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Are you serious?

2018-12-24 11:00:00 | 企画物。
我が家の庭の椿の蕾が、
膨らみ始めました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

この間、用事で郵便局に行ったら、
素敵な年賀状があったので、
手に入れました。
今年はその年賀状ハガキで書きました。
友人達に、ほっこりしてもらえたら、
良いなぁと思いつつ…。














それでは、いつものようにいつもの言葉を。












相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。










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Are you serious? 本気?











あたしはどうしていいか、悩んでた。
それというのも、こんなおしゃれな
場所で、突然、結婚前提に交際しないか
と言われたからだ。

それも、とてもとても真剣な顔で、
男のオーラを出した美作あきらにだ。

「牧野?」

眼の前に、男の美作あきらがいる。

「えっと…。美作さん、本気?」

フッと笑って、あきらは、
あたしを引き寄せた。

「もちろん本気だよ。」

「あたしでいいの?」
「言っとくけど、諦める
つもりはないから。」
「え?」
「何度でも、言うよ。」
「あたしには、断る権利はないの?」
「無いと思って?」

そんなこと言って困らせて。

「牧野は俺が嫌い?」
「嫌いじゃない。」

あたしは即答してた。

「どう思ってる?俺の事。」
「ここで言うの?」

有無を言わさぬ目が、
あたしの目だけを見つめてる。
あたしは観念して、
美作さんの手に自分の手を重ね、
小さいけれど、はっきりと言った。

「好き…。」

あたしは、ギュッと抱きしめられた。

「ありがとう。ごめん無理言った。」
「美作さんのバカ。」

パフンと背中を叩いたあたしを
クスクスと笑いながら、あきらは
しみじみと言う。

「やっと手に入れた。」

ギューと抱きしめられて、
抱き上げられる。

「ちょっと!美作さん?人前だよ。」
「牧野。今頃気がついた?
今日はイブ。この位平気だよ」
「平気じゃないよ。それでなくても、
目立ってるのに!」

と小さな声で一応文句を言うも、
あきらのスイッチは入ったまま。
それでも、あきら的には多少は考慮
してくれたらしい。

あたしの耳元に唇を寄せて。
甘い甘い声で。


「愛してるよ。」


愛しき人の言葉に、
あたしは小さく頷いた。




2017年 ホワイトデー。

2017-03-14 00:00:00 | 企画物。
寒かったり、温かったりの日が続いていますが、
皆様いかがお過ごしでしょうか。

私の住む所は、春はもう少し先の様ですが、
すでに花粉は飛んでます。
ええそうなんです。毎年のことでありますが、
既に目がシバシバです。(T_T)
鼻は、マスクがございますので、今の所
死守しております。(^^;;




本文に進む前にお知らせです。
20日の更新は、お休みさせて頂きます。
ご了承下さいませ。
次回は、来月20日と思っております。







さて、ホワイトデー。
ドキドキですよね。
つくしちゃんは、幸せに。
そんな気持ちで書きました。












それでは、いつものようにいつもの言葉を。










相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。











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Just between us. ナイショだよ。











なにこれ、美作さん?
あたしは、自分の胸元に光る指輪を
見ていた。

「いずれは発表と思ってるけど、
今はまだ、内緒だよ。」

は?ちょっと待って!


そこで、あたしは目を覚ました。
そして、あわてて、ネックレスの有無を
確認する。

そして、横にいるというか、
腕枕して抱きしめるようにしている
美作さんも確認する。

そうだった。。。
昨日の夜は、それはそれは凄かった。
ホテルのスィートルームで告白されて、
ベットに連れて行かれて、
何度も可愛がられて。

そう。昨日のホワイトデー。
あたしは、美作さんにデートに誘われて、
行った先が、ホテルのスィートルーム。

今まで3年分のバレンタインのお礼&
返事と言って、ダイヤの指輪をプレゼントされた。
まさか、会社で指輪をしているわけには
いかないだろうからと、
プラチナのネックレスまでついていた。

ええとなんだっけ。

牧野から、バレンタインを貰って3年目。
実は、色々と用意していたから、遅くなった。

あたしは、夢だったから。
気にしてはいなかった。
だって、美作さんは、美作さんに似合った
女性とお見合いして結婚するんだと
思っていたし。
自分で選べないって、花沢類にも聴いてたし?

