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花沢類 2012年。バースディ企画。~Angel skin Coral.Part.2~

2012-03-30 00:00:00 | 物語。
さてと。Part.2です。
お楽しみいただければ、幸いです。

この物語は、あたしの妄想にすぎません。

そのため、そういうのはという方は、
読むのをご遠慮ねがいます。

そして、クレームや苦情はご遠慮下さいませ。
お互いに、嫌な気分になりますし、
あたしも凹みますから。。。












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花沢類 2012年。バースディ企画。
~Angel skin Coral.Part.2~














*******




日本の南の方から、
桜の写真が、テレビで流れ始めた頃、
東京の桜も、少しずつ、ほころび始めている。

今日は、3月30日。
あたしの一部、花沢類の誕生日。

今日の夜は、花沢類の誕生パーティ。
3日前、仰々しいほどの招待カードが届いた。
類らしい。シンプルなものだけれど、
質の良い紙を使ったカード。

そして、もう一枚。
類の綺麗な字で書かれたメモ書きが入っていた。
そこには、当日30日の14時に迎えに行くと
書いてある。

多分、花沢家のスタイリストさん達に、
変身させられるんだ。。。


*******


お昼ごはんを食べて、少しのんびりして。
軽く日焼けをしない程度のお化粧をして、
ブラウスにフレアーのスカートを履いて、
カーディガンに着替える。

パーティが催されるホテルでの支度。
誰に見られてるかわからないしね。
約束の時間の5分前、ドアチャイムがなった。

はい。と出ると。
花沢です。と類の声。
ドアを開けると、そこにはニッコリ微笑んだ類。

牧野。変わりない?
うん。大丈夫。
じゃ。早速だけれど、行こうか?
はい。

あたしは、戸締りをして、類の後に続いた。

階段のすぐ近くには、花沢家の車。
運転手の小暮さんが、スッと頭を下げて、
車のドアを開けてくれる。
私は、お礼をいいつつ乗り込んだ。

花沢類も乗り込むと、車は、すぐに動き出した。


*******


ホテルに着いて、一室に連れて行かれると、
そこにはもう、スタイリストさんやら、
ヘアメイクアップさんがもう待機していた。

さ。牧野、魔法を掛けて貰っておいで。

あたしは、花沢類に腰を押し出されて、
ヘアメイクアップの宮本さんに引き渡された。

早速、支度にかかる。

牧野様。メイクを落としますね。
はい。お願いします。

サッと家でしてきたメイクを落とされると、
その後は、宮本さんは、手際よくお化粧していった。
終わると、そのまま、髪の毛にカールを施していく。

今日は、カールしてから、上にアップさせますね。
それにしても、牧野様の髪の毛は、いつみても、
黒い綺麗な髪の毛ですね。
一度、染めようとしたんですけど…、数人から、
猛烈な反対にあってしまって、結局黒髪のままなんです。

大体、何方が反対したのかは予想できますが、
牧野様の髪の毛はとても、きれいでいらっしゃるから
反対なさったのでしょうね。

少し、雑談もしていると、あっという間に、
髪の毛は、結い上げられた。

出来ました。小松原さん、ドレスの方、お願いします。
はい。支度できています。

メイクを始めた時に掛けてくれたケープが、そっと
外されたので、あたしは、立ち上がった。

*******

小松原さんの助けを借りて、着替えたのは、
とても色の良い、ワインレッドのドレス。
着替えた後、肩に薄い薄いストールを掛けられる。
小松原さん、宮本さんともに、感嘆の声をあげる。

牧野様。とっても、お似合いです。
あ。あら。揃いましたね。

笑い合っている二人に、お礼を言う。

綺麗にして頂いて、ありがとうございます。

お二人は、顔を見合わせて、微笑まれた。
数分後。類が、部屋に現れる。

類の綺麗な瞳が、あたしを見た後、
目が驚きで、ゆらりと揺らめいた。

牧野。すごく似合ってるよ。
そ、そう?
うん。そのドレスにして正解だったよ。
良かった。

ピアスもとても、お似合いになっていらっしゃいます。
Angel Skin Coral.でしょうか。
はい。そうです。
ホント、牧野様のお肌にとても合っていらっしゃいます。

類は、二人にもほめられて、頬を染めているつくしを見て、
微笑んでいた。


*******


あと、数分で、18時という時。
ノックがされて、そっとドアが開けられたと思うと、
外から、花沢家で聞いたことがある声が聞こえてきた。

類様。そろそろお時間です。
わかった。

あたしは、パーティバックを持って、スッと
背筋を伸ばす。

まあああああ。素敵。
花沢類は、それにも微笑んで、つくしに手を差し出した。
あたしは、戸惑いながらも、手を添える。

俺がいるから大丈夫だよ。
うん。

あたしは、花沢類にニッコリと笑った。


*******

会場の入口には、類のご両親が待っていて、
あたしもご挨拶をする。

まあ。牧野さん、そのドレス似合ってるわ。
ありがとうございます。

お母様の横には、類の同じ目をした類のお父様が、
微笑んでいた。
会場に入ると、そこは、きらびやかな世界。

牧野。
はい。
俺、壇上で挨拶と、挨拶してこなきゃいけないから、
桜子たちとちょっといてね。

類が、後ろに視線をうつしたので、
そちらに向き直ると、可愛いドレスを着た桜子と、
短い丈のドレスをきた滋さん。

あたしは、類と視線を合わせ、それから、桜子たちの
元へ向かった。
合流したのを見た類は、一直線に壇上へ。
マイクの前に立つと、いつもの類の声じゃなくて、
ちょっと張りをもたせた、仕事用の声。


