『閃光』 永瀬隼介

2013年06月19日 21時08分57秒 | 読書
やっと雨が降りました。



「玉川上水で男性の扼殺体が発見された。捜査陣に名乗りを上げた老刑事・滝口と相棒に選ばれた巡査部長の片桐。滝口はこの殺人事件に三十年以上前に起きた“三億円事件”との接点を見いだす。その頃、殺された男と三億円事件当時仲間だった連中がにわかに再会を果たしていた。昭和最大のミステリーに、緊密な文体と重層的なプロットで迫る!『19歳一家四人惨殺犯の告白』で読者を震撼させた著者がものした、犯罪小説の白眉。」(BOOKデータベースより)

三億円事件を題材にした作品。
僕の生まれる前の話なので詳しいことは知りませんが、昭和の未解決事件なんですね。
概要はwikipediaでどうぞw

さて、転々と語り手が変わっていく作品ですが、主に捜査一課で定年間近の滝口と所轄で刑事課の片桐の語られていきます。

玉川上水で発見された男は、以前三億円事件の重要参考人であったが逮捕されることのなかった男だった。
三億円事件は、容疑者逮捕の一歩手前までいっておきながら、解決することのなきまま時効を迎えた。
容疑者グループのリーダーは警察官の子どもであり、その子供が自殺したことから、警察は臭うものにふたをしたのだった。 

その事件から34年、当時三億円事件の捜査に加わっていた滝口は真相を暴くために、片桐とともに独自に捜査を始めた。
その陰で、当時の犯行グループは再び集まり始めたが、次第に仲間割れをしていく。
そして、ひとり、またひとりと犠牲者が増えていくのだった。

滝口は真相を暴ききれるのか。
また、犯行グループの運命は。



なかなか読むのに時間がかかると紹介する文章が下手になります。
もともと下手だろうという批判はご容赦ください。

さて、実際の事件からインスパイアしたフィクションですが、解説によるとだいぶリアルな感じのようです。
最初は際物かなとおもいながらも手に取ってしまいましたこの作品。
まず帯「営業担当が満場一致で推薦!」と書かれたら読むしかないでしょう。
そして面白くなかったら今後角川書店の本を読むことはないでしょう、というリスク満天の広告につられて手に取りました。

たまに「ん?」と思うこともままありましたけど、このボリュームにして十分の臨場感があり伏線を上手に回収したりとなかなかの作品だと思います。
はじめて読む作家さんですが、ノンフィクションで有名な方っぽいですね。
今後期待かもしれません。

★★★★☆

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