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I give you my word.

2017-08-20 11:00:00 | 物語。
8月らしくない天気が続いていますが、
皆様、いかがお過ごしでしょうか?
こちらは、連日雨がシトシト。
湿度も高めで、人間の快適さと、
ピアノの為(50%程が良いと言うこと…。)
エアコン除湿がかかせません。

この間、那須に湧水を汲みに行ってきました。
曇りということもあって、汲みに来る方が
多いこと。ちょっとびっくりでした。
合間をぬって、なんとか汲むことが出来ましたよ。
その場所、田んぼがあったり、
でっかいトンボが飛んでいたりして、
とてもいい場所なのです。
でっかいトンボは、オニヤンマと思われます。
そんなこんなで、お盆は過ぎていきました。











それでは、いつものようにいつもの言葉を。










相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。










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I give you my word. 約束は守るよ。










食事の後に入った、
会員制のバーに連れられてきた。
いつものと飲み物を頼まれて、
飲み物が、少しの時間のあと
届けられた。
少し口にふくむといつも通り美味しい
カクテルが口の中に広がる。

カクテルグラスを置くとすぐ、
あなたはあたしを、自分の正面に
向かせた。

「ねえ牧野。」

どうしたの?と首をちょこんと曲げると、
美作さんは甘い表情になって言った。

「2ヶ月待ってくれる?」
「どういうこと?」

「俺、そろそろ限界なんだ。」

あたしは、キョトンとして、
美作さんをみた。

「いつもいつでも、
俺の側で笑っていてほしいんだ。」

あたしは、それを聞いて、
目をまんまるにして驚いた。

「俺の気持ちを気づかないわけは
ないよね?」

ポッと赤くなってあたしは頷く。

「牧野の気持ちは?」


あたしは意を決して答えた。


「美作さんと変わらないよ。」



そういった途端、美作さんは
あたしの手をとった。

「約束は守るよ。」
「うん。」

その後、美作さんは以前、
あたしが好きだと言った
シャンパンを頼んだ。

「美味し。」
「ああ、そうだな。」

「美作さん。」
「ん?」
「あたしね。語学頑張るよ。」

きょとんとした美作さんの目を見て
言う。

「だって、あたしどこでもついて行く
ことになるでしょう?」

ふわりと笑った美作さんは、

「ああ。そうだな。でも、無理はするなよ。」
「取り敢えず、フランス語とイタリア語。」

「頑張り屋だな。」

そう言って、美作さんは、あたしを
腰から引き寄せた。

そして、耳の側で囁く。

「愛してるよ。」

あたしは、ポポポッと赤くなる。

そんなあたしを見てあなたは言う。

「牧野は可愛いな。」

益々赤くなっちゃうじゃないの。
ブツブツそう言ったあたしの左手を取り、
あなたは、小箱を出して、その中から
指輪を出して、あたしの薬指にはめた。

な。なんて用意周到な。。。

「牧野、聞こえてるよ。」

は。。。

「ぴったりだな。作ったかいがある。」

そう言って、微笑むあなたを、
あたしは見ているばかりだった。


I’m lonely.

2017-07-20 11:00:00 | 物語。
湿度が高い空気がまだまだある感じの
東北の玄関口です。
それでも、お庭のサルスベリの花が、
蕾を持ち始めました。
季節は、移ろいゆくのですね。。。

他にも、実のなる木が実をつけています。
梅に柿、桃、それに椿の実も。
家のお庭は、実のなる木が多いですw








夢にみるほど美作さんに会いたいのに、
現実にはまだ会えないと、
その場を逃げ出してしまうつくしちゃん。
そんなつくしちゃんが愛おしい。
そんな気持ちを持ちながら書きました。








