私と普段接している人ならば既知の事実なのだが
最近髪を25cmほど切った。
日記のプロフィール覧まんまだった出で立ちでは
流石にこの異様な暑さを乗り切れないと
判断してのことなのだが、
このツルツル頭。
髪の乾きのスピードは
トラックとスポーツカー程の差を感じてしまう。
余談はさておき今日は休日の銀座のお話を。
ここ最近は休日も連日連日の仕事漬け。
せっかく休みに銀座まで出てきているのだからと
ちょいと抜け出して行ったことのないお店に
行くことにしたのだ。
春日。
以前、葡萄の樹というお店を
紹介した際に見つけたお店なのだが、
行こう行こうと思いながら
ようやく実現した訳だ。
メニューの方はこちらの通り。
漂う油の香りでてっきり天麩羅屋だと思っていたのだが
このお店の正体は割烹だったのだ。
休日に仕事となると奮発もしたくなるのだが
まだ見ぬわが子のことを思うと我慢、我慢。
暖簾をくぐり上天丼を
大盛りで注文させていただいた。
最初にやってきたのは
温かい煎茶に白菜漬けだった。
よわい70は超えている大女将が
スッと出してくれたのだが、
無言の笑顔の裏には
「冷たいもんばっかり飲んで胃が疲れているでしょう」
とい言葉が隠されているように感じ、
滴る汗を拭いながら口に運んでみた。
7~80度のお茶は
思ったよりもしんどく感じない。
暑い時にあたたかいものを飲むのが良いことを
知っていながらやってこなかったのを
思わずテレ臭く感じさせられたのだ。
カウンターごしには
中年の職人と20代の職人が注文をこなす。
昼時は若手の教育にあてているのだろう。
年配の職人の目利きを受けながら
若手が一生懸命揚げていた。
数分でやってきたのがこちら。
これが春日の上天丼¥1,100だ。
味噌汁には天麩羅で使う
海老の頭が入っているのだが
しょっぱくもなく、海老臭くもなく
美味しいお味噌汁だった。
この味噌汁には天かすが入れられていたのだが
味噌汁を吸った天かすは油が落ちる上、
その油が海老の臭味を丸めるような
バランスを取るためにとても重要な役割を
果たしているように感じた。
沈殿していたピリ辛味は山椒だろうか?
出汁も味噌も丁度良い汁には
良いアクセントだと思う。
続いて上天丼。
ネタは海老が2尾に丼をはみ出したあなご、
ししとう、大葉に昆布、白身魚はメゴチだった。
写真以上に白く揚がった天麩羅は
油が新鮮な証拠だ。
何から箸を付けようか
迷った挙句に手を付けたのは海老。
ごま油は使っていないように感じるこの天麩羅は
パクリとやるとカラリとは言い切れない。
しつこくない油の風味のおかげもあり、
微妙な油切れの悪さが風変わりな、
しっとりとも形容しがたい
独特の食感を作っていた。
タレのお味は甘くも辛くもない。
油グセが強くない分
この位が丁度良く感じた。
また、上天丼と書いて
あなごがのってくるあたりは
男心を鷲づかみにしてくれた。
特に面白かったのは
昆布の天麩羅だ。
ころもの中に潜む粘度から香る
ほんのりとした味わい。
旨い。
炊き加減の良いお米を
ガッと胃袋に流し込むと
食後に甘味が出された。
赤いさくらんぼのように映るものの正体は
なんとミニトマト。
シロップで煮詰めたこのトマトに加え
白いものは林檎なのだが、
まるで洋梨のような食感と甘味を醸し出し
胃袋をしっかりと落ち着けてくれた。
こちらのお店。
休日の昼下がりで
お客が私を含めて2組しかいなかったのだが
なんとも居心地の良いお店だった。
大女将が睨みを利かしたおもてなし、
細かいことだがおしぼりに
箸置きもちゃんと出す。
天麩羅を喰いにいったのに
温泉宿の自分の部屋でくつろいだような
気にさせてくれるあたり。
嫁が落ち着いたら
夜の部にでもご招待してみる気にさせられた。
ご馳走様でした。
春日
〒104-0061
中央区銀座1-4-6
TEL03-3561-1887
11:30~13:30
17:00~
日曜・祝日定休
上天丼 ¥1,100(大盛り無料!)
甚平満足度 ★★★★▲
甚平満腹度 ★★★★☆
・・・おっ、お代官様ぁ!甚平に愛のムチを・・・
・・・ あっ、ありがとうございます。・・・
それでは明日もお会いしませう