☆バレンタインなので即興で考えてみました。
来年はもう書いてないだろうし、Xmasも何かすれば良かったな。と思ったりしています。
五章「時の在り処」閑話「バレンタイン」
※時間軸フリーです
☆CPトォニィとセルジュ
暇を見つけてジョミーがクッキーを作っているので、日頃の礼もかねて、トォニィがクッキーを焼いてセルジュに届けることになった。
作ったのは普通のバタークッキーとチョコの二種。
ペセトラ軍基地での行事に参加する為にやってきたトォニィは早速セルジュの宿舎を訪ねた。
自分の部屋にトォニィが訪ねてくる事など考えてもいなかったセルジュは何事かと構えていた。
そして現れたトォニィを見てセルジュは驚いた。
「え…」
「…何黙ってるんだよ…。どこか変?」とトォニィ
彼はいつものソルジャー服ではなく、ジョミーがジュピターの時に着るようなスーツを着ていた。
しかも、色は黒ではなく、白だった。
「え…あ…変じゃない…ですが…」
「が、何?」
「白いスーツにオレンジの髪…やっぱり君は派手だなぁ。今日は結婚式に出るって訳じゃないんだろう?」
「結婚式なんかじゃないよ。ここに来るのにこっちの方が目立たないと言われたんだけど…目立つの?」
「あぁ、(何を着ても君自身が目立つからね…)でも、ここに来るにもソルジャー服でいいんじゃないの?」
「だって、正式じゃないんだし、その、友人の所に訪ねるならちゃんとしないとってジョミーが…」
「……」
そうか。
彼はこんな風に友人の家に遊びに行くという事をしたことがなかったんだとセルジュは思った。
「では、どうぞ」とトォニィを招き入れた。
ジョミーに教えてもらってクッキーを作ってきたと言うので紅茶を用意しつつ、ジョミーがラッピングもしてくれたクッキーを受け取ったセルジュはそこに添えられたカードを見つけた。
カードにはこう書いてあった。
「2.14に君の所に「チョコ」クッキーを作って行くと言うので、ドレスアップさせてみたが、いかがなものかな? Jomy」
以前、二人で焚き付けたお返しをのし付きでされた気がするセルジュだった。
「人類ナイズされ過ぎですよ。ジョミー」
☆CPジョミーとキース
「バレンタインなんて…」と思いながらジョミーはトォニィを見送った。
それでも、その日は以前から知っていたけれどチョコはママからもらっただけだったと少し凹んでいた。
どうせ、キースの所には山ほどのチョコが届いているのだろうし…今日はキースはペセトラには来ていなかった。
それでも…。
「会いたいな…」
何日かしてからキースからお礼の文が届いた。
彼のデスクにクッキーが置いてあったと言うのだ。
「誰にも知られずに置いていくなんてお前しか出来ないだろう」とキースは言った。
たかが、菓子を届ける為に何光年も跳んで行く程僕は暇じゃない。
そうさ、そんな事…してない。
そうさ、したなんて言ってやらない。
五章「星の在り処」(閑話)「バレンタインディ・キス」(甘くないデス)
☆CP ジョミー×2
(半年ほど前/Sumeru)
カナリアのマリアとブルーがキスしたと噂になった。
僕はそれが面白くなかった。
「ジョミーちょっといい?」
と僕はジョミーの部屋を訪ねた。
僕は彼、ジョミーのクローンで彼の心の動きに敏感で、でも、それを別に気にする事もなく暮らしていた。
けれど、最近はちょっと彼の心が見えなくなっていた。
だから、彼が何故、ブルーにキスを教えるなんて事をしたのかが不明だった。
「ブルーに呑まれたんだよ」とジョミーが答える。
「それじゃ、納得がいかない」
「だよね」と笑う。
彼は僕なのに、僕は彼がわからない。
なんで…ううん。多分、僕は僕がわからないんだ。
「ジョミー、僕とキスしてみようか?」
「…ええ?」
「自分にキスするなんて、滅多に出来ないチャンスだ」
ジョミーは僕の肩をつかんだ。
