さんでんじです。

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90歳の父の仕事。

2011-02-17 00:55:24 | Weblog


先日、父のマンションに行くと、父はテレビも見ずに、リラックスチェアに座りながら、革の財布をゴシゴシと専用のワックスで磨いていた。私たちに気がつくと、もう靴も2足分磨いたのだと言う。最近、私たちが行くと、必ずなにがしかの「仕事」をしている。ある時は、木製椅子の4本の脚を、それぞれノコギリで短くしたり。自分のベッドの背板に照明器具を取り付けて、さらに背板に穴を開けてスイッチを取り付けて、裏側の配線コードもすべてコードカバーで配線を見えないようにしていた。日常の食事や洗濯、掃除はもちろん自分でするし、それに飽き足りず、自分で工夫して、あれこれと仕事を作っているのだ。父の元気は、仕事を創り出し、その仕事を処理することで生まれているのかもしれない。そして、90歳の父も、まだまだ仕事ができるのだ。ま、雑用だろうけど。

おっと、以前に、ある会社で、雑用という仕事はない。どの仕事にも意味はあるのだと。振り返って思うけれど、母の場合も、仕事を取っちゃったから、認知症などが始まったのかもしれない。母の仕事は、針仕事、つまり和裁で、帯を縫ったり、着物を縫ったり。父が80歳にして電気工事士の仕事を辞め、ほどなくして母も和裁を辞めたらしい。でも、今の父を見ていると、仕事があってこそ、生きる意欲が湧いている。そんな風に、思うことがある。雑用ではなく、仕事を意識して創り出すことにこそ、生き甲斐があるのかもしれない。母の脳梗塞後のリハビリも、決められたプログラムによって進められていた。人は人生経験も、特技も趣味も、皆それぞれに違うものだ。そのプログラムがすべての人に適合するとは限らない。今にして思う、もっと母としての個性を尊重すればよかった。そして、今の父は、自分自身でカラダや頭を衰えさせない工夫を、日々模索しているのだと思う。だから、父から学ぶことは、今でも多いものだ。90歳の父の仕事に、学ぼう。

さて、今日の奈良、昼間は暖かかったけど、夜はグングンと冷えてきました。さっきタバコを吸いに外に出ると、月が煌々と輝いている。雲がありません。こりゃ放射冷却で冷えるはずだ。皆さん、風邪をひかないようにね。



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