大瀧詠一『雨のウェンズディ』

　年末に亡くなった大瀧詠一の名盤「A LONG VACATION」を借りてきて聞いている。
　アンニュイな感じでつぶやくような歌はどれもいいんだけど、中でも『雨のウェンズディ』は心に沁みるいい歌だ。アルバム聞いていない時もずっと頭の中で口ずさむほど。
　いわゆるトレンディドラマのテーマソングにいいと思うんだけど、どうなんだろう。恋人同士が別れる場面、あるいは久々に再開する場面にかぶせたらきっとハマるんじゃないか。（いや、もうすでに何かで使われたかも）

　ところで、出だしのフレーズ「壊れかけたワゲンノオオ」というのがよく分からなかったのだが、歌詞カードを見て「ワーゲンの」だということがわかった。
　もう一つ。アルバムに収められた作品はいずれも作詞が松本隆だったってこと。作曲は本人で、伝説のグループ〈はっぴいえんど〉の、ゴールデンコンビ。

　そんなこんな書いているうち、誰かのライブにでも行きたくなってきた。大瀧詠一はもう無理としても、井上陽水とか中森明菜とかサザンとか、綺香もいいかもしれない。アンテナ張っておくか。
　

七輪でお餅

　
　田舎だから出来るんだけど、年末から年始にかけて、庭に七輪を持ち出してお餅を焼くことにしている。（毎年大掃除の日のお昼も、お餅）

　拾っておいた小枝なんかを炭と一緒に燃やし、炭に火が入ったところで網を乗せて、と。
　もちろん焼きたてアツアツのを食べるがいいんだけど、焼く係というのが断然面白い。網にくっ付いた焼け焦げが何といってもウマくて、割り箸でこさぎ取りつつ味わうのがいいんだよねー。
　それから、焼けた炭に醤油をちょっと垂らした時の香ばしさというのは、日本人なら誰しもうっとりするものであるに違いない。
　子供たちにもこの楽しさを味わってほしいものだが、「外寒いからヤダ」とか言ってやろうとしない。（それはそれで、僕自身焼く係を楽しんではいる）

　その七輪、夏場は夏場でソーセージなど焼きながらビール飲んで、さながら「ミニバーベキュー」といったことをやっている。暑っつい時、ウマいんだなこれが。
　季節限らず、炎や炭火を見ているだけで癒やされる面は確かにある。ただ煙やにおいの強いサンマなんかは、近所迷惑になるんでなかなか…。
　

首相だって、分からない

　昨年驚いたことの一つに、元首相の小泉さんが「脱原発」を提唱し始めたこと。現役の時はもちろんそんなこと口にすることもなかったのだが、どうもフィンランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」を見学して、その意を強くしたんだそうだ。
　曰く「専門家から『大丈夫です』と言われれば、そうだろうと思うでしょ」

　日本の行政のトップともなれば守備範囲は相当広いから、細かいところまでの判断は付かない。「餅は餅屋」ってんで専門家に聞くことになるんだけれど、その専門家がどこかの業者と懇意にしていたり業界から研究費用を援助してもらっていたとすれば、その意見に歪みを生じるのは、当たり前といえば当たり前。
　それを知ってか知らずか、現首相含め政治家はそんな意見を受け入れるしかない。古今東西、変わらないことだろうと思う。

　僕も会社では最後の欄にハンコを押すことがあり、その前にたくさんハンコが並んでいればハンコ打ちたくなるし、持ってきた人から「これこれこういうことになりましたから捺印願います」と言われれば、特に疑問ない限りハンコ押すことになる。
　そう悪意のある人間はいないようだからある程度安心はしているんだけれども、善悪はともかくとして誰しも思惑どおりにしたいと考えるのは当然といえば当然のこと。
　それは、学校でも会社でも官庁でも国家でも同じこと。

　ところで、これまた元首相の細川さんが東京都知事に立候補するらしい。不本意な形で退陣した人だし、小泉さんと組むそうだから、これはこれで現政権へのいい牽制になるのだと思っている。
　

日本に生まれて良かった

　
　年末からのカゼも何とか治って、無事年を越すことができた。
　早めに大掃除をして紅白見て（薬師丸ひろ子が出てきたのは嬉しかった）、初日の出拝んで初詣をして、と。それからウマい日本酒飲りながらおせちを味わう。
　その間、面白そうなテレビも。ＮＨＫ－ＢＳでやっていた井上陽水や中島みゆきの特番が、なかなか良かった。（僕はそれぞれ『帰れない二人』『時代』が好き）
　あと再放送ながら、無形文化遺産となった〈和食〉を取り上げたＮＨＫスペシャルも興味深かった。「アスペルギルス・オリゼ」（コウジカビ）なる微生物が、味噌や醤油、日本酒を作り上げているんだそうだ。それらを守り、育てる人たちがいることを改めて知った。
　日本に生まれて良かったなあ、とつくづく感じながら、お酒やお刺身を戴いている次第。
　…いい年でありますように。