銀座の甚平喰い倒れ日記

甚平を愛するサラリーマンの食生活を綴った日記。銀座界隈を中心に東京の美味しいお店をご紹介。

上野 ブラッセリーレカンにて「ハタのポワレ」をいただきます

2007-09-07 10:34:22 | 上野・茗荷谷・浅草・南千住

今週は大学3年生の女の子が
インターンシップというなの社会経験のために
私の職場に2週間の体験入社をしに来ている。

2年もすれば嫌でも毎日社会に
出て行かなければならなくなると言うのに
何と言う志の高さ、いやはや奇特と捉える向きもあるのだが
私ができるアドバイスは今のうちに思う存分遊んでおけ
と言うごくごく一般的に用いられる言葉くらいなのだろう。



その子を引き連れて上野の客先に出向く機会があったので
現代っ子に1925年様式の直線美がどのように映るのかと
上野駅のグランドコンコースの片隅に行ってきた。

ブラッセリーレカン。

言わずと知れた銀座レカンの姉妹店。
昭和7年にできた上野駅の貴賓室をリニューアルして
今では当時の様式美を庶民にも開放してくれる有名店だ。

銀座マキシムでもレカンでも
最近では店の格式以上に客の品格も落ちたと
嘆かれる方も多いのだろうが、
社会に出たての方々には
是非とも襟を正して5万10万の投資と思って
こういったお店で食事をしてみていただきたい。



頑固者の私の親父に共感できる数少ない部分がまさしくこれで

「本物を知らなければ偽者を理解することなぞ到底できないから
初任給で落ちぶれてもマキシムはマキシム。(失礼!)
本物の匂いが残っているうちに行ってきなさい。」との言葉だったのだが。

これがなるほど。

給料の半分を叩いたとしても
今では十分おつりが貰えたと思えるようになった。



さてさて、随分と助走が長くなってしまったが
肝心のお店の話に戻らせていただきたい・・・

こちらのお店のランチは3種類。

ボヌール ¥1,500。
アトレ ¥2,700。
コンフィアンス ¥3,800。

前菜がついたりデザート付きだったり
メインの違いであったりと高低あるのだが
ボヌールのメイン、
ポークのブレゼとハタのポワレシュクルート添え
ブールブランソースの2択のうち、
ハタが無性に食べたくなり、こちらを
プラス¥500で南瓜のポタージュではなく
前菜のマグロのカルパッチョに替えてもらい
いただくことにした。



最初にやってきたのは2種類のパンが
人数分盛られたバスケットだった。

まずは好物のひとつ。
フランスパンからいただいたのだが
パン達は特に温めたりはされていない
可も不可もないものだった。



続いてやってきたのがマグロのカルパッチョ。

メバチマグロと塩・胡椒・オリーブオイルやバルサミコで
簡単にできるメニューなのだが、
調理がシンプルな分素材の良し悪しが勝負の決め手。

臭味のない、いいマグロだ。

女子大生の南瓜のポタージュも随分と美味しそうだったので
スープを¥500出して前菜に替えるならば
その¥500でデザートをいただくというのもひとつの手だろう。



ハタのポワレシュクルート添えブールブランソース。

難しい言葉が羅列されているので少し解説を。

フレンチで使うハタと言えばキジハタだろうか?
シュクルートとはザウアークラウトのこと。
ドイツ料理でお馴染みのキャベツの酢漬けのことだ。

ブールブランソースはフレンチではよく耳にするソースだろう。



ブールはバター。ブランの白くらいはお馴染みだろう。

色に関する外国語は
挨拶の次に自然に覚える言葉なのだなぁと
イタリア語で言うロッソ(赤)、ネロ(黒)、
ビアンコ(白)、ベルテ(緑)などを
不思議と思い出してしまった。

バターと白が判ればご想像の通り。

白ワインや白ワインビネガーでエシャロットを煮詰めて、
バターを合わせるシンプルなソースだ。



ハタの皮がパリッとポワレされた姿が
無性に食欲をそそってくれる。

丁度、目の前でウエイターの
腰に付けていたネームカードがポトリと落ちたのだが
別のウエイトレスがスッと回収していった。

お客の食事に具合や水の様子など
目を光らせるのは当然の仕事なのだが
ウエイターやウエイトレス同士の状況にも
それぞれ意識を置いているのは
判っていてもなかなかできない。

オーダーの際にメニューの説明を
してくれれば完璧なのだが、
元貴賓室と言えどもブラッセリーな
おもてなしと言うことか。



ナイフフォークでパクリと・・・

旨い。

ワインの酸味で野暮ッたさの消えたバターが皮を芳ばしく、
ハタの白身をしっかり感じ取れるような
絶妙な加減で味わせてくれる。

あくまでもハタがメインで
それを引き立てるソースの具合は
控えめな賢妻を思わせるような按配だった。



食後にはコーヒーか紅茶が付く。

デザートを頼もうか葛藤しながら
レモンティーをお願いした。

やってきた紅茶はティーパックだったが
アールグレイだったかな・・・

まずまず美味しくいただいた。



北の玄関口上野。

北の名士をお出迎えするのには
お店の方々の教育ぶりといい
お料理といい外すことはない良いお店だろう。

年配のマダム達に囲まれて
インターンシップの大学生も
さぞかし緊張したのだろうがこれも勉強。

出世払いでお願いします。

ご馳走様でした。

ブラッセリーレカン
〒110-0005
台東区上野7-1-1アトレ上野レトロ館1F1020
TEL03-5826-5822
11:00~23:30(L.O.22:30) 
年中無休 

ボヌールコース ¥2,000(前菜¥500増しを含む)

甚平満足度 ★★★★★
甚平満腹度 ★★★▲☆

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・・・ あっ、ありがとうございます。・・・
   それでは明日もお会いしませう


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2 コメント

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インターンシップ! (mymyzu)
2007-09-07 14:14:27
そんな制度が最近は出来てるんですよね。
早稲田に行ってる甥っ子もそういえば建設会社にインターンに行くとか行ってました。

ふふふ。。。

お客さんで行くのと実態は違うかもよ。。。
一応社会勉強だ。行ってらっしゃい。。。

しかし、甚平さんにインターンを任されると違う意味で
社会を勘違いしませんか???
とても女子大生がふらりと行く感じのお店ではないかと存じますが。
良くも悪くもね!




そうそう、場外共栄ビルの地下1階。
「味の石辰」の跡地。
改装してるので何が出来るか楽しみにしていたところ
「つきじ藪蕎麦!9/14open!」とありました。。。
ちょっとザンネン。
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優秀ですねぇ! (甚平)
2007-09-10 12:17:17
mymyzuさん

おはようございます。甚平です。

おっしゃる通り
お客さんで行くのと実際に働くのでは大違い。

変に勘違いしてしまうと大変ですねぇ。

いし辰跡地。

私も実は先週末にチェックしておりました。
今日はその時のお話をさせていただきますので
悪しからず。
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