Webcomic.tv

動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

悪戦苦闘(iBooks Author制作日記45)

2013-11-02 19:10:42 | iPad版制作日記

悪戦苦闘の末、電子コミック【ナナのかぼちゃパン】の最終ページがほぼ完成しました。

前回のブログで、アニメーションが止まってしまったと書きましたが、その後アニメが動いたけど音声が再生されなかったり、音声とアニメの動きがずれたあげくアニメが止まったりとかなり厳しいことになってしまい、制作を始めてから最大の危機的状況でした。

原因は、やはり音声・サウンドだと思います。

無声・無音で作っていたときは、Flashで作り込んだアニメを「Toolkit for CreateJS」でパブリッシュし、「iBooks Author」のページにHTMLウィジェットとして読み込むという手順で何ら問題ありませんでした。

HTMLウィジェットのサイズが4~5MBに達すると、iPadをタップしたときにHTMLウィジェットが起動しないという問題はありましたけど。(その時はページを分割して乗り切った)

ところが音声ファイルが揃って、アニメに音声を同期させ始めたら、iPadでプレビュー中にアニメが止まるという現象が出始めたんですよね。

問題点を整理すると以下の3つになります。

 1. 音声とアニメの動きがずれる

 2. ウィジェットを再生中にアニメの動きが止まり、音声はそのまま再生される

 3. アニメは問題なく再生されるが、音声がまったく再生されない

2番目と3番目は、問題を解決すべくいろいろと試したところ、それぞれの動作結果だったという意味です。

1番目の「音声とアニメの動きがずれる」というのは、ある程度は覚悟してたんですけど、許容範囲を超えてめちゃくちゃ激しくずれてます。Flashのタイムラインのフレーム数とfpsから割り出したタイミングで音声を鳴らすというものだったんですけど、ここまでずれるとは思いませんでした。

やっぱり(第3世代)iPadのスペックでは追いつかなかったのかもしれません。先日売り出したiPad Airなら大丈夫かもしれませんが、旧世代のiPadでもちゃんと動作しないことにはダメですからね。

音と動きがずれるのは大問題ですが、さらに動きが止まってしまったのには参りました。

サウンドオブジェクトの問題なのか、それとも負荷がかかり過ぎたのか...

もう抜本的に見直さなければ先に進めないと思ったので、一番理想的なやり方を再度試してみました。

そもそもiBooks Authorで扱えるサウンド・フォーマットがAACオーディオ(m4a)だけなのが問題で、wavやmp3がOKならばFlashで読み込んでそのまま使えたのに...と愚痴ってもしょうがないけど。

理想的なやり方というのは、まずwav音声を使ってFlashでアニメを作りこみます。

次に、Toolkit for CreateJSでパブリッシュ。

書き出されたsoundsフォルダ内の音声ファイルをAACオーディオ(m4a)に差し替える、というやり方です。

もちろん書き出されたJSファイルも、m4aファイルが使えるように書き換えてあげる必要があります。

このやり方は、【ナナのかぼちゃパン】制作開始時に試してみたんですけど、その時はうまくいきませんでした。今回は再挑戦です。

その結果、Webブラウザでの動作チェックでは、音声が鳴りアニメも問題なく動作しました。ところがiBooks Authorに持っていってiPadでプレビューすると音がうんともすんとも鳴らないんですよ。Webブラウザでうまくいったときは『よっしゃ!』と思ったんですけどね。

どうしても音声が鳴らないので、苦し紛れに今までのやり方と合体させてみました。今までのやり方とは、音は鳴るけどずれるという問題があるやり方です。「iBooks Author制作日記8」で書いたやり方ですね。

ただし関数の実行は、Toolkit for CreateJSによって書き出されたJSファイルの、timeline functionsの中で実行します。そうすると音声再生のタイミングがアニメの動きとぴったり同期するので、ずれの問題も解決です。

iPadでプレビューしたところ音声もアニメも問題なく動作しました。

上の画像はラストシーンなんですが、ナナがこちらに走ってきてズームアップで静止します。そしてエンディング・サウンドの再生開始。

う~ん、苦労しただけにうれしいですね。

本来なら、Toolkit for CreateJSによって書き出されたplaySound関数で音を鳴らしたいところなんですけど、どうしても鳴らないので苦肉の策です。

