つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

いや、うん、わかるよ、売れるの

2005-11-10 22:53:16 | 木曜漫画劇場(紅組)
さて、ちょいとお試しな回の木曜劇場の第345回は、

タイトル:楽園ルウト(第1巻~第4巻:以下続刊)
著者:槻宮杏
出版社:白泉社花とゆめコミックス

であります。

鈴:兼業作家を目指してるLINNで~す。(←あくまで兼業(笑))

扇:兼業サッカーって何だ? と突っ込むSENでーす。(笑)

鈴:……。
さて、今回の木曜劇場はちょっと趣向を変えて、片方しか知らないマンガをネタにしております。

扇:と言うわけで、今日の担当はカンピューターのLINN。
バックアップはいつもニコニコ論理思考のSENです。

鈴:ロンリー嗜好?(笑)
……ボケはさておき、相棒向けにも少しストーリー紹介行っとこう。
基本的に天使もの。ただし、世界観はごっちゃで、天使の世界は中国風。このあたりの世界観を突っ込んではいけないものと思われる。
さて、主人公の花都(かづ)は天界の姫天使。けれど、ある時、人界に謝って落ちてしまい、天使の力の源である羽を落としてしまう。
おかげでまともに成長できず、一人前の天使になれないため、天界を追放。
落ちた羽はこの話の主人公でもある永塚大峰(たいほう)、笑也(えみや)のふたりに取り込まれていて、花都は偶然このふたりのもとへ。
……と言う具合に話が始まるのじゃ。

扇:アローンかよっ!
何で、中国で天使なんだ? 世界考証がなってねぇな。(それでも突っ込む)
姫天使ってビックリマンですか?
はーはー、つまりこの間抜け天使が、大砲とSHOWYAに人間のことを学ぶ話だな? で、ついでにお約束街道まっしぐらの三角関係とかかましてくれると。

鈴:B'zではないが?
中国ベースなのは、まぁ、いまさら気にしてもしょうがないので、こっちはまったく気にしていない。つか、言い出したらキリないし。
で、人間のことを学ぶ、と言うわけではないな。別に学んでも仕方ないし。
要するに、なんで花都が成長できず、一人前の天使になれないか、そういう方面の話なのでな。
まー、三角関係はそのまんまだが(笑)
ただ、このところ、少年マンガばりに戦ってんぞ、大峰と笑也。えー、ちなみに、大峰は羽の力で身体能力増強、笑也は千里眼。さらに、豪快くんと女ったらしの組み合わせ。ちなみに双子。
花都を差し置いて、人気が出そうな作りにはなっているだろう?

扇:あれ、元曲の洋楽の方が好きだけどな。
てか、髪型変えてチャイナ着てりゃ中国だと思ってるんじゃねぇぞ、読者舐めんな。
つまり、花都のEXPが足りないから戦う、そういうことだな?
ところで、その二人『カルラ舞う!』って呼んでいいか?(笑)

鈴:元? 知らんなぁ。まぁ、こっちもB'zはBad Communication(ただし英語版)でやめたからど~でもい~が。
しかし、チャイナ服着てないぞ、花都(笑) つか、いつもの見た目、小学生だし。
いちおう、双子の力の源である掌の十字架が合わさると本来の16歳の姿に戻るがね。
……って、花都のEXPが足らんってな……。まぁ、足りなさすぎだがな、EXP。
でもまぁ、このちっこいのが健気にがんばる(?)ところがまたよいのではないのかね、読むほうにとっては(冷静)
にしても、『カルラ舞う!』はそのまんまだな。ただし、真ん中のヤツは顔に傷はないし、だらだらと長い髪でもないがね(笑)

扇:それのどこが中国なんだ?
まぁ、以前紹介した『妖怪妖恋譚』も人のこたぁ言えないが。(汗)
てか、魔法少女物だったのか? 「テ○マ○マヤ○ン」とか。
要は、お騒がせで元気120%な天使娘がバトる話なのだな? 何と戦うのか知らぬが。

