清純blog

本門佛立宗 常住寺住職・高野清純のブログ

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「人の苦悩を理解するため」に知識を持とう

2016年05月11日 | 学び ・ すすめ

『超高齢・多死時代の医療と宗教の役割分担』

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家庭問題で検索していたら、大阪大学の教授が講演された内容が全文アップされているのをみつけました。
テーマは上の通りで、ここのところ気がかりなテーマである「離婚などの家庭問題」にもふれていましたので、次の通り本文を引用させていただきました。
(以下、本文のコピー) 


▼熟年離婚されないために

直近の『週刊現代』にこんな凄い記事が出ました。『夫に早く死んでほしい妻たち─あなたの存在自体がストレスなのよ!─』という記事です。何故こんなに「夫に早く死んでほしい妻たち」が増えたのでしょうか? 

「何も死んでもらわなくたって熟年離婚でいいじゃないか」と皆さん思われるかもしれません。しかし、熟年離婚の場合、女性にとって3つ嫌なことがあります。1つ目は、別れる時に裁判をして争う必要がある。2つ目は、たとえ裁判に勝っても夫と財産は半分分けである。3つ目は、自分が選んだ男が駄目だったということを世間に公表するようなものだ。この3つがどうも癪(しゃく)に障る。しかし、旦那が65歳ぐらいでコロッと逝ってくれると、裁判で争う必要はなく、財産は全部自分のものになり、世間は皆、気の毒がってくれる。良いことずくめです。ですから、「密かに夫の死を望んでいる奥様たちが増えている」という、あくまでも噂の話です。でも、何人か後ろのほうで頷いておられるご婦人がおられましたから…(会場笑い)。

この話の中でひとつご紹介しますと、57歳の男性が、奥様とお2人で夕食の時に「子供たちも独立した。これまで私は家庭も顧みずに働いてきたが、退職後はお前の好きな温泉旅行や社交ダンスに一緒に参加しよう。これからは君と一緒にいる時間を大切にする。定年後は君の幸せを優先して考えたい」と、しみじみと語られた。この場に居られる男性の方々にしてみれば「何も問題はないじゃないか。なかなか良い旦那じゃないか」と思われるかもしれません。ところが、奥さんの反応は全然違った。妻の怒りが爆発し、「私の人生はあなたのせいで無茶苦茶よ。本当に私の幸せを思うならば、今すぐ死んで!」と言われたそうです

何故こんなことになったんでしょう? 宗教関係の偉い方々は日常的に説教をされますので、皆様もちょっと気を付けていただきたいんですけれども、男性はつい「お前の幸せは俺が考えてやる」と、上から目線になってしまうんですね。しかし、人間ずっと上から目線で話されますと、この男性のケースのように奥さんの怒りが爆発してしまうんです。対等な目線というものが大切になってくるんですが、どうしても男というものは上から目線になってしまう。という訳で、熟年離婚がどんどん増えている。一瞬離婚が減った時がありますが、これはバブル期です。バブル期は男性はお金を持っていますから、女性は付いてきてくれるんですが、バブルがはじけた途端、また離婚が増えました。

そして、平成15年には、ついに年間離婚件数が30万件を突破しようという勢いでしたが、ここで減ってきました。2つ理由があると言われています。ひとつは、老齢年金の夫婦分割制度が国会で可決され、平成19年から実際に施行されました。それでも妻はまだ半分も持って行けません。しかし最近の噂では、強制的に半分持って行っても良いという制度になるそうです。それを待っている人がいた。

それから、平成15年というのは、まだ団塊の世代が現役です。旦那が五十代後半になって奥さんが離婚したいと思った場合、そういう方は、旦那が60歳になるのを待たれるんです。何故なら60歳になれば定年で、退職金のまとまったお金が入ります。離婚したい奥様にしてみますと、「この退職金をふんだくらないことには死んでも死にきれないわ」という訳で、退職金をもらった途端に離婚というのが最近の風潮です。もし、皆様の中に「うちの嫁さん、ひょっとしたら危ないかも……」という方が居られましたら、退職金を一気にもらってはいけません。必ず分割してもらってください。そうすると奥さんが出て行くリスクが減ります。宗教関係の方々は定年退職がないので大丈夫だと思いますから、あまり関係ないと思いますが。


▼夫源病とは何か?

さて、旦那が「わしも族」になったらどうなるかと申しますと、妻が「亭主在宅症候群」になります。私はこれを「夫源病(ふげんびょう)」と呼んでいますが、どんな病気かと言いますと、ずっと旦那が家に居るものだから奥さんの体調が崩れるんです。「旦那の顔を見ると吐き気がする」、「旦那の声を聞いたら耳鳴りがガンガンする」、「旦那の足音を聞くだけで動悸が酷くなってくる」といった症状が挙げられます。熟年離婚の表向きの理由として、よく「愛情が冷めたから」と言われます。しかし、60歳ぐらいまで連れ添ってきて、結婚当時と変わらぬ愛情を持っている夫婦を私は未だ一組も見たことがありません。うちも30年ぐらい夫婦をやっていますが、惰性です(会場笑い)。しかし、惰性というのは悪いことではないんです。プラスでもマイナスでもない。そのままいったら良いんです。けれども「この人と居たら私の体がもたない」というのが、熟年離婚の一番の理由なのです。

