Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

6月の勢い

2013-06-21 12:09:31 | 自然
緑豊かな秦野・下大槻在に住むNさんの付近もだんだんと住宅地が密集してきた。60才代のフリーター風に処している元都心派のNさんだが、なるべく緑が残っている付近の野辺道を選んで自転車散歩しているらしい。そんなときに立ち話して知り合った地元農園主の数名とは顔見知りになっている。彼らは農協へ卸さないで旬野菜を自家用に作っている人が多い。土地を建売用に切り売りした挙句生活の心配は無くなっても、土仕事特有の苦楽を忘れることができない地主も多く、Nさんが大雑把なまとめ買いを繰り返すものだから、すっかり顔なじみになっているとの話である。採れたての野菜を格安で譲ってくれる。

Nさんが昨日、届けてくれた大きな玉ネギもそんな地元コネクションによる直行野菜である。先月あたり掘った貯蔵品の様子である。どっしりと胡坐をかいたみたいな玉ねぎばかり十数個もある。これらは昔よく見かけた「福助」人形の頭みたいによく左右に張り出した形をしていてしばし見惚れてしまう。サラダ用には必須な赤玉ネギなど、この大らかなサイズを眺めていて思った。昔買い物していた「成城石井」「東急ストア」みたいなスーパーマーケットだったら、1個300円では買えないことだろうと想像してしまう。Nさんは普通の玉ネギと混ぜてまとめて十数個で合計200円だけ形式徴収していった。悪いなと思うがこれも人の縁がもたらすポジティブな因果と思って有りがたく頂戴してモリモリと食べることで報いることが善事と得心する。今朝は典型的な梅雨の空になっている。大きな玉ネギを専用庭の庇内にぶら下げることにする。

日陰の風通しのよい場所に晒しておけば数ヶ月は保存が効くとのことだ。オシロイ花と毒だみの根っこを暇のある度に根絶やしにしている専用庭も雨を吸っているせいか、雑草も益草も一緒になって喜んでいる。



一角に植えた青紫蘇、獅子唐、ピーマン、黄色トマトなどもようやく実ってきた。窓辺の近くで育てている観葉植物類もしばらく空気に馴染めなかった様子だが、「セトクレアセア」「ゼブリナ」みたいな「ツユクサ科」に属する種類は、やはり6月の勢いをもらっているようで、ようやく復調の気配がしてきたようである。

湯河原の初夏満喫其の一

2013-04-25 21:57:09 | 自然
低気圧が予想より早く去って爽やかな青空が広がる。ドクター桜井氏の休日とこちらの休日が上手く折り合って久しぶりの渓流釣行が実現した。神奈川県の西端、湯河原の山間部を流れる新崎川が目的地だ。そこにある管理釣り場で桜井氏はヤマメ、こちらは虹鱒をターゲットに遊ぶことに急遽決まった。下流は湯河原海岸の吉浜に注ぐ新崎川、箱根山系を流れる短い流程のマイナー河川だが、渓相はとてもダイナミック、巨石の間を勢いよく縫って走る水の表情にいつも癒される場所だ。釣り場のやや上に位置する幕山付近には早春期の梅林の名所もある。

丁度今ごろは山あいに咲き零れる山藤の様子が素晴らしく、本日も遠望を楽しみながらの釣行ができた。


釣り場の周辺では、花菖蒲、水芭蕉と初夏の到来を告げる花が咲き出している。水温も丁度よいのだろうか。

放流鱒の餌追いは活性化しているようだ。いつもバラシのような失策がついて廻るのだが、今回は珍しく好調に推移する。またたくまに10匹をゲットしてしまった。どうせ貧果だろうと予想して小さなクーラーボックスを持ってきた為に、魚はそれ以上収めることができない。夕方に寄り道する福浦海岸の崖上に住むMさんへの土産分などを考慮して、釣り上げた鱒を捌いて下処理する。これを終えてカメラ片手の付近散策がこれまた楽しいものになる(続く)

