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2017年、バレンタイン。

2017-02-14 11:00:00 | バレンタイン企画。
寒かったり、暖かかったり、
寒暖の差がある今日このごろ、みなさま、
いかがお過ごしでしょうか。
私は、ボチボチと過ごしております。

我が家の今年のバレンタインは、
一足早く、(在庫があるときじゃ
ないと手に入れられない。)
ネット通販にて、
ブロンデルのコンフィズリーと
ショコラショーを手に入れました。
両方とも美味でした。







さて今年もやってまいりました。
バレンタイン。
相変わらずの2人ですが、
ほんの少しでも、皆様に楽しんで
いただけたら幸いです。











それでは、いつものようにいつもの言葉を。











相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。











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2017年、バレンタイン企画、
「How about a drink? (一杯どう?)」









今日は、2月14日。
はい。バレンタインです。
社内は、そのせいもあってか
ざわざわしてる。

そりゃそうだよねぇ。。
うちの会社には、イケメンで、
御曹司のあの人がいるんだから。

え?
あたし?
あたしは…、とりあえず
持ってはきたよ。
今の時点では、渡せるのかも
未定だけど。

うん。手作りクッキー。
だって、チョコレートばっかりだって、
去年も、一昨年もため息ついてたから。
チョコレートばかりなのは、仕方がないよ
と言いながら、
あたしは、GENTENの名刺入れを
プレゼントしたんだっけ。

で、今年はというとクッキーにした。
いつもと違うのは、あまいというか
レモンの酸っぱさが入ってる。
お酒に合うようにと思って、
作ってみたんだけれども。
どうだろう、気に入ってくれるかなぁ?

あたしは、仕事の準備をしながら、
そんなことを考えていたら、
ディスクの上に置いていた携帯が
ブルった。

画面を見て、ドキッとする。
そこには、あの人からのメールが届いてた。

おはよう。
牧野、お誘いなんだけど。
今日の帰り、一杯どう?

あたしは、一杯どう?って
なんなんだ?と思いながらも、
今年も愚痴を聞かされるんだろうなと
思いつつ、OKの返事を出した。

じゃ、18時にいつものところで。

わかったと返事を返し、あたしは、
また、携帯を机の上に置いた。

ふぅ〜。

会える嬉しい気持ちと、
複雑な気持ちが入り乱れてる。

「なあに、つくし。バレンタインに
ため息なんてついて。」

同僚の中山沙知絵が、苦笑しながら
聞いてきた。

「な、なんでもないよ。」

あたしが、美作さんとデートなんて
聞いたら、何言われるかわからないもんね。
ついでに、ここ数年、お休みも一緒って
言ったら、どうなることやら。

「そんなことないでしょ。」
「ははは。今日、飲み会が入ってさ。」
「そうなんだ。それ男性?」
「うん。」
「バレンタインに誘うなんて、あれだね。」
「え?」
「なんでもないよ。楽しんどいで。」
「う、うん。」
「ささ、仕事始めよう?」
「そうだね。」

時間は、刻々と過ぎていく。
バレンタインって凄いよね。
いつもの倍の速さで時間が
流れてる感じがする。
もう少しで17時半という所で、
課内の同僚から声がかかった。

「牧野さん。」
「はい。」
「今日、残業できる?」
「すみません。先約がありまして。」
「ううう。そっか〜。。」
「いえ。こちらこそすみません。」
「今日、バレンタインだもんね。
牧野さんもデート?」

あたしは、ふっと微笑んだ。

「そうなんだ。声かけて悪かったね。」
「こちらこそ。ごめんなさい。」

15分前、あたしは帰り支度を始める。
ロッカーに入って、ちょっとだけおしゃれ
をする。
あらかじめ置いておいたワンピースに着替え、
一昨年貰ったネックレスを付けて、
去年貰った良い感じに馴染んできた靴を履く。
上にコートを着たら出来上がりだ。