宗教家の方には定年がありませんから皆さんに尋ねても無駄ですが、「定年後は何をしたいですか?」とサラリーマンの男性に聞きますと、「旅行」、「ゴルフ」、「釣り」の3つが出てきます。中でも断トツに多いのが「奥さんと旅行」です。しかし、JTBの調査によると、旦那さんの7割から8割は「妻と行きたい」というのに対し、奥さんの半数以上は「友達と行きたい」(会場笑い)。ここに問題が出てくる訳です。けれども、優しい奥さんは定年後2年ぐらいは旅行にも付き合ってくれるんです。61歳から62歳ぐらいの間は国内外いろんな所へ旅行に行きますが、奥さんは一緒に旅行してもしんどいので、だんだん飽きてきます。そして2年ぐらい経つと、男性は奥さんから「1人で行ってきたら?」と言われるようになるのですが、旦那さんは1人では行かない。そうすると、男性が思い浮かべていた定年後の生活がフワーッと無くなってくる。そこから起こるのが定年後の鬱(うつ)ですが、これが今一番問題になっています。「毎日何をしたいですか?」と聞いても、特に何もない。一方、家事には定年がない訳ですから奥さん方に「定年後何がしたい」という発想がそもそもありません。

夫と暮らすと妻の死亡率が2倍になるというデータがあります。愛媛県のある先生が60歳以上の男女約3,000人を3年間経過観察したところ、女性は夫が居るほうが死亡率が2倍。男性は妻が居るほうが死亡率が半分。逆に言うと、奥さんを先に亡くすと男性の死亡率が倍になります。奥さんを亡くした男性…。しんどそうにしてるなあと思っていると、翌年息子さんから「母の後を追うように父が亡くなりました」と喪中ハガキが届く。一方、旦那さんを亡くした奥さん…。一応、49日頃までは元気なさそうですが、半年後ぐらいしてから会うとむちゃくちゃ元気になっている(会場笑い)。そんな例はいっぱいあります。

何故かというと、夫が妻に依存し過ぎていて自立していないからです。自立には2通りあります。ひとつは経済的な自立。もうひとつは身の回りのことができる自立。今一番問題なのは、女性は経済的な自立ができていない。男性は身の回りの自立ができていない。ですから、女性も働き、男性も身の回りのことをできる時代が、一番リスクが少ないと言えます。

そういう訳で、高齢者の心中・殺人事件がすごく増えています。夫は「妻は絶対病気はしない」、「妻は俺より先に死なない」という妄想を持って信じ込んでいます。そうでも思っておかないと、実際に現実化したらえらいことになりますから…。しかし、実際はそういう訳にはいきません。奥さんが倒れると、介護殺人心中の加害者の76パーセントが男性なんです。介護とは、だいたい男性が倒れて女性が看取ることのほうが多いんです。何故こんなことになるのかと言いますと、夫が自立していないから奥さんが倒れるとパニックになる。それでも頑張る。そして男性は他人に救いを求めない傾向があります。いろんな所へ行けば手伝ってもらえるのですが、そういう手だてを取らない。そして思い余って最後に、寝たきりの妻の首を絞めにかかって自分も死ぬ。こんな悲惨な最期を迎える介護殺人心中を減らすことがこれからの大きな課題なんです。一方、妻は「夫は定年後すぐに死ぬんじゃないか」と思っていますが、実際はなかなかしぶとい。だから熟年離婚や別居が増えているんですね。男性側、女性側それぞれにこういう妄想があります。


 

以上、長々と引用させていただきました。今後も、本を読んだり、話しを聞かせてもらったりして、もう少しこの家庭問題についての知識を深めたいと思っております。きっと、現場にはそれぞれの事情があることでしょう。ボクは坊さんとして、役割が果たせるように努めたいと思います。

昨日、お寺に帰るまえに本屋にいってきました。「 捨てるという生き方 」という特集・テーマが目をひきました。しばらくはお寺の行事などと交互に、家庭問題にふれていきたいと思いますが、捨てるということについても、また、ここの記事にしたいと思います。
 




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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (ivycom)
2016-05-11 06:53:58
あしあとから参りました。
ご住職の方が来られて驚きました。
身体を壊しましたので
いろいろと試しています。
よろしくお願い致します。
返信する
Unknown (高野清純)
2016-05-12 00:18:48
このたびはメッセージをいただき、ありがとうございました。

昨日は、gooブログのランキングから、たくさんのブログを開いて、閲覧しておりました。その中に貴方様のブログがあったのだと思います。

ご体調がすぐれないとの事、どうぞお大事にして下さいませ。

こうしてメッセージのやりとりをしたのも、何かのご縁だと思います。これを機会に、今後もメールのやりとりなど、させていただけたらありがたく存じます。

仏教のお話しなどお伝えさせていただくこともできますし、ご体調のご不安などございましたら、お気軽にお話しいただければ嬉しく思います。

また、失礼な話しですが、私の方から、貴方様のブログが、どのブログなのかが分かりません。よろしかったら、ブログのURLかブログのタイトルをお教えいただけたらありがたく思います。

どうぞよろしくおねがいいたします。

高野清純 合掌
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おはようございます (ivycom)
2016-05-12 05:36:29
こちらこそよろしくお願いします。
昔、普通のサッカー選手
今は孫4人のじいじです。
脳損傷と闘っています。
返信する
Unknown (高野清純)
2016-05-12 05:50:36
おはようございます。
コメントありがとうございました。
お孫さんもいらっしゃるんですね。
脳腫瘍との闘い、ご心労は並ではないと拝します。
月並みな言葉になってしまいますが、どうぞがんばって、お元気に下さい。

ところで、下のブログは貴方様のブログだと思うのですがあってますでしょうか。たびたび申し訳ございません。お手すきのときにでも、お知らせ下さいませ。

ではまた、メッセージのやりとりができましたら幸甚です。

高野清純 合掌

Highly advanced brain function  高次脳機能 REPORT
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