『夏の庭-The Friends』 湯本香樹実

2011年08月03日 20時55分14秒 | 読書
amazonカスタマーレビュー
☆5つ:84
☆4つ:31
☆3つ:12
☆2つ:2
☆1つ:1

ここまで高評価はなかなかないっすね。



「町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだ―。いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変え始めていたのだが…。喪われ逝くものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。」

主人公は僕こと木山、河辺、山下の小学6年生の3人とおじいさん。

3人はふとしたことからこの老人を観察します。
観察されている老人は最初は子供たちに対し威圧的な態度で接してきます。
それも当然ですよね。自分の生活を監視されていい気持ちの人はいないと思う。

最初は平行線だった三人とおじいさんの関係ですが、三人がおじいさんのお手伝いをするようになってからだんだんと打ち解けてきます。
次第に三人にとっておじいさんはかけがえのない存在、ある意味では初めての大人の友達ができたと言えるようになってきます。
おじいさんにいろいろ教わったり、その分お手伝いをしたり。

ある日突然、おじいさんは亡くなります。
最初の目的で会った「人が死ぬ瞬間を見る」というのは達成されたけど、子供たちが感じたものは。。。


帯にはただこう書いてあります。
「ぜったい泣けます。」

私は泣きませんでした。
本ではめったに泣きません。泣いたのは重松清の「カシオペアの丘で」ぐらいでしょうか。

病気や事故でなく、寿命で亡くなった命について正面から向き合う小説はあまりありません。
この小説はその点でとても稀有な存在。
読んで悔いなし。

★3つにしようかと考えましたが・・・


★★★★☆

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