趣味の日記

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楠木正行

2008-12-13 23:53:38 | Weblog
すっきり快晴。行ってきました。

JR東西線に乗り、四条畷に着いたのが11時半。駅前が商店街だったこともあり、いかにも下町の大阪のおばちゃんたちのお買物で賑わってました。その人情味あふれる風情が、あ~なんか、河内に来た!って感じ(笑)。
商店街を抜けた突き当たりが、小楠公楠木正行の墓地。
若くして南朝に殉じて戦に斃れた正行ですが、首塚は京都にありますから、この地にあるのはおそらく胴塚と考えるべき?
こんもりと繁っていたのは、樹齢600年近い大楠。もともとは、正行の墓碑と伝えられていた石碑を挟んで、2本生えていたそうなんですが、大きくなるにつれてその石碑を巻き込み、2本が1本となって石碑を隠してしまったんだとか。
確かに、ものすごく巨大な楠でございました。脇には、明治期に建てられたご立派な石碑が並んでありました。
墓地の入り口の石柱に、‘忠’‘孝’と書かれているのが、いかにも正行。
しかし、一応は次弟の正時くんも一緒にいるはずなんですけど?常に兄の傍で影のように寄り添い、ともに刺し違えて果てた正時も、私の中ではポイント高いです(笑)。
商店街の賑わいをよそに、一人うっとりと大楠を眺め、四条畷の戦に思いを馳せることしばし(爆)。名残惜しくも、次の史跡へ。

次は、正行の従兄弟にあたる和田賢秀のお墓へ。
再び商店街を通って四条畷の駅前に戻り、さらに東高野街道にぶつかったところで少しだけ北に進むと、これまた立派な楠の植えられた一角が。
賢秀は呼び名を新発意とも言って、僧形だったとも言われますが、楠木軍きっての荒武者で、討死した時も敵将に噛み付いたまま離れなかったというエピソードが残っています。そのために、地元では歯神さんとして祀られてもいるのだとか。
そんな新発意くんなので、入り口の石柱には、‘忠’‘烈’と書かれてました。
正行の従兄弟ですから、新発意だってまだ若かったはず。私のイメージだと、荒武者というより、暴れん坊の悪ガキ、みたいな感じ(笑)。

賢秀のお墓の近くに、四条畷の歴史資料館があるとのことで、ちょっと覗いてみることに。
事前チェックした時に、中世の展示ではなく、むしろ縄文や弥生時代のものが多い、とは知っていましたから、実際にやっぱり南北朝期のものがなくても、納得。
中に入ると、ボランティアのおじさんとかが何人もいて、いろいろ解説して下さいました。
この周辺の遺跡は、縄文と弥生の文化が混じってるらしくて、いろいろな出土品があるのだとか。しかも、古代は海岸線もだいぶ内側で、四条畷周辺も川筋が多く、湿地も多かったので、稲作が盛んだったのでは?とのこと。
古くからそうやって人が住んでいたのですから、やはり住みやすい気候や土地柄だったんでしょうね。
私が、兵庫県からわざわざ楠木の史跡を訪ねてきたと知ったボランティアの人は、いろいろ気を遣って下さって、資料館で作ってる地図とか、解説用絵本とかまで引っ張り出してきて下さいました。いやほんと、皆さん人情味たっぷりでとっても親切。次々あれこれと出して下さるのが、ちゃっちゃとする大阪人らしい(笑)。同じ親切でも、飛鳥とかだと、もっとゆったりほっこり系な気がしますけど。
これから四条畷神社へ行って、そこから飯盛山に登りたい、とお話したら、そのルートもいろいろ教えて下さいました。
そのボランティアの人も、楠木正行のことを調べようとして、以前に田中俊資さん著の小説「楠正行」を買って読んでいらしたとのこと。私も持ってます~!と言うと、「あれはなかなか見つからないのに、すごいね~!」と感心されました。ハイ、だって廃版になってしまってるので、ネットで古本屋を探し回りましたもん(爆)。

親切なボランティアの人に御礼を言って、いよいよ四条畷神社へ向かいました。
神社までは、正行の墓地と、駅とを結ぶ商店街の、さらに延長線上。商店街がそのまま参道になってます。
坂道をえっちらおっちら登っていくと、突き当たりに四条畷神社。階段を上って境内に着くと、ありますあります、菊水の御紋が。
小楠公正行、弟の正時、従兄弟の新発意、そのほか戦いに殉じた武士20数名が祀られています。
本殿の隣には、正行たち3兄弟の母上、久子ママを祀った社も。父の亡き後も3兄弟を立派な武将に育て上げた賢母として、子育ての神様として祀られているとのこと。
境内には、有名な‘桜井の別れ’を模した石像が。
正成が湊川の戦いへ向かう前に、そのとき初陣だったまだ幼い正行を連れて行くに忍びず、訓戒を告げて河内へ帰した、というエピソードのままに、正成パパと子供の正行くんが向かい合って座っていました。

太平記の世界たっぷりの空間(たとえそれが著しく南朝に偏っていようと/笑)を堪能したあと、さぁいよいよ飯盛山登山へと歩き始めました。


コメント
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