一昨晩、大本寺・乗泉寺にて、宗会の議案についての勉強会が行われました。
終了後、本堂へごあいさつに上がりますと、一番前で二人ばかり、熱心にお看経されてる人がいました。現在、出家得度させていただくために見習いとして入寺した二人です。
ちょっとごあさつのつもりが、一緒にお看経させていただきたくなり、おそらく8時の閉門時間には終わるだろうと読めば40分ほどです。時間は大丈夫ですから、させていただくことにしました。
彼らは一番前。ボクは一番後ろに座ってましたので、その距離は数十メートル。イス席で一千人を収容でる広さです。この大伽藍でおこなわれていた「夜の大合唱」に加わり、ありがたさで一杯になりました。
彼らの後ろ姿からは、真剣さが伝わってきました。背筋が伸びてご本尊を一心にみつめておりました。
秋には得度のお許しがいただけることでしょう。彼らはそれまで、この乗泉寺の敷地から、一歩も出ることができません。限られた空間で、逃げ場なく修行に励む日々を過ごしているはずです。
頬がやせこけ、やけに大きくみえてしまう彼らの「まなこ」は、遠く未来をみつめて、広く世界をみつめているかのようでした。力強く、慈しみのある「まなざし」でした。
大事なご奉公のあとに、見習いさんのお看経をあげている姿が、初心をおしえてくれました。
初心忘るべからず。
時々の初心忘るべからず。
老後の初心忘るべからず。