☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
<用語>
惑星ノア 大戦時ミュウが陥落させた人類の首都星 今は人類に返還している
軍事基地ペセトラ 人類の軍事拠点 戦後十二人の代表で議会制になる
惑星メサイア ミュウが移住した惑星
育英都市スメール フィシスとカナリア達が住む都市
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム(シャトル所有)
『君がいる幸せ』 五章「時の在り処」 八話「追憶の破片」
現在 Sumeru
「そろそろ行こう」
公園を出て二人はカナリアの施設への道を歩いていた。
「…ブルー。力を使う責任の話はジョミーには少しだけど話してあるんだ。セルジュの軍と戦う指示を出したのが彼だと知って…君が目を覚まさない内に話した。君たちが戦う為だけに生まれた思っているのなら、話しておかないといけないと、思って…」
そこまで言うとジョミーは急に黙ってしまった。
不審に思い前を行くブルーが振り返ると、頭を押さえたジョミーがうずくまっていた。
「…しまった…まだだ…」
世界が歪む…何かが僕を呼んでいた…。
「ジョミー!」
側に駆け寄るブルー。
下を向いたままのジョミーの手が宙を泳ぎ彼を探す、その手を掴むブルー。
「シド…を…呼んで…僕をメサイアに…トォニィに伝えなければ…」と言った。
そしてこれをジョミーに、とジョミーは腕のブレスを外しブルーに渡した。
ブレスでシドが呼べる。
ベルーガもここに来れる。
「シド!今すぐ、ここに来て!」
ブルーは叫んだ。
ジョミーの体が力を無くして、ブルーの腕の中に崩れ落ちる。
「ジョミー!」
彼の悲痛な叫びがスメールに拡がった。
ブルーに抱き止められたジョミーは、その手を掴んだまま彼に言った。
「…ソルジャー・ブルーも、彼も、人間を恨んでいた…だけど、それ以上に人を信じていた…いつか…共に生きる時が来ると信じ、それを願っていた…その象徴が地球で…たどり着けば…幸せになれると信じて…闘っていた。だから…だから…僕たちはそれを実現させないといけないんだ」
ブルーは手に伝わるジョミーの力が失われてゆくのを、遠くに行ってしまうのを感じながら、彼が自分に伝えようとする言葉を聞き逃さないようにするのに必死だった。
生きて。
そう、あれが貴方の覚悟…ジョミーは目の前のブルーを愛おしく思った。
「ブルー。僕は…もう貴方を一人では…いかせない…一人にはさせない…」
僕は…。
空港からまっすぐに飛んでくるベルーガにジョミーを抱えたブルーが飛ぶ、二人はシャトルへと滑り込んだ。
「ジョミー」
ソルジャーズのジョミーが駆け寄る。
シドからの連絡を受けて惑星メサイアではシャングリラが緊急発進をしていた。
スメールの宇宙港から飛び立ったベルーガはワープアウトしてくるシャングリラとコンタクトを取る事になっていたが、それを待てない勢いでトォニィが跳んで来る。
「ジョミーは!?」
ジョミーはトォニィの声を聞いた。
「伝えた…い…本当の事を…トォニィ…ごめん…僕は…謝らないと…いけない」
ソルジャーズに支えられてトォニィを探すジョミー。
が、それが最後だった。
「待って…まだ…行けない…」
そう言うと意識を失った。
トォニィがジョミーを抱きかかえシャングリラに跳ぶ。ソルジャーズもそれに従った。
シド一人になったベルーガはフィシスを迎えにゆく為にスメールへと引き返した。
シャングリラに戻ったトォニィはソルジャーズの力を借りて強引に船をメサイアへと跳ばした。
Shangri-La
メサイアに戻ったトォニィはミュウの医療チームを作りジョミーの意識回復をさせたが、彼は眠ったままだった。
やがて、スメールからフィシスが到着する。
トォニィは彼女の力を借りてジョミーの深層心理へダイブをするが、深層でも掴む事が出来なかった。
ミュウの医療班はかつてのソルジャーブルーの眠りと同じなのではないかとの判断をした。