鈴:いや、チャイナ服で中国かどうかを判断されてもなぁ。趣味疑われるぞ、相棒(笑)
魔法少女ものじゃぁねぇぞ、どう考えても。変身っつっても、基本的にはもとの姿に戻るだけ。
まー、この16歳の姿を見て、双子との三角関係には申し分なし、のキャラにはなるんだが、花都の精神年齢、ちっこいときのまんまだからな。
少女マンガらしい恋愛ものにはちとしにくいかもしれんな。その点、作者は苦労してんのかもしれんが。

扇:常衣着てる娘が出れば和風伝奇物って暗黙の了解もあるぞ。
まぁ、精神年齢ちっこいなりに男センサーが働くということもあるから、恋愛物に出来ないわけじゃないんだろうがな。
双子が16歳の花都見て、胸キュン(死語)になる瞬間もあるのだろうし。

鈴:ほぅ、そういう暗黙の了解もあるのか。
じゃぁ、エルフが出てきたらロー○スもどきって暗黙の了解もあったりするのか?(笑)
あ、双子が胸キュン(死語)なのは、そのまんまだ。まー、とは言うものの、けっこうドライに三角関係やってくれているので、作品の雰囲気には合ってるとは思うけどね。
でも、だいたいは双子ふたり、及びその後に出てきた天界の天使連中の男性キャラ人気に支えられている、と言う側面は否定しきれまいて。

扇:ねぇよ。
ドライに三角ってことは、花都は今のとこどっちにも脈なしってことか?
男性人気に支えられるのは定番なので由とするしかないが、キャラのストック尽きた時に限界きそうだな、某フ○バのように。

鈴:ないのか……。それはざんねん・・・・・・。
脈なし、っちゃぁ脈なしね。まー、いまのところ、双子大事で行ってるんで、どっちに転ぶかはわからんがね。
たぶん、読者の反応から考えると、どちらに転ぶこともなく、花都が天界に帰っておしまいでないと、どちらからのファンにぼろくそに言われるだろうからね。
某○ルバとは……。まぁ、そこまでキャラ出てないから、もう少しくらいは保つんじゃね?(笑)
……と、さておき、そろそろ長くなったし、終わりにしておくかねぇ。
なんか、けっこう木曜劇場にしてはまじめにストーリー解説したり、キャラ解説……してないな……(爆)
まー、いっか。花都と大峰と笑也がいれば何とかなるだろ(笑)
と言うわけで、今回の木曜劇場はこの辺で。さよならさよならさよならっ

扇:某フル○って伏せ字の意味がねーぢゃねーか。
ま、私は読んでないので大したことは言えませんが、相方はここまで言うって事は、売れてるのは確からしいですね。
では、今日はこの辺で

数頁に賭けろ!

2005-11-09 22:35:04 | 小説全般
さて、短編好き必読の第344回は、

タイトル:ショートショートの広場1
編者:星新一
文庫名:講談社文庫

であります。

〈星新一ショートショート・コンテスト〉で選ばれた最優秀・優秀作を一冊にまとめた短編集です。
本巻には、一九七九~一九八三年までの応募作品二万五千四百二十編の中から選ばれた五十八編を収録。

とにかくお得な一冊。
バラエティという点では他の追随を許しません。
当然、全部当たりとはいきませんが、好みの作品に出会える確率は短編アンソロジーより遥かに高いと言えます。

長さは数行から数頁まで様々。
アイディアは、言うまでもなく多種多様。
当然、文体もバラバラ……なので、一気に読むのはちょっと疲れるかも。

個人的なお気に入りは、

『鬼』
『三時五分前』
『DOY(ドゥーイ)』
『ある日突然』
『会話』

かな、まだ沢山あるけど割愛。

ショートショートと言うとどうしてもワンアイディア勝負というイメージがあるのですが、特に凝った仕掛なしにじっくり読ませてくれる作品や、オチがさっぱり理解できない奇妙な作品もあり、飽きずに最後まで読めます。

三重丸のオススメ。
巻末に編者星新一氏の寸評が載っているのも良いです。

時代考証恐るべし

2005-11-08 22:31:46 | 映像関連
さて、少ーし悩んでしまう第343回は、

タイトル:間違いだらけの時代劇
著者:名和弓雄
文庫名:河出文庫

であります。

TV、映画等の時代劇の間違いを指摘する好著。
おかしな作法、不自然な言葉遣い、時代設定を無視した演出等々。
実際に時代考証を行ってきた著者ならではの鋭い批判が炸裂してます。

