕政治家もいたよな」と懐かしがられることだろう。政治家に限らず、現役/生きてる時はなかなか誉めてもらえないもの、それが世の中。
 あそれから、いつだったか小沢君が「西洋の一神教は排他的」とか言って物議を醸していたが、あれはあれで一面の真理を突いていたように思う。

〔写真はテレ朝NEWSより〕

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