ジョミーは医務室からブルーの「青の間」へと移動をした。
同じなら心配は無いが、トォニィにはそうは見えなかった。
ブルーのような眠りならいつまでも待てる。
だが、このまま目覚めないかもしれなかった。
「ここまでのタイプブルーはまだ二人しか居ないのに…どうして同じ眠りだと言えるんだ!」
トォニィが唸った。
自分が焦ってもどうしようも無い。
だが、また何も出来ないような悔しい思いはしたくなかった。
ジョミーが言った「後悔する事しか出来ない自分」を感じるトォニィだった。
「ソルジャーズのブルー」
トォニィは最後に一緒だったブルーを呼び出した。
「こうなる前は何をしてた?ジョミーは何て言った?」
ブルーは言いにそうに、
「トォニィに伝えれなくてごめんって…」
「そこじゃない。君と二人で居た時だ」
「…僕に人が殺せるかって。僕達の力は人を殺す為じゃなくて、守る為に使って欲しいと言ってた」
「そうか。それは確かにジョミーが悩んでいた事だけど、それがきっかけじゃないな。君が傍に居たのは、たまたまだろうな…」
「…でも…」
Messiah 衛星ステーション
トォニィはセルジュに起きた事を話した。
「もう少し分かるまでこの事はまだ公表しないで欲しい。キース・アニアン総督に来てもらえるように、お願いしたい」
いつものミュウの長らしくない口調が消えている。
トォニィにはこの一日が何日にも感じられたに違いないと思うセルジュだった。
「了解した。彼が行く時に僕もそちらに行けるようにしよう」
Shangri-La
何日か後にキースとセルジュがメサイアに到着する。
ジョミーの眠る「青の間」へと向かうキース。
「清浄なる青の間か…、確かにその通りだな…」
とつぶやいただけでキースは階段を上がる事はしなかった。
トォニィに案内されて二人はトレーニングルームへ向かった。
「ジョミーが僕に、誰かから聞かされるのではなくて、彼自身で伝えたかった事とはなんだ。キース、お前なら知っているんじゃないのか?」
「直接伝えたかった事か…」
「思い当たるふしがあるようだね」
「あるが…彼が言えなかったのなら俺にも言えない」
「…キース・アニアン。僕は君に危害を加える事に何の躊躇いもないよ。だけど、残念な事に全くその気が無い。だから、僕に力を使わせないで欲しい。お前はジョミーから話を聞いているんだろう?」
「…ああ、聞いた」
「僕たちは協力した方が…」
とそこまで言った所でセルジュがソルジャーズの二人を連れて入って来た。
「……」
彼ら二人は、ブルーは薄紫のマントでジョミーは赤だった。二人は昔のソルジャー服を着ていた。
彼らは普段は一般のミュウの服を着ていたから、改めて見ると本当にそっくりだった。
「少し若いがそっくりだな」
キースが言った。
「ブルーを僕はあまり覚えていないけど、こんなに似てるなら、ジョミーの前でも着せればよかったな…」
トォニィがつぶやいた。
「セルジュ。しばらく彼をジョミーの代役にするから、いろいろと教えてほしい。彼も了承している。わからない事があったらシドと相談して進めてくれ」
「了解。トォニィ」
トォニィは、その服の感想は?とブルーに聞いた。
「何も…。ジョミーはわかるけど、僕に何をさせる気なんだ。何が聞きたい?僕の中にジョミーが居るとでも言うのか?」
とブルーが吼える。
「いいや、それは無い。彼は誰にも行けないような所まで行ってしまっている。君とジョミーが話した事に僕なりに補足をしようと思ってさ」
「人を殺すな。と言われただけだ…」
「君はそれで人を恨まないようになるかもしれない。だけど、今はミュウを憎んでいるだろう?」
「……」
「ジョミーの事は自分の所為だって思ってんだろ?」
「……」
「なら戦ってみよう。本気で」
「…トォニィ…」
「本気でか?」
とキースが言う。
「ああ、僕達はこうでしか…きっとわかりあえない」
トォニィはキースとセルジュを守るようにとジョミーに言った。
心配そうにブルーを見るジョミーがうなずくと戦いは開始された。
