志太泉オフィシャルブログ

静岡県藤枝市の地酒の蔵元。志太泉酒造のブログ。違う角度から見た日本酒の現在とは

アーカイブス 戯事2004年ごろ 5

2004-06-21 09:52:03 | アーカイブス
真相はいつも謎
 蔵元という仕事をしていると、時としてとんでもないものが見つかることがあります。先日は、「南満州鉄道株式会社」の株券が見つかりました。なんか日本史の授業のようですが、「南満州鉄道株式会社」とは日露戦争後ロシアから割譲された鉄道の経営を当初の目的としたが。鉄道経営のみに留まらず、炭鉱開発、製鉄業、港湾、農林牧畜に加えて、ホテル、図書館、学校も行い、満州経営の中心的役割を果たした半官、半民の国策会社です。なかなかイメージしずらいですが、戦前中国東北部にあったJRと新日鉄と三井鉱山と森ビルと雪印が合わさったような財閥で、軍と結びつき、なお諜報機関をもっているような存在自体が反則のような会社だったのでしょうか。
 この株券を志太泉の二代目は、なぜか昭和16年の10月に取得しています。いったい、なにを考えていたのでしょうか?太平洋戦争の2ヶ月前で、仏印進駐もすでに行われています。日米開戦必至という状況で、一般的な日本人の目は、満州より南を向いていたように思われます。ノモンハン事件での日本軍の敗北というのは、国民には隠蔽されていたでしょうから、もしかすると独ソ戦の初期のドイツの大勝利のため、日ソ不可侵条約を無視して、また日本軍がシベリアの進出して、満鉄がシベリア開発でも独占的利益を得るとでも妄想していたのでしょうか?あるいは、満州国の美化された理念、五族協和(満州・蒙古・支那(漢)・日本(大和)・朝鮮の五民族が協力し、平和な国造りを行うこと)王道楽土(西洋の覇道に対し、アジアの理想的な政治体制を「王道」とし、満州国皇帝を中心に理想国家を建設すること)をナイーブに信じて満鉄を支援したかったのでしょうか?それとも米不足から本業の酒造業が思い切りできず株式投資でうさをはらしていたのでしょうか?
 いずれにしても、二代目は戦時中に故人となり、株券は紙くずになり、真相はわかりません。

謎の英単 レスペクト 2004.12
 今年一年も様々な英語が身近に感じるようになったが、その中で興味深いのはrespect=尊敬する。
使い方としては、こんな感じ
(都内のスタジオでのFMパーソナリティAとMC Bとの対話)
A 今回のアルバムの■◎感ていうか○○っぽいさは、わたしてきには、かなりキテル感じなんですけど
B まあ、なあつうか、このアルバムの自体、ある意味俺なりの◎●へのレスペクトでもあるわけだし....
「レスペクト」抽象的な単語でけっこう覚えるのが難しい単語だと思うんだけど意外な所から浸透していくものですね。
一昔前は、けっこう音楽関係者が気取って(インスパイアー=霊感を受ける)という単語を多様していたけど、こちらはカタカナ英語としては定着しなかった。やはりレスペストするよりインスパイアーを受ける事の難易度の高さゆえだろうか

ジュビロ対エスパルス 2004.10
 どうしても調子の出ない両チームの試合。いちばん気になったのは、名波の不調。全盛期をプレーのイメージが頭にあると悲しい。一時代を築いた選手だけにぜひもう一花咲かせて欲しい。話題には、あまり登場しないが沢登の耐用年数は抜群。

企業公式HPがツマラナイ理由
 日本酒に限らず企業のHPってあんまりおもしろくない。けっこうお金はかかっていそうなのにそんなに見る気持ちおきない。なんでだろう。企業公式HPは現在では、おそらく企業のCI(コーポレートアイデンティティ)の中核を担う存在だろう。おそらく日本に限らず世界中のコーポレートアイデンティティ活動は、自社を正義のヒーローは、たぐいまれな成功の象徴とPRするためというどちらかというと前時代的な目標があるような感じがする。様々なメディア(本、漫画、アニメ、映画、音楽、CM等)は、きわめて乱暴にいうと、昔は水戸黄門的な勧善懲悪物や超古典的な少女漫画的純愛物の比率がかなりを占めていたが時代の変遷を経てそれと相反するもの、例えば偽悪的なトリックスターの要素をもったものの比率がある程度増加してきた。そんな中で多様性に対するリテラシーは深まり、反語的にいえば、いまや50歳以下で水戸黄門に現実に対する掘り下げが欠けているなんて本気に怒る人はいないだろう。つまり水戸黄門は完全懲悪の仮想空間を楽しむものだっていう国民的な合意が出来ているからだ思う。他のメディアではその程度の深化を体験している日本人に、CIでの企業の際限ない自己肯定と自己啓発セミナーまがいの企業理念の押し付けは非常に厳しいだろう。
 しかし確かに企業にトリックスターになれっていうのは、かなり無理のある話でそれなら堅物で押した方が無難とも思われるが、おそらく、極めて洗練された形で意図的に加工した企業のダークサイドをある程度見せて、その仮想真実を真実と偽装させる手法あるいは、企業の誠実さを強調させる手法がCI活動でも使用の増加が予想される。今のところはあんまりないから結構効く手法でしょ。

K1MAX
 いくら興行上の事情はあるにせよ、あれだけ試合内容に差があって魔裟斗が3Rでプアカーオにドローとはあまりにもひどい。採点は30対27か30対28でプアカーオの勝ちが妥当でしょう。その後、ジャッジの誤りを認めたようだが、K-1もWWEの手法を取り入れて八百長採点も含めてエンタメ化を目指すならそれも一つのやり方だろう。
 でも私が一番不満に思ったのは、解説の酢胴元気選手。私は個人的に非常に応援しているのだがリング上のように解説でも自由奔放に「あの採点はおかしい」と一言いってほしかった。まあそんな舌禍事件を起こせば仕事がなくなるかもしれないので仕方ないんだろうなあ。

VISAカードの謎
 なぜVISAカードは、ビサカードでなくビザカードなんだろう。わかる人は教えてください。

大きなお世話
えーと、日経新聞を読んでいるとどうしても人生のマネープランのような記事が一月に一回ぐらいは、お目にかかる。へえーと読んでいるのだが、ひとつだけ、どうしても納得出来ないのは、そのマネー人生設計業界では、「若い時は、リスクの高い資産で運用してももよいが、老人になったらリスクの低い資産を中心とすべき」というのが概ね常識らしい。そんな事はないだろう。どうせ墓場に現金は持っていけないし、子孫と国家に相続で分配されるくらいなら、老人は残り少ない人生、リスク資産で大勝負して勝てば使い切ったほうが良いと思うのだが、それもまた大きなお世話ですね。