よく考えたら、美作さんからプレゼント
されたものばっかりだな。
なんて思いながら。

同じような同僚が、たくさんいる。
ロッカー室は、香水の香りが混ざり合って
いて、大変な香りになってる。

あたしは、しばっていた髪紐を取って、
ブラシで梳かした。
黒髪のサラサラヘアー。
髪紐あとも、スプレーをふって、
きれいに直す。

さてと、いくかな。
18時5分前。お先にと近くにいた
沙知絵に声をかけて、ロッカー室を出る。

「明日ね〜。楽しんどいで。」
「ありがとう。明日ね。」

あたしは、エレベーターに運良く乗って、
地下まで降りた。
乗っている人がすべて1階で降りるので、
地下までいくのは、一人である。

地下への駐車場へ出ると、
声がかかった。

「牧野様。こちらでございます。」

あたしは、声のする方にいくと、
美作さんの家の運転手さんがいた。

「どうぞ、お乗り下さい。あきら様は、
10分ほどお遅れになるそうです。」
「はい。」

あたしは、後部座席に案内され座った。
バックから携帯を出して、画面を見ると
メールが来ていた。

10分遅れます。ごめん。

バレンタインだもんねぇ。
そりゃ、つかまるよね。

「お戻りになられましたよ。」

10分をすぎた頃、美作さんは、
隣りに乗ってきた。

「待たせた。」
「お疲れ様。」
「無下にもできないしなぁ。」
「そうだよね。」

車はその間にも、出発する。
15分走った車は、ホテルの駐車場へ。
あたしは、エスコートされて、
エレベーターの中へ。
エレベーターは、最上階で止まった。

「え?」
「部屋とっといた。一番、寛げる。」
「う、うん。」

美作さんは、ポケットからカードキーを
取り出して、開けるとあたしを促して、
部屋の中へ入った。

「弱いのわかってるのに、一杯つきあうの
あたしでよかったの?」
「牧野がいい。」

美作さんは、コートを脱ぎ、
ジャケットも脱いで、パサリと
椅子にかける。

あたしも、コートを脱いで、
椅子にかけた。

部屋の中にあるバーカウンターの
中に入って、美作さんは言った。

「牧野、座って。」
「うん。」

あたしは、美作さんの向かいの椅子に
腰掛けた。

「おまかせで良い?」
「もちろん。あ。でも、その前に。」

バックから取り出した、
綺麗にラッピングした箱を美作さんの
前に置く。
美作さんの顔がほころぶ。

「チョコじゃないから。」
「そうなの?」
「一応、お酒に合うように、
作ったつもり。」

開けて中身を見た美作さんは、
益々甘い顔になって。

「牧野。ありがとう。」

あたしも、フッと微笑んだ。
早速、クッキーを食べている。

「うん。うまい。これならあれだな。」

そう言って、美作さんは、腕まくりして
シェイカーを準備し始めた。

あたしには、とびきり美味しくて、
度の弱いカクテルを。
自分用には、あたしのあげたクッキーに
合うお酒を用意して、飲み始めた。

「美味しい。」

当然だって感じに笑いながら、
ポリポリ食べているクッキーを
次々と食べながら言う。

「これ、癖になるな。」
「ホント?それなら良かった。」

顔が、目の前にズズイッと来て、
ものすごく甘い目に見つめられて。

「牧野。」

ドキッとしながら返事を返す。

「な、何?」

「今日は、覚悟して?」

あたしの顔は、ボボボッと赤くなった。

2015年バレンタイン。

2015-02-14 11:00:00 | バレンタイン企画。
低気圧の影響で、夕方から冷え込んできました。
さっき、外気温を見たら、2.2度ですって。
冷え込みそうな気温です。

この間、駅前へ用事があって行ってきました。
チョコに目のない私と家族なのですが、
その後、デパートに寄ったら、バレンタインチョコの
売り場ができていたので、ひと通り見て、
3種類のチョコを手に入れました。
買ったチョコは、おうちカフェで家族とともに
頂いています。
実は、プレゼントも一足先に頂いたのです。
とても素敵な腕時計を頂きました。
それも、公にようやくできますので、
ちょっと嬉しいのでした。












一生物のプレゼントを牧野へ。














それでは、いつものようにいつもの言葉を。









相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。











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2015年バレンタイン
It’s up to you.〜君次第だね。












携帯をもったまま、
固まっていること数分。
後ろからあたしを呼ぶ声がする。

「牧野。どうした?」

びっくりした。

「待ち合わせしてたのに、
びっくりしたの?」

「え?あ。美作さん。お疲れ様。」
「戻ってきたね。」

携帯持って固まってたから。
大丈夫だったかなと思って?