道具の形態、衣服の色調、生活習慣……その他諸々の時代を象徴するもの。
これらにはすべて歴史があり、そうなった理由が存在します。
もちろんすべてが理に適っているわけではありませんが、意味なく決められたものなどないのは確かです。(駄洒落でそうなっているものも含めて……笑)

著者は時代考証の誤りを指摘しつつ、正しいものが定着した理由についても解説してくれています。
特に武器の使い方に関しては、見栄えはどうあれ、実際の用法の方が遥かに合理的だと感じました。
時代劇ファンとしては、そこまで言われると何も作れなくなってしまうと思う部分もあるのですが……。

ちなみに、著者は時代劇のアレンジを全否定しているわけではありません。
説得力のないもの、世界観を破壊しかねない嘘を嫌っているだけです。
『時代劇は、チョン髷を頭にのせ、刀を腰に帯びた現代劇であってはならぬ』という主張もされています、ま、私はこれは好みだと思いますが。

時代劇ファン、時代物が好きな方にオススメ。
自分の中の常識に疑問符を付けたくない方には不向き、かも。

元祖時かけ

2005-11-07 23:54:14 | SF(国内)
さて、かなり懐かしかった第342回は、

タイトル:時をかける少女
著者:筒井康隆
文庫名:ハルキ文庫

であります。

ラベンダーです。

違うか……。

原田知世です。

それは映画の話……。

タイム・リープです。

あ、これが丁度いいや。

無意味はデカ文字は置いといて……。
懐かしいです、洒落にならないぐらい。
以前読んだ記憶はあるのですが、改めて手に取ってその短さにびっくり。

ある日、芳山和子は放課後の理科実験室で奇妙な体験をした。
誰もいない筈の実験室から物音が聞こえたのである。
中には誰もいなかった……彼女を待っていたのは、割れた試験管とラベンダーの香りだけ、そして意識が遠くなった。

その日から彼女の周囲に不思議なことが起こり始めた。
曜日の認識がクラスメートと合わない、昨日やった授業が繰り返される。
そう、彼女は時を越える能力を身に付けてしまったのだ。

約130頁でこれをまとめたのは凄いです。
時代もあってか、言葉遣いがちょっと古い感じがしますが、そこはそれ。
可愛らしい時間旅行物として綺麗にまとまってます、オススメ。

映画の話だけど、原田知世はいい美人になったなぁ、と思います。

復活

2005-11-06 17:02:58 | 伝奇小説
さて、おまたせしましたになるんかなの第341回は、

タイトル:ヴァンパイヤー戦争9 ルビヤンカ監獄大襲撃
著者:笠井潔
出版社:講談社文庫

であります。

アフリカ編に入ってから、ぜんっぜん出番のなかったヒロインのラミアがようやく復活(笑)
6巻以来のお目見え……と言いたいところだけど、序章と終章以外にほとんど出番がないので、ラミア萌えのひとには不満たらたらだろうなぁ、と思ったり。

さておき、ストーリーはきっちりと前半後半で分けられている。
前半はブドゥール王国に住む、ムー時代から生きるヴァンパイヤーのマヌーキ……メリッサと主人公の鴻三郎との話が中心。
ここで敵であるスペシネフが奉じる神と、その神と敵対……とまではいかないけど、封印した地球そのものの霊との関わりなどが解説されている。

まー、前半はけっこうだれだれかなぁ。
ほとんどが説明のために費やされてるって感じだしね。
当然、このふたつの神の存在とかがラストに向けた話に不可欠なのはわかるけど、説明ばっかりされるとどんどん斜め読みに近くなってくる。
だいたいの要所を押さえとけば、話はわかるから、さしてじっくり読もうなんて気にならないね。

あとは、鴻三郎が求めてやまない女性……最終的にそれがラミアであることを自覚するところあたり、ラミア再登場と同時にようやくヒロインらしい位置に来たかなぁ、ってところはあるけど。