はぁ~、良かった。次に進める。





アニメーションが止まった(iBooks Author制作日記44)

2013-10-15 19:01:42 | iPad版制作日記

電子コミック【ナナのかぼちゃパン】は、本編の最終ページを制作中です。といっても前半の手直しやイントロメディアなどやることがたくさんあって、このページが終われば完成というわけではないんですが。

音声データも揃い、オープニングとエンディングのサウンドも決まったので、後は淡々と完成に向かって作業をするだけと思っていたら、やはりそう思った通りにはいかないようで、アニメーションが止まってしまいました。

いつもFlashで作ったアニメーションは、CreateJSでHTML5形式でパブリッシュし、JavaScriptで音声再生のコードを書き加えて、まずは普通にWebブラウザで動作確認をします。

Webブラウザで問題なく動作したら、次はDefault.pngやInfo.plistなどのファイルと共にHTMLウィジェットにまとめ、以下の手順でiPadでの動作確認をします。


 1. iBooks Authorを起動し、新しい空ページを作ってそこにHTMLウィジェットを配置。

 2. iPadをパソコンに接続しiBooksを起動。iBooks Authorのツールバーからプレビューをクリック。

 3. プレビューデータの転送が始まり、待つことしばし。

 4. 勝手にブックが起動するので、動作確認をするページを開きタップ。

 5. HTMLウィジェットが起動し、アニメが再生される。


というわけでいつもならWebブラウザで問題なかった場合は、プレビューでも問題なく動いたものですが、今回はなぜかアニメーションの途中で止まってしまうという今までにない不具合が発生してしまいました。

FlashアニメをCreateJSでJavaScriptに書き出すので、Flash上では極力難しいことはせずシンプルなアニメに徹してたつもりなんですがねぇ...。

ToolkitforCreateJSを使うことに決めて、しばらく簡単なアニメやプログラムを試した結果、ちょっと複雑なことをやろうとするとすぐにエラーが発生するので、今回はFlashのタイムライン上で動かすシンプルなアニメのみでいこう、と決めてました。

なのでアニメが止まるような不具合は心配していなかったし、実際今までおこらなかったんですけどね。

Flashファイルを開いて、不具合の原因と思われる怪しい箇所のアニメをいじってみたりしましたが、今のところ解決していません。

音声を付加してから発生したので、そのあたりに問題有りなんでしょうか...う~ん、だとすると厳しいなあ。

とりあえずアニメが止まってしまったページは保留にして最終ページに取り掛かっていますけど、けっこう追い詰められている気分。

上の画像は、制作中の最終ページのアニメなんですが、ここにきてかなり丁寧にアニメ画像を作ってます。前半では、iBooks Authorでいかに電子コミックを作るかとかCreateJSの導入などに神経を奪われて、今見るとアニメはかなり雑な感じです。

そのため前半と後半では、かなりクオリティの差が出来てしまいました。

でもクオリティに差があってもよいから、アニメが止まるという不具合だけは回避したい...そんな気分です。




桃太郎 海の神兵(iBooks Author制作日記43)

2013-10-03 19:05:04 | iPad版制作日記

先月末ごろに、NHKアーカイブスの「日本アニメの開拓者・手塚治虫~“鉄腕アトム”放送から50年」を観ました。

その中で、ずらーっと手塚治虫のコミックスを並べて映していましたけど、いやはや人間業とは思えない仕事量ですよね。それでも「アイデアはバーゲンセールするほどある」と本人が言っていたように、まだまだ人生の時間が足りなかったようです。

病気で入院後も病室で描き続け、こん睡状態になってからもふっと眼を覚まし「鉛筆を...」と求めたそうですから、最後まで本当にすさまじい創作意欲でした。(この部分は上記TV放送にはありません)

手塚治虫には、あと40年分アイデアがあったそうです。そのアイデアをとりあえず書き留めておいて、いざというときは後輩にバトンタッチするということはありえなかったんでしょうか。