「そっか。心配してくれてたんだな。」

頷くあたしに微笑んで、やってきた
店の人に珈琲を頼んだ。
美作さんが、もう一つラテを頼んでいる。

「美作さん。いらないよ。」
「冷めてるだろ。ここのは、温かいの
飲まないと。」

店の人もそうですよとニッコリ笑って、
冷めてしまったラテを下げてしまった。
ほどなくして、温かいラテと珈琲が運ばれて
きて、頂いた。
ホッとするひととき。
前には、大好きな人。

美味しく頂いた後、美作さんが言った。

「さてと、行こうか。」
「どこに?」
「うん。俺んち。」



「なんで?」
「渡したいものがあるんだ。」
「渡したいもの。」

「うん。前にも言っただろ。」
「あ。うん。」

「今回のは特別だから。受け取ってもらえないと、
ものすごく俺は困る。」
「なんか、嫌な予感がするんだけれども?」
「It’s up to you.」
「君次第って何よ。」
「ま。あとのお楽しみ。行こう。」

あたしは、促されて立ち上がった。


******


やってきたのは、美作さんの家だった。
疑問に思いつつも、あたしは、美作さんの
エスコートを受けつつ、庭の東屋へ向かっていく。

「美作さん。」
「ん?」
「どうして東屋なの?」
「東屋に置いてあるから。」
「そっか。。。」

何時もと違う、真剣な雰囲気を感じて、
あたしは、戸惑っていた。

中に入って、コートを脱いで、
ソファーに落ち着いた所で、
サイドテーブルに置いてあった小箱を
美作さんは持って、あたしの方を向いた。

「牧野つくしさん。」
「はい?」
「僕の隣にいてくれませんか。」

え?

あたしは、びっくりして美作さんを
見上げた。

「美作さん?」
「正直に言います。僕の隣にいることで、
大変な思いをすることもあるかもしれない。
でも、僕は、牧野に隣に居てほしいと、
節に思います。」

「あたし。。。。夢でした。」

「え?」

「こうやって、隣りにいられることが、
夢だったの。でも、美作さんには、
色んな事情があることがわかってたから、
諦めてた。」
「うん。」

「あたし。。。あきらめなくていいの?」
「あきらめてほしくない。」

そこで、あきらは、小箱を開けて、中から
指輪を取り出した。

「左手を。」

あたしは、左手をとられて、薬指に、
指輪をつけられた。

「やっぱりコレにしてよかった。」
「綺麗な指輪だね。」

「牧野つくしさん。」
「はい。」
「僕の隣に生涯居て下さい。」
「喜んで。」

あきらは、つくしを引き寄せて抱きしめた。

「ありがとう。」
「あたしも、ありがとう。」

そうして、2人の唇は重なりあった。


バレンタインデー 2014年。後篇。

2014-02-14 11:00:00 | バレンタイン企画。
冬なんですが…。
叔母から、夏みかんを2つ頂きました。
地元で、野菜や果物を育てている方から、
貰ったそうです。
その方の作られている野菜や果物は、
失礼ながら、不格好なときもあるのだけれど、
味は抜群に美味しいのです。
採りたてホヤホヤだからということも
ありますが、ホント、野菜、果物本来の
味がします。
今回は、手で剥いてアムンと食べよう。
きっと、酸っぱいだろうけれども、
美味しいからいいのです!




バレンタイン企画の後篇です。









それでは、いつものようにいつもの言葉を。









相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。











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バレンタインデー 2014年。前篇。
ウィンターコスモス。










