3月22日。常住寺の門祖会&春季彼岸会総回向のご法門です。当日配布する「ご法門のしおり」と若干ことば使いがちがいます。一つ前のコラム・日晨上人のある角度からとあわせて、お会式・彼岸会ご法門となります。
ご教歌 いきてゐる つもりのなか中の けふにても しぬにうらみの なきつもりせよ
「み教え」に耳をかたむけて、まずは、「この世が無常であること」を感じとってほしいのです。
いつ死がおとずれても後悔のないように「功徳を積むこと」を日々お教えいただくのですから、今日もまたお参詣と菩薩行に励むことを心がけましょう。
そうやって歩んでいくと、いま生きている瞬間を、ご利益で、苦難を乗り切れるご利益をいただけるようになるのです。
諸行無常
諸行とは、(生命も含めて)作られたものすべてをいいます。
無常とは、この世のモノはすべて、つねに変わりゆくものであり、一瞬といえども同じ状態を保つことができないこと。
人々が「常」であると見るのを、「そうではない。(無常)である」と諭し、
逆に、常に変わらないのは、仏さまや仏さまの教え、そして、その御徳は不変であると教わります。
これを「常住」と言い、そういう功徳の世界を「常楽我浄」と申します。
『方丈記』(鴨長明)「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」
形あるモノはいつかは壊れ、桜はまたたく間に散り、流れる川の水は変わらぬように見えても同じ水ではない。
いろはにほへどちりぬるを 諸行無常
わがよたれぞつねならむ 是生滅法
うゐのおくやまけふこえて 生滅滅已
あさきゆめみじゑひもせず 寂滅為楽
つもり【積(も)り】
1 前もってもっている考え。意図。心ぐみ。「成功する―でいる」「怒らす―ではなかった」
2 実際はそうでないのに、そうなったと仮定した気持ち。「死んだ―で働きます」
3 予想して計算すること。見積もり。「―がはずれる」
4 酒宴で、その酌で終わりにすること。おつもり。「これで今晩は―にしよう」
5 積もること。重なること。「人の心をのみ動かし、恨みを負ふ―にやありけむ」〈源・桐壺〉
6 限度。かぎり。「銀(かね)も使ふ―あるものぞかし」〈浮・俗つれづれ・二〉
[補説]1~3は「心算」とも当てて書く。[類語]意図。心組み(心づもり)。思惑。
人はいつかは必ず死にます。ただ、いつなのかは分からないのです。
無事なら無事。死ねば死にます。生きるか死ぬか。うまくいくかダメか。
ダメなときは一瞬でくる。その場面までだれも分からないし、その場面までは、いつもの景色です。
ご信心は目には見えないマイナスのご縁を、よい方向へと変えていただけるのです。
だから、「いそがしいから後で」とか「体調がよくなってから」という思いを横に置いて、
「いまでしょ!」という風に思いを定めてやってみる。お看経をあげる。お参りさせていただくのがいいんです。
そして、その「いまでしょ!」が連続していって、いつもやってて、それでお守りいただけるんです。
「つもり」は、心づもりであって、予想して計算すること。死ぬなんてことは考えない。当然でしょ。明日も生きてるつもりです。
でも、一瞬さきだって分からないのが本当です。だから覚悟はもってて、功徳を積みつつ進んでいきたいのです。