銀座の甚平喰い倒れ日記

甚平を愛するサラリーマンの食生活を綴った日記。銀座界隈を中心に東京の美味しいお店をご紹介。

新宿 でめ金にて「沢蟹の素揚げ」をいただきます

2008-09-25 12:06:01 | 新宿

日記を書き始めてから
2年ちょっと経過したのだが
私の出生の秘密については書いてはいなかったので
ある出来事がきっかけとは言うものの
つらりつらりと書かせていただきたい。

私の生まれは新宿のとある病院で
小学校の3年生までは参宮橋に住んでいた。

参宮橋の橋の上から見える
ロマンスカーを日が暮れるまで
ぼんやりと眺めていたのは懐かしい限りなのだが
子供の足でも20分程で新宿に辿り着く
この場所に住んでいたこともあって
こと新宿に関しては変な自信を持っていたのだ。

出生の秘密などと大袈裟に話していたが
今日の話の本筋は自信のある新宿で
鼻っ柱を折られた話なのだ。



新宿で安く日本酒を飲もうと
同僚達と連れ立ってカツ政へ・・・

カツ政は新宿西口で以前紹介した
パリ4区やらルモンドに至近の大衆居酒屋なのだが
こと日本酒に関しては良心的なお値段で、
年に数回お邪魔しているお店だ。

店内は生憎の満席。

刀をどう切り返そうかと
ふらりふらりしていた矢先。

佇まいから見ると、
どう考えても以前からその場所にあったのだろうが
私の記憶には全くないお店が
この日は突然姿を現した。

最近は随分と串カツのお店も増えたのだが
昔からあったであろうこの串カツのお店に
入ってみることにした。



お店の名前はでめ金といった。

時間が23時に近かったので
まだ大丈夫かと聞いてみると職人さんの
どうぞの一言が出迎えてくれた。

聞けば35年もの長きに渡り
この場所でお店をやっているそうなのだが
この道を何100回と通っていたにもかかわらず
今日の今まで気付かなかったのだ。

メニューを見ると
コースが3コース用意されており
単品の注文も受け付けてはいるのだが
最初はコースが良いと教えてくれた。

おまかせ でめ金コース

お店のお奨めコース。
お客がストップと言うまで揚げ続ける恐ろしいコース。
中には80本も食べたツワモノもいるそうだ。

松コース ¥3,500
車エビ、牛ヒレ、アスパラ肉巻、
エビしそ入り手羽先、レンコン牛肉カレー味詰など

竹コース ¥2,500
アスパラ巻、キス、エビひきしいたけ、
豚ヒレねぎ間など

注文したのはでめ金コース。

ただし、大惨事にならぬように
¥5,000を超えたら声を掛けてくれと
口添えをして注文させていただいた。



牛ヒレに続いてやってきたのが
赤いあいつだった。

沢蟹の素揚げだ。

思わずぎょっとして慌てて単品メニューに食い入った。

チーズ、レンコン牛肉カレー味詰、キス、
ギンナンウィンナー巻、イカ、砂ギモネギ間、
キヌサヤ、トリササミ巻、トリレバー、
山芋、ササミのり巻、あなごのごぼう巻、
ししとう、エビ、ヒキ、しいたけ、
豚ヒレネギ間、ジャガ芋ベーコン巻、
カボチャ、小なすのとりひき肉詰キスのベーコン巻、
うずら卵、牛ヒレ、エビのしそ巻、エビしそ入手羽先、
車エビ、アスパラ肉巻、カニキス巻などなど。

メニューを見る限りでは
見慣れた活字が並んでいるのだが
いきなりの先制パンチに
完全にのめり込まされてしまった。

沢蟹はそのままパクリとやると
ポリパリした殻から弾けて甘くて濃厚な
蟹の旨みが飛び込んでくる。

旨い。



続いてエビしそ入手羽先。

手羽先の名は付いているのだが
一般的な手羽先のイメージには程遠い。

パクリとやると
鶏と海老のすりみにその名の通り
しそが入れられていた。

淡白な旨みに吊られてパクリパクリとやっていると
食べ始めから気になっていた
ある仕掛けがはっきりとした。



こちらのお店。

塩、ソース、レモンで串揚げを頬張るのだが
カツの衣にちょいとカレー粉が入れられている。

また、塩にもソースにも微量だが入れられているようで
何も付けなくても衣の下味と素材で
十分に食べれてしまうのだ。

私は本来、カレーピラフなんかは
邪道も邪道と毛嫌いしているのだが
このカレー粉の使い方は強すぎない分
問題なしと言うざるを得ない。



メニューには車海老とあるが
この小ぶりな海老は肉の甘さの足りなさからしても
車海老ではないのではないだろうか?

また、普通海老を揚げる際には
尻尾のトゲは抜くものだが、
こちらのお店ではその処理はされていなかった。

料理の端々で手間を掛けているお店なので
何らかの理由があるのだろうがいったい・・・?

