沖縄の日常

日々変わり行く沖縄と自然とつれづれなるままに

映画:「エンディングノート」

2012年05月06日 | 日々のこと



 前から見たかった映画「エンディングノート」を見に、リウボウホールへ行った。桜坂でやっているのを見逃していたので、ここで再上映されると知ってどうしても見たかった。
 
 67歳で定年退職後、想定外のがんを宣告されたサラリーマンの砂田お父さん。がんと診断されてから、この世を去るまでの日々を撮った映画。
 この映画と年末に逝った父を重ね合わせて見ていた私。主人公の砂田知昭さんが、明るく淡々として、ユーモアもあるので、私も会場にいる人もすすり泣きと、笑いの連続。

 主人公の砂田さんは、自分は仏教徒だが、シンプルな葬儀を望んだ結果&家が近かった&常日頃からいい雰囲気の教会だなと思っていたので、キリスト教式葬儀にしたのだという。自分でにわかパウロと言っていた。
 そうか、葬儀って葬儀屋の指図でするものでなく、自分がこういう風にしたいと望めばそのようにしていいものなんだと、気持ちが晴れるようだった。 

 最期の病床にあった父に、キリスト教信者の妹が連れてきた牧師夫妻が、突然病室で讃美歌を歌った。こんな所で歌って良いの?と思った。声もそれなりに大きかったが、きれいな歌声に鳥肌が立った。

 父の耳元で何か言って、最後に「お父さん、アーメンと言って下さい」と言うのに父は、「ラーメン」と言って、皆を笑わせた。妹の気持ちはわかるが、「ラーメン」と言った父を私はえらいと思った。あんなに毛嫌いしていた他宗教に、藁にもすがる思いでいるなら、屈してもしかたがないし、それならそれでいいと思ったが、そうではなかった。まだ、気持ちが負けていなかった。

 家に帰ろうかという家族に対して、「病院でいい」と言った砂田さん。私の父は「家に帰りたい」と言った。
 こんな風に自分がどうしたいのか選択できて、それが叶えられる環境があるといいよね。誰もが。

  砂田知昭さんのご冥福をお祈り致します。
 
 皆に囲まれてヒロインも私の父も「ありがとう」と感謝の言葉を残して逝きました。


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