お礼と、ご両親や友人達、それから来て下さった
皆様への感謝の気持ち。
類の気持ちがこもった、スピーチだった。

スピーチが終わると、滋さんが、ギュッとハグしてきて、
あたしも、仲間たちと挨拶を交わす。
桜子と滋と話していると、F3もやってきた。

牧野、似合ってるな。
ホントだ、すごく似あってる。
馬子にも衣装だな。
・・・。
司、お前、日本語益々怪しくなってきた?
うるせぇ。総二郎。
こらこら。

いつもの、仲間たちの漫才が始まっている。
あたしは、皆に囲まれて、笑っていた。

あれ?先輩。ピアスの穴あけたんですか?
うん。どうかな?
とても、お似合いです…。って、それって。

あたしは、桜子に向かって、人指し指を唇に
当てた様子をみせた。

道明寺に知れたら、五月蝿いから。
そうですね。秘密にした方が良いでしょうね。
でも、美作さんと西門さんは、わかっていらっしゃると、
思いますよ。
うん。それは仕方ないかなと。二人は女性の変わった
所をわかるみたいだから?

桜子とくすくす笑いながら話していたら、
滋さんは、秘書とSP二人の方に、連れていかれてしまった。

やだー。
滋様。ダメです。主要な方にだけでも、ご挨拶を。
むーーーーー。つくし、桜子、またねーーーー。

あたしは、小さく手をふった。
桜子も、笑って手をふっている。

つくしちゃん。
美作のおじさま。お久しぶりです。

美作さんのお父さんが、声をかけて下さった。

お久しぶりだね。夢子から伝言があってね。
夢子さんから?
来週にでも、新作のケーキのレシピが出来上がるから、
試食してくれないかって。
新作のケーキですか!もちろんです。
明日にでも、連絡入れさせて頂きます。
ん。伝えておくよ。

社長。

後ろで、おじさまの秘書の方が先を促している。
あたしは、すみませんと、お辞儀すると、
秘書の方が、恐縮したように、頭を下げていた。

先輩。美作さんのお母様の試食に、お付き合い
されているんですね。
うん。2ヶ月に一回くらいかな。双子ちゃんたちも、
乱入するけどね。
楽しそうですね。
桜子も来る?
予定があえば、行かせて頂きます。
ん。じゃ。あとで桜子の予定も聞かせてね。


*******


その時、類がみんなの元に来た。
そして、あたしの前に立って、手を差し出して。

牧野。
はい。
一緒に踊ってくださいますか?
もちろん。

あたしは、類の手に、手を乗せて、
会場の中心へエスコートされる。
二人が、中心へ立つと、曲が、スローなワルツへと
変わった。

あたしは、不意に類を見上げて、目を丸くさせる。

少しテンポが、ゆるめの曲を頼んでおいた。
もう。類ったら。あたし、美作さんに習ったんだよ?
でも、久々でしょ?
そうだけど。
牧野。始まるよ。笑って?
ん。

あたしは、緩やかな曲に、花沢類にリードされて踊る。

このあと多分、あの3人も誘いに来るよ?

類が、クククと笑ってる。

人事だと思って。
牧野が、楽しんでくれればいいよ。
でも、パーティの後は、俺につきあって。

そう言って類は、あたしのコメカミに、チュッと
一瞬のキスをした。
あたしは、頬が赤くなるのを感じながら、
類に向かって、微笑んでうなづいた。


*******


パーティの最後、あたしは花沢類と、
花沢類のご両親とともに、
お招きしたお客様を送り出していた。

花沢の会社と関係がある会社社長は、
軒並み、自分の娘さんを連れて、
売り込みに来るそうだけど、
今日は、あたしが、花沢類と花沢のおじさまの
間にいるので、流石に声が掛けづらいみたい。
そのかわりと言ってはなんだけど…、
あたしは、どちらからもキツイ視線、睨まれる
という視線を感じてしまって…。

あたし、ここにいていいのかな…。

牧野は、俺のパートナーだから、ここにいて?
なんで分かるの?
一部だから?
今宵は牧野見て、売り込みがないから。
は~。わかってるのね。

フッと笑う類。
無事に、最後の一人までお見送りをしたあと、
やっと、類と共に、部屋へ戻った。


*******


ふたりとも、すぐに部屋に入ってから、
着てきた服に着替えてやっと、落ち着いた。

窓から夜景を見ていたら、
花沢類が、シャンパンを手渡してくれる。
ちょっとだけ、グラスを合わせると、

「「お疲れ様。」」

と言い合って、二人は微笑みあった。
あたしは、花沢類のその微笑が好きで、
照れちゃって、顔が赤くなってしまう。

牧野。その顔…。反則だよ。
え?

あたしからシャンパングラスを取り上げて、
テーブルの上に置く。

は、花沢類?

類は、天使の笑顔で近寄ってきて、
動揺しているあたしをやさしく抱きしめた。
それから一度、体を起こして、
Angel skin coralの付いている耳を
撫で上げる。


俺、我慢出来ない。ご褒美もらうよ。
え?


あたし、頬を包み込まれたと思うと、
引き寄せられて、唇に優しくキスされた。

目の前に、いつもと違う、男の顔の類が居る。
あたしの心臓は、ドギマギしてしまっているけれど、
類の綺麗で真剣な瞳にロックオンされて、
動けない。

もう一度、類の唇が近寄ってきて、
今度のキスは、深い深いキス。
類の想いが、溢れ出るキス。

ん。。。はぁ。


長いキスをして、チュッと音がしそうな感じで、
唇から類は離れた。
ふたりとも、上がった息を収めようと、
深く息をする。
類のいたずらな目があたしを覗き込んで問う。


もう一度、キスする?