後半は、スペシネフに捕らえられたとされるラミアと、奪われたヴァーオゥの棺を取り戻すために、鴻三郎と1巻から登場していたトランシルバニアのヴァンパイヤーであるミルチャふたりでKGBの本拠地を襲撃する、と言う話。

いちおう、戦闘シーンは前半にもあるんだけど、こちらはマヌーキの霊力であっさりと勝利。
後半もミルチャというヴァンパイヤーがいるおかげで、かなーり大味。
戦闘に関しては、この巻、すごいピンチとか、そういうのに乏しいのでいまいち盛り上がりに欠ける。

しかも前半のマヌーキの霊力や、スペシネフの弟子とされる超能力者の能力とか、とりあえず、これまではヴァンパイヤーの能力だけが突出していて、あとは人間対人間の戦闘だったのに、ここに来てそんなん出してもらったら、なんかいまいち……。

伝奇ものだから、ありだと言えばありだろうけど、アメリカ軍の歩兵師団やソ連のヘリ部隊をあっという間に倒してしまう力とか、ヴァンパイヤーであるミルチャの力と拮抗するサイコキネシスの使い手とか、最初っからそういうのを出してくれてたほうがいいんじゃないかなぁ、とは思う。

ま、別にいいけどね、そこまで期待してないし。
……その割には読んでるじゃねぇか、と言う突っ込みは受け付けないのであしからず(笑)
(まだ言い訳するか、オレ(爆))

最初のがね

2005-11-05 13:13:32 | マンガ(少女漫画)
さて、再登場の第340回は、

タイトル:夏目友人帳(第1巻)
著者:緑川ゆき
出版社:白泉社花とゆめコミックス

であります。

このマンガ家さんは記念(?)すべき木曜劇場第1回(第121回)に「あかく咲く声」で出てきたマンガ家さん。
そのひとの最新刊となる。

ストーリーは、人間でない妖怪の類が見えてしまう夏目という主人公の物語。
ただ「見える」だけだった昔と違い、なぜか最近になって襲われるようになってしまう。
そんな妖怪から逃げている途中、ある祠の封印を解いてしまう。

そこに封印されていたのは、招き猫……。
と言うのは、招き猫を依代に封印されていた力の強い妖怪……なのだが、猫なのでニャンコ先生と呼ばれる……で、夏目が妖怪に襲われるのは、夏目の祖母である夏目レイコと言う女性が、その強い妖力にあかせて妖怪たちをイジメていたからで、挙げ句、自らに従わせるために、妖怪の名前を手に入れて、それを帳にした。
それがタイトルの「友人帳」で、ここに書かれている名前を取り戻すために、レイコによく似た夏目を襲うようになった、という。

常人とは異なる力を持っていたために人間との間で関係を作れなかったレイコと自分の姿を重ね合わせ、妖怪たちが持つレイコの記憶、思いなどから友人帳と関わることに決める夏目。

そうした夏目とニャンコ先生、妖怪たちの話で、雰囲気としては、おなじく妖しとの関わりを描いた「蛍火の社へ」と似ていると思う。

ただ、このひとが書く漫才はいまいち……(笑)
漫才は主人公の夏目とニャンコ先生のかけあいが基本なのだが、どうも話の中で浮いてしまっている感じがする。

amazonのレビューを見ると、けっこういい評価が多いマンガ家さんだけど、やはり最初の「あかく咲く声」、それと「蛍火の社へ」に較べると1ランク落ちるか。
まじめな話をすれば、透明感のあるいい話になるとは思うのだが。
どちらかと言うと、夏目のキャラに苦心しているのかもしれない。

まぁでも、前の「緋色の椅子」は酷かったけど、これはまだらしさが出ていると思う。
上記2作品に較べてオススメ! と言うほどではないけどね。



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よぉわからん

2005-11-04 23:04:17 | 恋愛小説
さて、妙なのを手にしてしまったの第339回は、

タイトル:夜の寝覚め
著者:小池真理子
出版社:集英社文庫

であります。

このひとも初めてのひと。
なので、例のごとく短編集でGO、ってことで。

約250ページのページ数に6本の短編。
基本的に、不倫の恋愛もので、主人公は女性。
まー、不倫と言っても、そこまでどろどろしたものではなく、雰囲気的にはしっとりとした感じ。