総二郎の車で送られて、あたしは、
自分の家まで戻ってきた。
車から降りる前に、総二郎が口を開いた。

「あとな。もう一つ伝言。」

先を促したあたしに、総二郎は言う。

「仕事、辞めるなよだってさ。」

「何もかもお見通しだ…。」

「あきらだからな。」

「明日からも、ちゃんと行きますって、
伝えておいて。」

「自分で伝えたら?」

「どうせ、西門さんこの後、美作さんに
報告の電話するんでしょう?」

「よく、お分かりで。」

ちょっとの沈黙の後、総二郎が口を開く。

「一ヶ月待ってあげれば?」

「何が?」

「あきらの手の中に落ちること?」

「なに…。」

「牧野は、そのままで待ってれば良い。
あいつが本気出せば、1ヶ月でなんとか
なるってことだよ。」

「西門さん…。あたしちょっと怖いかも。」

「つーかさ。スイッチ入れたのつくしちゃんだし?
俺ら止められるのつくしちゃんしかいないじゃん。
だから、それなりには、覚悟しとけばいいんじゃね?」

「わかった。」

「来週辺り、稽古入れるから。」
「はい。」

あたしは、車を降りて、家の中へ。


******

それからあたしは、普通に忙しい日々を
過ごしていた。
そして、西門さんが言っていたとおり、
美作さんから連絡が入ったのは、
一ヶ月近くたったころの事だった。

あたしは今、美作さんの家に向かっている。
美作家からの迎えの車が来て。
そして、着くと同時に、東屋へ案内された。
ドアをそっと開けて、中に入ると、
あたしに、足早に近寄ってくる気配。

「牧野。」

東屋に入って、ドアを閉めた途端に、
あたしは美作さんに抱きしめられていた。

ああ。美作さんの香り。
あたしの安心できる香り。

「そうか?」
「え。聞こえてた?」
「うん。俺は嬉しいけど。」
「美作さん。」
「何?」
「やせた?」
「うん?そうかな。寝る間も惜しんで、
仕事してたからな。」
「なんで?」
「牧野のために?」
「は?あたしのため?」
「総二郎に言われなかった?」

あたしは、心の中で西門さんと
話したことを反復する。

「あいつが本気出したら1ヶ月…。」
「総二郎、イイトコついてるね。」

「美作さん。何かやったの?」
「そう来たか。とりあえず、座ろう。」

そこから、絡まった糸をほどくように、
美作さんは話していく。
やつれた顔をして、けれど、あたしの為に。
あたしの目をしっかりと見つめて。
真剣な目で。

「つまり。」
「ん?」
「美作さんは、本気出したってこと?」
「そういうこと。」
「それで、美作さんに与えられた時間は
1時間で、その間にあたしに話をして、
その後、内輪のお披露目会なの?」
「それで、合ってる。」

そう言って、美作さんは立ち上がって、
近くのミニテーブルから、ブーケを取り、
あたしの座るソファーの前に、跪いた。

そして、ブーケを差し出して。

「牧野つくしさん。もう一度言わせて下さい。
何もかも、手はずは整いました。
牧野がなにも心配するようなことは、
もう、ありません。
だから、僕と一緒に幸せになってくれますか。」
「喜んで。」

あたしは、美作さんからの二度目の
プロポーズを、受け取った。

あ。ウィンターコスモス。

そう思っていると、今度は、上着のポケットから
小さな箱を取り出して。
その箱を開けて、指輪を取り出した。

あたしみたいな素人目にもわかる、
良質なダイヤモンドがしつらえられた指輪。
美作さんは、あたしの左手を取って、
もう一度あたしを見て微笑んで。
薬指に指輪をはめた。

「美作さん。もう一度あなたを愛します。」

あたしは、美作さんをしっかりと見て、
そう言った。

「もう、2度と離れないから。」

あたしは、ギュッと抱きしめられたあと、
遠慮がちにドアがノックされた。

「お兄さま時間です。」

絵夢ちゃんの声がする。

「今、行くよ。」
「先に行っています。」

「牧野。行こう。」
「はい。」

美作さんは、あたしを立たせて、
あたしをエスコートして、
リビングへと向かう。

そこには、あたしたちを祝福して
くれる人達が揃っているはずだ。
あたしたちは、笑顔でリビングへと向かった。


2014年、バレンタインデー企画。

2014-02-12 11:00:00 | バレンタイン企画。
冬日な日々が続いています。
そして、バレンタインデーももう少しですね。

我が家では、バレンタインに家族の東京出張が
重なることが多かったことから、
ここ数年、逆バレンタインという感じでした。
家族が東京で数種のチョコレートを手に入れて
きてくれて、珈琲と飲むカフェ時間が楽しみでした。

だったのですが…。
あいにく今年は、出張が入らず…。(あらま。)