そしてそのまま唇が重ねられる。
彼と自分は同じだと言っても、僕はまだ十四歳で彼は二十歳前後まで成長しているので、背の低い僕が彼を見上げる形になる。
唇が触れただけのキスの後で、ジョミーが言った。
「…いい?キスより先も教えてあげようか…?君は僕じゃないんだ」とジョミーが言ってもう一度唇を重ねてきた。
二度目も優しいキスだったけれど、唇が離れた後、彼の唇が頬から耳元へ耳から首筋へ移動する。 肩をつかまれたままな僕は身をすくめるしか出来なかった。
「…う……」
「同じじゃないと言っても感じる所は同じなんだね…」
とジョミーが言う。
その言葉に僕は真っ赤になった。
「嫌だ」と慌てて彼を手で跳ね除けた。
それでもまだ肩を掴まれたままだった。
ジョミーは僕を見て抱きしめた。
「ブルーはね。早く大人になりたいと思っているんだ。だから色々と焦っている。君達は癒しのキスをした事があるね…」
「……あの時はブルーが…」
「誤って人を殺した…。君は彼を救おうとした」
「はい…」
「その時から、ブルーの中で君は守るべき対象になった。君はそこから出て自分で生きようとしている。その事に今、彼は苦しんでいる。彼はまだ何をすれば良いのかが見えてないんだ」
「僕はどうすれば…」
「君たちは特別な存在だ。今までは一緒だった。けれど、これからは自分を見つめて生きて。そして、ゆっくり二人のこれからを築き上げていけばいいんだ」
「…はい」
「さっきのキスは僕からの餞別。ブルーからされても嫌なら嫌だって言えよ。ジョミー」
と笑った。
「…されてもって…」
「僕はね嫌じゃなかった。だから…僕は流されたんだ。彼は、僕の人生を変えた人だから…僕は彼が好きで、そして怖いんだ。彼は僕を壊せるんだ…」
「…ジョミー」
「君は流されないで」
と僕を抱きしめた。
僕も彼を抱きしめた。
閑話 終
星の在り処 7へ続く(本編に戻ります)
☆皆様、良いバレンタインをお迎え下さい☆
来年はもう書いてないだろうし、Xmasも何かすれば良かったな。と思ったりしています。
五章「時の在り処」閑話「バレンタイン」
※時間軸フリーです
☆CPトォニィとセルジュ
暇を見つけてジョミーがクッキーを作っているので、日頃の礼もかねて、トォニィがクッキーを焼いてセルジュに届けることになった。
作ったのは普通のバタークッキーとチョコの二種。
ペセトラ軍基地での行事に参加する為にやってきたトォニィは早速セルジュの宿舎を訪ねた。
自分の部屋にトォニィが訪ねてくる事など考えてもいなかったセルジュは何事かと構えていた。
そして現れたトォニィを見てセルジュは驚いた。
「え…」
「…何黙ってるんだよ…。どこか変?」とトォニィ
彼はいつものソルジャー服ではなく、ジョミーがジュピターの時に着るようなスーツを着ていた。
しかも、色は黒ではなく、白だった。
「え…あ…変じゃない…ですが…」
「が、何?」
「白いスーツにオレンジの髪…やっぱり君は派手だなぁ。今日は結婚式に出るって訳じゃないんだろう?」
「結婚式なんかじゃないよ。ここに来るのにこっちの方が目立たないと言われたんだけど…目立つの?」
「あぁ、(何を着ても君自身が目立つからね…)でも、ここに来るにもソルジャー服でいいんじゃないの?」
「だって、正式じゃないんだし、その、友人の所に訪ねるならちゃんとしないとってジョミーが…」
「……」
そうか。
彼はこんな風に友人の家に遊びに行くという事をしたことがなかったんだとセルジュは思った。
「では、どうぞ」とトォニィを招き入れた。
ジョミーに教えてもらってクッキーを作ってきたと言うので紅茶を用意しつつ、ジョミーがラッピングもしてくれたクッキーを受け取ったセルジュはそこに添えられたカードを見つけた。
カードにはこう書いてあった。
「2.14に君の所に「チョコ」クッキーを作って行くと言うので、ドレスアップさせてみたが、いかがなものかな? Jomy」