ただし、頭はとっても
足は取らずに揚げた際の見栄え。

存分に食欲をそそってくれた。



続いてやってきたのがこいつだ。

で、デカ!

こいつでドラムが叩けてしまいそうな
巨大アスパラ巻。

太さで言うと
通常のアスパラとズッキーニの中間くらいで
初夏の方が旨いと言われるこの食材も
ちょいとばかしの硬さに目をつむれば
十分なジューシィな旨みを堪能できた。



実は先日、嫁にこいつを喰わせてみたくて
とある八百屋で購入してみたのだが、
岩手産ならば1束¥7~800。

ニュージーランド産でも¥500程度の代物だ。

写真に写っている万能葱は口直しだ。

こちらのお店ではこの万能葱の他にも
野菜スティックとキャベツを好きなだけ喰わしてくれる。

特に万能葱のピリリとした辛味は
はんなりとカレー粉が利いた串揚げには
うってつけのものだった。



続いて銀紙に包まれてきたのがカニキス巻。

キスの身に巻かれた蟹のすり身は
芳醇という言葉がぴったりだった。

こいつは1本取られたと
しみじみと食べさせていただいたのだが
1本と言えば昨日の西武×ロッテ戦。

デッドボールが多すぎた荒れた試合だったが
ベニーの細川への体落とし。

乱闘は褒められたものではなかったが
オリンピック直後ということもあり
思わず1本と手を挙げてしまった。



続いてこちら。

写真だけで何だか
言い当ててしまったら大したものなのだが、
こいつの正体はイカだ。

イカを揚げたものに
明太子とうにを混ぜ込んだソースが添えられ
そのままパクつかせるものなのだ。

贅沢と思いながらガブリとやると
こいつはちょいと勿体無かった。

明太子の塩気が強すぎて
うににもイカにも影響し過ぎていた。



この日は合計20数本平らげたのだが
実はここまでパンチのあったものだけを
紹介させていただいた。

ちょうど下の写真が帆立なのだが、
茄子や蓮根、鶏レバやキヌサヤなど。

単なる揚げ物の絵面は
並べられてもピンと来ないだろうからだ。

帆立だと言われてもふ~んって感じでしょ?



こちらのお店では〆にデザートを出している。

この日のデザートは完熟マンゴーと見間違う程の
見事な暖色を伴ったメロンだった。

ちょいとばかし硬さが残っていたが
ある事実と共におもてなしの気概を感じさせられた。

その事実とは帰り際に伺った営業時間だ。

実はこちらのお店の営業時間は23時が目安。

週末はお客さん次第だと言ってはくれるのだが
23時からがっつりとゆっくりと食べさせてくれる雰囲気は
一遍も営業時間の概念を感じさせてはいなかった。

お客様は神様だ。

そんな言葉が聞こえてきそうだった。



このでめ金。

写真は取らなかったが
特性のでめ金の串差しを拵えている。

昔はもっと金魚っぽかったそうだが
目が取れてしまうとの理由で今のものに変わったそうだ。

今の物はでめ金というよりもはぜに近いのは
来店時の楽しみとして取っておいていただきたいのだが、
1本¥150から食べれるこのお店。

新宿では鳥茂、新宿ホルモンの次に
行ってもらいたいお店だった。

遅くまでご馳走様でした。

でめ金
〒160-0023
新宿区西新宿1-15-9第2オムニクス1F
TEL03-3346-1508
11:00~14:00
17:00~23:00
年中無休 

店長おまかせコース ¥7,000(ビール3杯を含む)

甚平満足度 ★★★★▲
甚平満腹度 ★★★▲☆

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・・・ あっ、ありがとうございます。・・・
   それでは明日もお会いしませう

神保町 共栄堂にて「ポークカレー」をいただきます

2008-09-19 19:41:59 | 水道橋・神保町・御茶ノ水・小川町・本郷

神保町に行ってきた。

って、その前に何か言うことがあるだろう。

随分とご無沙汰してしまい大変面目ない。

何を言っても言い訳にしかならないので
これ以上は言うまいが、今日から頑張ります。

神保町を紹介し始めて随分と経つのだが、
私の日記を見ていておやっ?と
疑問を持たれた方もいるのだろう。

小粋な名店目白押しの神保町界隈にあって
誰もが思い描くカレー店の紹介が全くないのだ。

しかもカレー好きのクセに・・・



と・言う訳で、いよいよ
神保町カレーシリーズの開幕と言う訳なのだ。

栄えある第1回目は、
ボンディでなくエチオピアでもなく、
まんてんでもない駅至近の靖国通り沿いのお店。

昼時の並びで気付くことはあっても
普通に古書散策やスポーツ用品に目の色を変えていては
気付かずに通り過ぎてしまうようなお店。

スマトラカレーと言えば
ピンと来る方もいるのかもしれないのだが

引っ張って引っ張って告げる
そのお店の名は共栄堂。



看板を目印に階下に進むと大正13年の創業と
長きに渡り味を守ってきた歴史のあるお店が姿を現す。

お店のホームページを拝見すると、
このお店のカレーの味は明治の末に
東南アジアで遊び周っていた伊藤友治郎さんに
スマトラ島のカレーの作り方を教わって、
日本人の口に合う様アレンジしたというのだから、
現代人の偏見と言えども明治に東南アジアに
飛び出したというエネルギーに
ただただ驚かされてしまう。