そのマンガの神様・手塚治虫が、16歳のときにあるアニメーション作品に出会っています。それが日本初の長編アニメーションといわれる「桃太郎 海の神兵」。

1945年の終戦4ヶ月前に封切られているこの長編アニメは、松竹動画研究所の制作で、国威発揚のための国策映画です。よくもまあ終戦間際の激しい空襲の中、このような長編アニメが作られたものですが...。

当時旧制中学の学生だった手塚治虫は、焼け野原に立つ松竹座のひえびえとした客席で泣きながらこのアニメを観たそうです。そして、「日本でもこんな見事な作品が作れるようになったんだ!」「一生に一本でもいい。オレの漫画映画を作ってこの感激を子供たちに伝えてやる!」と決意したそうです。

手塚治虫にとってこのアニメとの出会いは、後のTVアニメにかける熱い思いにつながる決定的なものだったんじゃないでしょうか。

この「桃太郎 海の神兵」の絵柄がとてもほのぼのとしていて可愛いんですよ。そして上品な雰囲気を醸し出していて非常に魅力的なので、ちょっと調べてみたら美術で参加されてる黒崎義介という童画家の絵柄なんですね。私の好きなタイプの絵です。

その可愛らしく子供達に夢を与えるほのぼのとした絵柄で、戦争を描かなければならなかった時代と制作者の思いが、叙情的なシーンや戦闘場面など随所に込められているように感じました。

ディズニーの「白雪姫」が日本で初めて公開されたのは1950年なので、それより5年前に「桃太郎 海の神兵」のようなハイクオリティの長編アニメが日本で作られていたことが驚きです。

その当時、日本のアニメ制作現場にどの程度ディズニーなどの海外のアニメーション情報がもたらされていたのか知りませんが、すでにその当時から熱い思いでアニメ制作に取り組んでいた人達がいて、その思いが今の日本に受け継がれていることに感動です!

さて最後に、電子コミック【ナナのかぼちゃパン】の進捗状況を少々(^^;)。

上の画像は、最終ページの1ページ前の雄作とお客さんの会話シーンですね。

まず雄作のアドバイスにより改良された「ナナのかぼちゃパン」が、店内に並んでいる画像が全画面でバーンと表示されます。

次に、客のお姉さんがかぼちゃパンを発見し「あっ、かぼちゃパンだー!」と喜ぶシーン。

そしてその後、雄作とお客さんの会話が始まります。雄作が喋るときは雄作のコマのレイヤーが上に来て、客のお姉さんが喋るときは反対に入れ替わることで会話にテンポを持たせています。ってほどのもんでもないすけど(^Д^)。

コマの上下に少し立体感を出したかったので、2つのレイヤーの間にもう1枚陰のレイヤーを挟みました。

「桃太郎 海の神兵」の時代、そして手塚治虫の時代に、パソコンでアニメを作る環境があったら、彼らはどんな世界を作り上げ見せてくれたんでしょうか。

ついそんなことを考えてしまいます。




アニメと音声の同期(iBooks Author制作日記42)

2013-09-17 20:03:43 | iPad版制作日記

上の画像は、ナナがいかにも音声の収録をしているような感じに波形データをあしらってみました。

うーん、こうやってみると波形データも文字のようにナナの口から放射されてるようにすればよかったなあ...ただ単に重ねてしまった。

というわけで、電子コミック【ナナのかぼちゃパン】の制作は、音声ファイルが揃ったので、各ページの台詞に合わせて音声の同期をしながら仕上げているところです。

WavデータをFlashに読み込んで、キャラの口パクアニメに合わせて調節します。もちろん調節するのは口パクアニメのほうですけど。これがけっこう手間暇がかかるんですよ。

最初に無音でオーサリングしたときに、一応自分で喋りながら当たりをつけてざっくりとした口パクアニメにしてあるんですが、声優さんの音声を重ねてみるとやっぱりぜんぜんずれてたりするので、口が開いたり閉じたりするタイミングを調節し直します。

