『使命と魂のリミット』 東野圭吾

2010年05月10日 23時41分30秒 | 東野圭吾
やっぱり東野圭吾は偉大



「医療ミスを公表しなければ病院を破壊する」突然の脅迫状に揺れる帝都大学病院。「隠された医療ミスなどない」と断言する心臓血管外科の権威・西園教授。しかし、研修医・氷室夕紀は、その言葉を鵜呑みにできなかった。西園が執刀した手術で帰らぬ人となった彼女の父は、意図的に死に至らしめられたのではという疑問を抱いていたからだ……。あの日、手術室で何があったのか? 今日、何が起こるのか? 大病院を前代未聞の危機が襲う。(角川文庫より引用)


この作品は、半分も読めば犯人や手口、動機など、主要な推理小説の根幹となる部分が分かります。
東野圭吾にとって、そこはサブストーリーであって、「一番言いたいこと」、それをより際立たせるためのお膳立てにすぎません。

医者というものの存在、医療ミス、親と子の関係、師弟関係、それらをひっくるめて、最後の一言に集約されるんじゃないかと思います。


「最後の一行」

それは、小説においてその出来を左右する締めくくり。
読者への訴えかけ。

その一行によって、その作品が、その本の中でとどまるのか、それとも、読者の心の中、そして世間に訴えかけるような外向的なものになるのか決まる。

自分は、この作品の最後の一行に、思わず微笑んでしまいました。

★★★★☆

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