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Do you have time?

2017-04-20 11:00:00 | 物語2。
4月中旬を過ぎて、ようやく気温が上がり、
夏日の日も出てきました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。

私は、先日。ピアノ屋さんの近くまで行ったので、
ピアノ屋さんに寄り、ピアノの調律の日を
予約してきました。
なんとまあ、今回は2〜3時間かかるとか。
しっかりみていただいて、キレイな音に仕上がれば
いいなあと思います。








それでは、いつものようにいつもの言葉を。










相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。









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Do you have time? お時間ございますか?










「あの。」

あたしは、横を通り過ぎようとした女性に
声をかけられたので、立ち止まって振り返った。

「牧野つくしさんですよね。」
「…。」
「私、安藤カオリといいます。」
「何か?」
「今から少しお時間ございますか?」
「…。」

安藤カオリ。
見た目は、きちんとした格好。
だけれども…、作り笑いがな。
あたしには何か、危険な香りだと判断した。

「知らない人にはついて行くなと言われて
おりますので、失礼します。」

あたしの前に移動して、安藤は言う。

「そうおっしゃらずに、お時間を。」
「約束がありますので、失礼します。」

あたしは、反対方向にあるき出した。

「又、伺いますので。」

あたしは、無視して歩き出した。
そのあたしの目には、一人の人が
うつっている。
それは、背が高くガタイの良い青年。
あきらの秘書だ。

「おかえりなさいませ。」
「あの方は…。」
「安藤カオリさん?」
「わかりました。とりあえず、
車にお乗りくださいませ。」

車の中には、既にネクタイを緩めた
あきらが乗っていた。
乗るとすぐに言われる。

「何かされなかったか?」
「されはしなかったけど、時間を
下さいって言われた。」
「それで?」
「断ったよ。」
「それで、正解だな。」
「どうして?」
「あの女性は、弁護士だ。」
「なんで、弁護士さんがあたしに。」

あきらは、何処かの令嬢からのだろうと言う。
正直、またかという感じ。
は〜、とため息をついたあたしの頭を
あきらはポンポンと。

「ごめんな。」
「美作さんに謝ってほしいわけじゃないよ。」
「そうだろうけどさ。」
「そうだよ。」
「適切に、処理しておくから、
それで、勘弁して。」

「ところで、どこに行くの?」
「美術館にでも、どうかと思って。」

内ポケットから、チケットを取り出した。

「あ。いいかも。」
「良かった。その後、食事もどうかな。」
「うん。」
「何が食べたい?」
「パスタ!」
「良かった。」
「え?」
「いつもの所に予約しといたから。」

つくしは、フッと笑った。
あたしと美作さんで、パスタを食べる時
よく行くお店のことだ。
そこのパスタが美味で、ハマっているのだ。

「あそこのパスタ美味しいもんな。」
「うん。」

「ところで、さっきの弁護士の件だけど。」

あたしが、美作さんを見上げて、
続きを促すと言いきった。

「俺に任して。」
「あたしはその方がありがたいけど、いいの?」
「うん。任して貰ったほうがいい。
牧野も、さっきみたいに言って、ついていかない
ように。」
「わかった。」

「それから、警護をつけるから。」
「なんで?」
「しつこくなってくる可能性がある。」
「かたが着くまでは、警護をつけるから。
あとで、顔合わせしよう。」

はぁ。大変なことになったなあとあたしは、
ため息をつく。

「大丈夫だよ。ただ、警護をつけるだけだ。
今だって、ついてるんだよ。」
「それは、わかってるけれど。」
「なら、大丈夫。さ、それよりも、
美術館と食事を楽しもう?」
「うん。。。」
「そう言えば、総二郎の所の件は、
どうなった?」

美作さんは、あたしの顔を覗き込んで言う。

「その件なら、無事に納期されそうです。」
「それなら良かった。」

車は、静かに美術館の駐車場に入っていった。