喋りの前後や途中にまばたきを入れてみたり、頷くしぐさを入れたりして完成。

さあ、動作確認。音声とピタリと合ってキャラに肉声が加わって、ぐっとキャラに流れる血液の温かみが感じられるようになる瞬間です。

静止画と文字で描くマンガでは音声はありませんが、それでも読者はこのキャラはこんな声だろうと無意識に頭の中で吹き出しの台詞を音声化しているんじゃないでしょうかね。

でもこの電子コミックのように音声が実際に再生されることで、セリフを頭の中で勝手に音声化するような曖昧さはなくなり、キャラの声帯が振動するような現実味が加わります。

読者が想像していた声と違うとか、キャラが変わってしまったとか、音声を限定することによる一長一短はあるかもしれませんけど、現在自分はクリエイターとしてマンガに音声が加わることで立ち上がる立体感のようなものに魅力を感じています。

さて、Wav音声と口パクアニメの調節ができたら、Flashのタイムラインから音声レイヤーとWavデータは削除。iBooks AuthorにHTMLウィジェットを読み込むにはAACオーディオでないとだめなので、Wavは削除するわけです。

つまり先ほどの作業は、口パクアニメと音声を同期させるためだけのものなんですよね。

そして削除したWav音声をAACオーディオに変換。自分はiTunesで変換してます。

次に、CreateJSでいつものようにFlashアニメをHTML5ベースのコンテンツにパブリッシュ。

書き出されたhtmlファイルを開いて、JavaScriptで音声再生のスクリプトを記述。先ほど変換したAACオーディオのm4aファイルは、soundsフォルダに入れておきます。

Flashのタイムライン上で、口パクのアニメと音声の同期は出来ているので、後はJavaScriptで音声再生のタイミングさえ間違えなければピッタリと再生されるはずです。

JavaScriptでそのタイミングを指定しやすいように、Flashのタイムライン上で予め目安をつけておきました。つまり、フレームレートで割り切れるフレームから口パクアニメがスタートするように調節しておいたわけです。

たとえば、フレームレートが12fpsの場合、1秒間に12フレーム進むので、アニメが開始して5秒後くらいに口パクアニメが始まるときはぴったり60フレーム目からアニメを作りこみます。

そのように前もって作っておけば、JavaScriptで5秒後に音声を再生するようにスクリプトを記述しさえすればよいので。音声ファイルも、音声データの無音部分は極力削っておいて、即再生するようにしておくとさらに誤差がなくなりますね。

というわけで、今のところこのやり方で大丈夫そうです。

本当はもっとスマートなやり方がありそうですが、自分では他に思いつかないので。

ついに季節は秋になってしまいました。




博多人形とアニメとのコラボ(iBooks Author制作日記41)

2013-09-07 19:34:02 | iPad版制作日記

先日、遅い昼食を食べながらTVを見ていると、博多人形師達の新たな挑戦が取り上げられていました。

博多人形の売り上げ減少とともに人形師の数も年々減りつつある中、若手が現状を打破すべく新たな試みに取り組んでいるという特集でした。

新たな取り組みというのは、クールジャパンの代表・アニメとのコラボなんですね。「秘密結社 鷹の爪(蛙男商会)」のキャラクターの博多人形を作り、伝統工芸 博多人形の魅力を伝える入り口にしようというわけです。

鷹の爪団の2次元画像から立体の人形におこす作業が大変だったという趣旨のことを人形師が述べていましたが、とても魅力的な博多人形に仕上がっていました。

自分の場合は、立体感ばりばりの3DCGをいかにマンガ的表現力のある平面的な画像に落としこんでいくかに苦心しているので、反対の苦労をしている点がおもしろかったです。

アニメとのコラボで獲得した新たなファンを、伝統的な博多人形の魅力にいかにしてつなげていくかが、これからの課題というところでしょうか。

博多人形師を主人公にしたマンガやアニメがヒットすれば、若い人達の心が一気に博多人形の世界に向くんじゃないですかね。「ヒカルの碁」で多くの子供たちが囲碁を打ち始めたように。

TVで博多人形師の挑戦を見ながら、今話題の3Dプリンターのことが頭をよぎりました。

個人でも手の出る価格になりつつある3Dプリンターですが、博多人形のプロトタイプを3Dプリンターで作り、博多人形師に発注し本格的な人形を作ってもらう、という世界になるんでしょうか。

