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ブルースター2。

2012-07-08 11:50:38 | 物語。
梅雨のお休み期間に入ってます。
それでも、曇りや晴れやと今年の梅雨の
お空は忙しいようです。

昨夜、不意にピアノに触りたくなって、
電子ピアノにでっかいヘットホンをして、
引きました。
なぜか手から紬でていって弾いていくのは、
バッハばかり。
実は私、バッハに苦手意識があるのでして。
なんでバッハ?と思いながら、弾きました。
不思議な経験でした。











さて。いつものようにいつもの言葉を。









相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。













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ブルースター2。






何か経験することもわかってる。

それでも、これから、どうなるんだろうと
不安が顔にでてしまう。

牧野。
はい。
邸に着いたら、牧野に話をしたいことがある。
わかった。

そんなに不安そうな顔をしなくても、
大丈夫だから。

真剣な顔をして話すあきらに、あたしは頷いた。

大越、ちょっと寄ってくれるか。
わかりました。

牧野、ちょっと寄るところがあるから。
少し待っててくれるか。
うん。

あきらは、店の前に車を停めさせると、
数分で箱を持って、戻ってきた。
トランクを開けさせて、中に入れたら、
車の中に戻ってきた。


*******


邸に着くと、

荷物を片してから、東屋に来て。

と言い残して、あたしがうなづくのを見てから、
あきらは、あたしをいつも担当してくれる
斉木さんの方へ、押し出す。

あたしは斉木さんに、美作邸に泊まる時に
いつも使わせてもらっている部屋に案内してもらう。
未だ、美作邸は広くて迷子になる可能性が大なので。
部屋に着く少し前、斉木さんが、口を開いた。


今回は、長い期間になると聴いておりますので、
色々と、クローゼットに用意させて頂いております。
どれでも、お好きなようにお使いくださいませ。

ありがとう。

それから、クローゼットに整理ダンスを運び込んで
置きましたので、それもよろしければお使いください。

あたしが、うなづくのを確認した頃、
ちょうど部屋についた。
あたしが入って行くと、斉木さんは頭を下げて、
戻っていった。


*******


30分ほどであらかた片付いて、あたしは、
邸でのいつも着ているワンピース姿になった。
そして、あの東屋へと足を向ける。

何の話があるんだろう。
ちょっとドキドキする。

あたしは、そっと東屋のドアを開けて、
体を滑り込ませる。

美作さん?
牧野か?
うん。

あきらの方へ向かっていく。
あきらは、ソファーにゆったりと腰掛けていたが、
あたしの姿を見ると、体を起こして、
近くのテーブルに用意してあるティーポットにお湯を
煎れ始めた。

私、煎れようか?
いいよ。ソファーに座ってて。
うん。

しばらくすると、サイドテーブルにティーカップを、
出してくれる。

ありがとう。
どういたしまして。

美作さんは、私の隣に腰掛けると、カップを手にとった。
あたしも、カップを手にとって、口近くへ持っていく。

うん。いい香り。
今日は、アッサムティーだよ。

コクリと口に含むと、優しい味が口の中に
広がっていく。

美味しい。
良かった。

しばしの沈黙のあと。

美作さん。話って?

あたしは、ゆっくりとカップをサイドテーブルに置きつつ、
話しかけてみた。

牧野。
はい。

あきらが、ソファーから、あたしの方へ体を向けて、
あたしの目を見て、話しだす。
私も、なんだか、改まった気持ちになって、
美作さんの方へ体を向けて、目を見た。

順番が、逆になっちゃったけど。。。
これから、色々と大変なんだけど。
俺には、牧野だけだから。
俺と結婚して下さい。

美作さん。あたしで、いいの?
牧野じゃないと、ダメなんだ。

どうして?

牧野が、俺を変えてくれた、
そんな牧野と離れたくない。
ずっと一緒にいたい。
牧野となら、幸せになれる。
牧野となら、信じあう心を保っていけると
思ってる。

美作さん。とても嬉しい。ありがとう。
あたしも、美作さんと一緒にいたいよ。

そう言うとあきらは、ジャケットのポケットから、
小さな箱を取り出した。

あ。。。
うん。さっき、受け取ってきたんだ。

あきらは、小さな箱を開けると、
中から、一粒のダイヤが光る指輪を取り出して、
あたしの左手を掴んで、左手薬指へはめた。

良かった。すごく似合ってる。

そして、薬指に優しくキスをされる。
もう一つ、美作さんの横のサイドテーブルから、
小さな花束を取り出して、あたしにそっと差し出す。

あたしは、指輪を見ていたのだけれど。
あきらに花束を差し出されて。
きょとんとしてしまった。

あ。ブルースターの花束。
うん。水色と白とピンクのブルースターだよ。
ありがとう。とてもかわいい。
あたし、こんな幸せでいいのかなぁ。
もっともっと、幸せなろう。

私のひとりごとを拾ってくれて、
彼に引き寄せられて、彼の胸の中で、
その言葉を聴いた。


二人は、手をとって、指を絡めて。
そして、静かに唇を重ねた。


信じあう心が、二度と外れないように絡み合って。
カチリと音を立てて、合わさって。
未来へと続く道を、二人で歩み始めた。
これが、信じあう心の第一歩。


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写真は、家のベランダで咲いたブルースターです。

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