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「ムン・ジェインの運命」を読んで

2011年09月24日 | 管理人のつぶやき
腰痛が治まらない。楽な姿勢は横になること。しかし、PCは寝そべっては打てない。立膝の方が楽なので、キーボードも可笑しな格好で打っている。
で、短めにアップする。

「ムン。ジェインの親友のノムヒョンです」と自己紹介するほどの仲、弁護士事務所を一緒に始めた(ノムヒョンが先輩)間柄、絶対の信頼で結ばれている。
ノムヒョンの最期を見届け、喪主として500万弔問を冷静に指揮した彼を、国民は尊敬と驚異の眼差しで見続けてきた。
出版第1週でベストセラーランキングに入り、地域におけるブックコンサートも手伝い読者を着実に増やしてきた。

読みながらぼくは、誰がノムヒョンを殺したのか(死に追い詰めたのか)?の問いに対する回答を、本の節々から探していた。

著者は、自身を責める。あの時こうしていれば、もう少し傍にいてあげられたら、と自分を責める。
政治は怖い、政治には関わりたくない、と距離を置こうとする彼をノムヒョンはいつも、自分を大統領にしたのは君らだ、責任を取れと、冗談交じりに言っていたという。

その彼が敬愛し、尊敬する先輩、親友であり、稀代の庶民派大統領を亡くした悔恨と己に課せられた「運命」を見つめつつ、率直に述べている。
以下、ぼくの感想。

1.ノムヒョン政権末期に見せた内部からの脱党、背信行為
  青瓦台にいながら、次期を期す盟友からの見えみえの政権離れ、脱ノムヒョン離れに、さすがのノムヒョンも憔悴しきっていた、と話す。

2.貧しさ故
  家族からの様々な「行為」(検察に追及された)は、著者もうすうす知っていたという。それを潔癖な大統領は、すべて自分の無能の所為だと責め、側近の「行為」までも含め自分から出たことと、すべて一身に被り逝った。
 ポンハの財産、ノムヒョンの相続を計算した著者は絶句する。4億の借金を遺族に残したまま、旅立った、と。

3.検察、言論、そしてノムヒョンの愛した民からの罵倒
 検察と言論は、もう話す必要なし。今も続いている。
 しかし、保守言論に踊らされた心無い民の恨み節には、相当まいっていたようだ。ある詩人のことばが思い出される。
竜の吐き出す唾液にまみれた民が、催眠から醒め、今己の胸をかきむしりながら、彼の死を悼む…

4.現政権の政治報復
 このブログを始めたころ、ぼくは毎日ポンハのサイトに出る訪問客の笑顔を検索することから、その日を始めていた。チョップルの後9月ころ、そのサイトは閉鎖された。
 著者は言う。慇懃な表現で…。
この全てを決心させた実体は何か、と。

 今も状況は変わっていないと著者は言う。もし、次の選挙で進歩が政権の座についても同じことが繰り返されそうだ、と。だから、本当にノムヒョン5年の「成功と挫折」を教訓にしなければ、と。

最後に、青瓦台を出てポンハに着き歓迎式典に臨んだときのことである。ノムヒョンは「やー、気分最高!」第一声を発した。そのとき彼は心の中で「解放だ!」と狂喜し、叫んだ。
しかし、どうもこの運命からは解放されそうにない、と結んだ。

腰が痛み出した。離れます。N
 

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