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動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

アニメがお仕事!

2009-08-25 15:52:37 | Weblog

時空マジシャンのOPムービー制作のほうは地道に進めているんですけど、まだ途中経過のムービーもお見せできる段階ではないです。

というわけで今日のブログは、漫画「アニメがお仕事!(石田敦子著)」の感想文。

先月「バクマン。」と「続・バクマン。」というブログを書きましたが、あちらは漫画家志望の物語で、こちらはアニメーター志望のお話です。

「アニメがお仕事!」全7巻のうち、1~3巻まで読みました。全部読んでから感想を書こうと思ってたけど、またずっと先になりそうなのでとりあえず3巻までの感想。

タイトルの「アニメがお仕事!」...いいですねぇ、こういうタイトル好きです。この題ですでに主人公のキャラとか人柄が感じられて、何となく内容がわかるような気がして(わからないですけど(^◇^))読んでみたくなるタイトルですよね。

主人公のイチ乃は、アニメと広島カープが大好きな女の子。画力のほうはイマイチなイチ乃だけど、アニメ制作のプロダクションでアニメを描く生活ができる幸せを噛みしめながら双子の弟・二太と共に生活している。そんなイチ乃と彼女をめぐるアニメ業界のディープな人々のお話。

次から次へと事件が勃発するような派手な展開ではないんですが、アニメが好きな人々のアニメにかける思いや、この業界で生きていける喜びと苦しみが丁寧に描かれています。

特に心の奥深くに踏み込んで分析するような描写がかなりヘビーですd(・д・ )。イチ乃や二太、そして登場人物たちの苦悩は基本的にはうまくなりたい、自分の憧れである先輩アニメーターのように上手に描きたい、でもできない...自分の理想と現実の実力、プライドなどの折り合いをうまくつけられない苦悩。

そのような内面の葛藤やドロドロとしたものをかなりヘビーに描写してるんですが、その重苦しさをイチ乃のほんわかしたキャラが救ってくれます。

イチ乃はかなりの巨乳!胸の下の部分がいつも机にこすれるので、セーターのその部分だけ毛玉ができてしまい「とほほ...」というようなシーンがイチ乃ののんびりしたキャラと共にほんわかした雰囲気をかもし出しています(男にはなかなか思いつかないエピソードですよね)。

それに尾道出身のイチ乃と二太の方言がとてもいい感じ。「いろいろ考える人おるんじゃなぁ(イチ乃)」とか「ええけ、見せぇや(二太)」といった会話がこの漫画の空気感作りの重要な要素になっていると思います。

ところでこの漫画を読んでいて、漫画とアニメの分岐点(?)のようなことを考えさせるシーンに出会いました。それはイチ乃がホシさんという上手な人の原画を見て、「ああ うちは 動かしたいけ アニメやっとるんじゃ」と言うシーンです。

動かしたいという強烈な衝動...うーん、なるほどなと思いました。

私のこのブログ[Webcomic.tv]は、動画や音声なども静止画・文字と同様に切ったり貼ったりできるデジタル時代ならではの環境を生かして、自分の持ち味をうまく出せるウェブコミックを模索しているブログです。

だからアニメも大きな要素なんですが、はたして自分にはそこまで「動かしたい」という強烈な衝動があるだろうか!?と自問自答してみたわけです。

小学生のころ教科書とかノートの端にいたずら書きのような絵でパラパラ漫画を作ったようなことはあったと思います。でもそれほど熱中した記憶はないですね。

どちらかというと漫画を読んでるときに、その中の一コマに感動して模写したり飽きずにずっとながめていたりしたものです。そして「このキャラの表情は写真以上に生き生きと描かれているなぁ」と感心したり「静止画なのになんて動きがあるんだろう、アニメ以上だよね...」という感じでした。

つまり複数の画をパラパラとやることで動かすことより、1枚の静止画の中に動きを見出すことに感動するタイプだったんですね、きっと。

もしかして「漫画家になりたい!」とか「アニメーターになりたい!」という分岐点はこのあたりにあるのかも、と思ったりしました。

上の画像は「アニメがお仕事!」第1巻の1ページ目の画をCGで起こしたものです。鉛筆・消しゴム・タップ・作画用紙などのアニメ画材で、なぜか裸のイチ乃を隠しています。若い男性読者向けのサービスカットもところどころに描かれていて、好感が持てますb(o^Д^o)。

全7巻のうちまだ4巻も残っているので、もうしばらく楽しめそうです。





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