それが、なんでこーなる。。。

起き上がろうとするも、がっちりガード
されていて、起き上がれそうにない。

困ったなと思って身じろぎしていたら、

「ん。牧野。」

そう言って、もっとあたしを抱き寄せる。

わわわわ。

って思っていたら、クスクスと言う声。
少しかすれた声で、

「おはよう。牧野。」
「おはよ。美作さん。」

やっと、美作さんが起きた。。。
あたしは、ゆっくりと起き上がって、
自覚する。
下腹が痛いということを。

「昨日、俺ががっつきすぎたからだな。」

って、笑ってる。
そして、ごめんね。と言ってキスをする。
でも、なんだか嬉しそうで、なんだか
あたしは、もやもやした。

「キツかったら、休んでもいいんだぞ?」

休む?とんでもない。
それでなくたって、忙しいのに!

「そう言うと思った。」

そう言って、あきらも起き上がる。

わわわわ。

目のやり場に困って、あたしは、
シーツを手繰り寄せた。

「全く、朝から可愛いな。襲い…!」
「朝から、な、何言ってんの!」

クククと笑いながら、側にかけてあった
ワードロープを着て、
あきらは立ち上がった。
そして、あたしの着替えをベットの上に
置いてくれる。

「ありがと。って、このスーツ!」
「ん。用意しといた。」

質の良いスーツ。肌さわりも違う。
あたしは、ブツブツ言いながらも、
袖を通して、立ち上がった。

「似合うよ。」
「ところで今日は、このまま外回り行くから。」
「あたしは、会社の方におろして下さい。」
「いや、牧野も連れてく。」
「でも。」
「座ってれば良いから大丈夫。」

そう言って、あたしたちは、美作商事の
迎えの車に乗って、取引先に行くことになった。

「って!ここ!」
「座ってればいいから、大丈夫だろ。」

あきらは、ニッコリ笑って言った。
そりゃそうだけど。。。
そりゃ、ここでは、座ってればいいだけかも
しれないけど。持つかな。
ズシンと重い、下っ腹をそっとなでて言った。。

「なんとか、もたせます。」
「無理はしないで。」

ということで、
取引先は、西門宅だった。

2017年、ひな祭り。

2017-03-03 11:00:00 | 企画物。
最近、家族が愛犬の散歩に行って
くれているのですが、今日は私が
愛犬と散歩に行ってきました。

少し前まで、しっとり雨が降って、
花粉はそれほど飛んでいなくて、
ホッとしつつの散歩でした。








ほんのり物語を書きました。
急遽アップしますね。
次回は、ホワイトデーに更新予定です。
遊びに来ていただけたら、幸いです。









それでは、いつものようにいつもの言葉を。











相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。










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About when? いつごろ?










