Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

シニア婚活パーティーから見えるもの

2014-09-04 20:33:25 | その他

月に一度のシニア婚活パーティーの司会アルバイトへ出かける。会場は渋谷の公園通りの途中にあるホテルだ。便利なのか不便になったのか判然としない東横線渋谷地下最深部駅から会場へのルートは、ふつうはハチ公前のスクランブル交差点から西武デパート前を通るが、これをいつも避けたルートを選択する。今回は明治通りを少し原宿方面に歩いて宮下公園の東側の山手線ガード下をくぐってパルコ前に上る道を選ぶ。休日の朝はほんとに間延びした渋谷臭くないルートである。

公園前にはイベントを待っている極彩色のお人形さんルックの少女たちがたむろしている。昔、音響リース業をしていた時代にプロモーションイベントへの機材を貸していた場所だった外資系レコードショップはいまだ健在の様子だ。ここで人気絶頂のAKBのサイン会でもあるのだろうか、大きなモニターにはAKB少女集団が歌って踊っている画面が朝から威勢をつけていて、その下には長蛇のファンが列を作っている。その付近には宮下公園在住のホームレスが見え隠れしている風景は、昔も今もそんなに変わっていない既視感的渋谷原景である。

一方、こちらのシニア婚活パーティーは午後、13時からの開催だ。個人事業主のK会長が電話による参加要請の個人オルグを執拗に繰り返すというアナログ組織論を未だに採用していることがこの会の延命を保っているようである。今回も蓋を開けたら160人の男女シニアが若者が溢れる街路の隙間を縫うようにして会場へ集まって来てスタッフ一同は安心する。司会を一年も続けていれば会に集まる人々の人生模様の一端くらいは覗けるようになってこの観察は他人事だからこそなかなか面白い事例がある。

今回もこういう趣旨の会へ来なくても十分、婚活への機縁には恵まれているように思える50代前半と思われる都内在住の美人が初参加してきた。この会では懇談したり、食事したり、席替えタイムもあったりして会もたけなわになった最後にアプローチタイムというお気に入りの相手をロビーへ呼びだすというセレモニーがある。予想していたとおり彼女の人気は群を抜いていて、参加男性の多くからアプローチを受けていた。彼女が如才なく応対していてよい縁が得られたのかどうかその結果はわからない。いつも不思議に思うのだが、シニア会へやってきたこういう美人は二度目以降の参加というものがまるでない。それは美人故のヒット確率で交際相手が簡単に見つかることの結果なのだろうか?それとも自分の間尺に合っていないガッカリ男達のズレたアタックに懲りててしまったのだろうか?

世の中の空気をいつもマーケティング上手に描く村上龍の小説、「55歳のハローライフ」にも結婚相談所に紹介されて、交際を始める女性から見たお相手男性への描写が第一章の話として見事に描かれていたことを突然想い出す。9月の例会には彼女がやってこないという自分の予測がもし外れたら、自分の観察力に錆が出てきたことになるのでこの司会バイトを辞めようと思っているところだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