あたしは、慌ててフルフルする。

でも、おれはまだキスしたい。

有無をいわさず、腰を引き寄せられて、
そして甘い甘いキス。

類。
ん?

息継ぎの時に、小さく呼ばれて、
自分の腕の中に居るつくしを優しく覗き込む。


類。誕生日おめでとう。
ありがと、牧野。俺、幸せだよ。

類は、つくしの額にキスを落とした。



<完>

*******

--後記。---
やああ。
花沢類、つくしとキスできて、
良かった良かった。

あたし書いてると、軽いキスまでは、
自然とかけるのですが、それ以上のエロ方面に
なかなか進まずなのです。

別に、書きたくないわけではないんですが、
最近は、今はそれでもいいかと、思い始めています。
それもあたしの物語の個性かなと。

気まぐれ妄想なので、
そのうちエロ方面に向かうかも?

それではまた。


花沢類 2012年 バースディ企画。~Angel Skin Coral.Part.1~

2012-03-30 00:00:00 | 物語。





花沢類の誕生日、3/30を勝手に記念して、
書こうと思った物語。
パワーストーンには、昔から興味があって、
それを絡めて書きたいなと思っていたのでした。

あたしの妄想なお話です。
そんなのに、興味が無い方は、どうかお読みに
なりませんように。
そして、苦情、クレームは、勘弁下さい。
いかんせん、私の妄想を形にしているものですから。





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花沢類 2012年 バースディ企画。Angel Skin Coral.Part.1

















あたしはなるたけ、上履きのカンカンという音が
しないように、非常階段を登ったのだが。。。


非常階段で、寝ていた花沢類は、フッと目を覚ましたようだった。
花沢類が背負った太陽の光。
それに反射してか、耳にしているピアスが、
キラリと光った。

おはよ。花沢類。
おはよ。

真剣寝してたらしく、声が掠れている。
やっと合ったらしい焦点。
類は、どうしたのと問う。

なんでもないと首を振るつくしに、
聞いてみたい顔してるよ?
類には、駄々漏れだなぁ。。
それに、類は、微笑んだ。

で?
ん。類ってば、ピアスしてるんだね。
ああ。お守りみたいなもんだよ。
なんていう石?

類は、耳にかかっている髪の毛をソッと持ち上げて、
石の全貌を見せてくれつつ。

Angel Skin Coralっていう石。俺の誕生石なんだ。
そうなんだ。可愛い色の石だね。似合ってる。
ありがとう。

そう微笑む笑顔は、石の名前の通り、Angelな笑顔だった。



*******


座らないの?

そう言われて、花沢類の横に座ってみる。

牧野。
何?
来週の24日は、予定は空いてる?
うん。その日はバイトもお休みだよ。
じゃ。決まり。
何が決まりなの?
俺に、牧野と行きたいところあるから、つきあって。
うん。

24日は、俺のパースディプレゼント第一弾ね。
へ?第一弾?
第二弾は、30日は、パーティのパートナーになってほしい。
パーティ?
イヤ?

花沢類は、子犬みたいな表情をしながら、
あたしを覗き込んでる。
そんな顔されたら、断れないじゃない。
しかも、類の誕生日祝いって言われたら。

ダメ?

今度は、そう言いながら、額と額がくっついた。
あたしは、顔が赤くなるのを感じつつ、覚悟を決めた。

わかったよ。あたしでよければ…。

そう言ったら、おでこから離れたと思ったら、
額にチュッとされた。

なっ。。。

あたしは、慌てておでこを抑える。
類は、そんなあたしをクスッと笑う。

さて、そうとなれば、行くよ?
へ?

花沢類は、そう言うと立ち上がって、
あたしをうながして立たせた。
そして、フッと笑って、花沢類は歩き出す。

待ってよ。

花沢類は、ドアを押さえて待っててくれる。
二人は、非常階段を後にした。。。


*******

このあと、あたしは花沢家御用達の、
ドレスの店へと、連れてこられた。

牧野はここに座ってて。
何?
俺、ドレス選んでくるから。
わかった。

あたしを椅子へ座らせたと思うと、
花沢類はドレスを見ていって、
これと思ったものを、店員へ渡していく。

そして、10着程が、フィッティングルームへ
運ばれると、責任者と思われる女性が、
近づいてきた。

牧野様。
はい。
フィッティングルームへどうぞ。
ドレスの試着を。
わかりました。

花沢類は、フィッティングルームの前へ
椅子を移動させて、座った。

牧野、行っといで。
うん。。。

一着来て、カーテンを開けて、花沢類が見る。
着るたびに、花沢類に全身を見られて、
うなづくという動作。
それが、永遠と思われる程に。

10着すべて着終わったとき、花沢類が、
6着目のドレスに。と声を出した。

これで最後!と思いつつ、6着目のドレスを
着替えさせられて。
バック、アクセサリー、それから靴も用意され、
簡単に、髪の毛はアップにされて、
つくしの体を飾っていく。

