月ヶ瀬梅渓へ、梅を見に行ったときのこと。とあるお土産物屋というより、食堂の一角を借りて、おばあさんが自分たちで育てた梅干しやゆかりなどを販売していた。
私のお目当ては塩だけで漬けた梅干し。紫蘇が入っていると、赤が鮮やかになっている。で、そのお店に行くと、5人グループのようなおばちゃんが群がって、いろいろと買っていた。私たちは、そのおばちゃんたちが買い終わるのを待っていた。で、グループの最後の人が、それはなあにと袋を指さした。その袋には、赤くなった紫蘇の葉が入っていた。あばあさんは、おばちゃんに、紫蘇の葉を丁寧に叩くと、細かくなってゆかりになると説明した。で、おばちゃんは、なんぼ、と聞く。おばあちゃんは、ちゃんと作るんやったらあげるわ、と手渡した。
最後のおばちゃんは、先に歩き出したグループに追いついていった。で、私がトイレに入っているときのこと。後で、妻に聞いたんだけど。ちょうど、妻が梅を撮影しているときに、近くに先ほどのおばちゃんグループがいたらしい。で、妻は話し声を聞いた。一番最後に買ったおばちゃんが紫蘇の葉の袋を持っていて、他のおばちゃんが、あんたそんなんこうたんか、どうするんやそんなもん。そのおばちゃんは、ゆかりをつくるねん。もろたんや。その言葉を聞くなり、他の4人のおばちゃんも、私ももらいにいこ。一斉にどどど~とその店に引き返したという。
タダやったら、もらわな損や、という関西特有の厚かましいおばちゃんの発想ですね。先ほどの、おばあさんも、どどど~とおばちゃんたちが戻ってきたのでびっくりしたことでしょう。そして、わたしにもくれんと。などど言って、強引に紫蘇の葉をもらっていったことでしょう。このおばちゃんたち、本当にしっかりとゆかりをつくるんでしょうか。乾燥させてゆかりを作るなんて大変な作業ですから。ほとんどのおばちゃんが、結局ゴミにするだろうな。
だから、販売する人もおばちゃんグループに、うかつに安くしたり、おまけを付けると、大変なことになりますよ。あの人も、もろてるやん。うちかて、もらわな。ってことで、み~んなにサービスしなきゃパニックになりますから、ご注意を。そういえば、路上駐車禁止の、啓蒙コマーシャルで、おばちゃんが、なんでうちだけ罰金はらわなあかんの。みんな停めてはるやないの。なんでうちだけ。というのがあった。関西のおばちゃんって独特のジコチュウだからな。
おっと、私たちはゆかりを買いましたよ。ご飯にぱらぱらっと振りかけて、おいし~い。これだけでご飯が食べられます。