3Dプリンター革命といわれているように、何か非常におもしろいことが起きそうな出来そうな感じですけど、あんまり期待してもしょうがないような気もするし、よく分からんのですよね。

でもクリエイターにとって、立体オブジェクトの世界が魅力的になりそうな予感がしてるんですが。

さて本題にもどりまして、電子コミック【ナナのかぼちゃパン】の進捗状況です。

先月末に、いつものようにFlashアニメをHTML5ベースのコンテンツに書き出し、その他のファイルと共にHTMLウィジェットにかためて、iBooks Authorのページに配置しました。

そして、iPadをパソコンに接続して動作チェック。

いつもは画面をタップすると、HTMLウィジェットが起動してアニメが始まります。ところが今回は画面をタップしてもうんともすんともいいません。

『ウィジェットのサイズが4MBを超えたせいか?』というわけで、ページを2つに分割して動かしてみたところ問題なく動作しました。

このページは、山場のシーンなので画像をふんだんに使ってリッチに仕上げたんですが、どうやら重すぎたようです。

これから音声も加えてウィジェットにしなければならないのに、そうするとどのページも軽く4MBを超えそう...へたするとすべてのページを分割するはめになるかもしれません。

う~ん、この段階に来てまたもやピンチ。





アウトロメディアはボツ(iBooks Author制作日記40)

2013-08-20 18:27:00 | iPad版制作日記

電子コミック【ナナのかぼちゃパン】が完成するまでには以下の作業が残っています。

 ・本編2ページと本編前半の修正

 ・音声とサウンドの挿入

 ・イントロメディアの作成

 ・レシピの作成

ここに来て夏バテのせいか、ぐっと制作がスローダウン。

ちょこっと画像を描いて、『本日はこれにて終了』という感じです。

音声のほうは、ナナとお客のお姉さんの音声ファイルは準備オーケーなんですが、雄作の声がまだなので全部揃ってから取りかかる予定。

イントロメディアは、ラフスケッチをしているところ。上の画像がそれです。

7月27日のブログで詳しく書きましたけど、イントロメディアは本編に誘う演出ページのことで、テキストや動画、静止画などのコンテンツを組み合わせて作り、読者のワクワク感を盛り上げようというわけです。

この作品は短編なので、山場のシーンを抜粋して取り上げるというよりも、ナナが読者に語りかけるようにしながら本編に誘導するスタイルにしようと思います。

ナナが、「え!?、信じらんないって?」「本当だよ!」「マンガ読めばわかるよ!」みたいな感じですね。

今思いついたんですけど、エンディングメディアっていうのもおもしろいかも。アウトロメディアかな?


ついに【ナナのかぼちゃパン】が完成して灰のように燃え尽きた作者
              ↓
ナナがシュタっと現れて「ナナの続編よろしくね!」と作者をせかす
              ↓
ナナの声が聞こえないふりをして灰をパタパタと落とす作者
              ↓
『そうだ!駅前の居酒屋のサービス券があったっけ。今夜はパーッと飲むか!』とナナを無視して出かける作者
              ↓
ナナが何か気の利いたことを言って、最後を〆る


という感じでどうでしょうか?

でもボツ。こうやって継ぎ足していったら「永遠に制作中」になってしまうので。

レシピは、テキストと静止画と音声の予定です。レシピを読み上げる音声のじゃまをしないクッキング向きループサウンドは、現在さがしているところ。

レシピ付きのマンガはめずらしくないですけどね、クッキングパパとか。

デジタルならではといろいろ盛り込んでも、レシピの場合はうるさくなるだけなので音声サウンドくらいで止めます。

夏バテを解消するために、ここのところクエン酸を含むかんきつ類や豚肉・レバーなどを意識的に食べているので、ちょっと元気が出てきたようです。

さあて、ラフスケッチも済んだことだし、本格的にイントロメディアに取りかかろうかな。





最近のSEO(iBooks Author制作日記39)

2013-08-06 19:03:58 | iPad版制作日記

iBooks Authorで作る電子コミック【ナナのかぼちゃパン】の制作日記もついに39回目!