それでは、いつものようにいつもの言葉を。










相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。











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I’m lonely. さみしいよ。









ねえ。美作さん。
寂しいよ。

私から、そばを離れてみたけれど。
やっぱり、美作さんの笑顔が
見られるのと見られないのでは違う。

ここには…、あなたがいない。
さみしいよ。

ピピピピピッ。

目覚まし時計が鳴る。

あたしは、胡乱げに目を開けた。

ふぅ。
何度、見ただろう。
今までに、この夢を。

今あたしは、あなたがいない
都市にいる。
一人、アパートで暮らしている。

「起きなきゃ。」

離れてみて分かることもある。
以前も、今も。
あたしの気持ちは変わらない。
でも、あたしには、あなたの側に
戻る自信がない。

起き上がって、ベットを整え、
小さなキッチンに顔を洗いに行く。
生ぬるい水道水で顔を洗って、
一息つく。

ねえ。美作さん。
いつか、あなたと会えるかな。
それとも、気づかないかな。

黒髪をバッサリ切ったあたしに。
あの頃と違って、
鏡台の前でお化粧をして。

実は、今日はものすごく稀に
有給休暇をとってる。

地元に来たどうしてもみたい
展覧会があったので。
何を着ていこうかな。
こうも暑いと、涼しい格好がいいけど。

夏物の着物もいいかもな〜。
どうしようかな。ワンピースも良いな。

あたしは、タンスの前で悩んだ後、
一枚のワンピースを着た。

鏡の前に立つと、
髪の長かった時に着ていたときとは
雰囲気が違ったあたしがいた。

よしっと。

支度を整えて、戸締まりをして、
あたしは家を出た。

日傘をさして、バス停まで行き、
駅前までバスで出て、
会場まで暫し歩く。

ついたそこには、
展覧会の垂れ幕がしてあった。

暫し忘れよう。
楽しみにしていた展覧会だもの。

チケットを切ってもらい、
会場へ入る。

そこには、別世界が広がったいた。


は〜。やっぱり見に来て良かった。


出口のところで、
いつもは買わない冊子も買い、
ホクホクな気持ち。

近くの部屋のドアが開く。

あの人の声と秘書の佐藤さんの声!

まだ会えない。
体が反応して、気づかれないような
早さで歩いて、出口に向かう。

なんとか気づかれず?、外に出た。

「専務。」

振り返った美作さんに佐藤は言う。

「今の女性から、牧野様の香りが。」
「まさか。」

慌てて2人は、ドアへ向かったが、
姿は無かった。

とうのあたしは、会場を出て、
テクテク歩いて駅前に出て、
駅前のお気に入りのカフェにいる。

アイスティーをスィ〜と飲んで、
やっと落ち着いたところだ。

ふ〜。びっくりした。。。

一瞬だけみた美作さんは、
背広を着て、仕事なふうな感じだったな。

それにしても、気づかれないと
思うのに、なーんで逃げちゃうかな。
まだ、自分に自信がないから。。。
わかってるじゃない。

会える頃には、
きっと髪が元の長さになってる。
多分なってる。

それまでに、お化粧ももう少し
うまくなってるからね。

アイスティと一緒に頼んだ、
ケーキを口に運んだ。

ん。相変わらず美味しい。

今日は暑いから、夕飯は
素麺でも茹でようかな。

展覧会の冊子を見ながら、
あたしは呟いた。

I'm all ears.

2017-06-20 11:00:00 | 物語。
6月に入り、梅雨に入ると思いきや、
なかなか梅雨に入らない東北の玄関口です。
その割にジメッとしてたり、冷え込んだりと
なんだかな〜というような感じです。
皆様、体調は崩されてはいないでしょうか。
私は、エアコンの除湿で、湿度と気温の管理をして、
なんとか体調を保っています。

先日、湧水を汲みに行きつつ、ドライブして、
リフレッシュしてきました。
湧水の所が、もう初夏な感じで緑に覆われていて、
気分が良くなりました。
帰り道、野菜直売所でお野菜を手に入れて、
帰宅しました。
早速、お野菜使って、ラタトゥイユを仕込みました。
夕飯にいただこうと思います。









