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鄭大世、李鳳宇、今何をしてる?

2009年05月10日 | NPO三千里鐵道ニュース
左端がデセ

日本映画界の風雲児・李鳳宇、サッカー界の(スーパー・ここはまだカッコ?)スター・鄭大世、ふたりの共通点は朝鮮大学校を卒業したこと。差別を知らず(乗り越え)本名のまま自然体で、堂々と世界を渡り歩く(飛び回る)在日の星でもある。
この二人の近況、というよりはふと目にしたニュースをお伝えします。

李鳳宇ーNHK教育テレビ「知る楽・歴史眠らず」シリーズの第2回「韓流シネマ・抵抗の軌跡」の語りとして出演

2回は終了・再放送「5月12日(火)午前5時35分~6時」

3回目は 本放送「5月12日(火)午後10時25分~50分」

お願い・ビデオ、もしくはDVD録画された方は、ご一報ください。


鄭大世ーハンギョレ新聞のインターネット雑誌・ESCに彼のエッセーが好評連載中。無造作に選んだ一つを翻訳してみました。



[マガジン esc] 鄭大世の楽しいフリーキック

鮫を心配しながら海で飴を食べる

私の青春・朝鮮大学校体育学部-サッカーチームの思い出

皆さん, こんにちは.

今日は ‘大学生時代の鄭大世’をちょっと紹介します.まず青春時代を送った朝鮮大学校を簡単に紹介します. 朝鮮大学校は在日朝鮮人が勉強する大学です. 海外で初級学校(小学校)から大学に至るまで一貫された民族教育体系を確立したことは、世界的でも類例のない事ですね. 朝鮮大学校は、祖国と民族の未来と在日韓国人社会の各分野を導いて行く有能な人才を養成するという目標の下 1956年 4月10日創立されました. 今は約 1千名の在校生たちがいます.

朝鮮大学を話す時、絶対に避けられないことは、東京・武蔵野の一角にある 全寮制の 大学という点です. 学部は政治経済, 文学歴史, 経営, 外国語, 理工, 教育, 体育, 短期学部など非常に多様な 8つの学部、 私はもちろん体育学部出身です. そして将来サッカー関連の仕事をしたいという人々が集まる ‘サッカー部特設組’に属してサッカーと勉強と遊びと恋愛少し, なんかそんな生活を送りました.
高校卒業の時サッカーの実力がいまいちで、ご両親、先生と相談した結果プロに入るより進学を選ぶ事にしました. どうせ大学へ行くなら小学校からずっと通った朝鮮学校の大学校に進学することに決心しました.希望を抱いて大学の門を入って行ったが戸惑いもありました. 部屋は 4~5人用で個人空間はただベッドだけ. それに入学した後 3ヶ月は早く生活に慣れるように 3年生の先輩たちと同じ部屋で生活します. 食事は決まったメニューを決まった時間に食堂で終わらせなければなりません. そして週 3回のお風呂, 残りはコインシャワー(小銭入れてするシャワー), 洗濯はコイン洗濯(小銭入れてする自動洗濯) 等々はじめから最後まで自らしなければならない生活です. しかし ‘住めば都’という言葉がぴったり合う所が朝大です. 今思えば本当に楽しいばかりでした.

特に私の好きな風景は授業に臨む姿です. 男はブレザー、 女子は紺色チマチョゴリ(制服)、本当にさわやかです。 今日一日も熱心に頑張ろうという気持ちになります.


週3回の風呂, コインのシャワー, 洗濯…

私の体育学部は人も多くないのに, 残念ながら女子は 1~4年生合わせても5人しいないです. 私のクラスは男 14人と女 2人の 16人. 経営学部などに比べれば人数が 3分の 1にもならないほどです。だからかえって一人一人深く付き合える良い学部でした. 体育学部の授業は一般教養科目に、専門分野では体育理論, スポーツ心理学など理論系統に付け加えて器械体操, ゴルフ, ラグビー, テニス等々スポーツ全般を勉強します. 実習も充実しています. 他の学部では絶対に体験することができないものです.

