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ハナニラ。後篇。

2015-05-30 11:00:00 | 
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
私はと言いますと、目の方は大分良くなって
きたように思います。
あとちょっとというところです。

さて先日、我が家に車がやってきました。
事情があって、5年ほど前に車を手放してから
自転車生活を送っていたのですが、
この度、必要に迫られまして。
中古の軽自動車なのですが、乗り心地は
なかなかな感じ。但し、パワーはないですね。
坂を登る時は、特に感じます。
そんな愛車ですが、3つほど不具合が
見つかりまして、明日整備入りしてきます。
良くなるといいなあと思います。












それでは、いつものようにいつもの言葉を。









相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。













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ハナニラ。後篇。










土曜日。
お昼を食べて、お化粧をして、
それから、ワンピースに着替えた。
美作さんにプレゼントされた、
薄いイエローのお上品なワンピース。
それに、コートを羽織り、出来上がり。

さてと。どうなることやら。。。


*******


ピンポーン。
お家は、びっくりしたことに洋館だった。

「はーい。今開けます。」

玄関ドアが開いて、斉藤さん自ら、
出迎えてくれた。

「こんにちは。」
「こんにちは。ご招待ありがとうございます。」
「まあ。そんな堅苦しいことは無しでね。」

あたしは、苦笑する。

「これ。つまらないものですけど。」
「まあ。ありがとう。ささ、お上がりになって。」

スリッパを勧められて、あたしは、どきんとした。
そこには、男性物の靴があったからだ。

「許嫁とそのお友達もいらしてるのよ。
とてもいい人だから、安心して?」
「はい。」
「コート。お預かりするわ。」

脱いだコートのしたのワンピースに、
斉藤さんは、ハッとなさる。

「とても素敵なワンピースね。」
「ええ。お気に入りなの。」
「そうなのね。」
「どうぞ。こちらに。」
「ありがとう。」

「男性方、私のお友達がいらしたわよ。」
「こんにちは。」

そう言って、顔を挙げると、そこには…。
西門さんがいた。。。。

「久しぶり。やっぱりだったな。」
「なんで。」

「あら。お知り合いなの?」
「ええ。古きからの友人であり、私の弟子です。」
「えええ?そうなんですの。」
「元弟子です。」
「相変わらずつくしちゃんは、つれないなあ。」

「絵里。僕を紹介してくれないのかい?」
「ごめんなさい。宗介さん。
こちら、お料理教室でご一緒している、
牧野つくしさんです。
牧野さん、こちら、野村宗介さん。私の
婚約者です。」
「初めまして。こんにちは。牧野つくしです。」
「初めまして。野村です。きちんと礼儀が
入ってなさるんですね。」
「え?」
「流石、西門さんのお知り合いだ。今日は、絵里の
突然のお茶会に来て下さり、ありがとうございます。
楽しんでいって下さい。」

あたしは、動揺していた。
西門さんがいたのもあるけれども、
野村という人物に。。

お茶会は、穏やかな時間だった。
煎れられた紅茶もお菓子も美味しかったし、
男性二人も、素敵な会話を紡いでくれたので、
あきもせず、気づけば3時間がたっていた。

「とても楽しい時間でしたわ。牧野さん、
また、お茶会しましょうよ。」

あたしは、困った顔をして、受け流した。

「機会があれば。」

手土産として、お菓子が持たされて、
あたしは、西門さんと絵里さんの家を出た。

「さてと。ドコ行く?」
「帰る。」
「晩御飯、食べてからね。」

そう言って、総二郎はあたしの手を取った。

「折角会えたんだから、逃しはしないよ。」
「西門さん!」
「もう、あんな別れの悲しみなんて沢山なんだよ。」
「…。」
「牧野もだろ。だから、俺が居て動揺してたもんな。」
「動揺なんかして…。」
「してないとは言わせない。いつか…って、
思ってた顔してたぞ。」
「なんで、わかるのよ!」
「俺とつくしちゃんの仲だからな。さ。行くよ。」