瞬殺とはいかなかったが勝負はトォニィが勝った。
二人とも息が上がっていたが互角にわたり合える相手との勝負は気分が良かった。
「どうだ?少しは吹っ切れたか?」
トォニィが笑う。
「え?」
「気にしていただろ?ジョミーがああなったのにはお前は関係が無い。だから、自分の所為だと思わなくていい」
「そのために…?こんな事を?」
「それを着てもらったのはこの為さ」
特別性のソルジャー服のおかげで怪我もしていない体を見てブルーはその性能に驚いていた。
「ブルー。僕もさすっきりしたかったから、戦えて良かったよ。ありがとう。ソルジャーズの君たちはクローンだ。勝手に作られミュウにされた。しかも唯のミュウじゃないタイプブルーとしてだ。ジョミーはタイプブルーは自分達で最後になると思っていたから…んー、違うな。タイプブルーと言う悲劇は自分達で終わりにしたかったから…」
「…タイプブルーの悲劇…」
「君たちはミュウに縛られる事なく自由に生きていけるようにしていたんだ。だから色々と連れて回っているよね?何者でもない君達が何にでもなれるように…。僕達の所でもキースの所でも、もっと違う場所にも。何処にでも行けるようにって言ってたんだ」
「人の中でも暮らせるように?そんな事、想像出来ない」
「だから、僕に人を憎む気持ちを捨てれないか。と」
口々に言うソルジャーズの二人。
「僕達、ミュウは人を憎み、うらやんで生きてきた。それを、ジョミーが変えてきたんだ。憎しみで戦うのは僕達タイプブルーだけでいいって、他の仲間はその先で人類と共に生きれるようにとしてきたんだ。それなのにブルーやジョミーそっくりのお前達が人を憎んでいては逆戻りだろ?」
「ジョミーに言われて人を憎むのは止めようと思い始めた。けど…でも…」
「何?」
とトォニィ。
言いにくそうにブルーが答えた。
「でも、ジョミーも…人を…銃で殺したって言ってた…」
「大戦中だろ?」
「…最近みたいだった…」
「キース」
手がかりは一つ一つ潰してゆくしかなかった。
続く
<用語>
惑星ノア 大戦時ミュウが陥落させた人類の首都星 今は人類に返還している
軍事基地ペセトラ 人類の軍事拠点 戦後十二人の代表で議会制になる
惑星メサイア ミュウが移住した惑星
育英都市スメール フィシスとカナリア達が住む都市
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム(シャトル所有)
『君がいる幸せ』 五章「時の在り処」 八話「追憶の破片」
現在 Sumeru
「そろそろ行こう」
公園を出て二人はカナリアの施設への道を歩いていた。
「…ブルー。力を使う責任の話はジョミーには少しだけど話してあるんだ。セルジュの軍と戦う指示を出したのが彼だと知って…君が目を覚まさない内に話した。君たちが戦う為だけに生まれた思っているのなら、話しておかないといけないと、思って…」
そこまで言うとジョミーは急に黙ってしまった。
不審に思い前を行くブルーが振り返ると、頭を押さえたジョミーがうずくまっていた。
「…しまった…まだだ…」
世界が歪む…何かが僕を呼んでいた…。
「ジョミー!」
側に駆け寄るブルー。
下を向いたままのジョミーの手が宙を泳ぎ彼を探す、その手を掴むブルー。
「シド…を…呼んで…僕をメサイアに…トォニィに伝えなければ…」と言った。
そしてこれをジョミーに、とジョミーは腕のブレスを外しブルーに渡した。
ブレスでシドが呼べる。
ベルーガもここに来れる。
「シド!今すぐ、ここに来て!」
ブルーは叫んだ。
ジョミーの体が力を無くして、ブルーの腕の中に崩れ落ちる。
「ジョミー!」
彼の悲痛な叫びがスメールに拡がった。
ブルーに抱き止められたジョミーは、その手を掴んだまま彼に言った。
「…ソルジャー・ブルーも、彼も、人間を恨んでいた…だけど、それ以上に人を信じていた…いつか…共に生きる時が来ると信じ、それを願っていた…その象徴が地球で…たどり着けば…幸せになれると信じて…闘っていた。だから…だから…僕たちはそれを実現させないといけないんだ」