地元のデパートにでも、出かけようかと思いつつ。
有名ドコロのチョコレートしか手に入らないので、
ネットで手に入れようかと思っています。
個人的には、ベルギーのチョコが好きなので、
ノイハウスかガレーかなと思ってもいるのでした。





さて、バレンタインの日までには、
少し前ですが、
バレンタインデー企画の前篇をUPします。
後篇は、バレンタインの当日に、アップ予定です。









それでは、いつものようにいつもの言葉を。









相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。










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2014年、バレンタインデー企画。
ウィンターコスモス。~もう一度愛します。前篇。











愛しい君のために。


今から3年前。
俺は、総二郎を行きつけのバーに
呼び出して、飲んでいた。


「総二郎。」


胡乱げに、カランとグラスの氷を
回す総二郎。
そして、ジィと見られて、俺は
話しだした。


「俺、腹をくくるつもりだ。」
「そうか。」
「何をするべきか分かってるから。」
「ああ。」


繰り返さない為に。
何よりも牧野のために。
俺のために。
そして何よりも、幸せになるために。
何をするべきか、俺はわかっている。


*******

そして、あの東屋であたしは、
美作さんにプロポーズされた。



「牧野つくしさん。」
「はい。」
「僕はずっと君を愛し続けます。一緒に
歩いて行きませんか?」

あたしは、嬉しかった。
美作さんと歩むということは、
あたしにとって、叶うことのない
夢だと思っていたし。
いつか、終わりの日が来ると思って、
覚悟して、側にいたのだから。

でも…。
あたしから言うことは、1つしか
なかった。
それは、数日前から始まった、
あるお嬢様の行いがあったから。

「美作さん。ありがとう。美作さんと
歩いて行くことは、あたしにとって、
叶うことのない夢だと思っていました。
あたし、嬉しいです。」
「牧野。。。」
「だけど、あたし。美作さんと一緒に
歩くことはできません。ごめんなさい。」

きっぱりとそして、しっかりと
美作さんの目を見つめて言いきった
あたしの前には、呆気に取られた
美作さんがいた。

その美作さんを置いて、その場から、
その時出来る限りの早さであたしは、
逃げ出した。

そして…。
あたしは今、寒風に吹かれている。
周囲には誰も居ない。
こんな真冬に来たんだから、当たり前だけど。
だって、ここしか思い浮かばなかった
んだもの。
そう。美作さんと夏に何回か来た海。
想い出の海。

この位の寒風に吹かれなきゃ、
あたしは、美作さんへのキモチを捨て去る
ことなんて、出来ないと思ったんだもの。

そんな時、後ろから、ふわさと温かい
コートが掛けられた。

「つくしちゃん。その気持ちを一生、抱えたまま
生きてくの?」
「西門さん。どうして。」
「ん?あきらに決まってるだろ。俺が行ったら、
益々、意気地になるだろうから、総二郎頼む?」
「…。」

「頼むから、逃げ出すのはやめてくれとも、
言ってたな。」
「だって。」
「あきらが、すぐに何をしたと思う?
内緒で、つくしちゃんにつけてたSPに確認した
んだよ。」
「わかっちゃったんだね。」
「ああ。ああなったら、あきらは本気出すぞ?」
「う…。」
「止められるのは、つくしちゃんだけだと
思うけど?」

あたしは、小さくため息をついた。

「あたしが止めないといけないよね。」
「主原因だしな。」
「まあ、そうだけど。」

少しの沈黙の後、西門さんが思い出したように、
あたしの頬をなでた。

「何?」
「こんなに冷やして。
女の子が身体冷やしたら、
ダメなんだぞ。」

「うん。だけどさ。」
「キモチはわかるけど、車に戻ろう。」
「もうちょっと。」
「俺が、寒いの。」
「ごめんなさい。」
「謝る相手が違うだろ。」
「うん。」


あたしは、総二郎に促されて、
エンジンを掛けたままだった、
西門さんの車の助手席に押し込められた。




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後篇に続く…。


2013年、ホワイトデー企画。梅花藻。

2013-03-14 08:00:00 | バレンタイン企画。
なんだか、バタバタしていたら、
あっという間にホワイトデーになりました。
私は、逆バレンタインだったので、
(と言っても、チョコ菓子作ったけど。)
何か、お菓子でもお返ししようかな~?