いつごろからだったろう。
3月3日が、楽しみになったのは。

そう。あの頃だったね。
3年前の2月の中旬。
美作さんから連絡が来て。
3月3日予定あいてる?
って、尋ねられたんだっけ。

ウチで、女の子のお祝いするから、
あけておいて。
お袋と妹達からの伝言。
お腹すかせてきて下さいね。
美味しいもの色々と作りますから。
だって。

あたしは手伝いをしなくていいのか
聞いたら、
牧野に喜んでほしいみたいだから、
3人にまかせてあげて。

ちょっとだけおしゃれして、
お迎えに来てくれた美作さんと
一緒に美作邸に向かったんだ。

「つくしちゃん、いらっしゃい。」
「「お姉さま、ようこそ!」」

熱烈な歓迎をされて、
案内されたのは、
プライベートなリビング。

そこは、桃の花の香りが漂って、
まさに、女の子のパーティの装いだった。

様々な綺麗に並べられたごちそうと、
美味しそうな和洋のお菓子が用意されていた。

お姉さまどうぞおすわりになってと双子ちゃん達に
案内されて間もなく、
美作さんが煎れた紅茶が運ばれてきた。
ホワリと香る桃の香り。

「ピーチティー?」
「ああ。作ってみたんだ。ストレートで
飲んでみて。」

あたしは頷いて、口へそっと運んだ。

美味しい。

「良かった。気に入ってくれたみたいだな。」

色んな所で、桃のお菓子やお料理にもソースに
ピーチが使われていて、どれもが美味しかった。

話もはずみ、あの頃と比べて大きくなった
双子ちゃんや夢子さんと沢山お話もした。
美作さんは、窓辺の椅子に座って、のんびり
読書をしている。

始まってから、3時間ほどたっていた。

「お姉さま、今日はお泊りになられるんでしょう?」

あたしは、泊の用意をしてきていなかったので、
美作さんの方を見てみた。

「明日は、土曜日だし、今度いつ来れるかわからないし
泊まっていったら?」

「でも。。。」

「俺のこともかまってもらわないと、悲しいな。」

いつも、同じ課、隣の席にいるのに、
何言ってるんだか。

「決まりだな。」

ああ。これは、日曜日まで泊りコースだな。。。

と思っていると、美作さんが笑っていた。

「ここから出勤するのも、偶には良いだろう?」

やっぱり。。。

「うふふ。仲が良いのねふたりとも。」

ニコニコしながら、夢子さんが言う。

ええ。仲は良いですね。
朝から、晩まで一緒ですから、
良いも悪いも知っていますし。

あたしは、心の中でつぶやいた。

「あきらさん。それでいつごろ?」
「母さん、気が早いよ。」
「あら、早くしないと、他の2人に
取られちゃうわよ。」
「わかっていますよ。」

いったい、何の話をしてるんだ。
この親子はと思ったら、
あきらに、微笑みかけられた。

「ということで、ここからは、俺との時間。」
「牧野。行こう。」
「どこに行くの?」
「ゆっくり出来る所。」

うしろからは、くすくすと笑う女3人の声。

「お兄様、頑張って。」
「あんまり、無理押ししちゃダメよ。」

なんて声に見送られながら、あたしは、
美作さんにエスコートされて、
他の部屋に移った。

そこは、美作家の図書室。

「ここが落ち着くんだ。疲れただろう、
ちょっとのんびりしよう。」
「大丈夫なのに。」
「じゃあ、俺につきあって。」
「わかった。」

2人は、ソファに座り、
ほうと力を抜いた。

「やっぱり、疲れたんだろう。」
「そんなことないよ。美味しいものも
食べたしね。」
「そうか。なら良かった。」

「で。牧野。ここからは真面目な話。」
「はい。なんですか?」
「いや、敬語にならなくてもいい。」

きょとんとするあたしに、美作さんの言葉が
続いた。

「実は、結婚を前提として付き合ってほしいと
思っている。」
「そうなんだ。へ?」
「そろそろ、はっきりさせておきたいと思ってた。」
「ええ??」

美作さんは、あたしの手をとり、そして言った。

「牧野つくしさん。」
「はい…。」
「僕と、結婚を前提に付き合って下さい。」
「…。」
「いや?」

あたしは、フルフルと首を横にふる。

「び、」
「びっくりしちゃった?」

こくんと頷くつくしを抱き寄せる。

「大切にしたいと思っています。」
「はい。」
「そして、愛しています。」
「あたしも。。。」

夢かもしれないと思った。
でも夢じゃないよね。

「牧野。」
「一緒に幸せになろう。」
「はい。。。」

あたしは、小さく返事をした。
あきらの顔に、ホッとした表情が浮かぶ。
トクトクトク。。。
あきらのはやる心臓の音が、聴こえてきた。

2016年、クリスマス物語。

2016-12-24 00:00:00 | 企画物。
寒い日もあり、暖かい日もあり、
体調など崩されておられないでしょうか。
それに加えてインフルにノロが、流行って
いるようです。
気をつけなければと思っている次第です。
皆様もお気をつけて、年末年始をお過ごし下さい。

明日のクリスマス、どうしようかなぁ。
何がと言いますと、ケーキです!(真面目な感じで)
今住んでいる所は近くに、我が家で納得が行く
ケーキ屋さんがなくてですね…。
食べるか食べまいか、この期に及んで悩んで
まして。。。
作るのもな〜。面倒だしな〜。と言うことで、
ごちそうで許してもらおうかなあ。
と思っているところでーす。
あと一晩考えて、決めたいと思いまーす。