いつも「○×△(iBooks Author制作日記+番号)」という記事タイトルをつけています。「iBooks Author制作日記+番号」では味気ないし、後で記事タイトルだけ見ても何を書いたか分からないので、頭に○×△をつけているわけです。

昨日(8/5)の日経新聞に、「グーグルのルール改訂 余波」というグーグルの検索順位付けの仕組みに関する記事が載っていました。

それによるとグーグルの検索エンジンのプログラムが、Webサイトを評価するための分析に使う要素は200以上あり、その中でも重要な要素として以下の3つがあげられていました。


 ・適切で簡潔なタイトルがつけられていて、読みやすいこと

 ・独自のコンテンツであり、内容が新しいこと

 ・他の重要なWebサイトからリンクが張られていること(人気サイトとしてリンクが張られていること)


「適切で簡潔なタイトルがつけられている」という要素からすると、自分が最近ずっとつけているタイトル、つまり「○×△(iBooks Author制作日記+番号)」というのは、あまりよくないような気がします...。

「括弧の中にiBooks Authorというキーワードを入れて検索されようとしているな」と検索エンジンに判断されるんじゃないかと。まぁ多少検索順位が下がってもいいけど。

ちなみに、検索順位アップだけを目的としたような対策を施したWebサイトは、排除されたり検索順位が下げられるようです。例えば、無意味なリンクや隠しリンクが大量に張られていたり、文章の中にキーワードを紛れ込ませたりといった、過去に順位引き上げを狙って作った仕掛けは現在では逆効果になっているわけですね。

自分も以前はSEO(検索エンジン最適化)の本を買ってきてちょっと研究したりしましたけど、最近はどうでもよくなっちゃって(^ω^;)ゞ。

SEO対策を試してみて、それなりに良い結果が出たりしたときもあったんですけどね。でもSEO対策の努力も結果もあまり長続きしませんでした。

人気のあるブログ読んで研究したり、自分がある記事のタイトルを見て読みたいと思ったら、そのときの心の動きを解析して自分の記事のタイトルに反映させたり、といった意識を持っていた時期もありました。でもいつのまにかそれもフェイドアウト。

なにしろ、デジタルならではの要素を使っていかに電子コミックを描くかとか、3DCGのレンダリング画像にいかにマンガ的な血を通わせるか、というような内容を微に入り細に入り書いているので、サーチエンジンで無理に誘導しても普通のマンガを期待した人にとっては「なにこれ?」ってもんでしょ。

数年前の自分の記事を読み返してみると、本当にどうでもいいようなことを細かく書いてるんですよ、これが(=。=)ウウ...。

でもね、最終的に自分の持ち味を生かした作品や手法にたどり着ければ、それに至るまでの軌跡としていいんじゃないかと。一応試行錯誤の道のりを素直に書いているつもりなので。

たどり着ければですけど。

さて上の画像ですが、「アイデンティティの目覚め(iBooks Author制作日記33)」の画像の雄作が変な顔だったので修正しました。頭に巻いているバンダナが上にずれていたのと微妙な顔つきを直して、爽やかさアップ!

だいぶマンガ的な血が通ってきた...かな?



イントロメディア(iBooks Author制作日記38)

2013-07-27 19:32:38 | iPad版制作日記

ナナとお客のおねえさんの音声ファイルが届きました。

小学5年生のナナの声は年相応な子供らしい声に仕上がっています。元気で適度なアニメ声。いい感じです。

アニメ声といえば宮崎駿監督が、「『わたし、かわいいでしょ』みたいな声を出すでしょ。あれがたまらんのですよ」とコメントして物議を醸しましたね。

自分としては、アニメ声は作品を楽しく派手やかにしてくれるので嫌いじゃありません。マンガやアニメは何といっても誇張の表現ですから、アニメ声は基本的にはハマると思うんですよね。

もちろん、わざとらしいのはだめだけど。自然なアニメ声がいいですね。

人工調味料じゃなくて、自然な昆布や鰹節からとった出汁の味噌汁がいいんですよ。グルタミン酸ナトリウム(味の素)をオタマで大量にドバッと放り込んだ味噌汁は旨みがくどくて舌がしびれるような味がするでしょ?あれは旨さを通り越して気持ち悪い。

