「キケン」 有川浩

2013年07月25日 19時12分22秒 | 有川浩
なんか梅雨空みたいです



「ごく一般的な工科大学である成南電気工科大学のサークル「機械制御研究部」、略称「キケン」。部長・上野、副部長・大神の二人に率いられたこの集団は、日々繰り広げられる、人間の所行とは思えない事件、犯罪スレスレの実験や破壊的行為から、キケン=危険として周囲から忌み畏れられていた。これは、理系男子たちの爆発的熱量と共に駆け抜けた、その黄金時代を描く青春物語である。 」(BOOKデータベースより)


とある県にある、平凡なほぼ男子校の成南電気工科大学には「機械制御研究部」というサークルがあった。
略して「キケン」。
ただ、そこには危ないにおいがぷんぷんしています。

さて、ある男子学生二人が「キケン」の部員募集のチラシを見ていると、そこに現れたのは、「成南のユナ・ボマー」こと上野である。
ユナ・ボマーについてはwikipediaで。
上野に連れられて部室に行くと、そこには強面の大神がいた。
大神は、通称「大魔神」。空手もやっていて怒らせると怖い。

ふたりはその後、上野の家に連れて行かれるのだが、上野の部屋は立派な母屋から離れたプレハブ小屋だった。
どうやら母屋に入ることは許されていないらしい。
おそるおそるプレハブ小屋に入った二人は、あちこちに焼跡を見つけるのだった。
煙草にしては臭いがない。
そこでふたりは棚のラベルにこう書いてあるものを見つける。

「かやく」

カップラーメンのあれじゃなくて、花火とかに入っているあれ。
どうやら、上野は爆弾マニアらしい。
そして自制した爆弾の威力を見せるために向かった公園の砂場。
底が見えるまで穴を掘った後、がちゃがちゃのカップで作った爆弾を埋めて着火。

そうすると、かるく地面が揺れるほどの爆発となるのだった。

ふたりは、そんな「キケン」に入部し、さまざまなイベントや危機に立ち向かうのだった。




んー。
あんまり楽しそうな雰囲気が伝わりませんが、かなり面白い作品です。
通勤時間と昼の時間だけで2日かからずくらい。

実際通ったことがないのでわからない部分もありますけど、いわゆる「男子校の乗り」?みたいな。
青春を必死に全力で駆け抜ける作品に心打たれます。
こんな青春っていいなって、大人心に思ってしまったのはもう老けた証拠でしょうかね。
もうすぐ28になりますが、心はまだ若いつもりです。w
とりあえず、読んでください。
後悔はしません。きっと。
有川節、炸裂してます。有川さん好きな方はきっと好きになってくれると思います。

★★★☆☆

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