用意が終わって、カーテンを開けると、
花沢類が、じっとあたしを見て、そして、
天使の微笑みを、浮かべた。

牧野にすごく良く似合ってる。
そのドレスにして正解だよ。
ありがと。

あたしは、着てきた服に着替え終わると、
もう会計が済んでいて、お茶が用意された。


*******


どうしようかなぁ。

あたしが今居るのは、図書館のコンピュータールーム。
本学の学生なら、無料でネットが出来る、
家にネット環境がないあたしには、ありがたい所だ。

Angel Skin coralって、類の言うとおり
なんだなぁ。すごく似合ってたなぁ。
よし。これとこれにしよう。

えぃ。と勢いで購入ボタンを押して、
手続きを済ませた。
プリンターで料金の紙を印刷してから、
PCを落として、コンピュータールームを後にした。
印刷した紙を持って、支払いをしにコンビニへ。

よし!これで、プレゼントは届くだけ。
100均一に、ラッピングの包装紙を買いに
行っておこうっと。


数日後、つくしの元に、この間注文したブツが届いた。
確認すると、思っていた以上に良いもので、
つくしはすごく満足して、花沢類のイメージで、
ラッピングを施した。

喜んでくれるとイイなぁ。。。


*******


今日は、24日。
朝、何を着ていこうか迷いに迷って選んだのは、
以前、花沢類にプレゼントされて、大事に着ていた、
桜色のワンピースだった。
それに、白いカーディガンを合わせて、靴も、白。
バックは…、やっぱり白のトートかな。
授業が1時間あるしね。

朝一番の講義だから、着ていく服を選ぶのに、
多分、時間がかかるだろうなと思って、
30分早く起きたのが正解だった。
おかげでいつもの時間に、家を出ることが
できたもの。

あたしの家から、大学まで、私の足で17分。
途中、近道しちゃったりして、楽しいところもあって、
お気に入りの通学コースなんだ。
猫ちゃんがいたり、頭をなでさせてくれるワンコも居る。
忙しいあたしの、癒しの通学路だったりする。

つくしちゃん。今日は早いね。
一限目があるのよ。今度来るね。
お。待ってるよー。
はーい。

なんて、商店街の八百屋さんに声を掛けて貰って、
買うときは、オマケしてくれたりするんだ。

そんな街中を歩いて行って、ドンッと現れるのが、
あたしが通ってる英徳大学。
さてと、1限目は、英語のヒヤリングの授業。
あたしが大好きな授業だ。

類と美作さんに、叩きこまれたもんなぁ。。
イギリス英語だったし。
このあたしがまさか、教授にパーフェクトですなんて
言われると思ってもいなかったよ。
けどさ、どう考えても、ビジネス英語まで、
叩きこまれてた気がするよ。
だって、とある放送局の経済のニュースなんて
当たり前に、聞き取れるのだもの。

授業が終わって、廊下に出ると、壁に寄りかかった
花沢類が居た。
花沢類は、白いシャツに、ジャケットを羽織って、
いつもより少しおしゃれ?

牧野。
ここで待っててくれたの?
うん。迎えにきた。

あたしの目をジィとみて、微笑んでくれる。

良かった。
何が?
牧野が、そのワンピース着てきてくれるかと思って、
いつもより、頑張ってみた。

あたしは、その声に、微笑んだ。

行こう。
どこに行くの?
秘密。

花沢類が軽くエスコートしてくれる。
珍しい、類が紳士だ。
こら。俺はいつも紳士だろ。
え?

その声にちょっと拗ねた類は、あたしの腰を突然、
引き寄せたと思うと、こめかみにキスをした。

ななな。
ククク。仕返し。牧野赤くなっちゃって、かーわいい。


*******


大学の駐車場に行くと、ちょっとごっつい車。
??のあたしに、花沢類は言う。

ん。買い換えた。前のは中古だったから。
これは?
フランスの会社の車。ルノーだったかな。
類のお家の会社は、フランスも拠点の1つだもんね?
うん。

ペラペラペラ~。
突然、類の言葉が、仏語に切り替わる。
あたしは、ビックリしつつも。
それを聞きとって、仏語で返したら、
花沢類は、ニッコリ笑った。

抜き打ちテスト終了。
びっくりしたよ。
でも、この方が、効果あるでしょ。
そうだけどさ。

さ。牧野、乗って。
ドアを開けてくれて、あたしは助手席に乗り込んだ。


*******


どこに行くの?
湖が有る所?
へ?
楽しみにしてて。

あたしはいつも、車に乗ると、ウトウトしてしまう。
でも、花沢類の運転では、寝れない。
だって、車が動き出すとき、ギューンっていうし。
曲がるときは、キュッと直角に曲がるんだよ。
怖くて、寝てられる?
寝てた方がいいんじゃないかとも思うけど。
寝てられないのよね。

そういえば、
西門さんは、ジェットコースター並って言ったし、
美作さんなんて、どんな危機を感じたのか、
類が免許とったって言って誘ったら、
類の運転?絶対乗るもんか!って言って、
一目散に逃げたもの。

それでも、免許取りたての頃よりも、大分良くなったのよ。
なんて、話をしたわね。

一人、空想にふけっていたら、
車のドアが空いた。

ん?
牧野、着いたよ。
ここは?
箱根の花沢の別荘。
温泉の箱根?
そそ。
今日は、夕方までここでのんびりしよう。
お昼は、頼んどいたから、楽しみにして。

あたしはその言葉に、ニッコリしちゃったんだ。


*******

リビングに入って、あたしは唖然とした。
もう。どこまでがリビング?ってくらい広いし。
グランドピアノが置いてあるし。
ソファーも大きいし。

類。
ん?
どこに座ればいいの?
あはは。牧野ってやっぱり面白い。
だって。

どこでも、好きな所にどうぞ。
今、珈琲煎れてくるから。
うん。

どこでもと言われても、広すぎて。
窓際の出来るだけ小さいソファの端に
座ってみた。

珈琲をテーブルに置いた類は、あたしの隣に座る。

疲れた?
そんなことないよ。類こそ、運転たくさんして、
疲れたんじゃない?
俺は、運転すきだから、大丈夫。
それなら、良かった。

あ。そうだ。
あたしは、白のトートバックの中から、
小さな箱を取り出した。

これ、誕生日プレゼント。
え。いいの?
あたしが選んだんだよ。気に入ってくれると
いいんだけど。
開けていい?
もちろん。

中はこの間手にいれた、アクアマリンのピアス。

ピアスだね?
うん。この間、類がつけてた耳のピアスみて、
思いついて。Angel Skin Coralって言ってたよね。
うん。
これはね。アクアマリンだよ。
牧野。これ綺麗。ありがとう。