以前、二人で焚き付けたお返しをのし付きでされた気がするセルジュだった。
「人類ナイズされ過ぎですよ。ジョミー」
☆CPジョミーとキース
「バレンタインなんて…」と思いながらジョミーはトォニィを見送った。
それでも、その日は以前から知っていたけれどチョコはママからもらっただけだったと少し凹んでいた。
どうせ、キースの所には山ほどのチョコが届いているのだろうし…今日はキースはペセトラには来ていなかった。
それでも…。
「会いたいな…」
何日かしてからキースからお礼の文が届いた。
彼のデスクにクッキーが置いてあったと言うのだ。
「誰にも知られずに置いていくなんてお前しか出来ないだろう」とキースは言った。
たかが、菓子を届ける為に何光年も跳んで行く程僕は暇じゃない。
そうさ、そんな事…してない。
そうさ、したなんて言ってやらない。
五章「星の在り処」(閑話)「バレンタインディ・キス」(甘くないデス)
☆CP ジョミー×2
(半年ほど前/Sumeru)
カナリアのマリアとブルーがキスしたと噂になった。
僕はそれが面白くなかった。
「ジョミーちょっといい?」
と僕はジョミーの部屋を訪ねた。
僕は彼、ジョミーのクローンで彼の心の動きに敏感で、でも、それを別に気にする事もなく暮らしていた。
けれど、最近はちょっと彼の心が見えなくなっていた。
だから、彼が何故、ブルーにキスを教えるなんて事をしたのかが不明だった。
「ブルーに呑まれたんだよ」とジョミーが答える。
「それじゃ、納得がいかない」
「だよね」と笑う。
彼は僕なのに、僕は彼がわからない。
なんで…ううん。多分、僕は僕がわからないんだ。
「ジョミー、僕とキスしてみようか?」
「…ええ?」
「自分にキスするなんて、滅多に出来ないチャンスだ」
ジョミーは僕の肩をつかんだ。
そしてそのまま唇が重ねられる。
彼と自分は同じだと言っても、僕はまだ十四歳で彼は二十歳前後まで成長しているので、背の低い僕が彼を見上げる形になる。
唇が触れただけのキスの後で、ジョミーが言った。
「…いい?キスより先も教えてあげようか…?君は僕じゃないんだ」とジョミーが言ってもう一度唇を重ねてきた。
二度目も優しいキスだったけれど、唇が離れた後、彼の唇が頬から耳元へ耳から首筋へ移動する。 肩をつかまれたままな僕は身をすくめるしか出来なかった。
「…う……」
「同じじゃないと言っても感じる所は同じなんだね…」
とジョミーが言う。
その言葉に僕は真っ赤になった。
「嫌だ」と慌てて彼を手で跳ね除けた。
それでもまだ肩を掴まれたままだった。
ジョミーは僕を見て抱きしめた。
「ブルーはね。早く大人になりたいと思っているんだ。だから色々と焦っている。君達は癒しのキスをした事があるね…」
「……あの時はブルーが…」
「誤って人を殺した…。君は彼を救おうとした」
「はい…」
「その時から、ブルーの中で君は守るべき対象になった。君はそこから出て自分で生きようとしている。その事に今、彼は苦しんでいる。彼はまだ何をすれば良いのかが見えてないんだ」
「僕はどうすれば…」
「君たちは特別な存在だ。今までは一緒だった。けれど、これからは自分を見つめて生きて。そして、ゆっくり二人のこれからを築き上げていけばいいんだ」
「…はい」
「さっきのキスは僕からの餞別。ブルーからされても嫌なら嫌だって言えよ。ジョミー」
と笑った。
「…されてもって…」
「僕はね嫌じゃなかった。だから…僕は流されたんだ。彼は、僕の人生を変えた人だから…僕は彼が好きで、そして怖いんだ。彼は僕を壊せるんだ…」
「…ジョミー」
「君は流されないで」
と僕を抱きしめた。
僕も彼を抱きしめた。
閑話 終
星の在り処 7へ続く(本編に戻ります)
☆皆様、良いバレンタインをお迎え下さい☆