西門さんの手には、逃げられないほどの力が
加わっていて、あたしは逃げられそうにない。

「もう。覚悟しな。」
「は?」
「今まで何してたか話してもらうからな。
この近くに、西門の別荘があるんだ。」

は〜っと息をはいたあたしに、西門さんは、
笑いながら言う。

「だから言ったろ。あんな別れは沢山だ。
皆も、待ってたんだぞ。」
「なんで?」
「友達だからな。」
「あんな別れ方をしたのに?」
「あの時は、ああするしかなかっただろ。」
「分かってたんだ。」
「もちろん。牧野が限界だったのも。」


西門の別荘は、歩いて5分ほどで、
中に手を引かれて入っていった。

「すぐに司が探そうって言ったけど、
あきらの一喝で、その場は収まったよ。」

「みんな、我慢してくれたんだ。」
「ああ。だから2度めはない。
同じ過ちはしやしないよ。」

「どうやら、着いたみたいだ。」
「どういうこと。」
「つくしちゃんが一番会いたい人。」

目星がついて、あたしは、身を翻そうと
したが、それは出来なかった。

「牧野。」
「…。」

後ろから、抱きしめられたからだ。

「美作さん。」
「会いたかった。」

美作さんの大きな手。
大好きな美作さんの香りに包まれて、
一気にあたしは、顔が赤くなった。

「なんで、抱きついてんの。」
「捕獲?」
「なんで、ここにいるのよ。」
「総二郎から連絡貰った。」
「西門さんから?」
「うん。ラストチャンスをやるって。」

あたしは、力を抜いた。
そして、あたしの腰に回っている手を
ポンポンと優しく叩いた。

「嫌だ。」
「もう、逃げないから。」
「本当に?」
「うん。本当。」
「わかった。」

やっと、美作さんは離れてくれて、
やっと顔が見れた。

「美作さん。あの時はごめん。」
「俺もごめん。」
「すごく悲しかったと思う。」
「ああ。」
「あたしも悲しかった。」
「ああ。」
「でも、あの時は限界だったの。」
「そうだな。でもな、会わないのももう、
限界なんだ。」
「うん。あたしも。」

コンコンとノックがされて、
西門さんが顔を出した。

「なあ。腹減った。飯食おうぜ。」
「あのなぁ。」
「いいじゃん。色々と話しながらさ。」
「そうだな。時間はたっぷりある。」
「ああ。そうだよ。」

このあと、あたしは会わなかった間のことを、
根掘り葉掘り聞かれて、
そして、あたしも会わなかった間のことを聞いた。

「あきらは頑張ってたぞ。」
「どういうこと?」
「二の舞いにならないように。」

その言葉にあたしは、美作さんを見た。
美作さんもあたしを見ていて、フッと優しく
笑ったので、本当なんだって思って、
胸の中が熱くなった。

「頑張ってくれてたんだ。」
「ああ。頑張った。もう離れたくないから。」

美作さんは、ご飯を食べたあとは、
ずっとあたしの手を触っていた。

「ずっと離れなくていいの?」
「ああ。もう、準備はできてる。」

あたしは、離れてからしたことがなかった
笑顔が漏れ出るのを、自分で感じていた。

「嬉しい。」

「ああ。俺も嬉しいよ。」

2人は微笑みあった。

ハナニラ。前篇。

2015-05-20 11:00:00 | 
まあまあのお天気です。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。

私はと言いますと、しつこいものもらいの
治療中です。早く治らないかなあ。
目って、大事です。。ホント…。

それはさておき、もう少しで我が家に
車がやってきます。
どうしても必要になって、手に入れたものです。
軽自動車ですが、よく走ってくれると
信じて、楽しみに待ちたいと思います。











