清純blog

本門佛立宗 常住寺住職・高野清純のブログ

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東京都北区の 【 神谷・東十条プラザ 】 にて

2016年10月12日 | 学び ・ すすめ

現在、隔月で、北区行事から【お坊さんのお話し】の場をいただいています。

会場は神谷・東十条プラザです。

本日(平成28年10月12日)で3回目のお話し会です。

今回のテーマは、子どもの貧困、です。

以下、今回の資料を記載いたします。


① 全世界の ( 地球全体の ) 子どもの貧困


【 問題のカテゴリー 】
保健  HIV/エイズ  水と衛生  栄養
教育  子どもの保護  緊急支援
武力紛争と子どもたち  難民・避難民  子どもの兵士
児童労働  女の子・女性  児童婚  子ども買春・ポルノ
子どもの権利  子どもの参加  コミュニティ  乳幼児ケア

■全世界で5人に1人、つまり12億人もの男性・女性・子どもが現在、極度の貧困状態におかれ、1日1ドル未満で生活することを余儀なくされています。また、世界では約半数の人々が1日2ドルという貧困レベル以下で生活しています。
 
■約8億2,400万人が飢餓状態にあるか、もしくは不安定な食料供給に依存しています。そのうち5億人は、慢性的な栄養失調に苦しんでいます。
 
■全世界には、栄養失調に苦しむ子どもが1億7,000万人。学校教育を全く受けることができない子どもが1億人以上。中等教育を受けられない子どもが2億3,000万人います。そして約2億5,000万人の子どもが、自分が生きていくために、そして家族の最低限の生活を支えるために働いています。
 
■ 世界では、およそ7億9,500万人(9人に1人)が、健康で活動的な生活を送るために必要かつ十分な食糧を得られていません。
 
■ もし、女性の農業従事者に対し、男性の農業従事者と同程度の資源を提供することができれば、世界の飢餓人口は最大で1億5,000万人減らすことができます。
 
■ 飢餓に苦しむ人々のほとんどは開発途上国に住んでいます。途上国では人口の12.9% が栄養不良です。
 
■ 地域別の飢餓人口の人数は、アジアが最大(全世界の3分の2)です。近年、南アジアでは、飢餓人口が減少していますか、西アジアではわずかに増えています。
 
■ 地域別で最も飢餓人口の割合が高いのは、サハラ砂漠以南のアフリカです。この地域では、4人に1人が栄養不良です。
 
■ 5歳になる前に命を落とす子どもの半数近く(45%)は栄養不良が原因です。その数は毎年、310万人にのぼります。
 
■ 開発途上国の子どもの6人に1人(約1億人)は低体重です。 
 
■ 世界の子どもの4人に1人は、発育阻害(※)の状況にあります。開発途上国では、この割合が3人に1人にまで達します。※ 発育阻害:年齢の割に背が低いということで、慢性的栄養不良の代表的な症状。
 
■ 開発途上国全体で6,600万人の小学生が空腹のまま学校に通っています。そのような子どもはアフリカだけで2,300万人もいます。
 
■ 全世界で学校に通えない子どもの数は、5,800万人を超えます。戦争や貧困、女性であるというだけで、教育が受けられません。
 
■ 読み書きができない成人の数は8億4,000万以上(全世代で6人に1人)にも達しますが、そのうち65%は女性です。
 
■ 世界で16億人が飲料用の水を利用できずにいます。
 
■ 8億人は保健医療サービスを利用できません。
 
■ 世界に49ヵ国ある最貧国のうち33ヵ国が集中しているアフリカでは、2,810万人がHIV/エイズに感染しています。今後10年間に、アフリカでは4,000万人の子どもがエイズで親を失うと見られます。
 
■ 先進国には人口350人につき1人の割合で医師がいます。しかし、途上国には人口6,000人当たり1人の医師しかいません。
 
■ 全世界の消費支出の86%は先進国に住む20%の人々によって消費されています。これに対し、世界で最も貧しい20%の人々は、全体のわずか1.3%しか消費していません。
 
◎ 先進国には、500万人以上のホームレス、3,700万人の失業者が存在します。そして所得貧困ライン以下の生活を強いられている人々は1億人以上にのぼります。日本国の現状はというと、ひとつには、子どもの貧困、親から子どもへの、貧困の連鎖が大きな社会問題になっています。
 

② 日本国における、子どもの貧困。親から子どもへの、貧困の連鎖。
 
貧しさに苛まれる子どもたち
日本では、6~7人に1人の子どもたちが貧しい家庭で暮らしています。
NGO団体が2010 年 7 月から 2011 年 2 月にかけて行った調査で寄せられた声を紹介します。

「塾行きたくても行けない。勉強したくても出来ない。」(小 6・11 歳・女子)
 