類はびっくりしたことに、その場でピアスを付けてくれた。

どう?
うん。似合ってる。

あたしは、ポーチから鏡を出して、類の前にかざしてみた。

あ。ホントだ。牧野、これイイね。
良かった。気に入ってもらえて。

鏡をあたしに返したと思ったら、あたしは、
花沢類に抱きしめられていて…。

牧野。ありがと。
そう言ったと思ったら、類の唇があたしの唇に
チュッって触っていった。


類。。。
すごくうれしいから、お礼だよ。
そう言ってまた、ギュッと抱きしめられた。


*******


類はしばらくあたしを抱きしめて、髪の毛を
撫でていた。
そのあと、腕の中からゆっくりとあたしを起こす。

牧野。

あたしは呼ばれて、花沢類を見上げると、
類の瞳がまっすぐに捉えていた。

ねえ、牧野?俺が付けてたAngel Skin Coral、
付けてくれないかな?
ピアス穴開けるんだよね?
うん。ダメ?

あたしは、大丈夫だけど。。。
本当?
何よ、類が聞いたんじゃない。
うんそうだね。

30分後、箱根での花沢家の皮膚科主治医だという、
佐藤先生がきて下さり、ピアスについて、
色々と教えてくれて。
私は、耳たぶに1つ、ピアスの穴を開けた。
そして、類がつけていたピアスは、綺麗に消毒されて、
あたしの耳たぶに付けられた。

先生が笑って言う。

牧野様、お似合いです。
ありがとうございます。

その言葉に、あたしは微笑んだ。。


*******


ピアスの話をしていたら、
いつの間にか、お昼になっていた。
いつも、存在さえ感じさせない管理人さんが、
一言類に声をかけた。

類様。お昼の支度の準備が出来ました。
わかった。

管理人さんは、深くお辞儀をして、
戻っていった。

牧野。
はい。お昼ごはんだね。

あたしはつい、ニッコリ笑って類を見る。

ホント、食べるの好きだよね。
もっちろん。
ククク。牧野イイネ。

あたしたちは、ダイニングに移動した。
ダイニングには、すぐ前に、キッチンがある
カウンター席に座った。
すぐ傍で、料理人が作ってくれる様子を見れる。
あたしは、目をしっかと開けて、その様子を見ていた。
類が。笑っている。

牧野。そんなまじまじと見てたら、加藤さん、
緊張しちゃうよ。
類様。そんなことないですよ。

牧野様。しっかと見て下さいませ。

あたしは、ありがとうと言いながらうなづいた。

お料理は、さすが海が近いということで、
お魚中心の会席料理だった。

つくしが、一口食べるたびに、幸せそうな顔をして、
微笑んで。美味しいと食べている。
それに、類も加藤も微笑んでいた。


ごちそうさまでした。

つくしの目は、キラキラ。
満足したのを、表している。

良かった。満足してくれた?
もちろん。すっごく美味しかった。
特に、お魚が新鮮で、あんなにコリコリしてる
お刺身なんて、久々だったよ。
そっか。良かった。

加藤さん、美味しい懐石をありがとうございます。

加藤はびっくりしつつも、そんな類に微笑んだ。


*******


リビングに移動して、ソファに座り話をしていると、
類が突然、すぐとなりにある、キッチンに行き、
お茶セットを借りてきて言う。

牧野。
何?
西門流次期家元直伝のお茶が飲みたい。
類ったら。

つくしは、さっきの懐石のお礼。
と言って、スッと立ち上がり、お茶を煎れた。

ん。美味し。

フッ。と微笑んだつくしも、座って飲む。

牧野の入れるお茶は、総二郎が素直だった頃の
お茶だなぁ。
へ?
ん。総二郎がちゃんと師匠してるんだな。って話。
うん。すごく厳しく習ってるよ。
そっか。
家元夫人にも内弟子の皆さんにも、良くしてもらってる。
西門の家には、あたしの部屋ができちゃったよ。
何それ。

そう言って、類は、少し顔をしかめる。

そんなしかめることないよ。類。
家元夫人や内弟子の方々が、使わないからって、
着物を分けて下さって、衣装部屋を用意してくれたんだよ。

そうなんだ。
初釜とか、お手伝いする時に、泊まる部屋にも
なってるけどね。
なんか、総二郎の家が、もう一つの実家みたいだね。
そう言われれば、そうだ!?

そう言って、二人は笑いあった。
たわいもない話を、お茶を飲みながらのんびりとして、
15時になった所で、類がゆっくりと立ち上がった。

さてと、御殿場のアウトレットに寄って行こうと
思ってるんだけど…、行きたい?
わ!行く。
牧野なら、そう言うと思ったよ。
じゃ。帰る準備して、行こうか。
うん。


*******


やっと停められたね。
ホントだね。
ちょうど、バーゲンの時期だし、土曜日だしね。
類、人ごみ大丈夫?
うん。東京の人人人に比べたら、平気だよ。
ここは、何回も来てるしね?

