『函館売ります 土方歳三 蝦夷血風録』 富樫倫太郎

2013年07月02日 18時27分38秒 | 読書
7月になりましたね。2013年下半期もよろしくです。



「土方歳三らの旧幕府軍は、新政府軍から箱館を奪還した。その混乱に乗じて、広大な土地を手に入れようと目論むプロシア人兄弟は、蝦夷政府の幹部たちに近づく。財政難にあえぐ旧幕府軍は、租借料を目当てに契約の締結を進めるのだが、プロシア人兄弟の背後には、領土を広げようと企むロシアの策謀が見え隠れしていた―。 」(BOOKデータベースより)


時は幕末。
蝦夷地を支配していた新政府軍から函館を奪取した旧政府軍(いわゆる江戸幕府)。
列強から正当な政府として認められるため、外交官向けに大盤振る舞いをしたりと、財政支出を進めた旧幕府軍は資金不足になっていた。

プロシア人のガルトネル兄弟はもともと旧政府から土地を借りて農業を営んでいたが、新政府に政権が変わった際にどさくさにまぎれて借地を大幅に増やしていた。
そこに目を付けたロシア人のザレンスキイは、さらに政権が変わったどさくさにまぎれて、さらに農場を広げようと画策する。
しかし、その目的は農場のためではなく、蝦夷地をロシアの植民地にしてしまうことだった。
ザレンスキイはロシアの秘密警察、通称「第三部」に属しており、ガイトネル兄弟はそのスパイであった。
そして、ザレンスキイとガルトネルは秘密結社「フリーメイソン」の会員でもある。
その上、ロシア皇帝はフリーメイソンの最高階級者でもある。
ザレンスキイは蝦夷地に植民地を作ることでフリーメイソンでの地位を確立させようと思っていたのだ。

旧政府軍は、ガルトネルから六万坪の土地を99年借りうける対価として6万両支払うという契約を持ちかけられた。
旧政府軍は、喉から手が出るほどほしい資金を得るため、契約を締結することになる。

その事実を嗅ぎつけた平山金十郎の一門は、その契約を阻止するために動き出す。




けっこう書いてしまいました。
すいません。下巻の内容まで行ってます。
といっても概要ですけどね。

この話は、実際にあった「ガルトネル開墾条約事件」を元に一部(か大部分かはわかりませんが)を脚色して小説化した作品です。
結末的にはこのガルトネル開墾条約事件と同様なので、小説を読みたい方は先に読まないほうが面白いかもしれません。

史実とは異なることも多いかと思いますけど、ここまで面白く書ける富樫先生にはいつも驚かされます。
今日は行きの電車で乗り過ごすところでした。w
闘いの場面ではのめりこんでしまいますね。

難点といえば名前が難しいことですけど、半分も読み進めればわかってきますし、本によっては広告に関係図が入っていると思いますので参考に。

そして土方歳三はどこで出てくるんだと言われそうですが出てきます。
旧政府軍の奉行として仕えている土方歳三はこの契約に疑問を持ち、独自に調査を始めます。
その後の話は読んでくださいね。w

★★★☆☆

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