それでは、いつものようにいつもの言葉を。










相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。
















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I'm all ears.(耳をダンボにして聞いていますよ。)












ディスクにつくなり同僚で仲の良い沙知絵が、
タタタっと寄ってきて言う。

「おはよう。」
「おはよう。」

あたしは、ニッコリ笑う。

「ねえ。つくし聞いていい?」
「何を?」
「えーとね。白金の路上、イケメン4人に
囲まれて歩いてたって本当の話?」
「その話、どこから?」
「受付の子が見掛けたって。」

あたしは、あちゃ〜とジェスチャーして、
答えた。

「見られちゃったか。」
「本当なの?」
「うん。大学の先輩たちなんだけどね。」
「え?だって、美作専務もいたって。」

は〜、と一息ついて、意を決して話しだした。

「実は話してなかったけど…、先輩なんだ。」
「え?つくしも英徳学園卒業なの?」
「ごめんね。ちょっと話しづらくて。」
「そうだったんだ。うん。気持ちはわかる。」

うんうんと頷きながらもあたしをジッと
みる沙知絵にあたしは苦笑しながら言った。

「もっと詳しく聞きたいんでしょ?」
「うん。」

素直に頷く沙知絵に笑ってしまう。

「じゃ、お昼のときにでもいい?」
「いいの?」
「うん。今だと、耳ダンボにして聞いてる人が
いるしね。沙知絵にはいずれは知ってて欲しいなと
思ってたんだ。」

それに、沙知絵はニッコリ微笑んだ。

時間は過ぎて、やっと春の気配が漂ってきた
感じのこの頃のお昼。
近くの穴場カフェで、あたしたちは、
朝の続きを話してた。

F4とのことを説明して、
昨日、どうして白金を歩いていたか
説明した。

「昨日はね。」
「うん。」
「招集が掛かって。」
「なにそれ。」
「アメリカから戻ってきた道明寺から、
久々に茶でもしようぜ?って感じで。。
声がかかったんだ。」
「道明寺って道明寺財閥の?。」

あたしは、ゆっくり頷く。

「つまり、呼び出されたわけです。」
「すごいね。」
「まあ、そうだよね。仕事の調整して、
皆、駆けつけるわけだからね。」

「なるほど。で、私、聞きたいことが
あるんだけれど。」
「なんなりと。」
「つくしの本命は誰?」
「沙知絵にはかなわないね。あたしの想いは、
夢だから、口にはしないって決めてるんだ。」

沙知絵はうーんとと言って、記憶の中から
手繰り寄せたようだ。

「確か、道明寺さんとは…。」
「うん。以前、付き合ってたこともあるけどね。
今は、そんな気持ちは、微塵ともないな。」
「そっか。難しいんだね。」
「うん。そうだねえ。」

そのとき、つくしの携帯がブルった。
メールだ。
読んだつくしが微笑んだので、沙知絵は
首をひねる。

「誰から?」

あたしは、フワッと笑って返事を返す。

「お茶のお師匠さんから、次回お稽古の
日時の連絡。」
「そっか。」
「ご厚意で、教えて貰ってて、そのかわり、
お茶会の時に、お手伝いしてるの。」
「そうなんだ。ところで、お師匠さんって、
女性なの?」
「女性の方もいらっしゃるけど、あたしが、
教えて貰ってるのは、男性。」

話しながら、返事を打って、送信。

「へ〜。そうなんだ。」
「もう少しでお昼休み終わるし、
あとはまた、追々とね。」
「うん。追々と聞かせてね。」

小首をかしげて、フワリと笑う同僚に
あたしは笑った。

「さ、そろそろ戻ろう。」
「そうだね。」

皆は、何を言っても構わないって
言ってくれているけれど、
そういうわけにもいかないよね。

「ねえ、つくし。」
「ん?」
「あたしは、つくしの味方だからね。」
「ありがとう。」

えへへと笑う同僚に微笑んだ。

You miss your home, don't you?

