
家の近くで、つくしの姿を見かけるようになりました。
皆様に、つくしの元気をおすそ分け。
昨日、あげたばかりですが、
明日は、ホワイトデー。
じゃ。ホワイトデーの企画ものを書いてみようと、
筆が進んだので、載せてみます。
そういえばまだ、載せ始めていなかったから、
バレンタインデー企画のは、ありません。
あはは。
(のちにこっそり載せるかも?)
あたしの妄想の世界です。
そういうのがイヤな方は、お読みになられませんように。
苦情、ツッコミなどは、ご遠慮下さいませ。凹みますから。
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2012年ホワイトデー企画、お返し。
ホワイトデーの前の日。
3月13日。
あたしは、教科書がどっさり入ったバックを
肩に食い込ませながら、大学のキャンパスを
歩いていた。
なんか、ざわついてるなぁ。
ま。いいけど…。
そう思いながら歩いていると、女子の固まりが3個。
ゲッ。。。
あたしは、数十メートル先に固まりを見つけた途端、
直角に右に曲がった。
と、遠回りしていこう。
固まりの真ん中で、あたしの名前が聞こえてきている
ような気がするけど、ここは、聞こえてない。うん。
あたしは、進行方向をしっかと見つめて、右手を小さく上げて、
その場を去った。
*******
あたしは、F4がいつも使っているラウンジへ来た。
カバンから水筒を取り出すと、ゴクゴクと飲んだ。
ふ~。やっと落ち着いた。
牧野。どうして行っちゃったの?
あたしの名前を呼びながら、肩口から覗き込んでくるのは、
花沢類。
つくしちゃん、呼んだのに、スタスタ行っちゃうし。
スプリングコートのポケットに手を突っ込んだまま
話すのは、西門さん。
囲まれるのが、嫌だったんだよな?
そう言いながら、あたしの隣に座って、
あたしの頭をポンポンと触るのは、美作さん。
女子からの危険を避けただけだよ。
あ?牧野らしくね~な~。
西門さんが、言う。
そお?距離あるところだったから、わからなかったと
思うけどなぁ。
手をあげてたのだれ?
さ~。誰だろねぇ。。。
あたしは、水筒の麦茶をクイッと飲んだ、
とぼけていると、美作さんが、あたしに近寄ってきた。
な、何?
牧野、明日は予定入ってる?
ん?バイトだけど?
団子屋?
そうだけ……。
美作さんは、携帯を取り出した。
携帯から、女将さんの声がする。
ちょ、ちょっと!
いつも牧野がお世話になってます。美作です。
あら、こちらこそ~。
5分ほど話していたと思ったら、
美作さんは、パタンと携帯を閉じた。
よし。牧野の明日を確保。
お疲れ、あきら。
でかした、あきら。
美作さんは、あたしの方を向いて、頭をなでなで
したかと思うと言い放った。
明日の牧野は、俺らとデート決定。
へ?デート?
明日は、ホワイトデーだからな。
そ。牧野のための、買い物だよ。
ということで、授業終わったら、
色々、連れ歩くからな。覚悟しとけ。
ええええ~~?
*******
授業が終わって、ワンピースの上に、
ジャケットを羽織ると、教室を後にした。
いつものように、視線と小さなうわさ話がチラリと
視界の隅や耳に入るけれど、そんなの気にしない。
早足で、F3が居るであろう、ラウンジに向かう。
あたしが一番乗りだ!
なんて思いながら、ソファに座る。
5分ほど立った時、名前を呼ばれて、
入り口の方を振り返った。
牧野。
美作さん。あれ?皆は?
めんどいから、車に居るって。
そっか。
牧野、そのワンピース、似合ってるよ。
以前、美作さんの双子ちゃんたちのお買い物に
付き合った時に、お駄賃って言って、
美作さんに、プレゼントしてもらったベージュの
ワンピース。
さて、行こうか。
うん。
校門前に停めてある、美作さんちの車。
運転手さんが降りてきて、ドアを開けてくれる。
あたしが、サッと乗ると、向い側には、
花沢類と西門さんが、座っていた。
二人は微笑んでいる。
よ。と西門さん。
牧野。と、花沢類。
さて、行こうか。
あたしの隣りに、美作さんが乗ってきて、
美作さんの一言で、車はゆっくりとスタートした。
*******
車が向かったのは、銀座。
あたしでも知ってるブランド店の前で、美作さんが、
エスコートしてくれる。
先に降りていた花沢類と西門さんが、フッと笑って、
店に歩いて行く。
あたしは、美作さんが差し出してくれた腕に、
とまどいながら、顔が火照るのを自覚しつつ、手を絡めた。
そんな様子に、美作さんは、あたしを見て微笑んでくれる。
始めのブランドの店では、Aラインワンピースを2着。
その後、少し歩いて、Fというブランド店へ行く。
なにやら、F3御用達らしいF。
店長さんが、スッと近寄ってきて、奥にあるという
御用達の皆様が買い物をするという部屋へ行く。
Fでは、時計とアクセサリーをセットで数種。
その中の1つ、星のネックレスを美作さんが、
あたしの後ろに回って、つけてくれる。
牧野は星。
で、俺は、三日月。
類は、錨。
総二郎は、プラチナネックレス。
あたしは、この時点でもう…。
余りの世界の違いに、
どこかにトラップしてしまって。
結局、お昼までに、ブランド店は3店舗。
あたしでも聞いたことがある、一流ブランド店ばかり。
少しずつ、買い足されていって。。。
トランクに荷物は入れられていった。
お昼は、銀座の懐石料理の個室で。
1つ1つのお料理が、綺麗で見とれてしまった。
お昼の後に行ったのが、M越。
そこでは、服全般が店員の手に渡された。
ねぇ。
ん?と振り向くF3。
こんなに買って、怒られない?
そうくるか?
ククク。牧野らしいよ。
美作さんは、苦笑するのみ。
俺らのこと、何だと思ってるの?
そんなん心配ないからね。
ホワイトデーのお返しだからね。
「「「そういうことで、返品不可だから!」」」
ちょっ!!
3人はそろって言ったと思ったら、笑って頭に2つ、
肩に1つ、ポンッとされて、
あたしは呆けた顔で、F3の顔を見つめるばかりだった。
はぁ。。。
こうなると、どうにもならないのよね。
ふぅと小さくため息をついて、
盛大なお返しをありがとう。
と小さな声で、言ってみた。
3人は、あたしの小さなお礼をきちんと拾って
くれたらしく、フワリと微笑んだ。
<完>