それでは、いつものようにいつもの言葉を。









相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。













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ハナニラ〜別れの悲しみ。愛しい人。













あたしは、会社の花壇の花に
水をやっていた。

ハナニラ。。。
花言葉は、別れの悲しみだっけ。
この季節になるとあの頃を思い出す。。

いかんいかん。
もう、過去のことじゃない。
あたしは、もうあの頃のあたしじゃない。

只の中規模な会社の真面目な事務員。

「牧野さん。おはよう。」
「多部課長、おはようございます。」
「毎朝、ご苦労様。」
「いいえ。」

ニッコリ営業スマイルをして、やり過ごす。

さてと、あたしも中に入らないと。
じょうろを片付けて、干しておいた
台布巾を取り込み、それから給油室へ。
台布巾を元の場所へ戻し、
自由に飲めるように、電気ポットに
水を入れて、沸かしておく。

コレでよし。

あたしは、自分の席に戻った。


*******


真面目一辺倒な地味な事務員として
働いて3年。
就業時間を過ぎると、区切りのいい所で
仕事を切り上げる。
残業は、締めの季節のみ。

「お先に失礼します。」
「お疲れさん。」

というのも訳がある。
2年前から、京料理のお料理教室へ
通っているからだ。

最近は、大分包丁さばきが良くなって
来たねって言われたばかり。
嬉しいったらあやしない。

その前に今日は、お茶を買いに、
丸の内にあるお茶屋さんへ行く。

抹茶と玄米茶、それから玉露を買った。
鞄に仕舞いこむと、急ぎ足でお料理教室へ
向かう。

「こんばんは。」

ドアを開けながら、店に入っていく。

「いらっしゃい。」

いつもの場所に荷物を置き、
鞄からエプロンを取り出す。
この教室に来始まって、お料理が
楽しくて仕方がない。

先生には、それがわかるらしく、
教え街があるとおっしゃってくれて、
真剣に教えて下さる。

1時間半過ぎた頃、

里芋の煮物。
お吸い物
炊き込みご飯
鴨のロースト

が出来上がって、生徒さんたちと
試食が始まった。

「牧野さんって、食べ方が綺麗よね。」
「そうですか?」

内心、ドキッとした。
こんな所にも、出てしまうんだなって。

「ええ。とっても良いと思うわ。」
「ありがとうございます。」

ちなみに、今話していたのは、
どこぞのお嬢様。。
何やら、許嫁がいて、来年の春
結婚することになっているので、
花嫁修業に来ているそうだ。

「私、こんなでしょ。だから、
お友達があまりいなくって。」
「牧野さん。お友達になって
くださらない?」
「へ?あたしですか?」
「ええ。私と合いそうなんだもの。」
「そうですか?」

内心、勘弁して〜と思ったが、
お嬢様という部類の人は、ま〜、
なんでかじっとりとしていることが
多いときているから、さらっと、
流すことにした。

「ね。今度、お茶をしに我が家に、
いらしてくださいな。」
「ええ。機会があれば。」

このお嬢様といたら、あたしは、
あの人たちのことを思い出してしまう。
だから、あまりそばにはいたくないん
だけれども。

調度良く、先生から片付けの指示が
出たので、あたしは、さらりと立ち上がって、
片付けを始めた。

「お疲れ様でした。」

あたしは、あのお嬢様につかまらないよう
気配を消して、お店をあとにした。。

ふぅ。さてと、帰ろう。

お店からは、40分ほどの、アパートに
あたしは、とりあえず帰ることにした。


*******


携帯で撮った写真と、レシピを、
ファイルに挟んで、ストックする作業を
しているうちに、炊き込みご飯の味を
思い出して、フッと笑った。

美味しかったなぁ。
今度からは、あの味だね。
里芋の煮物も、あの味。

あのお嬢様さえなんとかなれば、
もう少しあのお料理教室に通いたいな。
上手く付き合っていくしかないよね。。。
は〜。
考えてもしかたがないか。
お風呂入って寝よ。


********


朝、出かける準備をしていたら、
固定電話に、知らない番号から、
電話がかかってきた。

無視したほうがいい気がする。

パッと5回鳴ったところで、
留守電に切り替えた。

「牧野さん。お料理教室の斉藤です。
お茶会のことでお電話しました。又お電話します。」

で、でなくてよかった。。。。

戸締まりをして、会社に行く。

さてと、どうしようかな〜。
一度は行かないと、諦めてくれない
だろうし。
は〜。

「牧野さん。おはよう。」
「多部課長。おはようございます。」
「何かあったの?」
「え?どうしてですか?」
「すごく難しい顔してるから。」
「あ。はい。ちょっと考え事をしていまして。」
「そうか。それは邪魔しちゃったね。」
「いえ。そんなことはありません。」
「じゃ。」
「はい。」