2015-11-01 11:00:00 | 物語。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
私は、バタバタな日々を過ごしております。

それにしても人生、色々ですねぇ。
去年までも、色々とあったけれど、
どうもこうも、今年もバタバタがあって。
ただ、平凡に暮らしたいそれだけなんだけれど、
なかなかうまくはまいりません。

しかも、家族の仕事の関係で、関東に、
お引越しという話も大分具体化してきていて、
まあ。なんと忙しいこと。
この1ヶ月の間に家の中の断捨離をバンバン
しなくてはならなくなりそうな気配です。(^^;;

体だけは、気をつけながら過ごしたいと
思っております。。。












それでは、いつものようにいつもの言葉を。









相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。











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You miss your home, don't you?
〜帰りたくなったんじゃない?











今日という日を
いつもと変わらない
日常を過ごす

明日という日も
あなたを想い
大事に過ごす

そんなあたしに
You miss your home, don't you?
って聞く友人がいて
あたしは自分の心に
問いかけてみる

帰りたくても帰れない。
会いたい。
そんな思いばかりが
あたしの心の中に
浮かんでくる。

うん。確かにそうかも。
帰りたいのかもしれない
でも、それは今ではないの。
まだ、我慢できるから
もう少し、このままで。

今日という日を
いつもと変わらない
日常を過ごしていく。

明日という日も
あなたを想い
唯一の思い出を
握りしめて
大事にすごす。

LALALA…。

我慢できるのはいつまで?
あたしの心の中の炎が
安定するまで。
それまではあなたに逢えない
会いたいのに逢えない

あなたは大丈夫ですか
孤独になっていませんか
それだけが心配です
どうか優しい風に吹かれて
いますように

今日という日を
いつもと変わらない
日常を過ごしていく

明日という日も
あなたの腕の感触を
思い出しながら
大事に過ごす

LALALA…。




Exactly.

2015-07-01 11:00:00 | 物語。
ご無沙汰しております。
皆様、お変わりありませんでしょうか。

私はと言いますと、目の方はまだ
治療中です。
ま。こればっかりは、長期的に
みないといけないようですので、
焦らずにいようと思っています。
物語も少しずつですが、書いていますので、
不定期ですが、更新できればと
思っております。








それでは、いつものようにいつもの言葉を。









相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。











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Exactly. そのとおり。











変わりないですか。
こちらは変わりないです。
いつでも、戻ってこいよ。

そんな文面が、あの人のきれいな字で
綴られている。

あたしは、あなたの懐かしい文字を
なぞってみた。

今はもう、大人の青年になって
変わってしまったであろう
あの人の面影を思い出しつつ。

そのとおり。
あたしは本当は、戻りたくって
仕方がない。
でも、それは駄目。
そう思っているから、懸命に
こらえている。

もう一度、あの人の文字をなぞって
あたしは、季節ごとに送られてくる
カードを閉じた。

そうカード。
引っ越しを何度しても、
3ヶ月を過ぎると送られてくる。

あの人に見守られている。
いや、気にかけられている。
それだけでいい。
そう思って生活している。

美作さん。
あたしね。本当は会いたい。
本当は、話したい。
本当は、ひと目だけでも、
見かけたら駆け寄ってしまいそうで
怖い。

だからね。
今はまだ駄目。
あたしの気持ちが、落ち着くまでは
戻るわけにもいかないのよ。

それは多分。
一生こないんじゃないかって
今は思ってる。
仕方がないよね。
好きになってしまったんだから。
その気持を封印して、一生独身で
生きていくって今は決めてる。
覚悟もできてる。