人工調味料じゃなくて自然の出汁のようなアニメ声、そういうのが自分は好きですね。

あとナナの父・雄作の声が揃えば音声のオーサリングに取り掛かれるんですけど、前回話したとおりMP3ファイルとAACオーディオファイルの両方を揃えてアニメの動きと同期させる予定なので大変そうです。

アニメの方は、最後の2ページがまだ終わってません。それと前半部分で2~3箇所修正と保留したままのやり残しがあります。

そのほかに、かぼちゃパンのレシピがまだできてないし。

さらにさらに、イントロメディアも手を着けてないし...まだけっこうやることがあるなぁ。

イントロメディアとは、ブックを開いたときに最初に表示される映像や画像のことで、読者を引き込む演出ページです。表紙を捲ったら、「おおっ!」と思わせるような映像や画像が眼に飛び込んできたらわくわくしますよね。iBooks Authorでは、そういった仕掛けが用意されているわけです。

おもしろい仕掛けなんですが、イントロメディアに凝りだすといくら時間があっても足りなくなりそうだし、ここは我慢してシンプルにしようかと。

ただこのイントロメディアのような電子書籍ならではの演出という要素が、おもしろいというか興味深いんですよね。

「演出なんて当たり前のことじゃないか」と思われるかもしれませんが、自分にとっては眼が行き届かないところなんですよ。

つまり自分が新しい電子コミックを考えるとき、どうしても本質的な新しさにばかり眼が行ってしまいます。本質的な新しさとは、静止画と文字意外の電子コミックならではの要素、アニメ・音声・サウンド・インタラクティブ性などを使いこなしていかにマンガを紡ぐかということばかり考えてしまいます。

たとえば主人公とライバルが、ゲームで勝負だ!というときに読者も一緒にそのゲームに参加できたらすごいだろうな、とか。

でも読者にとって電子コミックの新しさをまず感じるのは、本質的なものより先にイントロメディアのような演出の仕掛けかもしれません。

スティーブ・ジョブズを中心としたiBooks Authorを作った人達は、誰もが簡単にわくわくできる電子書籍コンテンツを作れるように、イントロメディアのような演出ページを考えたんでしょうね、きっと。

自分があまり考え付かないようなイントロメディアに出会えただけでも、iBooks Authorを使って良かったと思えます。

う~ん、こんなこと書くとイントロメディアを手抜きできなくなるなぁ...。




いよいよ音声(iBooks Author制作日記37)

2013-07-13 18:08:36 | iPad版制作日記

電子コミック【ナナのかぼちゃパン】の制作は、やっと音声のオーサリングにとりかかろうという段階。

今回、音声はいつものようにFLASHのタイムラインに沿って配置すればオーケーというわけにはいかなくて、アニメと音声の同期の微調整に悪戦苦闘することになりそうです。

【ナナのかぼちゃパン】の制作に取り掛かる前に、「iBooks Author」では音のファイルはAACオーディオ(.m4a)を使うことは確認済みでした。2012年5月8日のブログ「続々・iBooks Authorを試す」で、そのあたりのことを実際に動作チェックしながら試したことを書きました。

あれから1年以上経ってしまった...( ̄▽ ̄;)。

ご存知のように、「iBooks Author」にHTMLウィジェットを配置してFLASHアニメを動かしているわけです。
ところがFLASHでライブラリにm4aファイルを読み込むことができなかったので、音声・サウンドだけは後で(HTML5に書き出し後)、JavaScriptで追加することにしました。

【ナナのかぼちゃパン】の1ページ目のように、ベーカリーの画像があってその上にポッポッとふきだしが表示され、それと共に音声再生するくらいの簡単なシーンだけなら上記のやり方で楽勝なんですけどね。

でも雄作がナナに説き聞かせるシーンのように2000フレームを超えるようになり、さらに雄作とナナが交互にしゃべるようになると、後からJavaScriptで音声を同期させるというのはかなり困難な気がしてきました。

