Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

漫画家 畑中純 死去

2012-06-13 14:28:08 | その他
夜勤が明けて早朝の空をみていたら薄日が射している。梅雨の小休止といった好天気だ。気まぐれに温泉銭湯めいた所でさっぱりしたくなって、たまに立ち寄る東海大学前駅の丘にある「さざんか」へ行く。10時からのオープンを待って一風呂浴びてそのあと畳敷の休憩室にてゴロリと寝そべっていたら、気がつくと時計は12時半を廻っている。家に戻って雑事をこなしたあとにパソコンの玄関を開けてみたら驚愕の記事が飛び込んでくる。

漫画家畑中 純の訃報記事だ。心臓病の予後は良好だと思っていたら、腹部の動脈が破裂したらしい!今年の春は恒例の大磯や調布の画廊における展覧会がないと聞いていた。深い縁というものではないが、四谷三丁目の旧「音の隠れ家」の空間をそのままモデファイして引き継いだ「喫茶茶会記」が大阪在のジャズ画家、山賀さんの展示会を開催したときにご夫婦で立ち寄られた折に話が弾んで以来の縁である。

我が家では畑中さんの木版画になる、招き猫とリアル猫が向かい合うという、ユーモアと力感に満ちた油が乗っている時期の作品を玄関の壁に相変わらず掲示している。また英デッカ製コーナースピーカーの頭上にも、昨年秋に調布の「みるめ画廊」で行った展示会に都下に住む女友達が購入して、その後我が家へと返送されてきたいわくつきの細密ペン画も不可思議な畑中純的抒情感で季節を彩ってくれている。
天衣無縫な悪戯小僧の感性を漫画や木版画で爆発してきた畑中さんだが、道半の62歳で果てるのはさぞかし無念きわまりないことだと思う。これからは毎年作っていたとてもビビッドなカレンダー作品、その最終ページの表紙裏に一品づつ手描きしていた猥画風純情絵画を見ることもできなくなってしまう。今日はこの即製美人の肖像をスピーカーの前で開いて、好きなトランペッター、ケニー・ドーハムのくすんだバラード「マイ・アイデアル」でもかけて古めなジャズの投げやりっぽいムードを好んでいた漫画家 畑中純さんへの手向けにしたい気分である。

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