下北沢散歩の収穫

炎天下の下北沢へ出かける。ジャズ喫茶「マサコ」はとっくに新道路工事の為に、立ち退いて久しい。それでも数軒くらいは寄り道できる店が今でもあるのは嬉しいものだ。
イタリアンのランチは南口の路地裏にある「VERDE」にて「きのこ入りトマトクリームソースパスタ」を食べる。これはデ・チェコの細めんを170グラムも使って挽肉もふんだんに入っているから食べ応えは十分で、街歩きの前の腹ごしらえとしては万全だ。

いつも寄る店は「DORAMA」「union」「FRASH DISK」など本・ＣＤ・ＬＰ関連の店が主だが、今回は数日前に寄った町田駅前の「RECO fan」横浜・関内「union」にて漁ったばかりのＣＤが１０枚くらい溜まっているからパスすることにする。

今回はタウンホールの脇にある古書専門店「ほん吉」をしばらく物色する。各地の「ブックオフ」なども店を見かければすぐ物色するが、たいてい肩すかしにあうことが多い。
この「ほん吉」や町田にある「高原書店」等は「ブックオフ」タイプの対極に位置するマニアックな本屋で、自分のような絶滅危惧的な趣味嗜好の持ち主には応えてくれるだけの質量を持っていて、今回も見逃していたよい本が入手できた。

ジャズイラストブックのジャンルに属する本で著者は笹尾俊一さん、神奈川出身のイラストレータで絵のスタイルは和田誠や矢吹申彦さんに通じる世界を感じさせる。サッチモ、ビリー・ホリデー、レスター・ヤングを取り上げた伝記風の絵本で今まで見逃していたことが惜しまれる温かいタッチの手描きイラストとコピーが素晴らしい。これが４２０円！帰りに飲んだスターバックスカフェの「モカフラペチーノ」が大して美味くもないのに最小サイズが４２０円。世の中の不条理を嘆きながら、しばしスタバのよく利く冷房の下で買ってきたばかりのジャズ絵本を避暑地とする午後になった。