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カルロス・ゴーン

2020-01-21 | 社会問題
 1月21日 火曜日

 おはようございます。 グリーン・DE・クリーンです。


これと言って取り上げるつもりはなかったのですが、

随分と長らく「ゴーン・ショック」を報道しているところを見ますと、

おそらく重要な事件なのだと考え、私も参加しようと思った次第なのです。


あれは確か二年前のお正月の初めでしたか。

経済新聞がカルロス・ゴーンを取り上げ高く評価したと思えば、

その年の終わりには「ゴーン逮捕」の記事で騒ぐ。

それを目にして思ったことは、

日経の記事に書かれない方がよいことと、

日本の経営学は平等思想なのだと思ったことである。

いわゆる日本では企業はまるで

人間と同じような感情を持っているといってもよいだろう。

したがって日本企業には、

社内による異例の抜擢といったものはめったになく、

社外から連れてくる以外にヒーローは生まれない。

また社内では、給料の開きが大幅になることはなく、

能力給による成果主義制度の導入はなかなか難しいのが現状だ。

ひと口で言うなら、日本社会では

平等思想が企業存立の基本となっていると言えるのである。

そこで一度、多国籍企業と比べてみることにしたい。

日本人が自社の体制の長所と見ているものには、

欧米諸国にはビックリするような弱点に映って見える。

その一つが、米国企業やEU連合で一番力を入れているのは、

天才たちの足を引っ張ることではなく、

思い切った昇給による天才の能力に十分に酬いることなのである。

それどころかむしろ、

天才たちが思いもよらぬ高給で他社に引き抜かれないよう、

社運を賭けた是非とも必要な対策なのである。


日本式経営学の大切な仕事の一つ、

技能についても、給料や地位についても、

少なくても平等の建て前を取り続けることにあるだろう。

それに対して、欧米諸国での経営学には、

天才を見つけ出し、彼らを励まして研究を進めさせる一方、

自社の強みに変えて発明に次ぐ発明により社会貢献可能とするのである。

その為に手厚く酬いることが経営者の責務となる。

日本の場合、

ギリシャ神話に出てくる「プロクルステス」のように、

ベッドの大きさに合わせて天才の足を切り落とすところを、

欧米諸国の場合、

そのベッドをゆとりをもたせて拡大させ、

天才たちの居心地を良くしようとするのである。

その意味で、日本ではよくある話だが、

外人マネージャーに付き添う駐在員が、

本社の意向がまとまった線にそって最善を尽くすという段取りを命じる。

いきおい、外人マネージャーは欲求不満に陥らざるを得ない。

なぜなら、意思決定のコンセンサスに加わることが出来ず、

よそ者扱いされているからである。

エリートであるカルロス・ゴーンも例外ではないはずだ。


それにしても「ゴーン・ショック」のおかげである。

日本人が何かと見過ごされてきたものに目を向けられるようになったのは。

やはり「血の入れ替え」は人間には必要なのかもしれません。




     つづく。