今週は大学3年生の女の子が
インターンシップというなの社会経験のために
私の職場に2週間の体験入社をしに来ている。
2年もすれば嫌でも毎日社会に
出て行かなければならなくなると言うのに
何と言う志の高さ、いやはや奇特と捉える向きもあるのだが
私ができるアドバイスは今のうちに思う存分遊んでおけ
と言うごくごく一般的に用いられる言葉くらいなのだろう。
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その子を引き連れて上野の客先に出向く機会があったので
現代っ子に1925年様式の直線美がどのように映るのかと
上野駅のグランドコンコースの片隅に行ってきた。
ブラッセリーレカン。
言わずと知れた銀座レカンの姉妹店。
昭和7年にできた上野駅の貴賓室をリニューアルして
今では当時の様式美を庶民にも開放してくれる有名店だ。
銀座マキシムでもレカンでも
最近では店の格式以上に客の品格も落ちたと
嘆かれる方も多いのだろうが、
社会に出たての方々には
是非とも襟を正して5万10万の投資と思って
こういったお店で食事をしてみていただきたい。
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頑固者の私の親父に共感できる数少ない部分がまさしくこれで
「本物を知らなければ偽者を理解することなぞ到底できないから
初任給で落ちぶれてもマキシムはマキシム。(失礼!)
本物の匂いが残っているうちに行ってきなさい。」との言葉だったのだが。
これがなるほど。
給料の半分を叩いたとしても
今では十分おつりが貰えたと思えるようになった。
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さてさて、随分と助走が長くなってしまったが
肝心のお店の話に戻らせていただきたい・・・
こちらのお店のランチは3種類。
ボヌール ¥1,500。
アトレ ¥2,700。
コンフィアンス ¥3,800。
前菜がついたりデザート付きだったり
メインの違いであったりと高低あるのだが
ボヌールのメイン、
ポークのブレゼとハタのポワレシュクルート添え
ブールブランソースの2択のうち、
ハタが無性に食べたくなり、こちらを
プラス¥500で南瓜のポタージュではなく
前菜のマグロのカルパッチョに替えてもらい
いただくことにした。
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最初にやってきたのは2種類のパンが
人数分盛られたバスケットだった。
まずは好物のひとつ。
フランスパンからいただいたのだが
パン達は特に温めたりはされていない
可も不可もないものだった。
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続いてやってきたのがマグロのカルパッチョ。
メバチマグロと塩・胡椒・オリーブオイルやバルサミコで
簡単にできるメニューなのだが、
調理がシンプルな分素材の良し悪しが勝負の決め手。
臭味のない、いいマグロだ。
女子大生の南瓜のポタージュも随分と美味しそうだったので
スープを¥500出して前菜に替えるならば
その¥500でデザートをいただくというのもひとつの手だろう。
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ハタのポワレシュクルート添えブールブランソース。
難しい言葉が羅列されているので少し解説を。
フレンチで使うハタと言えばキジハタだろうか?
シュクルートとはザウアークラウトのこと。
ドイツ料理でお馴染みのキャベツの酢漬けのことだ。
ブールブランソースはフレンチではよく耳にするソースだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/47/c945a98e864c5c5b48112feeb252e658.jpg)
ブールはバター。ブランの白くらいはお馴染みだろう。
色に関する外国語は
挨拶の次に自然に覚える言葉なのだなぁと
イタリア語で言うロッソ(赤)、ネロ(黒)、
ビアンコ(白)、ベルテ(緑)などを
不思議と思い出してしまった。
バターと白が判ればご想像の通り。
白ワインや白ワインビネガーでエシャロットを煮詰めて、
バターを合わせるシンプルなソースだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/48/fe1d0814695895657e188b1fda896af9.jpg)
ハタの皮がパリッとポワレされた姿が
無性に食欲をそそってくれる。
丁度、目の前でウエイターの
腰に付けていたネームカードがポトリと落ちたのだが
別のウエイトレスがスッと回収していった。
お客の食事に具合や水の様子など
目を光らせるのは当然の仕事なのだが
ウエイターやウエイトレス同士の状況にも
それぞれ意識を置いているのは
判っていてもなかなかできない。
オーダーの際にメニューの説明を
してくれれば完璧なのだが、
元貴賓室と言えどもブラッセリーな
おもてなしと言うことか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/38/00a6c988fb143455e8bb25a6e63d18ee.jpg)
ナイフフォークでパクリと・・・
旨い。
ワインの酸味で野暮ッたさの消えたバターが皮を芳ばしく、
ハタの白身をしっかり感じ取れるような
絶妙な加減で味わせてくれる。
あくまでもハタがメインで
それを引き立てるソースの具合は
控えめな賢妻を思わせるような按配だった。
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食後にはコーヒーか紅茶が付く。
デザートを頼もうか葛藤しながら
レモンティーをお願いした。
やってきた紅茶はティーパックだったが
アールグレイだったかな・・・
まずまず美味しくいただいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/4c/0cd3985e3fda4398e43d914cbdfe4580.jpg)
北の玄関口上野。
北の名士をお出迎えするのには
お店の方々の教育ぶりといい
お料理といい外すことはない良いお店だろう。
年配のマダム達に囲まれて
インターンシップの大学生も
さぞかし緊張したのだろうがこれも勉強。
出世払いでお願いします。
ご馳走様でした。
ブラッセリーレカン
〒110-0005
台東区上野7-1-1アトレ上野レトロ館1F1020
TEL03-5826-5822
11:00~23:30(L.O.22:30)
年中無休
ボヌールコース ¥2,000(前菜¥500増しを含む)
甚平満足度 ★★★★★
甚平満腹度 ★★★▲☆
・・・おっ、お代官様ぁ!甚平に愛のムチを・・・
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・・・ あっ、ありがとうございます。・・・
それでは明日もお会いしませう