『汝の名』 明野照葉

2010年03月22日 12時50分49秒 | 読書


若き会社社長の麻生陶子は誰もが憧れ得る存在。だが、その美貌とは裏腹に、「完璧な人生」を手に入れるためには、恋も仕事も計算し尽くす女だ。そんな陶子には、彼女を崇拝し奴隷の如く使える妹の久恵がいた。しかし、ある日から、二人の関係が狂い始め、驚愕の真実が明らかになっていく……。(中公文庫より引用)





「悪」っていう言葉がこの小説を表現するのに一番の言葉なんじゃないかと思う。
陶子はすべての人間を自分にとって利用できるかどうかで判断する。
人を利用し、だまし、金を得る。
妹の久恵を利用するだけ利用し、いらなくなったら捨てようとする。
自分の損得でものを考える女だ。

だがしかし、その中で、久恵の想いも変わっていき・・・

「ずっと闘っている人生が送りたい。途中、敗北を喫しても、また立ちあがる自分でありたい。」(333頁)

これが、現代社会の人々の思うところだと思う。
自分もしかり。闘い、勝ちや負けを繰り返しながらも、いつまでも立ち上がって高みを目指していきたい。

歪んだ現代社会を描くこの作品、ままお勧めします。


ただただ、わたしは実際の女社会がこんな世界ではないと信じていますが笑

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