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セウォル号惨事から二年・・・ 三千里鐵道として横断幕を掲げました

2016年04月27日 | NPO三千里鐵道ニュース
2014年4月16日、決して忘れることのできないあのセウォル号惨事。

最初は誰もが単なる海難事故だと思いました。

それがあのような大惨事になるとは、誰も想像できませんでした。

2周忌となる今年4月16日三千里鐵道として、安山市の合同焼香所付近に横断幕を掲げました。

『セウォル号 真相究明できなければ大韓民国も沈没するだろう』

  セウォル号を記憶する在日同胞たち NPO法人 三千里鐵道


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2年前に在日同胞107名の連名で出されたハンギョレ新聞意見広告の文章を再掲します。

2014年5月31日付ハンギョレ新聞に掲載された在日同胞100人署名入り意見広告(最終面全面)




在日同胞から国内同胞への呼訴文

私たちは韓国が何よりも人の命と人権を大切にする国になることを願います。


4月16日、珍島沖で起こったセウォル号沈没惨事は、これまでにもたびたび発生していた韓国の水難事故でも最大規模のものでした。 304名もの死亡者・行方不明者のうち大半が、『船室でじっと待て』という館内放送を信じて避難しなかった高校2年生であったことが、私たちにさらに大きな衝撃と悲しみをもたらしました。 
死を目前とした高校生たちは、どれほど悔しく、恐ろしく、苦しかったでしょうか。 国内同胞の皆さんがそうであったように、私たち海在日同胞も、それを思うと、胸がつぶれ、天を仰ぎました。

今回の惨事では、船長を始めとする乗組員の職務放棄、乗客を放置したまま真っ先に逃げたことが大きくクローズアップされていますが、それだけが問題なのではありません。それは、私たち誰もが知っていることです。

船長を始めとした乗務員の大半が非正規職員であった… ここ数年の過度な規制緩和によって、老朽化したフェリーの航海延長を許し、定員増員のための無謀な改装を許した… 最大積載量の3倍もの貨物を積載し、しかも固定が不十分であった… 安全航海のために必要なバラスト水が基準の4分の1しかなかった… 積載されていた救命ボートがほとんどすべて不良だった… 海洋警察による救助の初動が遅れた… 高校生全員救助などというとんでもない誤報があった… 海洋警察、安全行政部、海洋水産部などの関係部署が指揮系統の統一もなくバラバラな対応をした… 海洋警察の艦艇に、救助用の装備がなかった… 海洋警察が予算をゴルフ場建設などに流用していた… 韓国軍の海難救助艦統営号の派遣が見送られた… 救助活動において民間会社が優先された… 公営放送KBSを始めとしたマスコミはその報道の本分を忘れ、不正確で歪曲された報道を垂れ流し、犠牲者やその遺族の心を踏みにじった… 政府に怒り抗議する犠牲者の家族たちを暴徒のごとく扱った…

セウォル号沈没惨事は、事故発生から救助の失敗に至るまで、天災でもなく、船長以下の乗務員の過失のみによるものでもなく、徹頭徹尾、清海鎮海運と政府行政機関、そしてマスコミなどによる、起こるべくして起こった人災だったのです。

今、政府は経済効率のみを最優先し、企業は利潤のみを最優先し、社会には利己主義がはびこり、人々は私利私欲に走る ― 拝金主義の国に堕落してしまったのでしょうか? 自分に与えられた仕事に誠実に取り組むことを忘れ、責任を負うことを回避し他になすり付けることに汲々とする姿は、指導的な地位にある人々において特に顕著であると言わざるを得ません。
その一方で人の命は軽んじられ安全はないがしろにされています。 労働者の人権は無視され、子どもたちはこの過酷な社会に適応するよう強制されています。
セウォル号沈没惨事には、現代韓国が抱えているこのような深刻な社会的病理が凝縮していると言わざるを得ません。 そしてそれは私たち、今の社会を作り上げてきた既成世代の責任なのです。 ソウル市庁舎に『미안합니다』(ごめんなさい)という大きなたれ幕が掲げられましたが、それはまさに私たちの心を代弁しているものと思います。
犠牲となった人々を正しく記憶し、この深刻な社会的病理に切り込むことなしには、第2、第3のセウォル号事件が起こるのです。それは、今回犠牲となられた人々を再び殺すことを意味します。

韓国の建国思想は『弘益人間』であり、我が国が古来より『東宝礼儀の国』と称されてきましたが、私たち在日同胞も、そのような国を取り戻すことを心から願っています。
そのためには、何よりも人の命と人権を大切にする国にならなければならないと思います。
国内同胞の皆さん、憲法第一条をもう一度かみしめて下さい。
「大韓民国の主権は、国民に存し、すべての権力は、国民に由来する。」 
国内同胞の皆さんが、セウォル号沈没惨事の犠牲者の前に厳粛に立ち、深刻な社会的病理におかされた我が国の社会を変革するために、主権者としていかなる行動をとるべきか、よく考えてみてください。

 2014年5月31日

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