今回は、何時もより企画物にしては、
私にしては、少しだけ長め?
私から皆様へ、ぷちプレゼントです。
楽しんで頂ければ幸いです〜。












それでは、いつものようにいつもの言葉を。











相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。












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We need to talk. 話があるの。










ねえ、美作さん。
話があるの。沢山沢山。
あたし、寂しくてたまらないの。
この月の大きさを見て、思い出すよ。

あなたの手のこと。
あなたの優しさ。
あなたとの思い出を。

でも、あたしの中には、
美作さんから教えられたことが
いきていてね。
そのおかげで、今も一人なんとか
生きているんだよ。

いつか、どこかで出会っても、
恥ずかしくないあたしでいたいと
思っているよ。

いつも、言っていたよね。
牧野は、酒はつよくないんだから、
色々と教えてくれて。。。
おかげで、助かっているよ。
泥酔することもなく、
上司にからまれることはあるけれど、
大丈夫。
上手く、立ち回っているよ。

そう言えば、
みんなにも感謝しているよ。
寂しいと思うと、ふと、
カードが送られてくるから。
あの道明寺が、書いてくる
ぶっきらぼうな近況報告に、
ふと笑いが出てくるよ。

その時、呼び鈴が鳴った。
誰だろう。
はーいと返事をすると、
ドアの外からは宅急便ですの声。
ロックを外して出ると、そこには、
大きな箱を持った配達員さん。

びっくりしながらも判子を押して、
受け取った。

「ご苦労様です。」

配達員さんは、丁寧にお辞儀をして
去っていった。
そのときに気づけばよかったんけど。
今思えば、美作さんの使いの人だった
んだよね。

箱には、美作家の印が。。。
一体、なんだろう。。。

ゆっくりと開けると、中は、
いろんなものが入ってた。
一番上には、封筒。

ドキドキしながら開けてみる。
なんだろ。

Merry Christmas。
牧野が楽しく過ごせますように。

美作さんのきれいな字で、
書かれていて、笑ってしまった。

そして、箱の中は沢山の物が
入っていて、まるで実家から
送られてきた救援箱みたいだった。
洋服に、オルゴール。美味しそうな
チョコレートに。
タッパーにスープや食べ物まで入ってる。

一つ一つ、美作さんや美作家の人が
選んでくれたんだなと思ったら、
ジーンときた。

あなたの声が聞きたい。
でも…。どうしよう。
あたしからあげられるプレゼントなんて
何もない。
あたしがあみ出せるものしか無い。

ねえ。美作さん。
プレゼント。していいかな。。。

あたしは、意を決して、
時計を見てから、携帯電話を取り出した。
今の時間だったら大丈夫かな。

カードの一番下に書いてある
携帯電話の番号を押す。

ドキドキドキドキ。

呼び出し音が鳴った。
1コール目でそれは、
あなたへと繋いだ。

「牧野?」
「牧野です。久しぶり。今、少し大丈夫かな?」
「大丈夫だよ。」

心地よい声があたしの名前を呼ぶ。

「あのね。あたしからは、何もあげられないから、
お礼を兼ねた、声のプレゼント。」
「そうしてくれないかなと思って番号書いて
おいたんだ。」

「そっか。。。。美作さんありがとう。」
「どういたしまして。」

ふっと微笑んで、言っているのがわかる。

「そして、Merry Christmas!」
「Merry Christmas!一つお願いがあるんだ。」
「何?」
「これからのことなんだけど。」
「これから?」
「これから、ちょくちょく電話していいかな。」

あたしは、コロコロと笑いながら言った。

「あたしで良いのならどうぞ。」
「ありがとう。」
「こちらこそ、素敵なプレゼントありがとう。」
「一人で食べさせてごめんな。
本当は、一緒に食べたいんだけどな。
食べ物、覚めないうちに食べてな。」
「これから、作って食べようと思ってた
ところだから。遠慮なく頂くね。」

後ろから聞こえる声に笑った。
「お兄様?」
「今行く。」

「じゃ、そろそろ切るね。」
「うん。またな。近いうちにまた、
電話する。」
「わかった。」
「牧野。Merry Christmas。」
「Merry Christmas。」

そう言って、電話を切った。

なんだ、あたし。
美作さんの声が聞きたかったんだ。
そうだったんだ。

びっくりなプレゼントに、
久しぶりの幸せなクリスマスに、
幸せな時間を過ごした。



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Merry Christmas。
穏やかな日でありますように。

2016年 バレンタイン。

2016-02-14 11:00:00 | 企画物。

皆様、お変わりありませんか?