ブルーは手に伝わるジョミーの力が失われてゆくのを、遠くに行ってしまうのを感じながら、彼が自分に伝えようとする言葉を聞き逃さないようにするのに必死だった。
生きて。
そう、あれが貴方の覚悟…ジョミーは目の前のブルーを愛おしく思った。
「ブルー。僕は…もう貴方を一人では…いかせない…一人にはさせない…」
僕は…。
空港からまっすぐに飛んでくるベルーガにジョミーを抱えたブルーが飛ぶ、二人はシャトルへと滑り込んだ。
「ジョミー」
ソルジャーズのジョミーが駆け寄る。
シドからの連絡を受けて惑星メサイアではシャングリラが緊急発進をしていた。
スメールの宇宙港から飛び立ったベルーガはワープアウトしてくるシャングリラとコンタクトを取る事になっていたが、それを待てない勢いでトォニィが跳んで来る。
「ジョミーは!?」
ジョミーはトォニィの声を聞いた。
「伝えた…い…本当の事を…トォニィ…ごめん…僕は…謝らないと…いけない」
ソルジャーズに支えられてトォニィを探すジョミー。
が、それが最後だった。
「待って…まだ…行けない…」
そう言うと意識を失った。
トォニィがジョミーを抱きかかえシャングリラに跳ぶ。ソルジャーズもそれに従った。
シド一人になったベルーガはフィシスを迎えにゆく為にスメールへと引き返した。
シャングリラに戻ったトォニィはソルジャーズの力を借りて強引に船をメサイアへと跳ばした。
Shangri-La
メサイアに戻ったトォニィはミュウの医療チームを作りジョミーの意識回復をさせたが、彼は眠ったままだった。
やがて、スメールからフィシスが到着する。
トォニィは彼女の力を借りてジョミーの深層心理へダイブをするが、深層でも掴む事が出来なかった。
ミュウの医療班はかつてのソルジャーブルーの眠りと同じなのではないかとの判断をした。
ジョミーは医務室からブルーの「青の間」へと移動をした。
同じなら心配は無いが、トォニィにはそうは見えなかった。
ブルーのような眠りならいつまでも待てる。
だが、このまま目覚めないかもしれなかった。
「ここまでのタイプブルーはまだ二人しか居ないのに…どうして同じ眠りだと言えるんだ!」
トォニィが唸った。
自分が焦ってもどうしようも無い。
だが、また何も出来ないような悔しい思いはしたくなかった。
ジョミーが言った「後悔する事しか出来ない自分」を感じるトォニィだった。
「ソルジャーズのブルー」
トォニィは最後に一緒だったブルーを呼び出した。
「こうなる前は何をしてた?ジョミーは何て言った?」
ブルーは言いにそうに、
「トォニィに伝えれなくてごめんって…」
「そこじゃない。君と二人で居た時だ」
「…僕に人が殺せるかって。僕達の力は人を殺す為じゃなくて、守る為に使って欲しいと言ってた」
「そうか。それは確かにジョミーが悩んでいた事だけど、それがきっかけじゃないな。君が傍に居たのは、たまたまだろうな…」
「…でも…」
Messiah 衛星ステーション
トォニィはセルジュに起きた事を話した。
「もう少し分かるまでこの事はまだ公表しないで欲しい。キース・アニアン総督に来てもらえるように、お願いしたい」
いつものミュウの長らしくない口調が消えている。
トォニィにはこの一日が何日にも感じられたに違いないと思うセルジュだった。
「了解した。彼が行く時に僕もそちらに行けるようにしよう」
Shangri-La
何日か後にキースとセルジュがメサイアに到着する。
ジョミーの眠る「青の間」へと向かうキース。
「清浄なる青の間か…、確かにその通りだな…」
とつぶやいただけでキースは階段を上がる事はしなかった。
トォニィに案内されて二人はトレーニングルームへ向かった。
「ジョミーが僕に、誰かから聞かされるのではなくて、彼自身で伝えたかった事とはなんだ。キース、お前なら知っているんじゃないのか?」
「直接伝えたかった事か…」