色々と見て回っていると、類の足が、
真珠で有名なT真珠の前で止まった。

類?
牧野。
ん?
今日、一緒に来た記念に、ここの店で、
何かお揃いのプレゼントさせてよ。
え?
牧野、真珠は持ってないでしょ?
持ってないけど。
じゃ。決まり!

類は、あたしの手を握って店に向かって
歩いていってしまう。
手には、類の体温。

店内に入ると、落ち着いた雰囲気で、
色々と見て回った。

概ね、店内を見て回って、類が選んだのは、
やっぱり、ピアス。
牧野、これとこれ。どっちの色が良い?

緑の方。
OK。牧野、そこの椅子に座っておいて。
わかった。

あたしは素直に座って、類を待つ。
数分で類は小さな紙袋を持ってきた。

車に戻ったらね。
うん。

他にも、ウィンドーショッピングして、
細かいものも買ってみた。

うわぁあああ。
類、見て。富士山がこんな近く見える!
ホントだ。すごいね。
類は携帯で、写真を撮った。
夕方だから、すごく綺麗。

スッと風が出てきて、あたしはぷるっと
してしまった。

寒い?

それに気づいた類が、ジャケットを脱いで、
フワさと掛けてくれる。

大丈夫なのに。

あんたは、すぐ熱出すんだから、
冷やしたらダメだよ。
大丈夫なのに。
ダメ。

あたしは、困った笑顔になっちゃった。

駐車場に戻る道すがらにある、カフェで
休んでから帰ろう。
ケーキセットあるかなぁ。

花沢類は、そんな声に微笑んで歩き出した。


*******


カフェに入って、メニューを見て、
あたしは、ショートケーキと珈琲。
花沢類は、ベリータルトと珈琲。

悩んでる時、微笑んでいる。
牧野。半分こしよ。
いいの?
もちろん。
ありがと。

そう言ってくれるからあたしは、
ショートケーキにできるんだ。
土曜日のカフェ。
結構なカップルが、休んでいる。
ざわついた感じもあるので、
少し顔を近づけ気味にして、話していた。


5分ほどすると、ケーキセットが
運ばれてきて、あたしも花沢類も、
微笑んで、食べ始める。
ケーキ2つは、テーブルの真ん中に置いて。

類。
ん?
このカフェ。当たりだったかも?
そうだね。
珈琲も美味しいし、ケーキも甘すぎないから
イイネ。

あたしたちは、クスクスしつつ、のんびりとした
カフェ時間を過ごした。



*******


帰り道も、お店に寄りながら戻っていく。
レストルームに寄って、外に出ていくと、
類の背中がある。

る・・・。

そこには、学校で見たことがある娘(こ)が、
類に懸命に話しかけていた。
そんな娘を無視していた類は、気配を感じたのか、
花沢類は、あたしの方を振り向く。

牧野。

まぶしいくらいの天使の微笑み。

類。

花沢類の後ろから、あたしを睨みつける視線。
あたしも懸命に微笑んで、花沢類に近寄っていく。
類は、そっと手を伸ばして、あたしの髪を耳にかける。

類がしていたピアスがそこに存在していて。
その娘は、ハッとした顔をして、固まっていた。

類は、あたしの肩を引き寄せたと思うと、
そのまま、その場を歩きだした。
類は、その娘の横を通り過ぎる時に、わざと。。。

知らない人だよ。
類ダメよ。

あたしは、小さく嗜める。
ありゃ。牧野に怒られちゃった。

類は、肩をちょっとすくませて、苦笑する。


*******


車に戻るころには、いつものあたしたちに
戻っていて。

花沢類は、小さな袋から、
自分の分のピアスの箱を抜き取って、
ポケットに入れると、
あたしに、紙袋を差し出した。

ありがとう。
牧野とお揃いだから、お礼はいらないよ。
うん。だけどね、お礼を言える人でいたいんだよ。
それはそうだね。さて牧野。シートベルトして。
はーい。

戸惑っていると、笑って助手席側に身を乗り出して、
手を伸ばして、シートベルトをとめてくれる。

カチッと音がして、
類の身が引いていくと思ったら、
戻り際にほっぺにチュッとして、
戻っていった。

もう、薄暗いのに、あたしの頬は、
赤くなってしまう。

ちょっ!
ありがとうは、これで吸収。
もう。類ったら。

ありがとうって、言えなかったじゃない。
って、心の中で言っていたと思ったのに。
運転しながら、類はクスクス笑っていた。
あ。聞こえちゃったのね。


********


FMラジオからは、可愛い声のシンガソングライター
の歌が流れてきて、。

なんか、いいね。
そうだね。

車の外はもう、すっかり暗くなっていて。
ヘッドライトと街の灯りだけが輝いて。
いつもの街へと戻っていく。

花沢類は、あたしをアパートまで
送ってくれた。


今日は楽しかったなぁ。
俺も楽しかった。

車の前で、二人で微笑み合ったあと類が言う。

来週の俺の誕生日は、パーティだからね。
類の誕生日だから、逃げないよ。

私は、小さくため息をつきながら。
花沢類は、あたしの額にキスしながら、

牧野。おやすみ。
類。おやすみなさい。

鍵を開け、玄関の中に入るまで、
類は、あたしを見ている。
部屋に戻り、電気をつけて窓際に立つ。
そして、小さく手を降った。

花沢類は、あたしに手を小さく上げてから、
車の中へ戻っていった。。。



*******


まだ、類の誕生日当日じゃないので、
Part2に続きます。

Party 第5話 支度。

2012-03-25 00:49:14 | 物語 Party



花粉の季節です。
今日は、風が強くて、
目がシバシバしました。
夜になったら、今度は逆さ睫毛。

睫毛。内側向くなや。(T_T)