私は、多分バタバタ中のはずです。

というのもですね。
2月中に急遽、引っ越しすることに
なりまして。
この記事も、バタバタを見越して、
予約投稿させて頂いています。

それから2月の更新のお知らせには、
美作さんの誕生日も、お話をUPすると
書きました。
こちらも、無事に読んで頂けるように、
早め早めに、記事を書いておこうと
思っています。












それでは、いつものようにいつもの言葉を。












相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。













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It took a lot of patience.
〜ずいぶん我慢したよ。











あたしの前に立つ人は…、
ここ数年、あたしが避け続けた
男性だった。

どうして?あたしの前にいるの。

「ずいぶん我慢したよ。」

あたしだけに聞こえる声で、
真剣な声で言う。

「あたしだっ。」

途中で気づいて、口に手を
あてたものの…。

ああ…。言っちゃった。

次の瞬間、あたしは美作さんに
引き寄せられて、抱きしめられていた。

「美作さん、ここじゃ。」
「目を閉じてればいい。」

大好きな声が、あたしの耳の側でする。
大きな手は、あたしの髪を優しく撫でる。

嬉しいけれど、そういう問題でもない。
なんせ、ここは…、私の務める会社の
前なのだから。

さっきから、好奇心満載の視線が、
降ってきているのがわかる。

「残念。気づいちゃったか。」

そう言って、抱きしめていた手を
緩め、あたしの手を絡め取り、
歩き出す。。
道路に停めてあった車へ一目散に
連れて行かれて、有無を言わさない動作で、
車の後部座席に座らせれた。

「行って。」

美作さんのその声の一言で、
車は、スゥッと動き出す。
その間も、あたしの手には、
美作さんの手が絡みついたまま。

「美作さん。」

そう言って、美作さんの目を見るも、
首を横に降る美作さんを見るだけだった。

「あたし、逃げないよ。」
「これまでの行動から、その発言は、
聞かなかったことにする。」

否定出来ない…。

あたしは、ふ〜と息をはいて、
車窓に目をやった。
結局、つかまっちゃうのよね。

「俺を誰だと思ってるの?」

はい。美作さんです。

「わかってれば、どうして避けた?」

あの場合、仕方がなかったと思うの。

「確かに、記者がすごかったのは、
確かだけれど。」

迷惑がかかると思って。

「迷惑だなんて、これっぽっちも
思ったことは無かった。」

「わかってる。でも、あたし達だけが
良くても、周りはそう思わなかったでしょう?」

「…。」

「こんなに長い間、我慢出来るとは
思ってもいなかったけれど、
離れる時間が必要だと思ったの。
あたしも美作さんも、大人になる
時間が必要だと思ったの。」

ギュウと一段と手が握られる。
あたしは、そうされた上から、
手を包み込んだ。

「ごめんなさい。」

「まさか、家のグループの会社で
働いているなんて、思ってもいなかったよ。」

あたしは、ふっと微笑んで言う。

「ほんの少しでも、役に立てればと
思ったから。」

「牧野。」

あたしは、美作さんを見る。
そこには、熱い目があった。

「お願いだから、俺の隣りにいて。」

「あたし…。」

「俺たち随分、我慢したよね。」

ああ。そんな顔しないで。
あたしだって、側にいたいんだから。

「俺はね。きちんと周囲を整えて、
ここに来たんだよ。」

え?

「誰に遠慮することもない。
我慢しなくていいんだ。」

「美作さん。」

「牧野。」

その時、視界に入ってきたのは、
美作さんのお家。

「美作さん。どうして?」

「ここから始めなきゃだろ。
皆待ってる。ほら。」

門から入って、玄関のアプローチ
向かって行くと見えてくる。
視線の先には、美作家の人々が、
並んでいた。

まさか。そんな…。

車のドアが開く。
あたしは、美作さんにエスコート
されて、車を降りた。

あたしは、どうすればいい?

困惑しているあたしを、彼は笑う。

「みんなが歓迎しているよ。」

顔を見れば、一目瞭然。
皆が笑顔だ。

「美作さん。あたし…、ここに居ていいの?」

「もちろん。」

ありがとうございます。

皆に向かって、美作さんに習った
お辞儀をしたあたしの目から、
嬉し涙が一粒滑り落ちた。