ただ、設定年齢高すぎ……。
各主人公の年齢はだいたい50歳前後。

いちおう、各話の基本的な構成が現在と過去……10年前だったり20年前だったりする……が行ったり来たりするのでまだマシだけど、これくらいの年齢の物語になると、「あー、そうなの」って感じでどーも入っていけない。
何となく読んで、何となく終わった感じ。

特に感慨も湧かないし、おもしろいとも思わなかったけど、年齢的なところもあるんだろうなぁ、という気がしないでもない。

ちなみに、各話は、

たんぽぽ
旅の続き
花の散りぎわ
雪の残り香
時の轍
夜の寝覚め

となっている。

このうち、どれがいいと言われると、「雪の残り香」かなぁ。
夫とほとんど離婚同然の別居状態になって、冬になると雪の深くなる姉夫婦のところへ転がり込んだ主人公が、そこで姉の子供の家庭教師をしたり、経営する居酒屋の手伝いをしている年下の男性と恋に落ちる話。

主人公の女性が、その男性に宛てる手紙、と言う一人称の形態。
雪の残り香、と言うだけあって、冷たい雪の世界の中に小さな香りを感じるような切ない話で、しっとりとした雰囲気があっていい。

まー、全体的にそう言う雰囲気があるので、合うひとには合うとは思う。

超人って……何者?

2005-11-03 17:17:34 | 木曜漫画劇場(白組)
さて、そろそろネタ切れ気味な第338回は、

タイトル:キン肉マン(全36巻)
著者:ゆでたまご
文庫名:ジャンプコミックス

であります。

扇:最強超人議論始めたら、プリンス・カメハメでバッサリ終わらせるSENでーす。

鈴:最弱はきっとミートくんよりも弱いんだろうなぁと思ってるLINNで~す。

扇:つか、ミート君さりげに強いだろう。
何でリングネームがアレキサンドリアなのかは不明だけど。

鈴:強いだろうなぁ。まぁ、キン骨マンあたりに負けるわきゃねぇわなぁ、いくらミートくんと言えど。

扇:でも、カナディアンマンの方が弱い気もする。

鈴:カナダ人に怒られそうだよな、ゆでたまご。
……でもまぁ、なんか弱い超人言い出したらキリがないな。
そろそろまともにストーリー紹介……ってジャンプらしいマンガにストーリー紹介はいんのかいな?(笑)

扇:必要ナッシング。

鈴:キャッシングのCMみたいだなぁ(笑)

扇:ららら、○じんくん♪

鈴:そっちが来るか。
最近は「○ロミス♪」あたりしか聞いてないから、そっちは出てこんかったなぁ。

扇:じゃ、キャラ紹介ね。
ロビンマスク――影の主役。
主人公と二度戦って二度とも負けたという希有なキャラクター。
超人タッグ編で見事なまでの噛ませ犬と化したが、なぜか王位争奪戦で復活、異常なまでの強さを見せつけた……よく解んない人。
単なる常識にロビン戦法なる名前を付けて自分のものにしてみたり、一人だけ鎧付けて戦ってたりとツッコミ所の多い人だが、非常に人気は高い。
何だかんだいってビジュアルは偉大であることを証明した人、かも。

鈴:じゃぁ、こっちは、作品中の裏の主役、ラーメンマン。
最初はブロッケンマンをキャメルクラッチでまっぷたつにすると言う残虐なキャラだったが、そのうち、キン肉マンの戦いなどに、おいしいところで出てきては、さらにおいしい戦い方をして、おいしく勝ってくれるすごいひと。
あのー、ウォーズマンと戦って植物人間になったんじゃありませんか、あなた?

扇:では、二番手の代名詞テリーマン。
最初は派手なキャラだった筈が、技も見た目もふつーのため、全身に地味というレッテルを貼られた人。
キン肉マンの引き立て役、最弱のメインキャラなど、とにかくネガティブなイメージがあり、この世代がネタでテリーマンという言葉を使う時は大抵弱者のことを指す。
ちなみに、作品中での扱いが気にくわなかったのか、某ファミコンゲームでは鬼畜な強さを誇っていた……つか使用禁止。

鈴:敵方で、基本的にヒールなんだけど、けっこう出ずっぱりだったアシュラマン。
まー、ビジュアル的には、顔3つ、腕6本という、そのまんまなキャラで、出た当初はキン肉マンの必殺技キン肉バスターを破ってしまう、と言う偉業を成し遂げたひと。
ちなみに、8を横にして無限大というすばらしい技を披露してくれたが、横にしただけでパワーが無限大になると言う理論は、どこの星の理論ですか?