さて、相変わらずの妄想なあたしの世界です。


妄想な世界なんてと思う方は、
お読みになりませんように。

そして、クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから、ご勘弁下さいませ。













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第5話 支度。










あのあと梗子には、お昼休みに色々と連絡事項を
伝えた。

ふふふ。
やっぱり、唖然として、目をまんまるにしていたなぁ。

前日には、準備万端ってことで、
あとは、明日28日に仕事納めを終えたら、
あたし達が移動すれば良し!ってことになった。


*******

今日は、年末の納会。仕事納めでもある。
出入り自由なので、2時半に出ようと思って。
総務部の上杉課長に、今年度の挨拶と、
パーティの用意があるので、そろそろ出る旨を
伝え、ロッカールームに急ぐ。

コートを着て荷物を持ち、今度は広報部、
杉山課長のところへ。

大野さんを迎えに来ました。
おう。牧野。頼むな~。
俺と上杉が、後から迎えに行くから。
わかりました…。
そして、梗子と共に、会社を後にした。


********

T国ホテル東京へ。
梗子と共に、チェックイン手続きをすると、
鍵をもらい、エレベーターへ。
エレベーターの中で、総務課長と広報課長へ、
それから、ヘアメイクの木村さんにも、
部屋番号をメールしておく。

つくしったら、抜け目ないね。
何言ってるの?報告だし。

その言葉に、梗子は笑う。
7階について、鍵を開けて部屋の中へ。
中には、素敵な箱に入ったドレスが、
届けられていた。

二人で微笑んで、箱のリボンを解くと、
そこには、素敵なドレスと共に、
小物、靴までもが一緒に入っている。

すごい。
うん。そうだね。

つくしの携帯メール着信音が鳴る。

木村さん。あと10分で到着するって
はーい。

箱の中から、ドレスを取り出し、
ハンガーに掛けて、クローゼットへ。
靴やらも、使いやすいように並べておく。
10分後、ドアベルが鳴って、一応ドアスコープで
木村さんを確認して、ドアを開けた。

お久しぶりです。呼んで頂いて光栄です。
こちらこそ、お久しぶりです。よろしくお願いします。
こちら、同僚の大野です。
はじめまして。大野です。よろしくおねがいします。
こちらこそ、手伝わせて頂きますね。

挨拶をひと通りして、早速準備にとりかかる。
ヘアメイクに着替えで、一人1時間半。
ようやく支度が整った。

ふたりとも、お綺麗です。

二人で並んで鏡の前に立つと、梗子がつぶやいた。

つくし、キレイ。
ありがとう。梗子もキレイよ。

と微笑むと、梗子は顔がほんのり赤くなった。
そんな二人を、木村は微笑んで見ていた。





Party 第4話 木村さん。

2012-03-21 05:23:31 | 物語 Party



「Party 第4話 木村さん。」




菜種梅雨だったりな感じで、
お天気不安定です。

最近、紅茶を数種手に入れました。
紅茶好きなあたしとしては、
ルンルン♪です。

用事済ませて帰宅したあと、
紅茶を入れて、外頭から家頭に、
切り替えています。


さて、相変わらずの妄想なあたしの世界です。

そんな妄想な世界なんてと思う方は、
お読みになりませんように。
そして、苦情、ツッコミなどは、ご遠慮下さいませ。
お互いに、いい気分にはなりませんし、凹みますから、
ご勘弁下さいませ。











第4話、木村さん。












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梗子の仮縫いも無事に済み、ドレスが
出来上がりを待つばかり。

することをメモしてあった紙を見て、
ハタと気づく。
どこで着替える?
髪と化粧は?

うーん。ホテルに一室取るしかないよね。
ブツブツブツ。。。
どうやら、眉間にシワを寄せて考えて、独り言を
言っていたらしい。
近くにいた同僚の柴田から、ツッコミがはいる。

牧野。
・・・。
牧野~。
え?はい。
眉間に深~いシワだぞ。
へ?

あわてて、デコを隠すつくし。

力抜けよ~。出てくるもんも出てこんぞ。
柴田はそんなつくしを見てクククと笑って、
肩をポンポンッと、軽くたたいて行ってしまった。

はぁ。
首を回し、グッと伸びをしてみた。
とりあえず、ホテルに一室予約しよ。
ツインの部屋がいいかな。
ネットでツインの部屋は、すぐにとれた。
しかも、割引になるし。ラッキー。

次に、広報課の杉山課長へ電話を入れる。

杉山課長、牧野です。今、お時間少しだけよろしいですか?
牧野か、いいぞ。どうした?
あの、お聞きしたいことが。
うん。
パーティの時のドレスの着替えの部屋代と
ヘアメイクさんの代金は、会社的にはどうなりますか?
牧野のドレス代が浮いたからな。その分で、出していいぞ。
あ、ありがとうございます。助かります。良かった。
おう。悪いな。色々用意が大変だな。
いえ。業務のうちですので。
ははは。
では、失礼致します。
はいはい。

受話器を置いてから、ウシっと小さくガッツポーズ。

あ。そういえば!そうだった。
引き出しから、名刺入れを取り出して、
ダダダダッと、とある人物を探していた。

ええと、木村さん。木村さん。
あった!
美作さんの時にお世話になった、
スタイリスト兼ヘアメイクアップもお願いできる
木村さん!