そんなわけでこの最終段階にきて、かなり細かくて時間のかかる作業を強いられることになりそうです。

さきほどトイレで考えていたら、『これで何とかいけるんじゃないか!?』というアイデアが閃きました。


 1.まず音声をMP3ファイルでFLASHに読み込み、口パクと同期させる。これで音声再生と口パクアニメのスタートが合ってさえいれば、喋り始めてからはぴったり合うはず。

 2.次に、FLASHでふきだしが表示されるフレームナンバーとフレームレートから、音声スタートの時間(秒数)の目星をつけ、HTML5に書き出し後、JavaScriptのsetTimeout関数でAACオーディオファイルを再生する。


実際にやってみたらずれてしまったり、やはり時間のかかる微調整が必要になるでしょうけど、あとは気力で同期させるのみ。

『よし、これでいこう!』




いま、「続々・iBooks Authorを試す」にリンクを貼ろうと去年のブログを見ていたら、9月20日のブログ「iBooks Author制作日記8」に、さきほどトイレで閃いたアイデアが書かれていました。

う~ん、だいぶ頭がボケちゃったかなぁ...(´・_ゝ・`)。




ストーリーボードの最終ページ(iBooks Author制作日記36)

2013-06-26 19:12:54 | iPad版制作日記

電子コミック【ナナのかぼちゃパン】のストーリーボードの最終ページです。

ナナが「よっしゃぁ!」と言いながらカメラに向かって走ってくるシーン。

上の鉛筆画でも、ぶれ感を出そうとエッジのところに細かい斜線を入れてますが、本編ではナナが走ってきて顔のズームアップでストップ、画像にはモーションブラーをかけようと思ってます。

ナナのズーム画像の動きが止まると同時に、エンディングサウンドがスタート。って書くとかっこ良いけど、こんな短編に大げさな曲がかかるとバランス悪いので、ほのぼのとした軽い曲を探しているところです。

【時空マジシャン】というWebコミックを制作しているときは、主人公がダンス好きという設定だったので、ダンサブルなサウンドパーツを組み合わせるツールなどを使って自分でもけっこう楽しみながら背景曲を作ったりしていました。

今回はそのゆとりが無いので、フリーで使わせてもらえるサウンドから選びます。

ダンス系の曲と違って、ほのぼのとした軽い感じの曲というのはパーツを組み合わせるというわけにはいきませんしね。そうか...ナナをダンス好きという設定にしておけばよかった(゜Д゜;)。

自分はディスコ系ダンス世代の初期の部類です。

ヴァン・マッコイの「ハッスル」あたりから始まって、KC&ザ・サンシャインバンドの「ザッツ・ザ・ウェイ」くらいの時期に盛り上がって、ビージーズの「サタデイ・ナイト・フィーバー」あたりで引退という感じでした。

この頃もちょっととち狂っていましたね、いやかなり狂ってました。

6月4日のブログ「続・アイデンティティの目覚め」で書いたように、「子供のころから、日本茶と大福よりコーヒーとシュークリームのほうが好きだったし.........つまり日本文化に背を向けて西欧文化の方を向いて育った」という同じ流れです。西欧文明にガツーンとやられっぱなしでした。

ヨーロピアン・コンチでびしっと決めて、VALCANの香りをぷんぷんさせて、六本木や新宿に繰り出していく自分を見て周りの人は「いったいどうしちゃったの?」と声をひそめていたものです。

完全に自分の文化が崩壊してしまっていた時期ですね。

でも高校時代の友達も、もう学生運動の嵐は過ぎ去っていたにもかかわらず□○派とかに入って活動していたやつもいたし、まぁ若気の至りの青春時代だったんでしょうね。

だからいいんですよ、自分の文化が崩壊しても、ぜんぜん自分らしからぬ世界に入っちゃっても、それも自分だし、もし元の自分に戻れないようであればそれは本来の自分じゃなかったんじゃないですかね。

どうも最近はマンガ関連のネタ切れなのか、すぐに話が逸れて自分史みたいなのばかり書いてしまいます。

いかんいかん、このブログはマンガとその制作のことだけ書こうと決めているのに。

でも電子コミックの制作要素の一つであるサウンドのことだから、多少逸れてもいいでしょ、問題無し。