あのお嬢様が悪いわけじゃない。
誠意を持って、お付き合いしないと。。。

つくしは、次の電話にでる決心をした。


********


夜20時すぎ、固定電話が鳴った。
つくしは、は〜と溜息をついてから、
電話にでる。

「はい。牧野です。」
「牧野さん。斉藤です。」
「朝は失礼しました。早く出勤日だったもの
ですから。」
「いいのよ〜。私も悪いのだから。早速
だけれども、お茶会のお話なのだけれど。」
「はい。」
「今度の土曜日なんていかがかしら。」
「大丈夫です。」
「本当に?」
「本当です。」
「では、土曜日の14時に。」
「あの、服装に指定はありますか?」
「指定は無し。親しい友人だけだもの。」
「わかりました。」
「では、私の家の来かたをお教えします。」
「はい。」

案の定。偉い金持ちさんが住んでいらっしゃる
お宅だった。。。

「では、土曜日の14時にいらしてね。」
「はい。伺います。」
「では、おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」

は〜。何を着て行こう…。
一番、悩むよな〜。
あのワンピースにお世話になろうかな。
あれしかないよね。。。

つくしは覚悟を決めた。

This is mine.

2015-05-10 11:00:00 | 物語。
皆様こんにちは。
いかがお過ごしでしょうか。

私は、まだものもらいが治らず、
治療中です。
ものもらいになった時よりは、
状態はいいのですが、
よーく見たら、あるわけで・・・。
早く、治ってほしいものです。

ということで、状態を見ながら、
ボチボチと更新していきたいと思って
おりますので、ご了承下さいますように。










花沢類っぽいかなとも思ったんだけれども、
美作さんに言わせたかったの。













それでは、いつものようにいつもの言葉を。









相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。












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This is mine. これはボクのだよ。












美作さんとデパートにきていたときのこと。
ちょっとはぐれちゃって、携帯を
取り出して、メールしようとしていたんだ。
その時だった。

「あの、ちょっとお話しませんか。」
「何か用ですか?」
「いえ。あなたに興味があって。」
「どういうことでしょう。」

前にいる男性が話しだそうとした時、
あたしは、不意に後ろに引っ張られた。
というか、腰を抱き込まれて引き寄せられた。
そして、あたしの後ろから
発さられた一言を言ったのは、
あたしが知ってる人だった。

「これは、僕のだよ。」

頭の上から前にいる人に
向ける視線が怖い。
そんな雰囲気が、伝わってきた。

あたしは、顔が赤くなるのを
感じたが、必死に言った。

「ちょ、ちょっと!人をモノ扱いしないで。」
「そんなつもりはないんだけれどな。」

肩をすくめる美作さん。
その段階でも、あたしは、
美作さんの腕の中にいる。

前に居る男性は、慌てたふうに、
去っていった。

「全く、油断ならんな。」
「へ?」
「牧野を一人に出来ないってこと。」
「何よそれ。」
「俺のヤキモチだから。」
「美作さんがヤキモチ?」

美作さんの顔を見ようとしたら、
やっと腕の中から開放された。
そして、手を取られた。
迷子にならないように。

「大丈夫だよ。」
「大丈夫じゃないの。」
「美作さん、心配性。」
「ああ。そうだよ。俺の牧野が、
変な野郎に話しかけられてるの見るのは、
勘弁だから。」
「美作さん?」

見上げると、少し顔が赤い。
あたしは、それにクスリと笑って、
美作さんを安心させるであろう一言を
言った。

「美作さん、ウチに帰ろう。」

それに、美作さんはちょっとびっくりした
顔をしたが、フッと微笑んだ。

「帰りにスーパーに寄る?」
「うん。材料買いたいし。」
「分かった。」

そうして、2人は歩き出した。