メダカのケア

2013-04-10 11:52:28 | 自然
メダカの飼育普及を広めている「湘南めだか学校」の存在を知った。たまに買い物で寄る「わくわく広場」の片隅で売っていたメダカのセットパックは500円。メダカが5匹収まっているプラスティックのケースに小さな水草が浮いていた。付属品にも心が行き届いている。飼育上の心得、注意書きなどにもメダカ好きの心情がこもっている。卵が孵化したときの採捕ネット、緑色の粉末餌まで付いていて用意万端だ。これを夜勤が明けるまでクルマ内にしまっておいた。水道水のカルキは天日干ししてストックしたものがある。水瓶をまだ買っていないものだから、プラスティック製お米のストッカーを代用する。半透明で上蓋も開く便利ものだ。初日はメダカがストレスを貯めないように静かに移動して様子を眺める。パックの中と水槽の水のペーハーを同じくらいにするよう馴らす為の予備タイムだ。1リットルに1匹という目安らしいが、5匹のメダカには広すぎる容器になっている。

ワンルームマンションからいきなり3LDKに引越してきたみたいで殺風景な趣きだ。これはかわいそうと思って水草を沈めてあげたくなった。ホテイアオイならば真夏にきれいな青の花を咲かせてくれる。田舎のコストコっぽい「フラワーランド」なら在庫していると踏んで3日目に回り道してみた。しかしホテイアオイには時期が早いせいか、野外植物売り場では在庫していない。替わりに水中植物ではスイレンなどと並んで人気のある「ナガバオモダカ」という角型のポットが売っていた。メダカよりも高い750円である。田舎の「コストコ」めいたフラワーランドは似非モダンなスーパーみたいにISOの規格に適合しているなどという自己賛美がからっきしない。店員は控えめに無愛想、その関係性の希薄は店内を蔓延していてこちらもそのほうが気が楽である。「ナガバオモダカ」がある水生植物類の管理も四角四面なところがない。放置風いい加減さが漂っている。

ポットに付着する枯葉のゴミなどを自分で除けて品定めしていたら発見があった。冬を越してきたその箱に生息するメダカがいたのだ。これは持ってくるわけには行かない。しかしそのポットの日当たりが良い部分には糊麩状にくるまれたメダカの卵がびっしりと生み付いている。これなどは清潔フェチでISOの囚人めいた店員さんでもいたら見逃すことはできない除外事項の一つになるだろう。しめしめと思って、卵が付録してあるポットをレジへ運ぶ。無事に水槽へ運び入れも済んだ。気温が25℃にでもなればこの付録卵は孵化を始めるだろう。それまではよい日当たりで慈しむ日々をおくらせてやることにした。

好きな花の季節

2013-04-08 12:39:36 | 自然
伊勢原の地名に板戸というのがあって、そこには細い野川めいた板戸川が流れている。川筋はコンクリートで固めた護岸もあれば、昔のままの畑沿いに傾斜した土手も混じっている。今頃は川べりの梨栽培園に咲き誇る白い梨の花が風に揺れている風景が視界に入ってきて気持ちがよい。下流がどこへ流れこんでいるのかは調べたことがないが、きっと平塚の大きい河川の一つの花水川あたりへつながっているのではないかと勝手に推測している。

付近に設置してある市の環境課が作った掲示板の写真説明付生物分類を時々眺めることにしている。どこかに湧き水があるらしく川エビや海のハゼにそっくりな「よしのぼり」「ひがい」のような琵琶湖水系に生息する淡水小魚までいるらしい。当然だが、鯉、銀鮒、オイカワ(やまべ)油ハヤ、ハヤなども住んでいる。それらの清流魚を眺めてみたくなって、休憩時間などに工場裏の川が直角に折れ曲がるポイントを訪問している。ここを棲家にしているのはハヤである。小は5センチ、大は15センチがいつも群れを作っている。総計では30匹くらいが元気に泳ぎ回っているのを毎週一回目視する楽しみがあるが、冬場はどこか深みに身を隠していたようだ。水温が温まって小魚の順から動きが活発になっている。