でもね。
離れていてもあたしは思うんだ。
人を愛する喜びを、
人に対する優しさを教えてくれたのは、
あなただから。
だから、感謝してるんだ。

あなたが牧野ってあたしを呼ぶ声が、
心のなかに残っていて、
携帯の留守電に入ってたあなたの声が
あたしの宝物で。

時折、経済誌を見に本屋に行って、
本当に、立派になったあなたのインタビュー
記事を見て。
ただ、それだけがあたしの楽しみで。

あなたが、いつの日か、誰かを
選ぶ日がこようとも。
あたしの気持ちは変わらないから。
色んな街を転々としながら、
暮らしていくんだろうなと。
そう思っていた。。。

あたしの誕生日に、
あなたが現れる前までは…。
家のアパートの前に、
似つかわない高級車が停まって
いたとき、あたしは、回れ右した。

インターネットカフェで時間を
潰して、夜遅くに戻っても、
そこには、その車があって。。。
あたしは、覚悟しなきゃいけなくなった。

その高級車の横を通りすぎて、
カンカンカンと階段をあがる。
バックの中から鍵を取り出し、
開けようとした時、あたしの手は
あなたの大きな手に包まれた。

「こんな遅くまで何してた。女の子が、
暗がりを一人で歩くなんて、駄目なんだぞ。」
「・・・。」
「牧野。」

あなたの声は怒っている。
あたしは、どう反応すればいいの。

「あたしにはあたしの生活があるの。
今日は、インターネットカフェに行ってたから
遅くなっただけ。それより何か用なの?」

あたしの雑多な声に美作さんは、
いささか驚いたようだったが、
気を取り直して話しかけてきた。

「迎えに来た。」
「へ?」
「そろそろ、俺の我慢も限界。」

何を言ってるのかわかってるのかこの人は。

「もちろんわかってるよ。
全部、整理して。全部、用意して。
用意が整ったから迎えに来た。」
「・・・。」

何を言ってらっしゃるやら。

「もう夜も遅いですし、お帰りになって
下さい。そして、二度ときませんように。」
「牧野。もういいんだ。」
「何がいいんですか。」
「もう、俺達は、我慢しなくていい。」

そこであたしはようやく、美作さんに
目を合わせた。
そこには、大好きな会いたかった目があった。

「牧野。会いたかった。」

そう美作さんは言ったと思ったら、
あたしはもう、美作さんの腕の中に
引き寄せられていた。。

「美作さん?1」
「言ったろ。我慢の限界がきたって。」
「や、でも。」
「今まで、離れて我慢してた分、
補充させて。」
「こ、困ります。」
「じゃあ、このまま連れ去って、
俺の腕の中で眠りにつくのとどっちがいい?」

あたしは、目を白黒させて、美作さんの
腕の中でようやく力を抜いた。

結局、あたしはなんだったのよ。

「ごめんな。」

そうよ。色んな思いをしたっていうのに。

「申し訳ない。」

美作さんの抱きしめる力が、ギュッと
力強くなった。

「その分、これからは一緒だから。」
「これからずっと?」
「ああ。その通り。これからずっと。」

あたしは、ようやく安堵の息をもらした。
そして、今まで入っていた力が、抜けていく
のを感じていた。

「美作さん。あたしね。」
「ん?」
「ずっと一人で生きていくんだと
思ってた。」
「牧野?」
「誰かさんが結婚しても、一人で
生きていく覚悟はできてたんだよ。」

「牧野。待たせたな。」
「うん。」
「もう、待たないでいいから。」
「うん。」
「牧野。」
「美作さん。ウチに入って。」
「いいのか?」

こんな遅くにという意味なんだろうけれど、
あたしは、腕の中で頷いて美作さんの背中を
軽くポンポンとした。
美作さんはやっと、手をほどいてくれる。

鍵をバックから出して、開けた。

「沢山、話したいことがある。」
「うん。さ。入って。暖かくなって、
沢山はなそう。」

すぐに暖房を全開にして、
ヤカンを火にかけた。
その夜は、いつまでも、つくしの部屋の
明かりがついていた。