梅花藻。バイカモと読みます。
淡水に咲く、梅に似た水辺に咲く花です。
花言葉が素敵で、幸せになります。







それでは、いつものようにいつもの言葉を。










相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。












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2013年、ホワイトデー企画。
梅花藻~幸せになります。









「ん。」

朝日が白いシーツに差し込んでくる中。
あたしは、目を覚ます。

いつものあたしの部屋。
そう。
美作さん宅に泊まった時に、
泊まる部屋。

あたしは、昨日。
どうなったんだっけ?
皆に、二人の仲を報告して。
確か、美作さんにカクテルをつくって
もらいながら、酔っ払って、
多分だけど、ソファに寄りかかって、
寝てしまったんだ。

そこまで、寝ぼけながら考えて、
あたしは、何かに大事そうに、
抱きかかえられて居ることを、
腰に、誰かの手があることを
自覚する。

え?なんで、隣に美作さん??

びっくりしたあたしは、ワタワタしようと
するも、動けず。
とりあえず、動ける手で、布団を
めくり上げて、確認することにしたんだ。

中は、パジャマ。無事。

ホッとするあたしがいる。
そりゃあね。
信用してるけどさ。
でも、びっくりした。
でも、幸せな一息。

あたしはしばらくジッとしていたけれど、
それからそっと美作さんの腕どけて、
立ち上がった。
後ろを振り向いてみると、幸せそうな
あきらの寝顔。

良かった。ぐっすり寝てる。

あたしは静かに微笑んで、シャワーを
浴びに向かった。

部屋に戻ると美作さんは起きていて、
腕時計を選んでいた。
キレイな笑顔であたしの方へ向く。

「おはよう。」
「おはよう。」

照れながら言うあたしを引き寄せて、
チュッと優しいキス。。

「昨日、あたし、寝ちゃった?」
「みんな、楽しそうだったから、
大丈夫だよ。」
「良かった。」

あたしは、促されて、用意してきていた、
スーツに着替えた。
今日は月曜日。普通に出勤だ。
朝ごはんをいただいて、美作家の車に
乗りながら、話をする。

「今日のお昼は、予定はある?」
「?仕事も一段落してるし、予定は無いよ?」
「じゃ。迎えに行くから、一緒にご飯
食べよう。」
「うん。」
「何が食べたい?」
「美味しいイタリアン!」
「分かったよ。」


*******


会社に着くと、更衣室でシュシュで、
髪の毛を後ろに結ぶ。
そして、始業時間までの時間、
しばし、隣の席の同僚と、話しする。

「ねえ。つくし。何かあった?」
「なんで?」
「なんか、すごく良い感じだよ。」
「昨日、久々に内輪のパーティがあったんだ。」
「へ~。そこに、良い人でも居た?」
「あはは。そうだね。」
「いたの?」
「彼氏と一緒だったし。」
「でも、いいなあ。つくし今日はホント、
いい雰囲気だよ?」
「そうかなぁ?」

その時、ベルが鳴り始める。
梗子は、じゃあねと言いつつ、
スィ~~っと、椅子を滑らして、
自席へと戻っていった。

お昼までの時間、集中していた事もあって、
あっという間に時間が過ぎていった。
気づいた時には、ベルが鳴って。

「あ。いけない。」
「どうしたの?」
「今日、ちょっと用事で外に出てくる。」
「そっか、いってらっしゃーい。」
「うん。」

あたしは、慌ててシュシュを外して、
バックと上着を持って、外へと飛び出した。
1つ後ろの道路へと向かう。
そこには、あきらの乗った美作家の車。

近づいていくと、運転席から運転手さんが
降りてきて、あたしを後ろの席へ乗せてくれた。
中には、ニッコリ笑ったあきらが言う。

「大丈夫だった?」
「うん。大丈夫。」

そこから10分ほどのイタリアンレストランへ行き、
仕切られている席へと通されるとすぐに、
ランチが運ばれてきた。

「新作なんだって。食べよう?」
「美味しそう。頂きます。」

食後のスィーツとコーヒーまでしっかりと
頂いて、二人は車へ戻った。

「今日も忙しい?」
「今日はそんなでもないよ。この後、会議が一本。
それからあとは、書類に目を通すくらいかな。」
「その書類が曲者?」
「そうそう。山ほど…。わかってるなぁ。」