扇:同じく敵方で、ヒールからベビーに転向したバッファローマン。
出た当初は顔にやたら哀愁が漂っており、非常に知的なキャラだったのだが……若返ってからは名前の通りの猪突猛進キャラと化した。
1000万パワーという言葉を全国に広めた偉大な人物として名を残す……え、違う?

鈴:残しはしたがな。
……はて? そういえば、重要なキャラを忘れてるような気がしないでもないが……。
いや、気のせいだな、きっと。

扇:うん、気のせいだ。
というわけで人気者達の紹介も終わったことで、今日の木曜劇場は終わりに致します~。

鈴:気のせいか……。
なら、いーや(笑)
んでは、今回はこの辺で、さよ~な~ら~♪
……でもなんか忘れてる気がする……。

扇:気のせいだっ! 気のせいに決まってる!
多分、読者も期待していない。

どうもこいつァ……匂うぜ、市やん

2005-11-02 23:23:26 | マンガ(少年漫画)
さて、これまた時代劇な第337回は、

タイトル:佐武と市捕物控(全十巻)
著者:石ノ森章太郎
文庫名:小学館文庫

であります。

知っている人は知っている時代劇漫画の傑作。
岡っ引きの青年・佐武と盲目の剣客・市の名コンビが悪を斬る!

ちょっと首をかしげてしまう回も多いけど、上手い話は本当に秀逸。
特に市さん絡みのエピソードは完成度が高いです。
作品解説代わりに、好きな回についてちょこっと書きます。


『氷の朔日(一巻)』……いつもは落ち着き払って、おっちょこちょいの佐武やんをたしなめる役回りの市やん。今日は何故か元気がない。何でも、暗闇の中で長雨の音を聞いていると気が滅入るのだと言う。佐武は評判の医師の所へ市を連れていき、手術を依頼するのだが――。
一押し。自分は臆病だから剣術を習ったのだと告白し、目が見えるようになったら縫い糸すら切れなくなるかも知れないと語る市。自分の顔が見えるようになっても、ひどい顔だなんて言って縁だけは切らないでくれよと励ます佐武。年の差、生きる世界の違いも飛び越えて心を通わせる二人の会話は素晴らしい。市の手術を行うことになった青年医師が顔の火傷にコンプレックスを持っていたという仕掛けも意味深。

『狂い水(三巻)』……島抜けをした芳吉が江戸で斬られた。佐武は斬った居合いの達人・玄斎が何らかの形で芳吉の怨みを買っていたのではないかと推測するが、実は彼は市の剣の師匠だった――。
どうしても玄斎への疑いを捨てきれない佐武。島破りが死んだところで誰も泣く者はいない、といつになく歯切れの悪い物言いをする市。友を取るか、役目を取るか。友を取るか、師を取るか。いつもはツーカーの仲である二人のすれ違いと苦悩が見所。

『木枯が吹いて冬がきた(九巻)』……元スリで今は佐武の下っ引きをやっている銀平がまた盗みを働いた。売られていく隣の娘を哀れんで金を集めていたのだ。事情を知った佐武は御法と人情の間で悩むが――。
岡っ引きとして成長し、市なしで動くことが多くなった佐武の相方として登場した名キャラクター銀平絡みの話。彼は立場こそ下っ引きだが、佐武よりも人の表裏を知る大人のキャラクターとして描かれており、この話でも人情を優先させつつも親分への筋を通そうとする。銀平を心配しつつも動けない佐武に仲間達が釘を刺すシーンは痛快。


何だかんだ言いつつ長く書いてしまいました。
悪い奴斬ってめでたしめでたし、という話は少ないです。
どちらかと言うと、事件が解決しても物悲しさが残る話が多い。
そこが良いのだけれど。

