清純blog

本門佛立宗 常住寺住職・高野清純のブログ

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有り難い

2014年11月24日 | 学び ・ すすめ

まだ小さな女の子ですが、先天性の疾患によりしゃべることができません。障害をかかえているのです。親御さんは、この子の成長にあわせて、様々な努力をします。そんな様子の一端を、南米チリ人の僧侶・ディアス淳開師のご法門の中で聴聞しました。

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21日~26日まで、大阪・清風寺さんのお講師方が常住寺に寄宿して、関東圏在住のご信者宅を巡回ご奉公されています。寄宿中は毎朝、常住寺の朝参詣にもご出仕いただいておりますので、毎朝のご法門は清風寺のお講師方におねがいしています。そんなご縁で、ディアス淳開師のご法門をライブで聴聞できました。

さて、少女のお話しに戻ります。あるときご両親は娘のために、あいうえおの五十音が書かれたボードを用意します。これを使って、会話をする練習をします。練習の甲斐あって、やがて自分の意思を伝えることができるようになりました。

短い言葉を表現するのにも、ものすごく時間がかかるといいます。たとえば、ボードの文字を、「あ・り・が・と・う」と一文字ずつゆびさしていくのでしょう。それを親が見守ります。時間はかかります。かかりますが、それでも本人は、ものすごく嬉しいのだといいます。自分の意思を人に伝えることができるようになった。本当に嬉しいと心から喜んでいるのです。

健康な人たちは、あたりまえに会話します。それは、年とともに悪いところはでてくるでしょうが、それでも困難は少ないのではないかと思えます。少女の望みは、お父さんお母さんに「おはようございます」「おやすみなさい」と、言葉を発してごあいさつすること。これがねがいだといいます。この願いが叶いますように。。。願ってやみません。

当たり前にできていることが、当たり前ではないということ。この少女は、会話できることが当たり前ではなく、とても努力して喜びを得ました。愚痴は一切ないといいます。グチよりも、会話ができるようになった喜びが大きく、「有り難い。ありがたい。」という気持ちばかりなのだと聞きました。実に前向きです。よろこびつつ、先を先を見て、勇ましく精進しているのでしょう。

Chile

このお話しをされているディアス淳開師は南米・チリ人です。チリの公用語はスペイン語です。空手を習いたくて来日することになり、そこから縁をえて出家し僧侶となりました。

「日本のご信者さんより、私の方が幸せです。なぜなら、遠くチリから日本に縁をえて、そしてこのご信心にお出会いできた。この確率はものすごい。」といいます。本当にその通りでしょう。ですから、いまこうして菩薩行に励んでいる日々を、【あたりまえの日常】と捉えず、感謝の日々をすごしているのがよく分かります。

少女のお話しも、日本人の我々が説くより、異国の地・日本で苦心して仏道修行に励んでいるディアス師が説いた方が、心情や情景がより伝わるように感じました。つまりディアス師は、自分なりのご法門の説き方をよくわかっているということでしょう。流暢な日本語で話します。笑いと涙も織り交ぜて説いて下さいました。これを当たり前と聞き流すことはできません。有り難い。あることがたし。

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(チリの国旗。。。北朝鮮ではありません。)


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