あたしの頭をなでなでしながらも、
専務の顔に戻ってるあきらに、
つくしは、クスクスと笑った。
車がスィーと路肩に止まった。

「じゃ。戻るね。」
「うん。またな 。」
「うん。またね。」

あたしは、お昼休みが終わる3分前に、
自分の席へと戻って行った。


*******


「牧野さん。」

仕事が一段落した18時。
あたしは、同じ課の先輩に、話しかけられた。
話しかけてくる先輩のその声に、大体の予想が
ついたから、あたしは、PCを落として、
ゆっくりと振り向いた。

「なんでしょう。」
「今日の夜、何か用事ある?」
「あ。すみません。人と会う約束が
ありまして。」
「あなた、いつもそうよね。」
「すみません。どうも、重なってしまって。」

しつこく、誘ってくる先輩をよけつつ、
あたしは、チラッと時計をみた。
かれこれ、30分になる。
流石に、困ったなと思っていると、
そこへあたしの携帯電話が鳴る。

「あ。ちょっとすみません。はい。」
「牧野?」
「類。」
「…。何かあった?今、牧野の会社の
下にいるんだけど。」
「え?」
「あきらも一緒だよ。」
「分かりました。」

電話を切って、体の前で手を合わせて、
先輩を申し訳なさそうに見る。

「先輩。すみません。今日約束してる人が、
来てくれたので…。」
「じゃ。教えて?迎えに来てるの彼氏?」

あたしは、顔が赤くなるのを自覚しつつ…、
小さく、頷いた。

「彼氏も来てます。」

先輩はようやく、ため息をつきつつ、
開放してくれた。
あたしは、頭を下げて、会社の前まで急ぐ。

あたしは、、車に乗って、一瞬固まった。
そこには、昨日も会った2人も乗っていたからだ。
そして、あたしの隣には、少し仏頂面の美作さん。

「えーと。どういうこと?」
「俺が、今夜牧野と会うって言ったら、ついてきたの!」

少し苦笑気味な花沢類が、言う。

「美作さん。」

あたしの方に顔を向けたあきらに言う。

「今日、会食だって言ってなかった?」
「・・・。親父にお願いしてきた。」
「事情話したら、大笑いされたんじゃなくて?」
「そうともいう。」

助手席からあきらの秘書さんが、言い訳をする。

「つくし様が、ご心配だったんですよ。」
「なあつくしちゃん。」

今度は、総二郎が話しかけてきたので、
そちらを向くと。

「俺らが二人で会うっていったら、
やっぱりな。気がきじゃないみたいだぞ。」
「・・・。」

そうなの?とあきらのほうをチラリと見ると、
そこには、とぼけたような照れたような顔を
した人がいた。
あたしも、ポッとなってしまう。

「なあ、類。おれら、なんだかんだ言って、
あてられてる気がするんだけど。」
「そうだよね。だけど、牧野が幸せになるん
だったら、いいんだ。」

その時、あきらの携帯電話がなる。
画面を見て、司だと言って、苦笑しながら、
電話にでると、受話器口からは、
ギャワギャワと騒いでいる、司の声。
どうやらどこからか、集まってるのを
聞いたらしい。

「お前ら。ズリイぞ。」
「そう言われてもな。」

諭しているあきらの手から、類が携帯を
奪いとっていった。

「司。偶には帰国しないと、牧野に忘れられるよ?」
「類。てめえ。」

あきらは、はあとため息をつき。
総二郎は、あはははと大笑い。
あたしは、ヤレヤレと皆の顔をぐるりと
見渡してみた。

「で?おなか空いたんだけど!どこにご飯
食べに行くの?」
「あははは。牧野だ!」
「牧野は、何食べたい?」
「日本料理!」
「即答だな。」

「あ。そういえば、今日、ホワイトデーだから。
俺らのおごりな。」
「ご飯のあとは、ちょっと買い物な?」
「へ?」
「牧野。忘れてただろ。」
「ま。幸せまっさかりだからな。」
「道明寺うるさい。」

いつの間にか、スピーカーで話していたので、
みんなでワイのワイの言いながら、車は料亭へと
向かっていった。


fin