「思い当たるふしがあるようだね」
「あるが…彼が言えなかったのなら俺にも言えない」
「…キース・アニアン。僕は君に危害を加える事に何の躊躇いもないよ。だけど、残念な事に全くその気が無い。だから、僕に力を使わせないで欲しい。お前はジョミーから話を聞いているんだろう?」
「…ああ、聞いた」
「僕たちは協力した方が…」
とそこまで言った所でセルジュがソルジャーズの二人を連れて入って来た。
「……」
彼ら二人は、ブルーは薄紫のマントでジョミーは赤だった。二人は昔のソルジャー服を着ていた。
彼らは普段は一般のミュウの服を着ていたから、改めて見ると本当にそっくりだった。
「少し若いがそっくりだな」
キースが言った。
「ブルーを僕はあまり覚えていないけど、こんなに似てるなら、ジョミーの前でも着せればよかったな…」
トォニィがつぶやいた。
「セルジュ。しばらく彼をジョミーの代役にするから、いろいろと教えてほしい。彼も了承している。わからない事があったらシドと相談して進めてくれ」
「了解。トォニィ」
トォニィは、その服の感想は?とブルーに聞いた。
「何も…。ジョミーはわかるけど、僕に何をさせる気なんだ。何が聞きたい?僕の中にジョミーが居るとでも言うのか?」
とブルーが吼える。
「いいや、それは無い。彼は誰にも行けないような所まで行ってしまっている。君とジョミーが話した事に僕なりに補足をしようと思ってさ」
「人を殺すな。と言われただけだ…」
「君はそれで人を恨まないようになるかもしれない。だけど、今はミュウを憎んでいるだろう?」
「……」
「ジョミーの事は自分の所為だって思ってんだろ?」
「……」
「なら戦ってみよう。本気で」
「…トォニィ…」
「本気でか?」
とキースが言う。
「ああ、僕達はこうでしか…きっとわかりあえない」
トォニィはキースとセルジュを守るようにとジョミーに言った。
心配そうにブルーを見るジョミーがうなずくと戦いは開始された。
瞬殺とはいかなかったが勝負はトォニィが勝った。
二人とも息が上がっていたが互角にわたり合える相手との勝負は気分が良かった。
「どうだ?少しは吹っ切れたか?」
トォニィが笑う。
「え?」
「気にしていただろ?ジョミーがああなったのにはお前は関係が無い。だから、自分の所為だと思わなくていい」
「そのために…?こんな事を?」
「それを着てもらったのはこの為さ」
特別性のソルジャー服のおかげで怪我もしていない体を見てブルーはその性能に驚いていた。
「ブルー。僕もさすっきりしたかったから、戦えて良かったよ。ありがとう。ソルジャーズの君たちはクローンだ。勝手に作られミュウにされた。しかも唯のミュウじゃないタイプブルーとしてだ。ジョミーはタイプブルーは自分達で最後になると思っていたから…んー、違うな。タイプブルーと言う悲劇は自分達で終わりにしたかったから…」
「…タイプブルーの悲劇…」
「君たちはミュウに縛られる事なく自由に生きていけるようにしていたんだ。だから色々と連れて回っているよね?何者でもない君達が何にでもなれるように…。僕達の所でもキースの所でも、もっと違う場所にも。何処にでも行けるようにって言ってたんだ」
「人の中でも暮らせるように?そんな事、想像出来ない」
「だから、僕に人を憎む気持ちを捨てれないか。と」
口々に言うソルジャーズの二人。
「僕達、ミュウは人を憎み、うらやんで生きてきた。それを、ジョミーが変えてきたんだ。憎しみで戦うのは僕達タイプブルーだけでいいって、他の仲間はその先で人類と共に生きれるようにとしてきたんだ。それなのにブルーやジョミーそっくりのお前達が人を憎んでいては逆戻りだろ?」
「ジョミーに言われて人を憎むのは止めようと思い始めた。けど…でも…」
「何?」
とトォニィ。
言いにくそうにブルーが答えた。
「でも、ジョミーも…人を…銃で殺したって言ってた…」
「大戦中だろ?」
「…最近みたいだった…」
「キース」
手がかりは一つ一つ潰してゆくしかなかった。
続く