【総祈願】の祈願・回向の奨励ですが、
本年度より常住寺では、
お塔婆を、年に一度のご命日に建立することをお勧めしております。
お塔婆をあげる習慣は、
本来ならば、毎月の「月命日」に建立いただきたいのですが、
いままで、お塔婆をあげたことのない方にも、起塔供養のご奉公の
習慣を身につけていただければと思い、年に一度のお塔婆という風に
ごひろうを始めたところです。
もちろん、いままで毎月おあげしている方は、
同じように毎月、回向のまことを捧げていただきたく存じます。
しかし、
年に一度と申しましても、数えてみますと結構な数になります。
たとえば、
両親のお塔婆。
そして、連れ合いの両親。
夫婦それぞれの祖父母。
これだけで、もう12霊のご回向をさせていただくことになります。
その他、親族各家の先祖代々、兄弟、いとこ、友人など、数えればすぐに、
20や30というご回向の対象が思い浮かぶことでしょう。
その他、人間関係を改善するため、
相手の方の先祖代々や有縁無縁のご回向をしたり、
ご恩ある方の回向なども思い浮かびます。
回向を志せば、たくさんの対象があることに気づきます。
数があるので、毎々、有縁の諸精霊をすべて、
ご回向させていただくのは、けっこう大変かも知れません。
恩師・権大僧正日泰上人は、有縁の「諸精霊」のご回向を
春秋のお彼岸にさせていただくようにと仰せでした。
そのために、お彼岸のご回向は、1霊=300円というふうに、
ご回向の金額をおさえて、多くの諸精霊の回向が
しやすいようにして下さいました。
ですから、お彼岸のご回向の時に、
「○○家先祖代々」。ではこれ、300円。おねがいします。と、
1霊の、しかも先祖代々のみ、お供えする方もありますが、
それをあらため、恩師からいただいたご教導のように、
ご回向のまことをつくしてほしいとねがいます。
年に2回。
5霊で1500円。10霊でも3000円です。
さて、恩師権大僧正日泰上人が
御生前ずっとおあげしていたお塔婆のうちの一つに、
大本寺・乗泉寺の所属お講師のお塔婆がありました。
「法師」ですから、法臘の短い僧侶、
得度して月日が経っていない僧侶の僧階です。40代。
恩師はそのお講師ととても懇意であったであろうと想像できます。
御威光あふれる我が恩師。
いつも平身低頭お仕え申し上げました雲の上の存在であるお方の、
お若い頃の、仲間との仲睦まじいご様子を想像するだけで、
恩師を、より身近に感じられるような感がします。
半世紀以上に亘って、毎月毎月ご回向されてきた。
これは、毎月たんたんと同じこころざしをたむけるだけですが、
そのあゆみを振り返るとすごいことだと思います。
弔いをうける亡き魂は、きっと喜んでいらっしゃったでしょうし、
恩師は、ご生涯、
そのお方のことを、お忘れになることはなかったのでしょう。
回向は、亡き魂のご命日に、その目印となるお塔婆を建立して
お題目をお唱え申し上げます。
故人に、お題目の功徳が届くようにとねがって、お唱えします。
そして、ご回向している自分自身も、余慶の功徳をいただき、
過去現在未来の三世に亘って、
数多のご因縁が良い方向へと導かれます。
たとえば、会社で人間関係に苦しんでいる人。
どうぞ、相手の方の、先祖代々のお塔婆を建立して
お参詣してみて下さい。かならず、関係が改善されますよ。
そして、亡き家族の命日には、家族揃ってお参り頂きたいのです。
お寺に一度も参ったことのないご家族にお参詣を勧める。
お塔婆を申し込むだけで、回向の気持ちがあたらかになり、
参らねばならないとの気持ちで、
「おい。いくぞ。」と、お参詣のススメがはかどることでしょう。