店のガラス張りには
写真では拾いきれなかったのだが
「焼きりんご」の文字が躍っていた。

伺ったのが15時近かったこともあり
ご覧の通り店内はガラガラだったのだが、
メニューを開くと焼きりんごはカレーに添えるものではなく
デザートであることが汲み取れた。

主なメニューは

ポークカレー ¥800(ソース大盛¥1,000)
ビーフカレー ¥1,200(ソース大盛 ¥1,500)
チキンカレー ¥1,000(ソース大盛 ¥1,200)
エビカレー ¥1,200(ソース大盛 ¥1,500)
タンカレー ¥1,500(ソース大盛 ¥1,800)
ハヤシライス ¥1,100(ソース大盛 ¥1,400)
焼きりんご ¥500

ライスの中盛りはプラス¥50で大盛りはプラス¥100だ。



メニューを見るまでは
カレーに絶対焼きりんごを添えてやろうと
心に決めていたのだが、デザートと聞くと
高揚したテンションも急激に萎んでしまう。

悩みに悩んだ末の答えは
ポークカレーのダブル(ルーもライスも大盛り)だった。

しばらくしてやって来たのがこちら。

左脇に添えられているカップスープは
自家製のポタージュスープで、
全てのカレーに付けているそうだ。



ちょいと暗くなってしまったのだが
ライスの盛りは倍あっても全然大丈夫とは言え、
納得できるものだった。

しかも米自体の艶やかさを見れば
素材にしろ加減にしろこだわりを
感じずにはいられない。



スマトラカレーと聞かされて
先入観で黄土色なものをイメージしていたのだが
こちらのお店のルーは黒々と輝くものだった。

唯一紹介していた洋食屋。

キッチン南海のカレーも
随分と黒いものなのだが、
はたしてこちらのカレーの実力は・・・



ルーを漁ってみると・・・

豚肉がゴロゴロ捕獲できた。

旨そうだ。

こちらのお店では
ビーフやシュリンプなど
具材ごとにルーをコトコトやっているそうなので
それぞれのルーに具材が馴染んだカレーは
10人10色なのだろう。

ようするにシュリンプとポークでは
ガラリと味も変わってくるのだと思う訳だ。



ルーを半分程かけて見ると・・・

ドーム型に綺麗に盛り付けられたごはんにぴったりと嵌る。

米粒がてらてらと輝いていて、
いよいよ旨そうだ。

ルーはサラサラとしていたので
かけた際にもっとライスに吸収されるものだと
思っていたのだが、見た感じは
まるで欧風カレーのような按配だ。



スプーンにひっかけてパクリ・・・

旨い。

口当たりは全然辛くはないのだが
体中の毛穴がどんどん開いて行くような感覚。

辛くないのに汗が止まらない・・・

香辛料に寄り過ぎず、
それでもピンと香辛料が立ったカレーは
大人のカレーと呼ぶに相応しいのだろう。



こちらのお店は布製おしぼりを出してくれる。

提供している物がものだけに
気にしない方も多いのかもしれないが
この配慮はされて当然とは受け止めてはいけない。

トロ味の少ないルーが
まるで欧風カレーのように仕上がっていた理由は
スプーンを入れた後の画像を
見ていただくのが良いだろう。

こだわりの新潟産コシヒカリを
艶やかにムッチリと炊き上げたご飯が
見えないバリアとなってルーの浸透を妨げているのだ。



持論ではごはんが旨いお店は20%増し。

銀座の魚竹なんかを
魚が旨い旨いと持て囃してしまうのは
ごはんの下支えがあってのものだと言っても
決して過言ではないのだろう。

実は1月程前にエチオピアに行っているのだが
最近の低落ですっかり感想にも気が抜けてしまっているので
神保町カレーシリーズを継続させるためにも
近いうちに再訪したいと思う。

焼きりんご。

食べればよかったかなぁと思いながら
ご馳走様でした。

スマトラカレー共栄堂
千代田区神田神保町1-6サンビルB1F
TEL:03-3291-1475
11:00~20:00
日曜・祝日定休

ポークカレーダブル ¥1,100(ルー・ライス大盛り)

甚平満足度 ★★★★☆
甚平満腹度 ★★★▲☆

・・・おっ、お代官様ぁ!甚平に愛のムチを・・・

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