「ほっときゃ治るやろってめっちゃ言われた。胃腸が悪くて、病院行くときもなんか治るみたいな、そんなん行かんでいい、お母さんかって我慢してんねんから、みたいな。」(17歳・女子)
 
「あたしの友だちが、修学旅行とかになんか、お金がないから行かれへんって子がおった。」(高 3・女子)

「お母さんとお父さんとか、仕事行ってるとして、お金ないからずっと働いてるやん。朝とかに帰ってきたりして。ずっと家の中でもひとりぼっちとか。学校でもひとりぼっちやし、家でもひとりぼっちやし。」(中 1・女子)
 
「正直なんか良い学校に行こうと思ったら学校の勉強だけじゃ足らない部分って絶対あると思うし、塾に行こうと思っても行けれへんかったら、良い学校行けれへん、就職も出来ひん みたいな。極端かもしらへんけど。」(中 3・15 歳・女子)

国民生活基礎調査で、平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子供の割合を示す「子供の貧困率」が、2012年に16.3%と過去最悪を更新したことが分かりました。1クラス40人とすると、うち6~7人が貧困であるということです。世帯単位に換算してみると、親と子1人ずつの一人親世帯(2人世帯)で年額173万円、
月額約14万円、親子4人世帯で年額244万円、月額20万円余りの収入。子どもの教育には、どうしてもお金がかかります。義務教育であっても、たとえば教科書は無償配布ですが、副教材は実費だったりします。ひとり親で月額14万円となると、苦しい生活になることが想像できます。

データから見る:子どもの教育にかかる費用

小学校の学校教育にかかる費用の例として、文部科学省の子どもの学習費調査(2012)による、以下のようなデータがあります。
授業料:0円 修学旅行・遠足・見学費:6019円 学校納付金等:9154円 その他:3326円 
教科外活動費:1763円 図書・学用品・実習材料費等:1万7957円  通学関係費:1万6978円

また、学校だけでなく学外での活動もあります。
学校外活動での費用については以下のようになっています。
家庭内学習費:1万3752円 家庭教師:1万4998円 学習塾費:5万7176円 その他:1492円
体験・地域活動:5023円    芸術文化活動:3万5167円
スポーツレクリエーション活動:5万3109円   教養・その他:2万7853円
 
■これらの年間およそ25万円以上の費用を、貧困世帯では負担することができるでしょうか。もし、捻出できないとなると、子どもたちは、周りの友達と同じような子ども時代を送るのは難しいのかもしれません。


貧困の連鎖とは|貧困は子ども時代だけでは終わらない

こういった子どもたちは、貧しい子ども時代を過ごします。小学校では友達の話についていけない。中学では修学旅行に行けない。高校では進学塾に通えない。中学を卒業したら働きに出る。そうやって子ども時代を過ごし、彼らはやがて大人になります。十分な教育を受けられなかったり、人間関係を築く練習ができなかった子どもたちは、どのような大人になるでしょうか?貧しくても勉学に励み、大人になってから大成した人というのも、きっといるでしょう。しかし、そういった人たちは一部でしかありません。また、貧困層でなかった人と比べると、並々ならぬ努力をしていると想像できます。住み込みで新聞配達をしながら学校に通う人と、私立の学校に通う人を比べたら、やはり環境による影響は何かしらあると思うのが自然です。


「貧困の連鎖」の定義
 
「親が貧困だとその子どもも貧困になる」ことを、「貧困の連鎖」と言います。重要なのは、単に子ども時代に貧困であるだけではなく、「大人になっても貧困のまま」であることです。貧困によるさまざまな”不利”は、大人になってからも一生付きまといます。要するに、親の所得や職業が、やがて子どもの所得や職業を決定してしまうのです。今の日本は、子どもの将来が、生まれ育った環境によって左右されてしまう社会であると言えます。

「貧困の連鎖」の現状
 
厚生労働省の調査による生活保護世帯に属する子供の大学等進学率のデータあります。
このデータによると、2014年4月1日現在、生活保護を受給する世帯の子どものうち大学等へ進学するのは31.7%%です。一方で、文部科学省、平成25年8月報道発表による2014年の高校卒業者全体の大学進学率は、70.2%です。生活保護受給世帯の子どもと、子ども全体との間に40ポイント近くの差が生まれているのが現状です。貧しい家庭の子どもは資金的・知識的な援助が不足し、なかなか親と同じような所得・階級から脱することができないというのは、想像にたやすいことのように感じますが、実際にどれだけの割合で、貧困は連鎖しているのでしょうか?生活保護を受給している母子世帯の約40%が子ども時代に生活保護を受給しているという事実です。
・父の所得が低層(下位25%)で子の所得が低層(下位25%)になる割合は31%
・父の所得が高層(上位25%)で子の所得が高層(上位25%)になる割合は38%
・父の所得が低層(下位25%)で子の所得が高層(上位25%)になる割合は20%
・父の所得が高層(上位25%)で子の所得が低層(下位25%)になる割合は16%
 
