清純blog

本門佛立宗 常住寺住職・高野清純のブログ

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えんやこら

2014年06月24日 | ご法門

この流行語を知っていますか?

「お父ちゃんのためなら、えんやこら。」

古い記憶をたどると、我が家のテレビは小学校2年くらいまで、白黒でした。トイレは和式。家は、風呂なし10畳一間だけの平屋で、縁側がありました。ご宝前に頭を向けて、家族四人が川の字になって寝ていました。せまかったけど、楽しかったことしか思い出せません。

そんな時代に流行ったコトバで、出典は、昭和41年にリリースされた美輪明宏さんの楽曲「ヨイトマケの歌」の一節です。

お寺の中で婦人会がご奉公に汗をながしながら、「ご法様のためなら、えんやこーら。」と、笑いながら楽しそうに口ずさんでいたのを、いまでも鮮明に覚えています。

このパターンですから、いくらでも応用がきくわけで、「お導師のためなら~」「ご奉公のためなら~」と口ずさんでは、みなさん本当に楽しそうでした。

ただ、当時まだ4~5歳だった私は、この言葉がどこからきたものなのか、考えることすらなかったワケです。そして流行語ですから、やがてだれも口にしなくなっていくのですが、それでも、小学校低学年くらいまでは、だれかが口ずさんでいたかと記憶しています。「古いんだよ」とツッコまれながら……。

2年くらい前でしょうか?テレビで美輪さんのドキュメント番組を見ました。ここで初めて、「おとうちゃんのためならエンヤコラ」の出典と意味を知りました。これを口ずさむのが当たり前の景色だったころから数えて、40年の月日が過ぎていました。

ご教歌

うれしさをつゝむ恋路にあらざれば みのりのために人にかたらむ

大意
ご法様からいただいた喜びは、心に秘めずに表現する。姿形に表すことがご弘通になるのです。すなわち、人に伝える随喜転教の大事なことをお教えの御教歌です。

先述の通り、「そんなこと分かっているだろう?」では、数十年もの間、「実は知らなかった」ということが、あるものだということです。

しっかりと伝える。分かっているだろう?ではなく、確実に教え伝えようと、親切心をおこしていく。

「そんなことも知らないのか?」は禁句です。

御指南
聴門する所は自が斗の喜び也。

之を転々して人に教え聞かしむるは人を喜ばしむる也。

我が喜びは智眼を開き人を喜ばすは慈悲也。

ましてや、喜びを伝えていくご奉公は、絶え間なく続けることが大事となりましょう。一緒の時間を過ごし、喜びや悲しみ、苦楽を共に分かち合いたいものです。

ご信心のしかた。心の持ちよう。

これらを、「知っているだろう?」で済まさないように。。。


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