つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

ふたりとも健在

2008-03-30 17:17:18 | マンガ(少女漫画)
さて、こんなもんが出ていたとはの第959回は、

タイトル:WジュリエットII(1~2巻:以下続刊)
著者:絵夢羅
出版社:白泉社 花とゆめコミックス(初版:'06~)

であります。

いやぁ、図書館通いすると本屋なんかにそうそう立ち寄らないもんだけど、久々に寄ってみたらこんなもん見つけてしまった……。
もともと演劇部を中心とした学園ものの前作「Wジュリエット」がけっこう好きだったので、懐かしさもあってめずらしく買っちまったよ(笑)

前作は第250回で紹介(古っ!)しているので、前作のほうはそちらを参照していただくとして、この「II」は、著者も言っているけれど、番外編的な要素が強い。
もちろん、主人公はヒロインの三浦糸とその彼氏の成田真ではあるけれど、話そのものは脇のメインキャラに焦点を絞ったものがほとんど。

では、ストーリーは、

『父親との賭にも勝ち、役者への道を進むことが出来た真と、やはり同じように役者として劇団に所属し、演劇に精を出す糸。
そんなふたりは20歳になって、入籍。一緒に暮らすようになったのはいいが、高校3年間、女装生活で男に間違われなかったほどの真は、舞台の出演をきっかけに大ブレイク。

とうとう芸能プロダクションと契約するまでになった真は、モデルに映画などなど、忙しい日々。
糸は劇団とバイト。しかもプロダクションとの契約の関係で結婚していることは伏せなければならない状況。

だが、そんな複雑な状況に陥ってしまったふたりのもとへ、高校時代から仲のよかった友人(それ以外含む(笑))や三浦家の兄弟たち、成田家の姉妹たちからいろんなトラブルが……』

上にも書いたとおり、基本的な話の流れは脇キャラを中心とした話の中で、糸と真の生活が描かれた短編連作……っぽい感じの話。
糸と真のほうは同じ映画の主役とヒロインをやったり、相変わらずのラブラブっぷりを披露してくれてはいるものの、前作よりは糖度は低め。

それもそのはず……というか、完全に脇キャラたちのラブコメの話に糸と真が関わる、といった話がけっこうあって、前作みたいに始終ベタベタする機会がない、ってだけだったりするんだけど(笑)

とはいえ、糸と真の甘さ加減が薄くなったぶん、脇キャラの話のラブ度がかなり上がっていたりする。
だいたい初手から糸の兄とその彼女の結婚話だし、やっぱり糸の兄と真の姉の結婚話だったり、高校時代の友人と傍若無人街道まっしぐらの先輩とのラブコメだったり、相変わらずのラブコメ&ハッピーエンド。

でも、真の両親の話や、高校時代の友人、与四郎と美咲の不器用な恋人関係を描いたものなど、ラブ度抑えめでいい感じの雰囲気の話もあったりして、前作とはだいぶん趣が違う。
これくらいの甘さなら、さぶいぼ症候群の方でも何とか耐えられるのではないか、と思える短編もある。
テンポの良さも相変わらず健在だし、前作を知っている、もしくは好きなひとにはかなりオススメできる続編ではないだろうか。

ただ……その前作ってのが……糖度100ってくらいのげろ甘マンガだし、続編ってことで前作を知らないとわからない部分も多いので、これを単品で読むとなると極めてオススメしにくい。

総評としては……う~ん、悩む……。
読みやすさは断然こっちのほうが上なのだが、読者限定ってのがやっぱりネックだよなぁ。
てなわけで、好み云々を除いても、ぎりぎり崖っぷちの及第ってとこか。
これで前作並みに糸と真のラブコメ一本だったら落第だったんだろうけどね。



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