Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

自炊食

2013-02-06 11:13:30 | 
旧友のS氏が大腸癌の治療による長めな入院から復帰して普通の暮らしに戻っている。不動産鑑定士業務も構造不況らしいが仕事を再開したらしい。積もった近況話を交換する為に代々木八幡の和食店で食事、目黒駅東口の路地にある昔の昭和風カフェ「Do」でお茶をする。ここへ近くの白金に住んでいるやはり旧友のカメラマンS君も急遽加わって三者特有の辛辣で諧謔っぽい与太話を久しぶりに楽しむ。

自分は先に心臓を患った。あとの二名は元気で金も無いのに遊蕩の日々を楽しんでいるのかと思っていたら、どちらも厄介な病気に見舞われているとの風の便りが届いてきた。会って話を聞いてみると快復しているのか、進行をなんとか防ぐだけなのか、宙ブラリな毎日で焦りと諦めが同居しているような冴えない顔色をしている両人である。それでも10キロほど痩せて年令相応に老けこんだS氏だが、鳥瞰図的人間読解や情況読解の言辞はやっぱり耄碌していないところが面白い。

同じ全共闘世代のやっかみ目線で都知事になった元信州大全共闘出身のルポ・ライター猪瀬直樹知事への評なども穿っている。「猪瀬という男は権勢欲の亡者だから、都知事を辞してその後に衆議院代議士になることを狙っていてその権勢欲は最終的に完成するだろう」等と云っている。S氏の人生を振り返ると頭は冴えているのに権勢欲にはやはり無縁だった。こんなフレーズを聞くと岡留氏が主宰していた廃刊雑誌「噂の真相」の各ページの端っこに載っていた時局録めいた醜聞暗示風な字句を思い出すので無責任に面白いものである。

S氏の全共闘性を甘えや仮装の一種と学生時代からみなしていた大学教師のYさんから電話をもらった。やはりS氏の身を案じているのだが、ついでにS氏の放縦人生を批判することも忘れてはいないようだ。彼の食生活、飲酒生活のでたらめ振りを難じる返す刀で、こちらのラーメンなどが好きだった油脂過剰摂取生活の過去も揶揄することを忘れない。お互いに年を取ったような証拠の話題である。

釈明ではないが、Yさんに自炊食事の最新献立例を説明する。カマスの塩焼き、ワンタンスープ、大根の柚子入り甘酢漬け、納豆、自家製ラッキョウ、ゼザートは蒸かしたサツマイモだ。病んだ彼らの話を聞いてから始めたメニューではない。ここ数年に及ぶ心臓病後の節制食である。


和風献立のこういうものを食べているからといって病気が防げるものではないことは分っている。Yさんの場合はこうした魚等が含まれている動物性蛋白は一切、採らない。全てベジタリアンで徹底している。彼に不徹底を指摘されるが、だからといって従うこともないのが食生活である。今日も伊勢原の街を歩いていたら、「麻釉」という揚げ物の店があった。そこで大きな牡蠣のフライでも食べてみたい気分が湧いたが、小さな積み重ねをフイにしてしまうのが怖くなって自制してしまった。


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