特に印象に残る事は 1年生の時、九十九里(千葉県東部海岸地域)でおおよそ 2時間の長距離スイミングと 2年生の時の 30KM マラソンです. 1年生の夏休み 1週間泊まりながら海で過ごしての実習です. バカンス気分で出発するが実に苛酷な実習でした. 海で 2週間ぶっ通しで練習して、太平洋の大海で二時間水泳をするのです. スイミングは得意だが、海の深い所は苦手です. それは海に住む生物の中に恐ろしいのがいるからです.  鮫です!! 深い所で鮫に襲われることを考えると、恐怖でぞっとします. 遠海に出れば出るほど気になって集中力が落ちます.
長距離スイミングは体育学部での初行事です. 皆終わりまで一人も落後せずやり抜こうと約束して出発しました. 初めのうちは楽しそうに泳いでいましたが、時間がたつにつれ言葉少なくなりました。 その日は波が高く、遠海に行くにつれ水温も下がり、皆徐々に気力を失って行きました. 途中エネルギー補給は、 船に乗って誘導する先生が私たちに飴(キャンディー) 袋を投げてくれるのです。私たちはまるでえさに群がる鯉のように、死に物狂いでそこまで泳いでゆき袋を取り、飴を取り出して食べるのです. 塩分が多い海の中なので、飴が本当に甘くておいしかったことを覚えています。
遂に無事二時間のスイミングを終え、陸地に上るときの体の重さ…。体重が 5倍位は増えたように感じられ、歩く方法を忘れたようになかなか歩くことができなかったのです。 昔々遠い昔に水中から陸に上って進化した生物たちも、このような気持ちではなかっただろうかと考えてしまいました.(ハハハ…) 
クラスメート 16人の中で一人の脱落者もなく、全員海でもリズムをあわせて一列で泳ぎ最後まで泳ぎ切りました。すごい達成感を感じたし, 皆が一つになったことも実感した実習でした.

海の次はマラソン
次は 30KM マラソン. この実習は学部の行事ではなく、日本のマラソン大会に正式に申し込み参加します.(省略)

学部時代の思い出はやっぱりサッカー部の仲間たち, 特に ‘サッカー部特設組’ 同級生 6人の出会いが大きいです. 先にも言及したが、メンバーの半分はそれぞれ出身学部が違うが将来サッカーと係わる事をしたいという人々だけ入る所です. だから 6人が一緒にいる時は、自ずと率直になることができました. それぞれ個性が違っても、やっぱりサッカーが本当に好きだという共通点がそうさせたのですね. 純粋で率直な性格, サッカーを通じて私も自然と打ち解けて行きました。 サッカー部では一緒に汗を流して相談もし、そしてたがいに競い合いました. 休日にはボーリングをして, カラオケ, 動物園へ行ったりしました. スポーツ選手としていつも身体鍛錬に気を使っていた私たちは、お酒を慎んだし, 特にタバコは全然吸いませんでした. 今も一番楽しくて意味ある思い出です.
単身で韓国に渡ったナショナルリーグ11番をつけたサンドク, JFLゼプリザブスでサッカーを続けるソングック, 朝鮮学校教員でサッカー部監督をするテヤング, アフリカに語学留学中のヒャンゼ, 雑誌出版社で働くチェリョン. 皆それぞれ自分の人生を懸命に生きて行っているが、心はお互いにつながっているという感じがします. 特に同じサッカー選手として夢を追うサンドクとソングックは良いライバルでもあリ、本当 ‘の同志’でもあります. 彼らの活躍に消息を接すると私も力が出るように、私の活躍を見て彼らも力を得ることができたらどんなに良いでしょうか. 一生一緒に行きたい友達です.

友達の誕生日ヒップホップをプレゼントする

彼らと共有する宝物があります. それは各自の誕生日に作詞した歌をプレゼントするのです. 作詞は順に一人が引き受けてしますが、私の時はすごく好きなヒップホップに歌詞をつけて歌いました. 作った歌は今も保管しています. 最近久しぶりに聞いて見たら懐かしさで涙が出ました.
このように多くの思い出と大事な友達に会うようにしてくれた母校に感謝します。
そしてより一層立派なサッカー選手になって母校に報いなくちゃいけないと言う思いを固くしています.
在日朝鮮人選抜チームを作って南北ナショナルチームと試合することも私の夢でした. 今はまず42年ぶりに朝鮮をワールドカップ本選に出場させなければなりません. 皆の夢の実現、ワールドカップ最終予選を全力をつくして本選出場に全力を尽くします。 今日はここで終わります.

次号にまたお目にかかります.

                  鄭大世











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