雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

時代映画に見るリアリティ(1)

2011-01-29 15:03:37 | 映画
昨年、三本の時代劇映画を観た。
「13人の刺客」、「桜田門外の変」、「最後の忠臣蔵」がそれである。

 これらの映画には、
一昔前まであった時代劇の「勧善懲悪」的なもののとらえ方や、
「様式美」に彩られた流れるような殺陣の展開は完全に影を潜め、
ときによっては目をそむけたくなるような写実的な描き方をしている。

 剣による命と命のやり取りは、
 刀が触れれば一瞬にして血しぶきが飛び、
 身体の一部が切断され、
 臓腑をえぐられ、
 悶死していく。

 そして、極めつけは、
 切腹であり、自決である。

 殺陣のリアリティもさることながら、
 主君の狂気とも思える残虐非道を、
 命を代償にする手段に訴えて悪政を是正させようとする、
 冒頭抗議の切腹シーンは衝撃的だ(「13人の刺客」)。

 雪を蹴散らし
 大地を鮮血で染めて大老暗殺を決行した水戸脱藩浪士たちが、
 次々に自決するシーンも目を見張る(「桜田門外の変」)。

 物語の最後、
 実に10分間にわたる切腹シーンは、
 観客を緊張の極みに追い込み、
 介錯を拒み、
 腹に突き刺した刀を抜き、
 頸動脈を切断し
 血の海の中で命果てる(「最後の忠臣蔵」)。

 三本に共通するリアリティはなにを意味するのか。

     (写真は「桜田門外の変」。大老襲撃のシーン)
 
                        (つづく) 
       これは、友人、知人に送った「はがき」の内容を
      ブログ用に書き換えたものである。



 
 
 

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