貧困の連鎖が起こる原因|カギとなる「教育」
 
貧困の連鎖についての様々な研究から、親の貧困が子どもに継承される要因は複数あると考えられています。中でも、最も強い要因として挙げられるのが「教育」です。学歴とも言えますが、すなわち子どもへの教育投資の格差の影響が大きいようです。この点については、政府も重視して対策を考えているようです。
 
次に重要なのが、「職業」だといわれています。
たとえば農家や不動産を営む家庭は子どもへとそれを継承することが多いですよね。企業の経営者も、子どもに跡を継がせたり一定の地位を用意することがあります。また、医者の子どもも将来医者になることが多いと思います。そこまで極端な例でなくても、子は親の背中を見て育つというように、親の職業や働き方が子どもの将来に影響するというのはうなずける話かと思います。

社会全体の1人当たり所得の中央値
 
2012年:244万円
2013年:人口全体の16.1%の人々の所得が、2012年の半分の数字、【122万円】という貧困基準を下回っていました。
 
1986年にこの調査が始まってから、最悪の数字です。18歳未満の子どもで、貧困基準以下の世帯に暮らす割合は16.3%。これも過去最悪。16%というのは、約6人に1人、40人のクラスなら6.5人です。親が貧困だとその子どもも貧困になる」ことを、「貧困の連鎖」と言います。重要なのは、単に子ども時代に貧困であるだけではなく、「大人になっても貧困のまま」であることです。貧困によるさまざまな”不利”は、大人になってからも一生付きまといます。要するに、親の所得や職業が、やがて子どもの所得や職業を決定してしまうのです。今の日本は、子どもの将来が、生まれ育った環境によって左右されてしまう社会であると言えます。

【 大阪府が実施したアンケート調査 】
経済的な理由で、この1年間に子供を医療機関に受診させることができなかった経験のある大阪府内の世帯が1・8%あることが11日、府が公表した子供の生活に関する実態調査の集計(概要)で分かった。習い事や学習塾に通わすことができなかった世帯も1割を超えることが判明。

保護者への質問(複数回答可)
経済的な理由で食費を切り詰める。新しい服や靴を買い控えたりした経験のある世帯が約4割。5割近くが、趣味やレジャーの出費を減らした経験があると答えた。
 
子供への質問
 
放課後を誰と過ごすかという問いに
「ひとりでいる」と回答したのは小学生で16・6%、中学生は17・1%。
どこで過ごすか(複数回答可)
スーパーやショッピングモール(5・0%) コンビニエンスストア(2・7%) ゲームセンター(1・8%)
 
夕食の頻度
 「毎日またはほとんど毎日」が99・1% 「週に4〜5回」にとどまるが0・5%いた。
学校以外で1日に勉強する時間について
 「まったくしない」と回答したのは、小学生で3・1%、中学生で9・7%に上った。
 


③ 仏 教 か ら の ア プ ロ ー チ
 
布施について
与えること、施し、喜捨、恵むこと。金品や財物を与えることばかりでなく親切な行いも布施である。
3種類の布施 ①財物を施す財施 ②仏法を説いて会得(えとく)させる法施 ③人々の恐れを取り除いて安らぎを与える無畏施。
 
む‐い〔‐ヰ〕【無畏】
仏語。おそれるところのないこと。
特に、仏が法を説くときの何ものをもおそれない態度。4種あると説き、四無畏という。
 
むいせ【無畏施】三施の一。人におそれの念を起こさせないこと。恐怖心を取り除くこと。

怨親平等(おんしんびょうどう)
仏教用語。怨敵と親しい者とを平等にみるという意味。仏教の根本精神は大慈悲であるから,にくい敵であるからといって憎むべきではないし,また親しい者であるからといって特に執着すべきではなく,平等にいつくしみ憐れむべきことをいう。
 
【五常】
儒教では、五常(仁、義、礼、智、信)の徳性を拡充することにより、父子、君臣、夫婦、長幼、朋友の五倫の道をまっとうすることを説いている(但し“弱者の保護”は説かれていない)。
仁は、人を思いやること。人を愛すること。私心(利己的)を克服して礼を重んじること。
 
義は、利欲にとらわれず、なすべきことをすること。正義。中国思想においては、常に「利」と対比される概念である。
 
礼は、「仁」を具体的な行動として表したもの。もともとは宗教儀礼でのタブーや伝統的な習慣・制度を意味していた。のちに上下関係で守るべきことを意味するようになった。
 
智は、道理をよく知り得ている人。知識豊富な人。
 
信は、友情に厚く、言明をたがえないこと、真実を告げること、約束を守ること、誠実であること。孟子の四端説における「仁義礼智」の四徳に対し、前漢の董仲舒は五行説にもとづいて「信」を加えた。