ハヤの敏捷性を愛でてから川と遊歩道付近の自然観察をしばらくすることも、日曜日らしい慰藉の一つになっている。夏にイガイガの赤い実をつける桑の大木をふと見上げたら紫色の花に覆われている。桑の花はたしか粒粒の胞子めいた訳のわからない形の筈だ。よくみると群生する紫花は桑の幹を巻いている蔓のような茎から咲いている。これは変だと思って、実物の枝をもいで持ち帰ってから調べることにした。読書ついでの必須携行品が野鳥、植物、魚類、料理用和仏事典の類である。それらさえあればいかなるときでも飽きることがない。蔓と紫と三弁という特徴でキイワードを絞っていったらすぐに判明した。なんと珍しい。「あけび」の花である。地味で美しい気品の花にしばらく見惚れる。

またいつもジャスミンが咲き零れる工場のフェンス下の繁みでは五弁の白い野茨(のいばら)まで顔をのぞかせている。桜が咲き出す季節にはちゃんと伏流に自然界の豊かな多層性を知るにふさわしいよい花も揃うものである。犬の散歩者とウオーキングする人くらいしか通行しない場所である。桑の木などを注視しているのは変人の自分くらいのものであろう。去年は見逃してしまったが、アケビは食べるよりも飾って見て楽しむ色調だ。先行者にやられる前に今年はゲットしてやろうと思っている。

ワシ・タカ目ハヤブサ科チョウゲンボウ

2013-04-06 14:49:24 | 自然

土曜日の工場内は早朝がとても静かだ。社員の出入りも大型車両の搬入もめったにないせいだ。工場の敷地から南側にはすぐに小田急線の線路が通っていて、その向こうには広々した営農者用の田圃・畑が平塚市の内陸部へ向かって広がっている。そのせいか、人間が少ない時を野鳥達はちゃんと心得ているようだ。田園と工場を往復する野鳥の飛来はそんな閑静時にこそ激しくなる。葉桜の季節になって街路のミズキ、けやき等の梢が若草色に彩られる頃、野鳥類の営巣や繁殖は活発になる。朝の最低気温がちょうど14℃くらいになれば、鳥にも人間にもやっぱり心地がよいにちがいない。ムクドリ、カワラヒワ、セキレイ、スズメ、今朝はあの真似ることができない鳴き声を奏でるホオジロまで工場の屋根にやってきて陽春を告げている。

生態系が変わったのか、田園が根城だった鳥達は田園を一時的な餌補給所にしているようだ。そして人工的な金属や建材でできた高所にある工場建築物の隙間を堅牢な巣箱として活用している。棲家の逆転である。性悪なカラスなどはその隙間のポイントを知っていて悪知恵を発揮する。野鳥達の産み落とす卵や雛を狙う光景を目撃するのも、これから6月にかけての工場内定番風景の一つになっている。今朝は大きな金木犀、銀木犀の立ち木がペアで並ぶ繁みの中から、野鳥の羽ばたきする音が聞こえてきた。ここでは昨夏もカラスが巣立ち直後の雉鳩(キジバト)の雛を襲ったのを見かけたことがある場所だ。雉鳩でもいるのかと思って繁みを覗いてみた。繁み内を移動する一瞬に羽を占める茶褐色の模様が雉鳩を思わせたが、腹側の灰色地には黒い横斑が走っている。少しだけ見えた目は強く鋭い。背をむけて強い羽音をさせて繁みから飛び立ってしまった。

こういうときの為に昔、大枚をはたいて買っておいたニコン製の高精度双眼鏡があるのに、双眼鏡は皮肉にも離れた場所に停車したクルマの中である。特徴を脳裏に焼き付ける。そのあとで「日本の野鳥」の写真図鑑を調べることにした。自分の予想では小型のタカ類かなというところまでは確信がもてた。出まかせの名称も浮かんできた。「ツミ」「チョウゲンボウ」といった小型のタカである。残像を頼ってウキペディアなどを検索しながら図鑑も調べる。どうやら形、生態の特徴を絞っていくと「チョウゲンボウ」で間違いがないようである。ネットの検索では、平塚付近では営巣も見られる事例が紹介されている。小鳥を襲う為に降りていたのか?営巣場所探しなのか?それは「チョウゲンボウ」に聞いてみないと分からない。珍しいタカの飛来のせいでこれからの季節は人間様の方のカンも知覚もどんどん磨きをかけなければと思っているところだ。