時代劇漫画としてはかなりオススメです。
巻を追うごとに凄味を増していく佐武やんと、ますます剣に磨きがかかる市やん、名コンビの活躍を御堪能下さい。

息子フェチ

2005-11-01 23:53:44 | 時代劇・歴史物
さて、三大シリーズ第二弾な第336回は、

タイトル:剣客商売
著者:池波正太郎
文庫名:新潮文庫

であります。

池波正太郎の人気シリーズの第一巻です。
秋山小兵衛と息子大治郎の名コンビが江戸を舞台に悪を斬る。
短編集なので一つずつ感想を書いていきます。

『女武芸者』……父の小兵衛が建ててくれた無外流の剣術道場にて、大治郎は今日も質素な食事を取っていた。門人もなく、訪れる者と言えば食事を運んでくれる近所の女房のみというこの家に来客があったのはその直後である。さて、彼の用向きとは――。
レギュラー総出演の第一回。老いてなお盛んな秋山小兵衛、剣一筋に生きる息子大治朗、小兵衛の愛人おはる(実は大治郎より若い)、美貌の女剣士佐々木三冬、小兵衛と昵懇の御用聞き四谷の弥七、個性溢れる面々の紹介と活躍が無理なくまとめられている。短編の見本とも言っていい見事な逸品。

『剣の誓約』……初の門弟を得るも、その朴念仁と言っても差し支えない性格のため、三日でそれを失った大治朗。そんな彼のもとを旧知の老武士が訪れる。彼は、ある重大な役目を依頼するのだが――。
しきりに父・小兵衛とも会うことを勧める大治朗と、それを頑なに断る老武士。最後にさらっと、小兵衛が老武士との関係を明かすシーンは秀逸。

『芸者変転』……小兵衛なじみの料亭・不二桜の女中おもとは料理人との逢い引きの最中にとんでもない話を聞いてしまう。彼女に口止めして、小兵衛は解決に乗り出すが――。
小兵衛大活躍の巻、だが、あまりぱっとしない。殆ど一人で全部片付けてしまうのは何だかなぁと思ってしまう。

『井関道場・四天王』……井関道場・四天王の一人に数えられる佐々木三冬が持ち込んだ難題。小兵衛は道場の跡継ぎ問題解決に乗り出す――。
三冬様お悩みの巻。この二人の微妙な関係はなかなか楽しい。すべてを解決した後、一瞬だけ闇の部分を見せる小兵衛が良い。

『雨の鈴鹿川』……『剣の誓約』の後始末のため、大治朗は大和の国を訪れていた。帰りの道中立ち寄った宿で、彼は隣室の二人連れの会話を聞いてしまう。さらに旧友と再会した彼は否応なしに怨恨絡みの闘争へと巻き込まれていくが――。
大治朗一人旅の巻。剣は鋭いが如何せんまだ若い大治朗の迷いと、事の顛末を聞いても全く動じない小兵衛の対比で締めているのはいいが、さすがに大治朗一人では盛り上がりに欠けるか。

『まゆ墨の金ちゃん』……大治朗の命を狙う者がいる! 表面上は、すべては息子が解決すべき問題と流した小兵衛だが、内心気が気でない。おはるに八つ当たりしてみたりもするが最後は――。
一押し。やたらと強さや老獪さを見せるより、可愛い息子の為にあっぷあっぷする小兵衛の方が私は好きだ。親父の心配をよそに、さりげなく成長しているところを見せる大治朗も良い。ゲストキャラの金ちゃんもなかなか味のあるキャラクターに仕上がっている。

『御老中毒殺』……女武芸者・佐々木三冬は父・田沼意次の家来がスリにあうのを目撃してしまう。犯人を捕まえ、すられた物を確認したはいいが――。
これまたオススメ。三冬様の魅力全開で『井関道場・四天王』より断然面白い。盗人に対する仕打ちといい、父との微妙な関係といい、非常に可愛いのだ(え、違う?)。特に大治朗との絡みは必見。さすが堅物同士、見ていて楽しすぎる。(笑)

楽しゅうございました。
藤田まこと主演のドラマの印象が強い本作ですが、原作には原作の妙があります、一度ご賞味あれ。