趣味の日記

観劇・歴史・小説・漫画などなど、思いつくままの語り日記

月組新公

2012-08-23 23:53:21 | 観劇
今日は、またまた仕事帰りに新公を観劇。
新公担当は岡本先生。私は初めて・・・なのかな。
「ロミ&ジュリ」の新公は、こういう構成でやる、という形があるんでしょうか。仮面舞踏会のシーンから始まって、あとはほぼノーカット。確か雪組の新公も、そうだった気がする・・・。新公パンフに、著作権許諾についての注意書きがあるのも、珍しいのでは?
構成もですけど、細かい演出も、わりと本公演を踏襲してたような。ジュリエットがロミオの仮面を持ってバルコニーで歌ってたりとか。

たまきち君のロミオ。2日前に、まさお君の子供なロミオを観たばかりのせいもあるのか(笑)、たまきち君はちゃんと成長した若者のロミオでした。
でも・・・何だろう、落ち着いて見えるからなのか、優等生過ぎちゃうのか、恋をした若者らしい勢いに欠けるというか、ちょっとこじんまりとまとまってる印象。
たまきち君は背も高いし見栄えもするのに、ゆったりとした落ち着き感のほうが勝ってしまって、溌剌としたキラキラ感がもっと欲しいですね。
前回の新公のプリンス・チャーミング、デイヴィッド王子は、大人の粋さと、優等生を演じる王子の窮屈さが、上手くハマって魅力的だったんですけど。
歌も、丁寧に歌い過ぎちゃって、上手いんだけど、ぶつける思いの激しさみたいなものがもっと伝わってきて欲しいです。
・・・まぁ、最初に飛び込んでいくべき、「いつか」と「世界の王」のナンバーがごっそりないのも、気持ちを盛り上げるには大変だろうと思いますが。
みゆちゃんのジュリエット。初々しく、可憐で愛らしい、ジュリエットらしいジュリエットですね。
きちんと丁寧に気持ちを積み重ねたお芝居で、素直な感情がよく伝わってきました。
本役のちゃぴちゃんが、体当たりの勢いと現代的な持ち味で、わりとリアルな今時の女の子っぽいのと対照的な、クラシカルなお姫様らしいジュリエットでした。

煌月君のティボルト。狂気よりも生真面目さが先に立った、まともな青年に見えました。キレやすいようにも、喧嘩っ早いようにも見えない、普通の青年な感じ。
マーキューシオとの争いも、キレたというよりは、正面から堂々と受けて立った、みたいな風情。
う~ん、やっぱり幕開きの「ヴェローナ」のナンバーがないのは、ちょっと勿体ない。そこで一気にモンタギューVSキャピュレットの憎み合いをテンションアップできるはずなのに。
面白かったのが、輝月君のベンヴォーリオ。ロミオやマーキューシオよりも年上で、一番冷静に周りを見てるのがすごくわかるお芝居。かといって冷たいのではなく、あたたかさと包容力のある丁寧なお芝居をする子ですね。
ロミオとジュリエットの結婚に困惑しながらも、徐々にロミオの言葉に耳を傾け、ロミオに共感するようになっていく、その流れが手に取るようにわかりました。
ティボルトとマーキューシオが争い始めた時も、最初、考え込むように座り込んで、じっと冷静に様子を眺めている、その風情がやたらカッコよくてびっくり。
マーキューシオの朝美君と同期同士、ちゃんと親友の絆もあり、ロミオのこともちゃんと思いやっている、そのあたたかさが頼もしい、そんなベンヴォーリオでした。
朝美君のマーキューシオは、対照的に剣呑でちょこまか動く、やんちゃ小僧。いつも突っ走るのをベンヴォーリオが抑えて、いいコンビだろうとちゃんと思わせる二人組。
「マブの女王」も聴きたかったな~。

‘愛’と‘死’のダンサーはそれぞれ、隼海君と鳳月君。
抽象的というよりは、むしろ擬人化された存在感があって、面白かったですね。
特に鳳月君は、ヘビみたいにロミオにまとわりついたり、ヴェローナの人々に取り付いて、一人でも多く死へ引きずり込もうと、虎視眈々と狙っているような動きと表情。
‘愛’の隼海君も、恋人同士を見守る妖精か女神みたいな雰囲気で、‘死’という悪と争ってるようにも見えました。
月組のリアルっぽさを逆手に取ったような、こういう解釈も面白い。

キャピュレット卿の貴澄君、すごく歌が上手い!!
みらちゃんのキャピュレット夫人、貫禄充分。「憎しみ」のナンバー聴きたかった!
乳母の晴音アキちゃん、丁寧で愛情深い。初演星組のれみちゃんの乳母をちょっと思い出しました。
ロレンス神父の華蘭ちゃんは、相変わらず手堅い。

月組さんは、若手さんたちまで職人系が多いですね。個々の個性を観てるとすごく面白いんですが、もっと弾けてキラキラするような華やかな子が、たくさん出てくればいいなぁと思います。

コメント
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