牧野さま。美作さまのパーティだけでなく、
牧野さま個人で、パーティにお出になるときでも、
ご連絡くだされば、駆けつけますので、
ご遠慮なく、ご連絡下さいませ。

そう言って、木村は、直通の携帯電話番号を
名刺の裏に書いてくれたのだ。
とりあえず、電話してみよう。。。

トゥルルルル。
はい。
私、牧野つくしと言いますが、木村さんですか?
牧野様。お久しぶりでございます。
ええとあの。お願いがありまして。
今、少しだけ、時間は大丈夫でしょうか。
はい。大丈夫です。

28日に、会社経由でパーティに出ることになって、
ドレスの着付けや、ヘアーメイクアップを困っていた時に、
木村さんのことを思い出したことを言ってみる。

ありがとうございます。
私でお役に立てれば幸いです。

少しの間、打ち合わせをして、お願いした。
では、当日、お願い致します。
承知致しました。

次に、内線で梗子に電話する。

はい。大野です。
総務の牧野です。
つくし~。内線でどうしたの?
うん。今日は、お弁当?
もちろんだよ。
良かった。ちょっと、決定したことがあるから、
お昼休み、話したいんだけれど、大丈夫?
大丈夫よ。
それじゃ、お昼にラウンジで。
了解。

そうだ!
ローズに、ドレスをホテルに運んでくださるように
お願いしておこう。
そして、数分後。電話に出た支配人は、すぐにドレスを
ホテルへ届くように、手配してくれた。

電話を切ったつくしは、微笑んだ。
なんでかって?
梗子の驚きの顔が、目に浮かんだから。。。


Party 第3話 ドレスを作る。

2012-03-16 14:20:54 | 物語 Party

雨降りです。
ホワイトデーのお返しにと、
家族から、クッキーと紅茶を貰いました。
用事を済ませて帰ってきたあとの
楽しみが増えました。


さて、Partyの第3話を公開します。
相変わらずの妄想なあたしの世界です。

そんな妄想な世界なんてと思う方は、
お読みになりませんように。
そして、苦情、ツッコミなどは、ご遠慮下さいませ。
お互いに、いい気分にはなりませんし、凹みますから、
ご勘弁下さいませ。








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Party 第3話 ドレスを作る。






思えば、F4や桜子と滋とは、就職したあと、
段々と、連絡が途絶えていった。

あたしが、そうしたかったのもある。
あの人達は、そういうあたしの気持ちをくんで
くれたのだと思う。
だって、今も、季節のハガキや、カードが、
優しい一言と共に、送られてくるから。

学生の頃は、ともかくみんなパーティに慣れてたから、
年がら年中、パーティしてたし、
小さいパーティから、大きいパーティまで、
連れていってもらったっけ。。。


**********


課長からの頼みを受けてから、2日後のお昼休み後、
課長に許可を貰った上で、梗子を連れて、ドレスを作りに、
あの人に連れて行ってもらった、オートクチュールのお店
「ローズ」へと連れだした。

入っていくと、懐かしい雰囲気が漂ってくる。
支配人が、すっと近寄ってきて、頭をすっと
下げられた。

牧野様、いらっしゃいませ。

梗子、ちょっと待ってて。
話を通してくるから。
そういって、後ろを見ると、梗子は、目をハートに
して、つくしを見つめていた。

な、何?
つくし。すごい。
私は、曖昧に微笑むしかない。

お店の人が、梗子へ近寄っていく。
こちらへどうぞ。ご採寸いたします。と話し、
フィッティングルームへ、梗子を案内していった。

支配人にかいつまんで、事情と予算を話し、
ドレスをお願いすることを話す。

実は。。
はい。何か。
牧野様のドレスを言付かっております。
はい?

訳が分からず、きょとんとするあたし。

いつかもし、牧野様がいらっしゃいましたら、
お直しして、お渡しするようにと言付かって
おりますので、牧野様もご採寸の方を。

支配人自ら、フィッティングルームへと導いてくれた。
壁には既に、藤色のドレスと薄いイエローのドレスが
かけてあって。。

あ!あの人だ。

美作さんですね。
はい。美作さまからの言付けでございます。
お手紙を預かっておりますので、お読み頂ければ。

と、スッと封筒が差し出された。

牧野へ。
元気か?
思い立って、いても立っていられなくて、
皆と相談して、ドレスを支配人にお願いした。
牧野が、もし来たらとことづけた。
受け取って、役立ててもらえると俺たちは嬉しい。

あんなに、邪見にしたのに。
あんなに、逃げまくったのに。
わかってたのね。

あたしの頬を、一筋涙がツゥと流れた。

いけない。

それを、グッと手の甲で拭うと、支配人に、
お直しをお願いする。
1時間後、店内に戻ると、梗子が、ティーカップを
持って、ソファに腰掛けていた。

ただいま。
ん。
びっくりした?
今、紅茶でやっと、落ち着いた所。
そう。良かった。

そう話していると、支配人があたしにも、
紅茶を出してくれる。
そして、今後の予定の紙を、封筒へ入れて、
二人の前へ置いて下さった。

あの。
はい。なんでございましょうか?
伝言をお願いできますか?
どなたに。
美作さんに。
近々、仮縫いに、美作さんのお宅に行かせて頂く予定が
ございますので、その時に、お渡しするようでよろしいでしょうか。
もちろんです。
只今、カードとペンをご用意致します。

用意して頂いたカードに、皆へのお礼と
言葉を書き添えて、伝言をお願いして、
梗子と二人、お店をあとにした。